ダイレクトリクルーティングでの採用が当たり前になりつつある今、スカウト媒体は増え続けています。
媒体選びに大切なのは自社にとっての選定基準を知ることです。
そこで、当メディアを運営する株式会社VOLLECTが、名刺管理アプリ「Eight」を活用したダイレクト採用媒体「Eight Career Design」をご担当のSansan株式会社 橋本様、現役人事担当者である株式会社ニューステクノロジーの野村様、株式会社ノースサンドの東谷様をお招きし、媒体選びの際に気を付けたポイントや効果が出た媒体の使い方、最近使ってよかったスカウト媒体についてお話するセミナーを開催しました。
今回の記事では、セミナーをダイジェスト形式でご紹介します。
ダイレクトリクルーティングにおける媒体選びにお悩みの方はもちろん、
ITコンサルタント、デジタルマーケティングの営業/運用ポジション採用を担当している人事の方が、工夫しているポイントについてご紹介しておりますので、
難度の高いポジションの採用の進め方にご興味ある方も、ぜひご覧ください。
講義パート登壇者紹介
中島 大志
株式会社VOLLECT 代表取締役CEO
新卒でパーソルキャリア株式会社に入社し、採用コンサルティングに従事。その後人材紹介サービス事業と、大手コンサルティングファームを中心に採用支援事業で起業。その中でダイレクトリクルーティングの可能性を感じ、株式会社VOLLECTを創業。
橋本 剛
Sansan株式会社 Eight事業部 Eight Career部 マネージャー
新卒でカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社に入社し、Tポイント提携営業やデータベースマーケティング事業に従事。2019年にSansan入社。『Eight Career Design』立ち上げ期にセールス面を中心に携わる。
Eight Career Designは、名刺アプリEightが持つ国内最大級のビジネスネットワークを活用し、250万人の転職潜在層にダイレクトリクルーティングが可能になる中途採用ソリューションです。
講義パート内容
返信率に影響する3要素
中島
スカウト返信率に影響する要素として、ターゲット、タイミング、メッセージの3つがあります。
そもそも、今回のテーマである媒体選定を間違えると、この3要素ではどうにもならないのですが、媒体選定を行う前に必要な前提知識としてご紹介します。
スカウト返信率を上げるために、メッセージ(スカウト文)にこだわっている人は多いですが、実はターゲットやタイミングの方が返信率向上には重要です。
ターゲットは、他社が狙っていない年齢の高い層や、転職回数の多い方などにアプローチすると返信率が上がる可能性が高まります。
タイミングというのは、送信する時間や曜日という意味ではなく、ターゲットの転職意向度や最終ログイン日などのアクティブ度を指します。
採用要件がしっかりと決まっている企業が多く、ターゲットは変えにくいですが、タイミングは変えやすいため、まずはタイミングから見直してみましょう。
ログイン日は最低条件で、媒体によってログイン日、登録日、レジュメ更新日、意向度更新日などのステータスがあります。
返信率を高めるためには、登録日や更新日が新しい順にスカウト送付することをおすすめします。
媒体選定の前に確認すべきこと
媒体を選ぶ前に、まず採用するためには何名の人と会う必要があるのか、すなわち必要なカジュアル面談数を割り出すことが求められます。
そして、そのカジュアル面談数に達するためには何通のスカウトを送れば良いのかを割り出す必要があります。
そこで、スカウト媒体の営業担当者に、自社で採用したいポジションの場合、返信率はどれくらいなのか等をヒアリングすると良いでしょう。
また、デモ画面を見せていただく際に確認すべきことは、アクティブな候補者の数、そして登録者のプロフィール量が十分であるかどうかです。その場で自社の採用要件に合うように検索をかけてもらうなどして、しっかりと確認しましょう。
もし十分な数の候補者が確保できなそうな場合、複数媒体の運用も検討するべきです。
媒体選びの軸
媒体選びの軸として、大きくターゲット、リソース・ノウハウ、コスト、ブランドの4つがあります。
媒体選びの際は、ターゲットは市場に豊富なのか希少なのか、人事がスカウトに割ける時間は週何時間か、コストはどれくらいかけられるのかなどは確認すべきです。
そして、忘れられがちなのがブランドです。自社よりもブランドイメージが高い企業が多く使っている媒体は、どうしても効果が出にくいです。
