日本の梅雨は、雨の静けさに風情を感じる季節です。
けれど、旅人にとっては、少し憂鬱な時期でもあります。
そんな6月、Nazunaでは“雨の日を楽しむ体験”として、
西陣織を使った「てるてる坊主作成体験」を実施します。
そしてこの企画、実は本部からの指示ではなく――
あるスタッフのアイデアから始まりました。
店舗主導で生まれた「てるてる坊主作成体験」
Nazunaでは、スタッフ一人ひとりの「やってみたい」を大切にしています。
今回のイベントも、とあるスタッフが、「この時期だからこそできる体験をつくりたい」と声をあげたことがきっかけでした。
Nazunaらしい“おせっかい”がつまった体験
Nazunaでは、「滞在そのものが記憶に残る体験」となるよう、
お客様一人ひとりに寄り添った“おせっかい”の心を大切にしています。
今回の体験にも、その想いが随所に込められています。
① 世界にひとつだけの作品を
かつて帯として使われていた西陣織の布を、スタッフが丁寧にほどき、一枚一枚の布をてるてる坊主の素材として活用。
柄も、色も、風合いも異なるため、完成するてるてる坊主はすべてが一点もの。まさに“自分だけの作品”です。
「どうせなら、記念になるようなものを」
「せっかくなら、持って帰って語れる体験を」
そんな気持ちを込めて、素材選びから手間を惜しまず、スタッフが準備をしています。
② “日本らしさ”を体験するおまじない文化
てるてる坊主は、古くから親しまれてきた「晴れを願う」おまじない。
今では少し懐かしい風習ですが、訪日のお客様にとってはとても新鮮な存在でもあります。
日本の風習と、京都の伝統文化を組み合わせることで、
Nazunaならではの体験をお届けしています。
③ 旅の記憶をご自宅でも
てるてる坊主は、お客様にそのままお持ち帰りいただきます。
お部屋に飾っていただくことで、ご自宅でもNazunaでのひとときを思い出していただきたい――
そんな願いも、この体験には込められています。
今回この体験を企画したのは、現場で日々お客様と向き合っているスタッフのひとり、友野佑佳さん。発案の背景や込めた想いについて、お話を伺いました。
発案者の声
きっかけは、「京都らしさ」と「高級感のある特別な体験」をお客様に提供したいという想いからでした。雨の日という、旅人にとっては少し残念にも感じられる瞬間を、「雨だからこそできる!」とポジティブに捉えていただけるような、そんな体験ができないかと考えていたのです。
そこで着目したのが、どこか懐かしく温かい存在である「てるてる坊主」でした。そして、その素材に選んだのが、京都が世界に誇る伝統工芸・西陣織です。誰もが知るおまじないと、格式ある工芸品――このふたつを組み合わせることで、“京都らしさ”と“遊び心”を兼ね備えた、唯一無二の体験が生まれるのではと考えました。
私たちが願うのは、お客様がこの体験を通じて、雨の日の京都を特別な思い出として感じていただけること。「今日は雨でラッキーだったね」と、そんなふうに思ってもらえるような気持ちの転換が起きたら、本当に嬉しいです。
イベントに向けては、お客様が手に取った瞬間にワクワクしていただけるよう、素材の選び方や演出の細部にまでこだわっています。どんな反応が返ってくるのか、今からとても楽しみです。
そして何より、Nazunaの現場では、こうしたアイデアを自らの手で形にできる裁量があることが、大きなやりがいにつながっています。お客様の声やその場の空気感に応じて、柔軟に動けるというのは、私たちの現場ならではの強みだと感じています。
お天気さえも味方につけるような、少しユニークで、心があたたまる体験。ぜひ、実際に手に取って、その空気を感じてみてください!
Nazunaが大切にしているのは、「自分たちの手で、お客様の記憶に残る時間をつくること」。
雨の合間にふと空を見上げて、
手のひらサイズのてるてる坊主を見つめながら、
Nazunaでの滞在を思い出してもらえたら――
そんな体験を提供できたらと考えています。