リモートワークが当たり前になる世の中だからこそ、リアル・コミュニケーションに特別な時間が生まれる
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2020年、新型コロナウィルスの流行を発端に、日本全国でリモートワーク(テレワーク・在宅ワーク)が普及をしはじめました。
リモートワークとはその名のとおり、オフィスに行かずして遠隔でお仕事をすること。
ぼくはエンジニア業界の経験から、コロナが流行する以前からこういった働き方を違和感なく受け入れていました。そして、IT技術の進歩によって負担なくリモートワークを可能にする環境が整備されつつあるなかで、IT業界に限らず、日本全体に広まったらいいなぁとも思っていました。
リモートワークの何がいいかというと
・通勤がない(あの満員電車に乗らなくていい!(笑))
・外に行かない分、出費が減る
・自分の時間が多く取れるようになる
いいことだらけですよね〜。
リモートワーク大好きです(笑)が、緊急事態宣言の発令により、本格的に全社でリモートワークを実施することになり、ぼくも新たな気づきがありました。
文字だけでは伝わらない想い リモートワークの難しさ
当たり前のことですが、リモートワークって取引先やメンバーと顔を合わせる機会がぐっと減ります。昨今、メール以外にも気軽に連絡が取れるチャットツールがビジネスの現場でも使用されるようになりましたが、基本的には文章(テキスト・コミュニケーション)が主体ですよね。
これがリモートワーク最大の難しさと感じるのですが、文章情報だけですと「なぜその言葉(文章)を発したのか?」という相手の意図が汲み取りづらい場面が多く存在します。
例えば、社内グループチャットで「なるほど」と返信があったとします。この「なるほど」が「納得しました」なのか、「そういう意見もあるのか」という気づきなのか、「そんなの聞いてないぜ」という不承不承な承知なのかと、いろいろな捉え方ができます。しかし、直接対面で会話をしていると、不思議と一発でわかります。
なぜなら、言葉以上に、顔色や目の動きといった表情や声色、会話のテンポ、身体の動きといった付加情報があるからです。テキストだけでは読み取れない空気感や温度感が、仕事上の判断でも重要な場合があり、リモートワークはそこが読み手に委ねられてしまう分、ミスコミュニケーションが増えたなぁというのがあります。
何気ない瞬間にこそアイデアの種があった
そして失ってから、実は一番重要だったと気づいたのが「雑談」です。ちなみにぼくの「雑談」の定義は「仕事に直接関係のない話をすること」。
今回のコロナによるリモートワークの流行は「三密を避ける」という目的が発端だったと思いますが、ここ数年の「生産性向上」というワードの流行もあいあまって、「業務上の無駄を削る」という側面でも注目を集め始めています。
リモートワークは自分の仕事ぶりを監視する上司も同僚も後輩もいないため、余計に「無駄なことをしてはいけない!」という思いが強く反映されたのかもしれません。そう考えると「雑談」なんて、「無駄」の象徴のようなもので、真っ先に禁止にされそうなものです(笑)
事実、リモートワークになって雑談の機会は減りました。
雑談がないということは、勤務時間中、仕事の話しかしてないということです。だけど、皆さんオフィスで働いていた時を思い返してみてください。「昨日、子どもがさぁ~」とか「週末に映画観に行ったよ」とか、「今日の晩御飯どうする?」なんて、雑談に溢れてましたよね。
何気ない会話からメンバーの人となりを理解できましたし、それがより良いチームワークにつながったという隠れた副産物がたくさんあったはずです。そして、自分が今まで興味がなかった分野や知らなかった分野の知識を得ることで、良いアイデアがぽんと生まれたり、仕事につながるヒントも結構あったのではないかな、と今になって思いました。
会えない今だからこそ、貴重な”リアル”の時間を大切にしたい
現在、コロナとは一進一退の攻防を繰り広げている現状ですが、リモートワーク一辺倒!な働き方ではなく、バランスのとれた働き方を追求していきたい。だから、ぼくはリモートワークでも「雑談」の時間を意識的につくりだしたいと思いますし、メンバーみんなで顔合わせができる時間を大切にしたいですね。
必ずしも”無駄”の排除は”効率化”にはつながらない。これは、ぼくが今回学ぶことができた大きな発見でした。今後も、抗ウイルス対策の観点で、限られた場所・限られた時間のなかでしか、リアル・コミュニケーションをすることができないと思います。だからこそ、目には見えない”無駄”の”価値”を今後も探っていきます(笑)