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インフォバーンのコアは“チャレンジャー”であり続ける精神:IBX部門長・羽村悠己のA面

インフォバーンには、企業のマーケティング・コミュニケーション支援を担う「IBX(Infobahn Experience)」と、企業の製品開発やサービスデザイン支援を行う「IDL[Infobahn Design Lab.]」の二つの事業部があります。今回は、その「IBX部門」の部門長を務める羽村悠己(はむら・ゆうき)さんのインタビューをお届けします。

この記事では、いわばレコードの「A面」として、IBX部門の事業内容や、部門長として考えれている今後の展開を中心にお伝えします(※羽村悠己自身についてお伝えする「B面」の記事はこちら)。

「Webディレクター(制作職)」や「アカウントプランナー(企画営業職)」として、長年プレイヤーとしてもインフォバーンで活躍されてきた羽村さん。インフォバーンならではの仕事の面白さ、IBX部門長としての課題感や展望をうかがったことで、転職やフリーランスも経験し、元来「組織」に所属するのが苦手だったはずの羽村さんが、「なぜ10年以上もインフォバーンで働き続けているのか」が見えてきました。

「そのとき、“インフォバーン”の歴史が動いた」……初の「企業のメディア化」提案 in 2011

▲2時間超におよぶ編集部の取材に対し、事業からプライベートの話まで、どんな質問にも率直に語ってくださった羽村さん。

――いまではIBX部門長を務められている羽村さんですが、インフォバーンに中途入社してからプランナー/ディレクターとして関わった案件として、特に記憶に残っているものはなんでしょうか?

なかなか選ぶのも難しいですが、「インフォバーンの歴史が動いた」という意味で、すごくよく覚えているのは、インフォバーンとして初めて「オウンドメディア(※1)」施策の提案をした案件ですね。2011年ごろの話です。

もともとは、インフォバーンの役員がクライアントの方と話をしていて、「『教えて! goo』のようなことをやりたい」というオーダーを受けていたんです。「インタラクション性がある課題解決型のサイト」というイメージですね。ただ、僕はそれを聞いたときに、何かが違うと思って、いったん「考えます」と時間をもらいました。
それで悩んでいるときに目に飛び込んできたのが、『メディア化する企業はなぜ強いのか?』(※2)というこばへん(※小林弘人。インフォバーン共同創業者で代表取締役会長)が書いた本だったんです。この本を最初に読んだときは、「なるほど」とは思っても、すぐに仕事につなげるイメージはできてなかったんですけど、そのときは表紙を見た瞬間に「これだ!」と閃きました。それで「メディア化の提案をします」と役員に伝えたところ、「確かにそれはいいね」と賛同してくれて、その提案にクライアントの方も乗ってくださり、結果的にそれが初めてのオウンドメディア制作の案件になりました。

※1 オウンドメディア:「ペイドメディア(Paid Media)」 「アーンドメディア(Earned Media)」 と合わせ、3つのメディア・マーケティング戦略として提唱された一つ。広報誌やパンフレット、自社サイトやブログ・SNSなど、企業“自ら”が持つ「メディア」のこと(Owned Media)。
※2 『メディア化する企業はなぜ強いのか?』:小林弘人/2011年/技術評論社。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌といった従来からあるメディアへの広告出稿を考えるだけではなく、ウェブを利用して企業自らメディア化していくマーケティング戦略を説いた一冊。

――クライアントの方から、よくOKをいただけましたね!? その当時だと、そもそも「メディアを持つって、新聞とかテレビとかじゃなくて?」「オウンドメディアって何?」という反応が来そうですし、どのように提案されたんですか?

