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DLASスタッフインタビュー☆LookComposite「2000カットものライティング、コンポジット仮組みを自動化できた」
こんにちは。ダンデライオン広報担当です。
今回は、ダンデライオンのスタッフ紹介です。
ご紹介するのは、映像制作室 ルックコンポジットユニットリーダー 木全俊明さんのご紹介です。
ー 現在所属のルックコンポジットユニットの業務はどのようなものがありますか。
アセット工程のルックデヴ作業から、ショット工程のライティング・コンポジットまで、
絵作りに関する業務を一貫して行います。
ー モデラーが基本のルックまでを行う会社もあると思いますが、ルックをショット担当が行うメリットはどんな部分でしょうか?
レンダラーも多様化している中で、より詳しい方がやったほうが良い(画ができる)と思っています。
当時ユニットができたときは、モデラーは造形に特化した方が多く、シェーダーやレンダラーへの知識が深い方がコンポジット業務も行っていたことも理由の一端だったかもしれません。
最終画を作る方がキャラや背景のルック周りを担って画作りをしたほうが、
最終的な素材の取りまとめや、モデラーとの行き来が少なく済み、メリットがあるのだと思います。
ー ありがとうございます。
では、木全さんご自身がもっともメインとされている業務をうかがえますか。
メインとしている業務は、アセットやショットの量産を効率良く進めるためのパイプライン構築、
ツール開発です。
ー ほぼTDですね。上記の業務を遂行する上で気を付けていたり、大切にしていると思われることを聞かせてください。
LC(Look Composite)のこの作業のこの部分をサポートするツールを作りたいというような、
LC作業を経験している自分ならではのツールを開発できることが最大のメリットだと思っています。
現場が本当に困っている、痒い所に手が届くようなツールやフローの提案をできるよう、
自らもルックデヴやコンポジットを行って、常に現場の温度感がわかるようにしています。
またテクニカルユニットには優秀なTDがたくさんいるので、自分が開発できないものも依頼、提案する
ことを心掛けています。
ー 開発業務でのすみ分けは決めているのですか?
小規模で使うものは自分で作る、大規模なものはTDに依頼でしょうか。
複雑だったり、他セクションにも及ぶ開発はTDへ依頼します。
自分やLCユニットだけで使用するような小規模のツールは自分で開発しています。
「ここエラー起きやすいんだよな」とか「この繰り返し作業が面倒」とかですね。
TDに依頼するときは発注書を準備しますが、どうしても齟齬が生じてしまうことがあります。
自身で開発すれば、LC業務を把握しているのでピンポイントで欲しいツールを作ることができます。
ユニットにテクニカルアーティストがいることは非常に効果的だと思っています。
― ちょっとした効率化を自身で開発できるのは、非常に効果的ですね。
では、そういった積み重ねが功を奏してうまく行った!!な、実体験を教えてください。
THE FIRST SLAMDUNKで時間を掛けて綿密にパイプラインを構築したので、
2000カットものライティング、コンポジット仮組みを自動化できたことでしょうか。
仮組みの時点のクォリティもかなり高く、後工程のコンポ作業を高速化できました。
ー 2000カット!ライティングも自動化できるんですね!
ライトのプリセットを方向ごとに複数作成して、Shotgrid(現Flow Production Tracking )でキャラクターごとにプリセットを選択する仕組みです。Mayaを開かなくてもライトが設定できるようにしていました。
実際にシーンを開いて調整をしないといけないカットもありましたが、数十カット程度で済みました。
ー 重いシーンを開かないで設定できるのはすごく効果的ですね!
シーンが重くて成り立たないからこうした、という差し迫った状況もありました。
一緒に協力していた東映さんがプリキュアの時に使用していたフローを踏襲させていただきました。
ー 以前THE FIRST SLAMDUNKのコートサイドのインタビューでプリキュアの案件に関わっていなければ貢献度が半分くらいだったかもって話を拝見しましたが、以前からそういった思考はあったのでしょうか?
以前から手動作業にもどかしさを感じることはありましたが、
当時関わっていた案件はそこまで大規模なものではなく、頑張れば力技でなんとかなっていました。
ただプリキュアを経験して、頑張りだけではこなせない案件に直面して、
パイプラインを組むことで効率化が図れることの重要さを痛感しました。
量産のノウハウを学べたことが、今の大規模案件のフローに活かされています。
今後も、他社のフローでもよい物はどんどん取り入れたいです。
ー 是非今後もどんどん取り入れていただきたいですね!!
ー 入社以前の話をお聞きします。子供の時(幼い時)はどんな子でしたか。
影響された映像などありましたか?
子供のころは、インドアではありましたが、ごく普通だったと思います。
映画はネバーエンディングストーリーなど観ていましたが、特別影響を受けたということは無いです。
スーパーファミコンやプレイステーションなど、ゲームはFFやドラクエ、マリオカートをプレイしたり、マンガを読んだり。アニメもドラゴンボールやスラムダンクなど有名どころは観ていました。
ー 映像が好きになったきっかけなどはありましたか?
