課題の本質を見極め、クライアントへソリューションを「伝えきる」。Webディレクター6年目の奮闘
インフォバーンで働く社員へのインタビュー企画。今回は2020年に新卒として入社し現在6年目、Webディレクターを務める久冨碧(ひさどみ・みどり)さんに、同じ事業部所属のコンテンツディレクター・岡本がお話を聞きました。
名著『イシューからはじめよ』から学んだ業務への向き合い方や、プロジェクトマネージャーとしての挑戦、インフォバーンのWebディレクターに必要な要素などについて、お届けします。
【目次】
- クライアントが抱く課題の「本質」をいかに見極めるか
- 専門知識だけでなく、クライアントにソリューションを「伝えきる」力も重要
- インフォバーン社員に共通する要素は好奇心とやる気、そして布教型のオタク気質
クライアントが抱く課題の「本質」をいかに見極めるか
──久冨さんは新卒でWebディレクターとして入社して、今年で6年目ですよね。最近はプロジェクトマネージャーや新卒社員のトレーナーを務めるなど、業務の幅を広げているかと思います。新たな業務に挑戦する際、抵抗などはないほうですか?
そうですね。Webディレクターとしての業務には慣れ、精神的にも余裕が出てきたので、新たなことに挑戦したい気持ちがあります。また、ビジネス書を読んだりプロジェクトマネジメントの資格を取得したりと、普段からインプットを行うことで、慣れない業務にも対処できるようになってきました。
──たしかに、久冨さんは勉強熱心な印象があります。インフォバーンの東京本社オフィス内には書籍販売スペースがあり、書籍の購入時には補助が適用されますが(2025年8月現在)、その制度を利用してたくさんの本を読んでいますよね。
はい。困ったときは本から得た知識に頼ることも多いです。特に、『イシューからはじめよ』(安宅和人著・英治出版)はバイブルになっています。この本を読んで、物事の本質を見極める重要性を学びました。
与えられた問題をそのまま解くのではなく、本当に取り組むべき問題である「イシュー」に集中することで、効率的に、より大きな成果を上げることができる。そうした意識をもって、日々の業務に取り組むようにしています。
──「イシュー」への集中以外に、意識していることはありますか?
クライアントへのソリューション提案時、相手の心理にまで気を配ることです。以前、オウンドメディアの運用案件でPV数の伸び悩みについてご相談いただき、そのメディアの評価指標を再定義したことがありました。
Googleのコアアップデートにより、Webメディア全体のPV数が落ちてきている時流をふまえての判断だったのですが、最初に提案内容をメール送付した際には、クライアントの課題について分析が甘かったこともあり、あまりご納得いただけなかったんです。
そこでチーム内の先輩と認識のすり合わせを行った結果、クライアントの課題の背景には、「PV数が伸び悩むなか、今後どのような打ち手があるのか。自分たちはWebやメディアの専門家ではないため、具体的なイメージが湧かず不安であること」があるとわかりました。
加えて、グループ会社のメディアジーンで自社メディアを運営している編集長にも相談し、現状のWebメディア全体の傾向を徹底的に分析。そうした現状への具体的な打ち手も含めて、なるべく専門用語を用いずに資料としてまとめました。
そしてその資料を携え、今度は役員と一緒にクライアントのオフィスへ往訪。プレゼン形式ではなく、あえてフラットなディスカッションベースでの提案を行いました。一方的な説明ではない双方向性のある会議形式がクライアントから好評を得て、無事、合意形成に至りました。
こうした経験を通して、表面的な言葉だけでなく、そのとき置かれている状況やクライアントの心理にまで気を配る重要性を強く実感しました。
専門知識だけでなく、クライアントにソリューションを「伝えきる」力も重要
──仕事において、どのあたりにやりがいを感じますか?
