プロナウンのビジョンは「『こころ』の解放を導き、すべての人に自分らしい未来を」。一人ひとりのユーザーを深く理解し、本当に刺さるコミュニケーションを生み出すことが、私たちの価値の源です。
今回は代表取締役の加藤社長に、ビジョンを実現するためのカルチャーや社風について、お話を伺いました。
深いユーザー理解から生まれるプロナウンならではの価値
――創業から時を経て、ビジョン「『こころ』の解放を導き、すべての人に自分らしい未来を。」に込める想いに変化はありましたか?
根本的な部分は変わっていません。ただ、改めて強く意識するようになったのが「一人ひとりのユーザーをどれだけ深く理解できるか」という点ですね。
今は情報を手に入れる手段も、発信する方法も、つながり方も多様化しています。SNSやAIの普及で、誰もが簡単に情報をやり取りできる時代になりました。だからこそ、従来のように「大きな括りでの集団心理」だけを見ていても、ユーザーの心には響かないんです。
実際にクライアントと話していると、同じ業界で似たような課題を抱えているケースは多くあります。でも本来、商品やサービスに込められた想いや背景は一つひとつ異なるはず。その違いを正しく捉えられるかどうかで、マーケティングの形は大きく変わってくるんです。
だからこそ、僕たちが提供すべき価値は「教科書通りのやり方」ではなく、ユーザー一人ひとりの深い感情や理想に刺さるコミュニケーションを追求すること。それこそが、プロナウンのバリュー「ユーザー理解の専門家であれ」に直結していて、当社が社会に対して発揮できる価値だと思っています。
――なるほど、「顧客への深い理解」が大切なのですね。では、プロナウンではそのカルチャーをどのように育んでいるのでしょうか?
社内でも「ユーザー理解」はほぼ合言葉みたいなもので、僕も日頃から発信していますし、メンバー全員が同じ意識を持っています。
たとえば、クライアントに提案をするとき。内容を深く突き詰めていくと、ユーザー理解が足りていなければ答えられない瞬間が必ず出てくるんです。細かい質問にもしっかり返せること、それをサービスクオリティの優先事項として取り組んでいます。
具体的な行動としては、メンバーが自分自身でクライアントの商品を試してみたり、自分がエンドユーザーになって行動を再現してみたりすることも日常茶飯事です。また、ユーザーインタビューも頻繁に行っていて、自分の体験とユーザーの体験を掛け合わせて施策を考える姿勢を大切にしています。
仕事の「コア」を共有することで、バリューが浸透する
――プロナウンでは「仲間が最優先」というバリューも掲げています。このバリューを大切にしている理由は?
端的に言うと、ビジネスにおけるコアな部分だからです。その理由は2つあります。
1つ目は、僕たちの活動における「作品」が会社そのものだから。俯瞰して考えると、仕事は人生を豊かにするための手段です。仕事がうまくいっても、組織やコミュニティが良くない状態では、本当の意味での成功とは言えません。むしろ逆の状態のほうが望ましいくらいで、僕としては「この会社にいてよかった、みんなと出会えてよかった」と思ってもらえることこそが、本当の成功だと思っています。こういう、ビジョナリーな組織を作ることが僕たちの使命でもあります。
2つ目は、ビジョンを体現するのが社員自身だということです。プロナウンの価値の源泉は知的財産やコンサルティング、すなわち「人」にあります。だからこそ、社員一人ひとりを最優先にする文化が根付いているんです。
――さらに「行動こそ最大の価値」といったバリューが、なぜここまで組織に根付いているとお考えですか?
僕たちがどんなときでも間違いなく出せる価値が「スピード」だからです。成果やクオリティを常に100%出し続けることは難しい。なぜなら、お客様によって価値基準が異なるから。ただ、「スピード」は自分たちでコントロールできるし、目に見えて伝わる価値でもあります。要は、ビジネスにおいて何がコアなのかをメンバー全員が理解している、ということですね。それが自然と、各自の視座を高めています。
――なるほど。では、「即断即決のスピード感」を、組織として維持・加速させるために心がけていることは?
