「形に残る仕事がしたい」生物系からアニメ業界へ転身、CompTownで掴んだ成長と、仲間と目指す世界の舞台 - アニメーター 安田 航平
「正直、アニメ業界のことはよく知らなかったし、不安の方が大きかったんです。」
かつて生物系の専門学校で学んでいた安田航平さんは、大きなキャリアチェンジを経て株式会社CompTown(以下、CompTown)のアニメーターとして活躍しています。入社から3年、動画から原画、さらにはサブキャラクターデザインまで任されるほどの成長を遂げました。CompTownの「妥協のない作品作り」と「チームで高みを目指す文化」が、彼の不安を情熱に変え、アニメーターとしての道を照らしています。この記事では、安田さんのユニークなキャリアパスと、CompTownで働くリアルな魅力に迫ります。アニメ業界に一歩踏み出したいけれど不安を感じている方、CompTownという会社に興味がある方にとって、具体的な働き方や成長の可能性を感じられるストーリーです。
プロフィール
- 安田 航平(やすだ こうへい)氏
- 株式会社CompTown アニメーター(2023年新卒入社)
- 生物系の専門学校を卒業後、アニメーションの世界へ転身。CompTownでは、動画、第二原画、原画、サブキャラクターデザインなど、幅広い業務を経験し、若手ながらも制作の中核を担う。ジブリ作品に影響を受け、質感や動きで感情を伝えるアニメーション表現を追求している。
目次
プロフィール
生物系の道から一転、アニメーターへの挑戦。「何かを形に残したい」という想いに導かれて
CompTownとの運命的な出会い。「ここならワクワクできる」と直感
入社3年で原画、サブキャラデザインも。チャンスと成長に溢れる環境
ストイックさと優しさが同居する。CompTownの「人」と「文化」
現実と地続きの壮大な物語を。仲間と共にオリジナル作品の頂へ
「本気でアニメと向き合いたい」あなたへ。CompTownで待っています
生物系の道から一転、アニメーターへの挑戦。「何かを形に残したい」という想いに導かれて
ーー本日はよろしくお願いいたします。安田さんは、現在CompTownでアニメーターとして活躍されていますが、最初からアニメ業界を目指していたわけではないと伺いました。
よろしくお願いします。そうなんです。実は、アニメの専門学校に入る前は、生物系の専門学校に通っていました。そのまま行けば、製薬会社などに就職していたかもしれません。当時はアニメの制作現場のこともよく知らなくて、ジブリ作品は昔から好きでよく見ていましたが、それを仕事にするなんて考えてもいませんでしたね。
小さい頃から絵を描くこと自体は好きで、よくジブリのキャラクターを真似して描いては、祖母に見せて喜んでもらっていました。でも、高校も生物系に進んだので、一度は絵から離れていたんです。
ーーそこからアニメーターの道へ進むことになった、大きな転機は何だったのでしょうか?
生物系の専門学校に在学中、20歳くらいの頃だったと思いますが、新海誠監督の『天気の子』を劇場で観たんです。その時、明確な理由があったわけではないんですが、「見る側よりも、作る側、関われた方がすごいじゃないか」 と強く感じて。漠然とですが、「このまま普通の人生で終わりたくない、何かを形に残したい」という気持ちが芽生えたのがきっかけです。
ただ、その時点ではまだ「アニメーターになりたい」と明確に思っていたわけではありませんでした。映画を見て感動したのは物語の方だったので、最初は脚本家のような仕事に興味を持ちました。でも、同じ学校内にアニメの専門課程があったので、そこの先生に話を聞く機会があったんです。その先生がたまたまアニメーター出身の方で、アニメーターという仕事の魅力を熱心に語ってくれて。宮崎駿監督も、監督としてだけでなく、優れたアニメーターでもあるという話を聞き、アニメーターから監督への道もあるんだと知りました。作品作りにおいて作画は不可欠ですし、元々絵を描くことが好きだったこともあり、「これが一番いいかもしれない」と思い、アニメーターのコースを選びました。
ーー大きな方向転換だったと思いますが、不安はありませんでしたか?