候補者がスカウトに書いてある会社名を見て、イメージが湧くかどうかを考えましょう。もしブランドがない企業の場合は、HPやメディアで自社の情報を発信することが大切です。
この後、各媒体の登録人数や登録者の属性、スカウト通数単価等の特徴をまとめた表を用いて、それぞれの媒体の説明を行いました。
ご覧になりたい方は、「ダイレクトリクルーティングサービス徹底比較レポート」をダウンロードください。
転職顕在層/潜在層に合わせたアプローチ方法
橋本様
媒体選定を行う前に、採用ターゲット数と応募数を認識し、自社の採用課題がどこにあるのかをあぶり出すことが重要です。
例えば、対象者が少なく、応募も少ない場合はダイレクトリクルーティングが適していると言えるでしょう。
対象者が少ないが、応募が多い場合は人材紹介会社との連携を強めることも重要です。
大多数の企業は、転職活動中や転職の検討をしている層を中心にアプローチしています。しかし、この転職顕在層は全体の僅か5%程度しかいません。
そこで、優秀層を狙うためには、新たな市場である転職検討層や現職活躍層を狙うことが大切です。
転職潜在層向けのサービスとして、Eight Career Designや、LinkedInが挙げられます。転職潜在層は、最初から転職を考えてはいないものの、スカウトをもらうと企業の知名度や給与・福利厚生等の条件面を見て話を聞いてみようかなと思ってもらえます。
転職意向度が低い人がいる、プロフィールが薄めなこと等がデメリットですが、他社に先んじて優秀層にアプローチできるという大きなメリットがあります。
転職顕在層向けのダイレクトリクルーティングサービスとしては、BIZREACHやdoda Recruitersがあります。これらを利用している方はすでに転職を考えているため、企業のミッションやビジョン、スカウトメール送信者の職歴やスキル・面白さを重要視することがポイントです。
パネルディスカッション登壇者紹介
野村佑大
株式会社ニューステクノロジー 人事部長
株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)に新卒で入社し、求人広告営業→新卒人事一→派遣営業を経験。その後株式会社-plugにて、10名から90
名になるまでのフェーズで営業マネージャーと採用を担当。
2018年に株式会社ニューステクノロジーに4人目のメンバーとして入社し、
営業部門と人事部門を兼務。現在は人事部門の責任者を務めている。
東谷 昂
株式会社ノースサンド 人事部広報チーム マネージャー
国内大手電機メーカーに新卒で入社し、防災系監視制御システムのSEを経験。
2017年にITに強みを持つベンチャーコンサルファームのノースサンドへ入社。ノースサンドではコンサルタントを経験し、現在は社の更なる拡大のための戦略立案と実行をミッションとして人事、広報を担当。
パネルディスカッション内容紹介
Q.採用状況を教えてください
野村様
広告のコンサルティングセールスや、広告運用、自社メディアの企画職など、デジタルマーケティング人材を中心に採用活動を行っています。
どの会社もデジタルマーケティングができる人材を欲しがっているため、競争倍率が非常に高いです。
レッドオーシャンの中で採用を行う必要があり、未経験の方を狙うなどの方法をとることもあります。
採用手法はWantedly中心です。ダイレクト採用媒体ですと、AMBI、YOUTRUST、BIZREACH、Eight Career Design、OfferBoxなどを利用したことがあります。リファラル採用が3割程度を占めています。
また、採用の人材不足ということもあり、VOLLECTさんにダイレクトリクルーティングは協力してもらっています。
東谷様
弊社はコンサルティングファームのため、採用は基本的にコンサルティング職です。
コンサルタント人材は、IT人材に近づいている傾向にあり、現職コンサル職の方か、SE、SIerの方を狙っています。こちらもレッドオーシャンの業界です。
中途採用に力を入れており、昨年度は約30名採用し、今年度は60名の採用を目指しています。この60名の内訳は、人材紹介が約7割、ダイレクトリクルーティングが約2割、自主応募やリファラルが約1割です。ダイレクト採用媒体は、BIZREACH、AMBI等を利用しています。過去にEight Career Designを利用したこともあります。
Q.ダイレクトリクルーティングを始めたきっかけは?