意識しているのは大きく2つです。
1つ目は、オーナーシップを明確にすること、つまり「誰が責任者か」をはっきりさせることです。オーナーが不明確だと、意思決定が止まってしまうことがあります。たとえば掃除ひとつをとっても、リーダーを明確に決め、意見や意思がしっかり出る仕組みにしています。もちろん、オーナーが変わること自体は問題ありません。現在は僕が社長として経営上のオーナーを務めていますが、目的達成のためにもっと適任な人がいれば、その役割を交代させることもOKだと伝えています。
2つ目は、いつ誰にどこでどのように聞かれても即答できる状態を作ることです。そのためには、意思の背景にある根拠や軸が明確であることが必須です。曖昧な状態では即決はできませんから、あらかじめ基準をしっかり用意しておくことを大事にしています。
実際に「スピード感が決め手でプロナウンに発注した」と言ってくださるお客様も多いんですよ。他のベンダーがいる中でも、何かあったときの相談相手として選んでいただけることも少なくありません。
プロナウンらしさは、一度きりの人生に前向きに挑むこと
――多くのメンバーがプロナウンの魅力に挙げる「人の良さ」ですが、加藤社長が考える「プロナウンらしい人」の共通点は何でしょうか?
やっぱり、みんな前向きでロマンがあることですね。自分の人生をどう生きたいか、仕事をどう成功させたいか。一度きりの人生に対して、エネルギーを持って前向きに取り組んでいる人が多い印象です。
僕たちのビジョンを本気で成し遂げるには、時価総額一兆円規模の企業になり、アジア全体に影響を与えるレベルまでいかないといけません。そうした壮大な目標に対して、個々人の希望や思いも形にしつつ、ゼロから一緒に作り上げていく。それを楽しみながら挑戦できる人が、プロナウンらしい人だと思います。
――まさに、プロナウンのメンバーたちが「社会人の青春」や「野球部のようなチーム」と表現するカルチャーに通じますね。
そうですね。今後組織が拡大しても、このカルチャーだけは絶対にぶらしたくないと思っています。一方で、ただ夢を追い続けるだけでは形にならないので、責任感を持って行動することが不可欠です。僕自身も、ロマンを形にするために人生のすべてをかけていますし、同時にメンバーの個人的な思いやキャリアにも賛同し、それを実現させるために任命やサポートも行っています。
今後は、ただロマンを語るだけでなく、個々に責任や裁量、チャンスを与え、みんなで大きなロマンを形にしていく。そういう行動を大事にしていきたいですね。
創業期は、思いやビジョンはあったものの、少人数でのカオスな状況もあり、どうしても目先の苦労に目がいきがちでした。でも創業から1年強が経ち、人も増えて仕事も分散され、ようやく未来に目を向けられる余裕が生まれました。たとえば、ユーザー理解にじっくり時間をかけられるようになったこともそのひとつです。
また、資金的な余裕がなければ大胆なチャレンジもできません。だからこそ、引き続きしっかり利益を残しながら資金調達を進め、健全な財務状態を作ることが重要です。そうすることで、より多く打席に立ち、大胆に挑戦できる雰囲気を生み出していきたいと思っています。
一人ひとりの積極的な発信が、組織を動かす原動力に
――カルチャーから生み出される「社風」という点ではどのような特徴を感じますか?
当社は全体を通じてフランクな社風だと思います。僕との距離も近いですし、この雰囲気は会社が大きくなっても変わらないはず。みんな心の間口をオープンにしているので、新入社員もすぐに馴染んでいます。警戒したり、お伺いを立てたりするような空気もありません。
社内全体が、いい意味で「一色」になっているのも、プロナウンらしさのひとつかもしれません。僕はよく「法人も個人同様、ひとつの体であり、僕たちはそれぞれ細胞のようなものだ」と話しています。細胞同士に神経が通っていないと指令や意思疎通ができませんよね。だからこそ、会社全体に神経を通すように、毎日意識して働きかけています。
とはいえ、何と言っても心身の健康が最優先です。無理は禁物で、自分には今は難しい、ちょっと休みたい、といったことも率直に言える雰囲気を大事にしています。みんな責任感が強く、熱量も高いので頑張りすぎてしまうこともありますが、自分からSOSを発信できる環境を作ることが、長く力を発揮していくためには欠かせません。健康を損なってしまっては元も子もないですからね。
――これから仲間になる方に、カルチャーの観点から期待することは何でしょうか?
ぜひ、自分を積極的に発信してほしいですね。自分の思いや意思をどんどん伝えることで、個々の強いエネルギーが折り重なり、チーム全体に大きな力が生まれるからです。
当社が最も大事にしているのは、「仕事を謳歌すること」。ロマンを描き、仕事を青春のように楽しむカルチャーです。このカルチャーに共感し、自ら発信して一緒に力を生み出していける方に、ぜひ仲間になってほしいと思います。