もちろん、めちゃくちゃ不安でした。 全く違う分野への挑戦だったので、ワクワクよりも不安の方が大きかったですね。アニメ業界について調べると、どうしても「ブラック」みたいな話が出てくるじゃないですか(苦笑)。当時はそれを真に受けて、「カイジみたいな生活をしなきゃいけなくなっちゃうんじゃないか」と本気で思っていました。
でも、それ以上に「何かを作って、自分自身を作品として残したい」という気持ちが強かったんだと思います。その想いが、不安を乗り越える力になりました。
CompTownとの運命的な出会い。「ここならワクワクできる」と直感
ーー専門学校を卒業後、新卒でCompTownに入社されたのですね。数あるアニメ制作会社の中からCompTownを選んだ理由は何だったのでしょうか?
実は、最初からCompTownを志望していたわけではないんです。第一志望の会社の実技試験が12月末と遅くて、他の会社から内定をいただいていたものの、その結果を待ちたいと思っていました。でも、時期的に内定を保持できる期限が来てしまって…。そんな中、第一志望だった会社からは残念ながらご縁がないという結果が届き、12月末という時期もあって「どうしよう」と。
異世界ものよりも現実ベースの作品が好きだったので、そういった作品を手掛けている会社を探していたのですが、なかなか見つからなくて。そんな時、学校の先生が紹介してくれたのがCompTownでした。代表の山村さんの面接を受けたのが、本当に入社する2〜3週間前くらいだったと思います。
ーーCompTownは2020年設立と、当時はまだ新しい会社だったと思いますが、不安はありませんでしたか?
確かに、設立間もない会社で、元請け作品もまだ世に出ていない時期だったので、情報は少なかったです。でも、面接で山村さんが「これから立ち上げて頑張っていくぞっていう人がいい。一緒に会社を大きくしていきたい」と熱く語ってくれたんです。その言葉を聞いて、「ずっと前からある大きな会社よりも、これから成長していく会社の方がワクワクするな」 と感じました。
それに、新人育成の体制がしっかりしている点も魅力でした。入社後の研修制度について聞き、新人に対して手厚いサポートがあることに「いい会社だな」と。最終的にいくつかの会社からお話をいただきましたが、他の会社が手掛けている作品や雰囲気を見て、「CompTownで良かった」と心から思っています。落ちて仕方なく来たというより、ここが自分に合っている場所だったんだろうなと、今振り返ると思いますね。
入社3年で原画、サブキャラデザインも。チャンスと成長に溢れる環境
ーーCompTownに入社されてから、現在(インタビュー当時2025年5月)で3年目とのことですが、どのような業務を担当されてきましたか?
最初は動画からスタートし、その後、第二原画(以下、二原)を経験し、最近では初めて原画とサブキャラクターデザインも任せてもらいました。まさかこんなに早く色々なことを経験できるとは思っていなかったので、サブキャラデザインの話が来た時は「えっ!?」と驚きましたね(笑)。
ーーすごいスピード感ですね!仕事のやりがいや、印象に残っていることはありますか?
動画や二原はある程度数をこなしてきたので、作業としての側面も感じることがありますが、それでも自分が描いたものがスムーズに動いた時はやっぱり嬉しいです。特に二原くらいから、ラフな原画に対して演出の意図を汲み取りつつ、自分なりに「もっとこうしたら良くなるんじゃないか」と動きを加えられる余地があるので、それが上手くハマった時は「いいじゃん!」って心の中でガッツポーズですね。
原画やサブキャラクターデザインはまだ始めたばかりなので、一つ一つが新鮮で、大きなやりがいを感じています。大変なことも多いですが、自分が関わった作品が放送されて、エンドロールに自分の名前が載った時は、やっぱり感慨深いものがありました。 最初は名前が載ること自体が嬉しかったですが、最近は「あそこの動き、もっとこうできたな」と反省するようにもなりました。それも成長の証なのかなと思っています。
ーー入社前に抱いていたアニメ業界のイメージと、実際に働いてみてのギャップはありましたか?