クライアントから質問が出たら、逐一「こういうことです」と本当に一つひとつ丁寧に説明していきました。確か「オウンドメディア」という言葉も極力使わずに言い換えて説明していたと思います。

それと当時はちょうど、インターネット広告の効果に対して懐疑的な声が一部で聞こえてきていた背景もあったと思います。Twitterも普及し始めていましたから、個人による発信力が強くなってきていました。「もはや今の時代は、企業からの一方的なメッセージでは生活者に届きません。情報の力が生活者主体へと変化しています。そんな個人がメディアになっていく時代なのに、これまでと同じコミュニケーションをしていてはまず届きません。だから、生活者に寄り添った情報発信をしましょう」。まず最初に、そうした説明からしていました。

だから、「営業トーク」ですらないんですよね。いきなりビジネスではなく、世の中に流れる文脈から説明していくという、大げさに言えば「啓蒙」に近い提案。それが本当に最初のスタートでした。

――いまではクライアントの方から、インフォバーンに対して「オウンドメディア構築」や「コンテンツマーケティング(※3)」を想起されることも多いと思いますが、そこから事例が増えていったんですね。

そのころからオウンドメディア関連の案件は増えていったんですけど、実はインフォバーンから、「コンテンツマーケティング」とか「オウンドメディア」という言葉を使って積極的にブランディングをしてきたという意識は、いち社員としてはあまりないんです。とにかく仕事のうえで、そうした時代の潮流を説明していくうちに、会社のネットワークとしてさまざまな業界の方々と話す機会も多いので、しだいに周りから「これからマーケティングで重要なのはコンテンツだ!」という声が大きくなっていって。すると、「コンテンツマーケティングならインフォバーン」というように、自然と声がかかってくるようになったんです。

本当に、そのころはひっきりなしに相談が来ました。ただ、その中には依頼をお断りしたり、RFP(※提案依頼書)とは違った提案をしてお仕事につながらなかったりしたこともありました。
インフォバーンは「メディアというものは何か」という視点を大事にしているからこそ、たとえば「広告の代替手段となるものを」とか、「集客だけを目的にとにかくSEO対策をした記事を」といったご依頼に対しては、お応えできなかったことも多かったと思います。

ただそれでも、一度失注したプロジェクトの担当者の方から、1年以上経って「やっぱりインフォバーンさんがおっしゃっていたことが正しかったです」とご連絡いただいて、改めてうちが担当することもありましたね。
昔からインフォバーンの姿勢として、「本質的な提案をしよう」ということを心がけているんです。会社のフィロソフィーとして「One from the authenticity」という言葉を掲げているのも、その表れかもしれませんね。

※3 コンテンツマーケティング:テキストや動画などの「コンテンツ」を公開することで、消費者の興味を引き、リード獲得やブランディング、ファン形成などを狙うマーケティング手法。

直案件が増えたのは、企業としての成長の証

――もちろんビジネスとして失注は避けたいところですが、「本質的な提案をする」ことで最終的にクライアントの方に信頼していただけるというのは、会社冥利に尽きますね。
ひと口に「コンテンツマーケティング」といっても、クライアントによって求めるコンテンツもさまざまだと思うのですが、どのようにして期待に応えてきたのでしょうか?

特定の知識がないと理解できないような業界のコンテンツや、新しい概念や手法を広めていく活動など、知識をアップデートしないと対応できないプロジェクトの場合、僕だけでなくプロジェクトメンバー、とくに編集を担当するコンテンツディレクターの力量が問われます。
クライアントに関わる特殊な資料はもとより、背景にある業界、社会の動向、現在にいたる流れ、これから起こる未来予測などをゼロから理解したうえで、伝えたい相手に合わせて編集し、コンテンツ化する必要があるんです。
インフォバーンには出版社や新聞社出身で、若いときから編集の技術、マインドを叩き込まれている人も多いので、そういうプロ意識の高いメンバーと一緒に侃々諤々(かんかんがくがく)と議論しながら仕事をするのが僕は好きですし、そうしてつくったものはクライアントに満足いただけることが多いですね。

▲音楽、漫画、お笑いなどサブカルチャーにも造詣が深い羽村さん。部下に対して、「行きたいフェスなどあったら、気軽に有休を使って参加してほしいね」と語っていました。

――代理店と組む案件とクライアントから直接に依頼される案件だと、昔は代理店案件が多くて、いまは直案件が多いですよね。その理由はどこにあると思いますか?

