ダンデライオンの社員からリアルな声を聞くこのコーナー。第8回は「エフェクトアーティスト」編です。CG映像を華やかに見せるためには欠かせないエフェクトシミュレーションにはどんな面白さがあるのでしょう?
エフェクトアーティスト&テクニカルディレクターでダンデライオン創設メンバーの1人
松浦太郎さんにお話を聞きました!
業界でも貴重なエフェクトアーティスト
◆ダンデライオンに入社したきっかけは?
ずっとフリーで仕事をしていたのですが、代表の西川がダンデライオンを立ち上げる時に声をかけてもらい、一緒に参加することにしました。西川とは以前東映アニメーションで3〜4年一緒にアニメ制作をしていてお世話になっていたんです。
◆一緒にやろうと思ったのはなぜですか?
率直に、また一緒に仕事をしてみたいと思ったからです。それと、長らくフリーで仕事をしてきたのでひとつの会社で落ち着いて働きたいという思いもありました。
◆以前からエフェクトはやっていたんですか?
どちらかというとコンポジットとか、アニメーション以降のショット全般作業をやることが多かったです。エフェクトって、小規模なプロダクションでは、カット制作の中で作業可能なスタッフがこなすことが多かったのです。私の場合もそので自然とエフェクトを担当することが増え、徐々に専業で手がけるようになりました。
自分で考えたイメージを具現化する仕事
◆ダンデライオンではどんな案件を手がけてきましたか?
「ピングーinザ・シティ」や「プリキュア」やUSJのアトラクション映像、ルパン三世 THE FIRSTなどです。
◆今はどんな案件を手がけていますか?
今年秋公開予定の「SLAM DUNK」(タイトル未定)を担当しています。
◆思い出に残っている案件はありますか?
「ピングーinザ・シティ」ですね。これはクレイアニメの世界観なので、エフェクトに対しても粘土で作ったような質感や動きの表現が求められました。あんまりやったことがない案件だったので面白かったです。
◆エフェクトの面白さを教えてください!
自分で考えた形や動きを作れることです。長く仕事を一緒にやっているので、ディレクターと信頼関係もできているので、大まかなイメージを伝えてもらって、任せてもらうことも多いです。
◆エフェクトって自分でイメージを膨らませることが多いんですか?
案件や、演出によります。基本はディレクターがイメージを伝えるための資料を用意したり映画等を例に出したり、描いたり、なるべくイメージを具体的に伝えます。
新人スタッフであれば、私がサポートについて指示をすることになります。ディレクターさんとの信頼関係ができてくれば、ある程度はエフェクトアーティストのイメージに任せてくれる部分も出てきますよ。
エフェクトアーティストの技術のこだわりとは
◆今はHoudini(フーディニ)を使っているそうですが、MayaからHoudiniを選択したきっかけは?
10年くらい前、他社で作業していた案件でキャラクターがやられる時にバラバラのキューブになるというエフェクトがHoudiniで制作されていて、そのシーンを前任者から引き継ぐ事になったのが、きっかけでした。当時、Mayaでのエフェクト表現には限界を感じていたこともあり、それ以来Houdiniを使用しています。
◆Mayaのどんなところに限界を感じていたんですか?
Mayaのエフェクト機能は、バージョンアップを経ても、私の望むエフェクトの革新的な新機能の追加がなかったので。
当時「エフェクトと言えば(外部Plugin等の多い)3ds MaxかHoudini」という選択肢が多かったので、
私もHoudiniに移行しました。
◆仕事をする上で大切にしていることはありますか?
なにかひとつ、いつもと同じやり方ではなく、新しい手法を取り入れたり、少しでも技術をアップデートできるようにしています。
◆具体的にどんなふうに?
ソフトウェアに追加された機能や、より複雑で高度な表現ができる機能を試してみたり、ですね。
◆情報収集はけっこうするんですか?
そうですね。最近だとソフトウェアの公式YouTubeにあげられる新機能のチュートリアルなど、学習環境
は充実しているんですよ。
◆今後はどんな案件をやってみたいですか?
Unityなどのリアルタイム系も手がけてみたいですね。
ダンデライオンに興味を持っている方へ
◆新しく入社する方に期待することは?
いろんなことに興味を持てる人だといいですね。爆発や炎など派手なエフェクトをたくさんやりたい!と
いうよりは、ちょっとした環境要素だったり、目立たないものも含めて様々な案件を手がけてほしいです。
◆ダンデライオンでどんな成長ができますか?
表現方法が多いのが当社の特徴です。作品自体に興味を持って取り組めると経験の幅も広がりますよ。
◆新人が入社したらどのように育てますか?
簡単な作業からお任せしながら、社内のワークフローや環境に慣れてもらいます。
◆今はフルリモートワークですよね?
チャットなどの他に当社はバーチャルオフィスも導入しています。
新人さんが入社すればバーチャルオフィスに一緒に入って、直接きめ細やかに指導します。
◆ダンデライオンのおすすめポイントは?
映画や最近では配信など、大型案件にも携われることです。たくさんの人に見てもらえる作品であればモ
チベーションも上がりますよ。
◆最後にこの記事を見ている方に一言メッセージをお願いします。
エフェクトは常に新しい機能が追加されます。キャリアが長いから最善の方法を持っている訳ではありません。経験が浅い方でも最新知識を持っていることもあります。一緒に学びながら良い作品を作っていきましょう!