一番大きかったのは、待遇面での良いギャップですね。入る前は、アニメーターの仕事は本当に食べていくのも大変だと覚悟していました。実際に、会社説明会などで他の会社の話を聞くと、動画1枚あたりの単価が信じられないくらい低いところもあると知って、さらに不安になったりもしました。
でも、CompTownに入ってみて、山村さんがクリエイターの待遇改善に力を入れていることを実感しました。もちろん、業界全体がホワイト化に向かっている流れもあると思いますが、それでもCompTownは業界標準よりも少し上を目指してくれていると感じます。おかげで、お金の心配をせず、安心して仕事に打ち込める環境があるのは本当にありがたいです。
ーーそれは素晴らしいですね。安田さんは普段、淡々とされている印象がありますが、仕事へのモチベーションはどこから来るのでしょうか?
いや、実は感情の浮き沈みは激しいタイプなんです(笑)。表に出さないだけで、自分の感情に流されやすいところもあって。モチベーションという意味では、やっぱり**「良いものを作りたい」という気持ちが一番大きい**ですね。
特に自社で制作している作品に関わる時は、「みんなで一つのものを作り上げている」という感覚がダイレクトに伝わってくるので、それが大きなモチベーションになります。他社さんの作品を手伝う時も、自分が目指しているジブリ作品のような「物の感覚が伝わる」アニメーションを表現したいという想いが原動力になっています。
そして、一人で家で作業していたら、きっとここまで続けられなかったと思います。専門学校時代に見たジブリのドキュメンタリーで、スタッフみんなで泊まり込みで制作している姿を見て「面白そうだな」と感じたように、チームで作品を作るということに魅力を感じてこの道を選んだので。CompTownの仲間と共に、一つの目標に向かって進んでいけることが、日々の大きな支えになっていますね。
ストイックさと優しさが同居する。CompTownの「人」と「文化」
ーーチームで作品を作ることの魅力を感じているのですね。社内のメンバーとの関わりで大切にしていることはありますか?また、上司である総作監の西畑さんや、制作進行の江村さんはどのような方ですか?
本当はもっと積極的にコミュニケーションを取りたいんですが、人見知りな部分があって、会社に来るとなぜかオープンになりきれない自分がいます(苦笑)。でも、後輩とご飯に行った時などは、もっと素の自分で話せていると思います。
総作画監督の西畑さんは、本当に真面目で、作品に対して強い愛情を持って向き合っている方です。以前、CompTownが制作した『ミギとダリ』について、「我が子のように思っていた」と語っていたのを聞いて、その作品への深い想いに感銘を受けました。そういう方の下で働けるのはすごく嬉しいですし、仕事で相談がある時も、もちろん聞きやすいですし、的確なアドバイスをくださいます。
制作進行の江村さんは、入社当初、電話対応なども含めて「大丈夫かな?」と心配になるくらい初々しかったのですが(笑)、今では本当にしっかりしていて、立派な制作進行さんです。見習うべきところが多いですね。
社内の雰囲気としては、誰かに何かを聞かないと分からない状況の時に、聞きづらい、話しかけづらいという空気はあまりないと思います。もちろん、相手がものすごく集中している時は気を遣いますが、基本的には快く教えてくれます。結局は自分の「聞きにくいかな…」という心の持ちようの問題かもしれません(笑)。
代表の山村さんもおっしゃっていましたが、CompTownのメンバーはみんなストイックだと感じます。ワンカットワンカットに対して、絶対に手を抜かない。それは西畑さんを筆頭に、若いアニメーターにも浸透しているイズムだと思います。「作業としてこなす」のではなく、「ちゃんと向き合って、その時の葛藤と戦って仕事をする」 という姿勢が根付いていますね。そういう人と一緒に働く方が、単純に気持ちいいですし、お互いを高め合えると感じます。
ーーCompTownでアニメーターとして働く一番の魅力は何だと感じますか?