昔と比べて業界におけるインフォバーンの認知度が高くなったこと、マーケティングとして求められる内容自体が昔と変わったことなど、理由はいくつかあると思いますが、個人的にはクライアントと対話ができるメンバーが増えたことが大きいと思います。

そもそも僕らの役割は「企業の課題を解決する」ことであって、あくまでもそのための「手段」としてコンテンツを活用しているんです。コンテンツマーケティングに取り組むことが決まっていたり、使う予算が確保されていたりと、取るべき手段が明確になっているのであれば、あとはどう実現するか具体的な施策を考えていけば良いんですが、僕らの仕事の場合、そういったことはむしろ少ないんです。
あくまでお声がけいただくきっかけがコンテンツマーケティングだったりするだけで、本当に必要な施策は何なのか、課題はどこにあるのか、そういったことを話すことからプロジェクトがスタートしていきます。

これまで代理店の方々が担っていたことが、徐々にできるようになってきたんでしょうね。どうやるのかだけではなく、なぜやるのか、その合意形成から関わることができるようになっていったんです。

――そうなると直接クライアントに向き合う、いわゆる「アカウントプランナー(※企画営業職)」のような存在が直案件だとすごく大事になりますよね?

そうです、すごく大事なんです。僕が入社した10年以上前は、アカウントプランナーのような存在がほとんど社内にいなかったんですが、そこから徐々にではありながら、会社としてその力がついていっている実感はあります。
記事更新型のオウンドメディアというのは、構築したあと運用していくことについては、編集者を中心としたチームでも成り立つこともあるんですが、立ち上げるまでには優秀なアカウントプランナーがいるかどうかが非常に重要になってきます。いや、アカウントプランナーという役職がいるかどうかより、「顧客との対話から仕事をつくる役割を果たせる存在が重要」という言い方のほうがしっくりくるかもしれません。
IBXの場合、この役割を担うのはアカウントプランナーだけでなく、コンテンツストラテジストやディレクターが兼任することも多いです。僕自身、インフォバーンでのキャリアをスタートしたときはWebディレクターという肩書でしたが、それに自分自身が囚われすぎたり、会社から型にはめられたりするようなことがなかったことで、良いキャリアを積めたんだと思っています。

インフォバーンは「オープンワールドRPG」のように成長できる環境

――世の中でも、これからのキャリアプランとして「掛け算的なスキルセット」が重要だとよく語られますよね。その点では、規模的に大企業でもなく、かっちり専門分化した縦割り組織でもないインフォバーンに入社したら、幅を持ったスキルを獲得する余地はありそうですね。

非常に獲得余地は広いと思いますよ。実際に、僕を含めて長く働いている社員は、仕事の経験を積むなかで自然とスキルが広がっている人ばかりですし。

ただ、自分の意思を持って一本道のキャリアを選択していくのか、ある種、波に巻き込まれるような形で能力を開花させていくのか、そこの判断は必要だと思います。僕にとってインフォバーンは、そこのバランスがちょうど良いんですよね。RPGゲームで言えば、「オープンワールド」モノのような自由さがある。
だから、「言われたことをやればいい」というマインドだと、何をやればよいかわからず、時間だけが過ぎていってしまうかもしれません。人によっては、不安になる環境だと思います。
それに変化が激しい業界なので、「初めての経験」となる仕事も多いです。誰にも正解がわからないことを、クライアントと一緒になって悩みながら進めていくこともあります。その波に巻き込まれたら、必然的に新しいスキルが必要になってきますよね。
ある種の手探り感を持ちながら、前向きに頑張る。常に自分自身を環境の変化に適応させていく。すると新しいスキルが獲得できる。僕はそういう環境だからこそ、インフォバーンを選びましたし、これまで不満もなく、やりたいことを自由に決断してやってこられました。