2024年からプロジェクトマネージャーを務めることが増えてきたのですが、裁量の大きさにとてもやりがいを感じています。先輩にアドバイスを仰ぎつつ、すべてを自分で判断できるので、トライアンドエラーを繰り返して成長につなげられるんです。
また2025年には、クライアント・広告代理店と3社共同でオウンドメディアを立ち上げる案件でプロジェクトマネージャーを務めて、とても勉強になりました。当初の計画や要件からの変更が多く、先が読めないなかでの調整・判断が続いたので、変化に対応する柔軟性が鍛えられましたね。
インフォバーンとして譲れないラインを定めたうえで、相手の事情や状況を把握しながら、丁寧に合意を形成していきました。その場しのぎではない誠実な判断の積み重ねが、プロジェクトの健全性を保つことにつながるのだと実感できましたね。
──プロジェクトマネージャーとしても活躍される久冨さんにとって、あらためて、インフォバーンのWebディレクターに必要な要素は何だと思いますか?
これまでの話ともつながりますが、インフォバーンの業務では社内外のステークホルダーとコミュニケーションをとる機会が多いので、相手に最適化して情報を「伝えきる」力が大切だと思います。
たとえば新卒でWebディレクターになった場合、「システムエンジニアほどには専門知識に詳しくない」という悩みをよく聞きます。たしかに私も悩んだことがあるし、最低限の知識習得は必要です。ですがそれよりも求められるのは、専門的な話をクライアントに伝わる言葉へと変換し、相手が納得しやすい適切な形で伝える力だと思うんです。
まずは、クライアントと向き合ううえで、「今回のミーティングで決めなくてはいけないことは何か」「そのためには何が必要で、どうすべきか」という道筋を立てること。そしてそのなかで、専門用語を一般的な言葉に変換したり、あえて役員にもミーティングに同席してもらい説得力を持たせたりすることで、クライアントに深く納得してもらうんです。
──そうした、相手に最適化して情報を伝えきる力が必要なんですね。
はい。加えて、クライアントに「やりたいこと」がある場合は、その内容をヒアリングしたうえで、付加価値となるアイディアを出すような、客観的かつメディアの専門家視点でのご提案をすることも重要です。
たとえば最近あった例だと、Webディレクターとして3年ほど担当しているオウンドメディアの運用案件で、X施策に関するご相談を受けたんです。キャンペーン実施期間に獲得したフォロワーが、キャンペーン終了後にアンフォローしてしまうのを防ぎたいという内容でした。
当時、ある映画作品とのタイアップキャンペーンを実施していたんです。ちょうどその作品の出演俳優が、クライアント企業のCMにも出ている方でした。そこで私は、キャンペーン終了後にその既存のCM動画を投稿することで、俳優ファンのフォロワーを維持するというソリューションをご提案し、施策として実施することになりました。
──結果として、作品のファンと俳優ファンの両者にアプローチできる、クライアントの付加価値につながるような提案ができたんですね。
はい。インフォバーンはメディアのプロとして、クライアントの課題解決に協力する立場です。そのため、発信するコンテンツの定義や文脈も問い直しながら、新たなソリューションを提供できるよう努めています。
インフォバーン社員に共通する要素は好奇心とやる気、そして布教型のオタク気質
──インフォバーンの社員にはどんな人が多いと思いますか?
人当たりがいい人が多いと思います。あとはオタク気質なことを隠さない人が多いかなと。私の学生時代は、何かのオタクであってもこっそりと楽しむような雰囲気があったのですが、インフォバーンには好きなものについて発信している人が多い気がしますね。私も例に漏れず、最近アイドルにハマっています。
──たしかに、メディアをつくる会社なこともあってか、布教型のオタク気質のある人が多いかもしれないです(笑)。それでは最後に、この記事の読者、インフォバーンに興味を持ってくださっている方へのメッセージをお願いします。
インフォバーンは、やりたいことに手を挙げたら挑戦させてくれる会社です。チャレンジの機会があるし、もし失敗したとしても、ある程度許容してくれる環境があります。好奇心とやる気さえあれば、きっと大丈夫です。