まず、作品に真剣に向き合っている、熱量の高い人たちと一緒に働けることです。これは会社全体に言えることですね。
そして何より、やる気があれば本当に大きなチャンスを与えてくれる会社だということです。僕自身、入社して間もないうちからサブキャラクターデザインを任せてもらえたように、他の会社では考えられないようなスピードで経験を積ませてもらっています。もちろん、その分プレッシャーも大きいですが、何かをやる前はすごく怖くても、やってみた後は意外と大丈夫になる。その経験をたくさんさせてもらえるので、新しいことに挑戦するハードルがどんどん下がっていくのを感じます。大手だと埋もれてしまう可能性もある中で、CompTownでは若手でも打席に立てるチャンスが断然多い。 それが一番の魅力だと思います。
現実と地続きの壮大な物語を。仲間と共にオリジナル作品の頂へ
ーー今後、アニメーターとして、またCompTownの一員として、どのような目標を持っていますか?
個人的には、まずは原画を当たり前にこなせるアニメーターになることが目標です。その上で、いつかは監督にも挑戦したいですね。作りたい作品のイメージとしては、自分がこれまで見てきたジブリ作品のように、現実世界をベースにしながらも、どこか壮大さを感じさせるオリジナル作品を手掛けたいです。現実で起こりそうなこと、起こりうることを題材にしつつ、少しSFの要素が入っているような、見終わった後に何か心に残るような物語を創れたら最高ですね。
会社としては、以前、山村さんが食事の席で「オリジナルの映画作品を創って映画祭で賞を取りたい」と話していたのが印象に残っています。そのくらい大きな目標を会社として掲げていることにワクワクしますし、自分もその一翼を担えるように成長していきたいです。 みんなで受賞して、その舞台に立ちたいですね。それが今、想像できる一番大きなゴールです。
「本気でアニメと向き合いたい」あなたへ。CompTownで待っています
ーー最後に、CompTownに興味を持っている方、特に未経験からアニメ業界に飛び込みたいと考えている読者に向けて、メッセージをお願いします。
僕自身、ワンカットワンカットに対して「絶対に手を抜きたくない」「向き合っていないとは絶対に言えない」という気持ちで取り組んでいます。 だから、同じようにストイックに、真剣に作品と向き合える人と一緒に働きたいですね。そういう人の方が、お互い気持ちよく仕事ができると思います。
スキルももちろん大切ですが、それ以上に**「同じ方向を向いて頑張れるか」** が重要だと感じています。CompTownは、みんなと合わない人は採用しないと言っているくらい(笑)、人間関係が良く、みんなで助け合える雰囲気があります。実際、去年、新卒採用の際に実力は十分でも、チームの輪を乱す可能性のある方の採用を見送ったと聞きました。それくらい、チームワークを大切にしている会社です。
未経験の方にとっては、新しい世界に飛び込むのは不安が大きいと思います。僕もそうでしたから。でも、CompTownには、新人をしっかり育てようという文化と体制があります。 そして何より、「本気でアニメをやりたい」という情熱があれば、いくらでもチャンスを与えてくれる会社です。
僕自身、最初は「カイジみたいな生活」を覚悟していましたが(笑)、実際はそんなことはなく、むしろ業界の待遇改善の波をリードしようとしている会社だと感じています。
もしあなたが、「とにかくアニメが好きで、とことん突き詰めたい」「チームで何かを成し遂げたい」「自分の手で、人の心を動かす作品を創りたい」 そういう熱い想いを持っているなら、CompTownは最高の環境だと思います。不安を乗り越えて一歩踏み出せば、きっと僕のように「最高の選択だった」と思える日が来るはずです。一緒に働ける日を楽しみにしています。
いかがでしたか?
生物系という全く異なる分野からアニメーターという夢を追い、株式会社CompTownでその才能を開花させつつある安田航平さん。その言葉の端々からは、アニメーションへの真摯な向き合い方と、CompTownという環境への信頼、そして仲間と共に高みを目指す純粋な想いが伝わってきました。特に、未経験者や若手であっても、情熱と実力次第で大きなチャンスを掴めるというCompTownの文化は、これからアニメ業界を目指す方々にとって大きな希望となるのではないでしょうか。「ストイックな仲間と共に、最高の作品を創り上げたい」そんな熱意を持った方のご応募を、CompTownは待っています。