野村様
弊社は少数精鋭を軸にした企業のため、待っているだけでは採用できない優秀層を採用したかったことがきっかけです。また、自分自身が過去にダイレクト採用媒体を扱っていたため、ダイレクトリクルーティングの良さを認識できていたというのもありますね。
東谷様
弊社の競合はアクセンチュアやKPMG、デロイトなどの有名企業です。したがって、こちらからアプローチしていかなければ、母集団形成さえも難しい現状があるため、ダイレクトリクルーティングを行っています。
Q.媒体選びの際気をつけているポイントは?
東谷様
ターゲットのボリュームがどれくらいなのかを明確にするように心がけています。
媒体を選ぶときは、営業の方にデータベースを必ず見せていただくようにし、「この検索条件で検索してください」とかなり細かく要望するようにしています。そして、アクティブ層がどれくらいなのか確認しています。その日限りではなく、次の日のスクショを送ってもらうなどして、どれだけアクティブ層が増えているか、確認を行うこともあります。
野村様
私も東谷さんと同じで、アクティブ層はどれくらいなのか、月の流入数はどの程度なのかなどを営業担当の方に詳しく聞くようにしています。登録者数が増えていても、アクティブ層が増えていないこともあるので、注意しながら確認するようにしています。
また、営業担当者さんのサポート具合も見ています。やはり、こちらと並走しながら、様々なアドバイスをくれる営業さんだとありがたいですね。
Q.課金制度(前課金/成功報酬等)で気をつけていることはありますか?
野村様
前課金のサービスの場合、複数のポジションをダイレクトリクルーティング経由で採用して、採用コストを抑える工夫をしています。
東谷様
前課金&スカウト単位での従量課金のサービスは、資本力のある大手企業が強いですね。
例えば弊社の場合ですと競合のアクセンチュア様が潤沢な資金力を使って凄まじい数のスカウトを送信したりしています。
そのような背景から前課金&スカウト単位での従量課金のサービスではなかなか効果が出にくい実情がございます。
Q.ダイレクトリクルーティング経由での 1人あたりの採用単価はどのくらいですか?
東谷様
成功報酬型の場合、採用する方の年収が関わってきますし、人事や現場の自社で割く工数も採用コストに関わってくるので、いくらですというのは一概に言い切ることは難しいですね。
野村様
人材紹介と同等か、それよりも低く抑えられています。人材紹介よりも高くなることはあまり無いですね。
Q実際に効果が出た媒体の使い方や工夫を教えてください。
東谷様
スカウトの文面自体はPDCAを回して愚直に改善をしています。
YouTubeの動画をスカウト文面に差し込み、会社の雰囲気を視覚的に伝えるなど、さまざまな工夫をしています。
また、弊社は候補者に密着する形で採用を行っています。
どうしてもダイレクトリクルーティング経由ですと、人材紹介に比べて候補者の情報が薄くなりがちです。そこで、候補者には選考に関係ないリクルーターを付け、候補者との情報交換を丁寧に行うことを大切にしています。そのおかげで、弊社を選んでくださる方もいます。
他にも、社会人インターンシップを行っています。オンラインで3時間程度のもので、コンサルティング業界の資料作成を学べる内容になっています。そこから面接への流入もありますね。
橋本様
スカウト媒体をただ導入しただけでは何も変わりません。スカウト後のアプローチであるカジュアル面談が大切です。カジュアル面談に参加するということは、候補者がある程度興味を示してくれている証です。経営層に面談に参加してもらうなどして、カジュアル面談で引き付けができるようにすると良いでしょう。
Q 最近使ってよかったスカウト媒体は何でしょうか?
野村様
あくまで会社の規模や知名度によって合う媒体は変わると思いますが、弊社で最も効果が出ているのはAMBIです。
使っていて面白かったのはYOUTRUSTです。リファラルとダイレクトリクルーティング間のようなサービスで、「弊社の◯◯と友達ですよね?」という形でラフに面談ができるため、可能性を感じました。
東谷様
直近ですと、AMBIとミドルの転職で効果が出ました。両方とも2名採用ができましたね。
VOLLECTでは一緒に働いてくださる方を募集しています!
株式会社VOLLECTは、創業3年目のスタートアップです。
人材業界の経験は求めません!新しい環境下で挑戦をしたいメンバーを求めています!
<弊社取引先例>
・Panasonic株式会社
・ラクスル株式会社
・パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
・株式会社NTTデータグローバルソリューションズ 等
人事部や人材業界での経験やスキルは不問です!
少しでもご興味がある方は、一度お話を聞いて頂けると嬉しいです!
お待ちしております!