スキルを掛け算して高めた価値というのは、社内だけでしか通用しないものではありません。だからこそ、インフォバーンを辞めてからも活躍している人がすごく多いのだと思います。「VUCA(※6)と言われる時代には、まさにピッタリな会社だ」とは本気で感じますね。

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※6 VUCA:「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字をつなげ、時代相を表した言葉。

――「スキルの幅」について話をうかがいましたが、IBX部門はしばらくユニット制を敷いていて、さまざまな職能の人材が同じユニットに在籍する形を取っていましたよね。そうしたユニットで分けたマトリクス型組織か、シンプルな職能別の機能型組織か。部門内の組織設計についてはどう考えられているのでしょうか?

これは一長一短で、どちらが良いというものではないですね。これまでにもインフォバーンでは、何度も組織編成は変わってきました。

そんななかでも、しばらくマトリクス型にしていたのは、次世代を担うマネージャー層にさらに力をつけていく経験を積んでほしいと考えたからです。代表取締役社長の田中準也は、「二つ上の視座を持って、一つ上の行動をしてほしい」と常々言っていますが、15人前後のチームを率いて継続的に売上を立てていくためには、それこそ経営者的な視点も持たなければなりません。これまで現場で培ってきたスキルや知識だけでは通用しなくなりますし、単に売上を立てるだけでなく、教育や採用などにも主体的に関わっていかなければなりません。
インフォバーンのマネージャーには「事業を担う」ことが求められるので、僕にとってそれは「会社を経営する」ことと同じ覚悟を持つ必要があると考えています。そう考えると、同じ部門の中でもそれぞれのマネージャーが率いるユニットごとに異なる色が出るのは当然で、提案が強いチームでも良いし、営業が強いチームでも良いし、下支えするチームでも良い。そこはマネージャー個々人のカラーを出しながら、それぞれが協力もできるようになればとても強い組織になるだろうと、そうした将来を見据えてマトリクス型にしていました。

逆に職能ごとに分けると、職能におけるノウハウ共有がしやすくなります。一番のメリットはそこですね。マトリクス型が機能してきたなかで、いまは職能的なスキルアップをすることによる部門全体のチーム力向上にも目を向けるようになってきました。だから、来期からは職能型に再編する予定です。

とにかく一長一短なので、「組織編成の正解は絶対にこれ」と硬直させずに、場面場面で判断するようにしていますね。

クライアントの挑戦を応援するために、自身もチャレンジャーであれ!

▲インフォバーン本社1階の共有書棚から本を取り出して読む羽村さん。インフォバーン社員は書籍を1割引きで購入でき、かつ業務上の参考になる図書は経費で入手可能。

――逆にインフォバーンが苦手とすることは何かあるでしょうか?

正直なところ、クライアントとは長期的な付き合いを前提に依頼を受けてきたこともあって、突飛なアイデア、一過性のキャンペーン的なもの――平たく言うと、SNSでバズを起こすような施策――は、あまり得意ではないかもしれません。
あと、先ほども「SEO対策のために」といったご依頼はお断りすることも多いと話しましたが、インフォバーンは「効率的に記事を更新する」「コンテンツを量産する」といった志向ではなく、コンテンツ一つひとつの内容に対するこだわりを持って取り組める仕事を受けていることが多いと思います。

なので、たとえばSEO施策に特化したコンテンツ制作を中心に経験されてきた方や、オペレーティブな進行での制作に慣れた方がインフォバーンに入社されたら、制作における大変さや難しさの方向性が、それまでと違って感じられるかもしれません。実際にインフォバーンに中途入社したコンテンツディレクターからは、「初めのうちは難易度が高いと感じた」という声をよく聞きますね。
非常に抽象的な話からプロジェクトがスタートすることもありますし、「なぜこの施策が必要なのか」を企画段階から考えて説明しなくてはいけないので、人によって合う合わないはどうしても出てくると思います。