大学生の時に、レンタルビデオショップでバイトしていた時に映画をたくさん見ていたので、
そこから好きになりました。
ー CG業界を目指したのは?
前職では映画館に勤めていましたが、 ロードオブザリングやパイレーツオブカリビアンなど、
CGを多用した映画を見て「自分もCGで映画に携わりたい!」と思ったことが、
この業界に入ったきっかけです。
― 最初はVFX系を目指していたのでしょうか。
かっこいいとは思いましたが、絶対VFXというわけではなく「CGやってみたい!」くらいの感じでした
ただ、当時はCGアニメのセルルックの存在自体あまり知らなかったので、
「CG=VFX」のイメージがあったように思います。
― かっこいい!で勉強を始めてデザイナーになれるのがすごいです。
CGの勉強はとても楽しかったです。寝る間を惜しんで勉強をしても苦ではなかったので、
自分に合っていたのだと思います。
ー 過去にはどのような案件を担当されていましたか?
ゲームのOPムービー、遊技機、企業広告、CMなどです。
ー ルック・コンポジットをメインにしてきたのはいつ頃からなのでしょう?
1社目ではモデリングなどもやっていてジェネラリスト寄りでした。
2社目はゲーム会社だったのですが、その会社が遊技機案件を手掛け始めたばかりで、
プリレンダリングのノウハウがまだありませんでした。
そこを理解している自分にタスクが集中したこともあって、徐々に得意になっていった感じです。
ー ダンデライオンに入社のきっかけは?作画案件に興味があったからとかでしょうか?
作画案件に興味があったわけではなくて、最初はセルルックもpfxToonも良く分かっていなかったです。
ちょうど当時近くに住んでいたからなのと、あとは(ダンデライオンのメインレンダラである)V-Rayに
興味があったので応募しました。
ー ご近所ってだけ!?ご縁ですね!
ー 今はどのような案件でどのような作業を担当していますか?
版権もののキャラクター案件や、ルックデヴ検証作業、他案件のLC周りのツール開発、パイプライン構築などを行っています。
ー ダンデライオンでの思い出や印象的なことをおしえてください?
学生の頃、有志で日韓アマチュア映画祭を韓国釜山で開催したのですが、
ちょうど釜山国際映画祭の時期でもあり、漠然と憧れがありました。
20年後に自分が携わった作品(あめだま)が釜山国際映画祭に出展したことは非常に感慨深かったです。
ー 学生時代に映画祭を主催したんですか?
主催の一人でした。
大学の時に映画業界に就職したいと思って、ワークショップに通って、映画が好きな人たちと知り合いました。そこに韓国人の方もいて、学生の文化祭のノリで楽しくできたらいいなって感じで開催しました。
アカデミー賞のノミネートはもちろんすごいと思いますが、学生時代の思い出もあって、
自分にとって印象が強かったのは釜山への出展でした。
ー 今後ダンデライオンで(だけでなくても)やってみたい事はありますか。(やりたい案件、やりたい作業、やりたいポジション)
どれか一つではなく色々な案件で、ルックデヴをしたり、コンポジットをしたり、開発をしたりと。
その一方で「一つの案件に集中して取り組みたい」という気持ちもあります
ー 魅力的な案件や作業に色々関われてモチベーションが上がるのは良いですよね。
折角なら楽しいのを色々つまんで欲しいですね。
自分で「この案件がいい」と選んだりする権限はないです(笑)
今は大規模案件ではなく、小規模なものや、指名された案件などが多いです。
ここ最近は一人プロジェクトが多いので、チームで動く案件もまたやりたいと思っています。
ー ダンデでの働き方でよいと思う所を教えてください。
自由な環境です。
前職はシフトや日々のスケジュールなど時間に縛られていたので、
個人的な都合でも休みが取りやすいのはとても良いです。
あと、これはユニットリーダーという立場によるものかもしれませんが、
開発業務は自分が必要と思ったものに関しては、尊重されるし、進める時間をある程度確保できます。
もちろん通常業務はきちんとやる前提ですが。
ー ダンデライオンにどんな方に来ていただきたいですか。またどんな方が向いていると思いますか?
良くも悪くも働き方に関しては、指示やルール、決まり事が少ないこともままあるので、
そういう状況でも能動的に動ける方が適していると思います。
振られているタスクが終わって手が空く前に次の相談をするとか、そういった方が良いと思います。
ですが、これだけ人数が増えてきているので、制作フローなどのドキュメントがもっと充実しても良い
のではと思っています。今後の育成課題でしょうか。
ー 拝見する中では、ルックコンポジットユニットのマニュアルやドキュメント類は充実している印象ですが・・・
はい、自分からも伝えてはいますが、それ以上に丁寧に用意してくれるリード職の方達が多いので
助かっています。
ー 木全さんありがとうございました!
株式会社ダンデライオンアニメーションスタジオ
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