こんにちは。佐藤carboと申します。
皆さんは、リモートワークを経験したことがありますか?
出社しない働き方にワクワクする人もいれば、不安を感じる人もいるでしょう。この連載では、2025年でRPA(※)歴8年を迎える私が、1年目から現在に至るまでの成長や挑戦を振り返りながらお伝えしています。
今回は、2021年に完全リモートワークへと移行した私たちのチームが直面した課題や、それをどのように乗り越えていったのかをお話しします。(※RPA:「Robotic Process Automation」の略語。パソコンで行っている様々な作業を自動化できるソフトウェアロボット技術)
完全リモートワークへの移行
2020年、新型コロナウイルスの影響で私たちはハイブリッドワークを導入し、出社とリモートワークを併用する形で業務を行っていました。しかし、2021年に入り、状況はさらに厳しくなり、完全リモートワークへの移行が求められることになりました。
前年の経験もあり、リモート対応の準備はある程度進めていたものの、完全リモートとなることで新たな問題が浮かび上がってきました。
進捗管理の徹底
リモートワークでは、誰がどの案件をどのように進めているのか、全体の状況が把握しづらくなります。そのため、進捗管理をより詳細に行う必要がありました。
そこで、全案件の進捗をメールで共有するルールを導入しました。従来のオフィスでは口頭やミーティングで補足できていた細かな情報も、すべてメールに明記することにしました。
・案件ごとの進捗
・課題とその対応策
・次のアクション
特に遅延や問題が発生している場合は、わかりやすく かつ どのように対応していくのか、一番上に目立つように記載するようにしてリスク回避と周知を行っていきました。
これにより、リモート環境でも誰が何をしているのか明確になり、プロジェクトの進行がスムーズになりました。
勤怠管理の課題と対応
当時、私たちのチームでは在宅ワーク時における勤怠管理ツールを導入していませんでした。そのため、始業・終業時に上司へメールを送るという、非常にアナログな方法を採用していました。
「おはようございます。これより業務を開始します。」
「本日の業務を終了します。お疲れ様でした。」
といったメールを毎日送るのは手間ではありましたが、チーム全員の勤務状況を把握するために重要な手段でした。現在は勤怠管理ツールも導入され、この手間は解消されましたが、過渡期にはデジタルな仕組みが整っていない中でも、アナログな手法を駆使して確実に情報を共有し、後から状況を確認できるようにしておくことの重要性を改めて実感しました。
新メンバーの教育と順調な移行
この年、新たなメンバーがチームに加わりました。
前年に教育体制を整えたことで、新メンバーへの説明はスムーズに進みました。
・教育資料の活用:標準化されたマニュアルやZoom会議での説明を活用し、効率的に教育を行いました。
・メンター制度:新メンバーには既存メンバーがメンターとして付き、リモートでも質問しやすい環境を作りました。
これにより、新メンバーも短期間で業務に馴染み、チームとしての生産性を落とすことなく移行を進めることができました。
急増する案件とチームの成長
完全リモートワークへ移行したことで、業務の進め方も徐々に最適化されていきました。
特に多忙時には 12案件を同時並行で進める という状況にまでなり、前年を大きく上回る 74案件 のロボットを作成することができました。
しかし、これほどの案件を並行して進めるとなると、管理の難易度は一気に上がります。進捗の把握に時間がかかるだけでなく、メンバー間での情報共有や連携ミスが発生しやすくなり、業務の負担も増大しました。そのため、これらの課題を解決するために、次の取り組みを徹底しました。
- 進捗管理の徹底
全案件の進捗を可視化し、定期的な報告を徹底することで、タスクの抜け漏れを防ぎました。 - 標準化の推進
開発ルールやドキュメントのフォーマットを統一し、誰がどの案件を引き継いでもスムーズに対応できるようにしました。 - 効率的な教育
新メンバーが即戦力として活躍できるよう、教育資料の整備や、実践を交えた研修を強化しました。
結果として、混乱を最小限に抑えながらも、チーム全体で大幅な案件増に対応できる体制を築くことができました。
挑戦の先に見えた未来
完全リモートワークへ移行したことで、私たちのチームは新しい働き方に適応し、大きく成長することができました。
もちろん、対面でのコミュニケーションが減ることによる課題は残っていましたが、それを補うための仕組みを整えることで、柔軟な働き方を実現することができました。
この経験を通じて、環境の変化に適応する力と、チームワークの重要性を改めて実感しました。
次回:「安定と変化──チームの新たな局面」
2022年、私たちはチームの安定を図りながらも、メンバーの交代という変化に直面しました。次回は、その変化の中でどのように適応し、チームを維持していったのかをお話ししていきます。
それでは、また6年目のエピソードでお会いしましょう。