そもそもインフォバーンは、出版社として創業してから果敢にWeb領域に参入していったように、昔から常にチャレンジし続けてきた会社なんです。それは、クライアントに対するチャレンジも含みます。冒頭にお話ししたオーダー通りではない「メディア化の提案」も、まさにそうじゃないですか。
「これをやったら成功する」という決まったものがクライアント側にもないなかで、それに「一緒にチャレンジする」というポジションで仕事をすることが多いんです。

ある案件で経験したことを例としてお話すると、プロジェクトの内容が固まってきた段階で、それまでお話を進めてきた部署とは異なる部署の方も参加されるようになって、「オウンドメディア? 記事? 何をしようとしているの?」という質問をされたんです。当時は先進的な取り組みだったからこそ、大きな費用をかける価値があるのか疑問視されたんですね。
そのときに僕は、「なぜ御社がこの施策をするべきなのか、チャレンジする必要があるのか」ということを、理解していた事業戦略から紐解きつつ改めて説明していきました。そこに同席した後輩からは、「クライアント側で社内調整すればよい話なんだから、羽村さんからそこまで説明する必要はないんじゃないですか?」と、あとになって尋ねられたんですけど、「それは違うよ」と答えた思い出があります。
インフォバーンはパートナーであろうとしているわけだから、「クライアントの内部の問題」で済まさずに、自分自身も本気でコミットして話す、話せる必要があるんです。そうでなければ、パートナーとして認めてもらえないと思っていますし、少なくとも逆の立場であれば僕はそう考えます。これは昔の会社の上司の受け売りなんですけどね(笑)。

クライアントの挑戦に伴走するためには、自分たち自身もチャレンジャーである必要がある。そのスタンスは僕が入社してから一貫して変わっていないと思います。

――そんなチャレンジし続けるインフォバーンの基幹部門であるIBXとしては、これからどういう事業を展開していこうと考えられていますか?

「オウンドメディア」という文脈では、最近だと「オウンドメディアはブームだった」ということも言われているようです。でもそれは、「オウンドメディア」や「コンテンツマーケティング」が表層的にとらえられていたからこそ、そういう議論になっているんだと思います。
「オウンドメディア」という言葉の本来的な意味、「自社が所有するメディア」という意味でとらえていれば、何も記事を更新していくようなWebメディアだけでなく、自社が運用するSNSアカウントなどのチャネルや、リアルな店舗、所属する社員の方々さえもオウンドメディアとしてとらえることができます。

そして、それらオウンドメディアを通じて生活者と対話をするためには、コンテンツやストーリーが重要だということは変わらないですし、むしろ今まで以上に重要になっていると感じます。
そういった流れに対してインフォバーンとしては、改めて「企業のメディア化」の重要性を提唱していこうと考えています。『メディア化する企業はなぜ強いのか?』を自分たちで現代に合わせて再解釈しようという動きです。

インフォバーンにおける「企業のメディア化」とは、企業がオープンで主体的な発信姿勢へと体質を変革し、常に社会とつながり、社会を構成していくことであると考えています。企業のメディア化支援をするということは、単に情報発信のお手伝いをするということではないんです。
これまで以上にクライアントと対話を重ねる必要がありますし、時には企業の部門を横断する際のファシリテーターを担うことも多くなってくると思っています。

そうした意味でも、チャレンジ精神を持ち、成長意欲の高い今後を担える人材の獲得は、急務だと思っています。

組織の「グルーヴ」を生み出す空気づくりと「決断」の回数

――インフォバーンがチャレンジングな精神を持ち続け、クライアントのパートナーであり続けるために、部門長として大事だと思われるポイントはなんでしょうか?

やはり会社の空気感が重要だと思っています。僕はよく「グルーヴ感」という言葉を使いますけど、周りがワイワイやっていたら同じノリになっていきますし、常に「それってなんで?」という会話が飛び交う環境であれば本質を突き詰める思考が癖になってくるでしょう。
その意味では、「変化に対してウェルカム!」というマインドセットが養われて、常にチャレンジしていこうとするグルーヴをつくりたい。そして、主体的に考えて行動する人が自然と増えるようにしていきたいですね。
それは「ルールづくり」ともまた違った「空気づくり」。ルールも大事なんですが、「決められたルール通りにやる」ことを求めているわけではないので、そこのバランスは本当に難しいです。

――あえて言うなら、「主体性がルール」というところでしょうか。そうした空気をつくるために、具体的に考えられていることはありますか?

社員一人ひとりの「自分で決断して提案する回数を増やす」ことが重要じゃないかと思っています。
大局的な「意思決定」は役員や上長がすればいいかもしれませんが、「決断して提案する」ことはどんな社員でもする必要があります。
たとえば、何かクライアントに提案するときに、「A案、B案、C案があります」では終わらないですよね。そこから「私のオススメはB案です、なぜなら~」という話までできて、初めて企画提案と言えるじゃないですか。もっと身近なことで言えば、「羽村さん、コレコレに悩んでいて~」から一歩進んで、「それで僕はこうしようと思っていますが。どうでしょうか?」と相談するのが主体的な相談の仕方であって、ただ「とにかく困ってます」じゃないんですよね。

普段からこうした「主体的に決断→主体的に提案」する回数を多くしていかないと、たとえ「新規事業を始めたい」なんて想いがあったとしても、新規事業を動かすためには自ら考えて動いていかなければならないことが膨大にあるので、とても無理ですよ。
だから、その「決断・提案するチャンス」がたくさんある会社にしていきたいんです。部門長としては、一人ひとりの社員にそういった機会をもっと提供しなくてはいけないですし、そのためにも社員に任せる覚悟を持つ必要があります。もちろん、任せることにはリスクもありますが、リスクを取っても任せていく文化をつくろうと思います。

▲インフォバーン本社1階のエントランスにて。部下にまつわる話題になると、一段と嬉しそうに語る羽村さん。

「主体性」と「成長意欲」があれば、必ずインフォバーンで“活きる”

――ここまでのお話を聞くと、羽村さんやIBXが求める人材としては、「主体性があるかどうか」は大きなポイントになりそうですね。

そうですね。主体的に動けるかどうかというのは重視しています。
2016年から始めた新入社員採用の一期生で、入社2年目にあった「アカウントプランナー社内養成プロジェクト」に応募してきて、僕の下についてくれた社員がいます。その社員は30歳になる時点ですでに、マネージャーを任されているんですが、言われたことをやるだけじゃなくて、プラスアルファでアイデアを出してくれる。個人の資質として、ドキュメント制作能力が高かったり、勉強するのが早かったり、ほかにも良いところはたくさんあるんですが、やはり新卒からここまで成長して、会社を背負うほどになるまで活躍できているのは、本人に主体性があることが大きいと思いますね。

――最後に、インフォバーンは絶賛社員募集中ですので、メッセージをください。

インフォバーンほど成長する環境はないと自負しています。
それと、任されているプロジェクトの大きさ、クライアントとの関係という業務面だけでなく、在籍している人の良さもインフォバーンの強みですね。多様性を認めて変なマウンティングをしない――出る杭を打たない――企業風土がインフォバーンにはあって、だからこそ社員のタレント性も豊富ですし、辞めたあとにも活躍している人が多いんだと思います。

僕自身、かなり自由に、それこそ好き勝手やらせてもらったと思っていますし、迷惑をかけることもありました。それでも今田素子(※インフォバーン共同創業者、現・関連企業メディアジーンCEO)や現社長の田中準也をはじめ、常に社員の良いところを見てくれます。だからこそ恩返しがしたいと思いますし、自分の後輩に対しても同じように接していきたいと思っています。
本当にインフォバーンは、常に“人を活かそう”とする会社なんですよね。業務の面でも、アサインの面でも、できる限り得意なことをやらせてあげようとする。そこも根幹にありますね。

「とにかく成長したい人に入ってきてほしい」――インフォバーンの採用募集に興味がある方へのメッセージは、これに尽きますね。


▼その他、インフォバーンのコアな情報(!?)はポッドキャストにて配信中。
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