すっかり秋らしくなってきましたね。
秋といえば、食欲の秋、スポーツの秋、そして読書の秋。
ということで今回は、スケッチのメンバー9人に「好きな本」を聞いてみました!
集まったのは、経営や生き方について考える本から、心理学、歴史小説、ちょっと不思議なミステリーまで、実にさまざまな9冊。
本の紹介だけでなく、それぞれがその本を選んだ理由や、好きなところもあわせてご紹介します!
01|平田さん『風の歌を聴け』村上春樹
「言葉そのものの手触りを感じさせてくれる」
村上春樹さんのデビュー作。喪失感やあきらめを抱えながら、淡々と過ぎていく日々を描いた青春小説です。
処女作ならではの荒削りさがありつつも、その分、のちの作品群を通じて一貫して描き続けていくメッセージの、「骨格」が剥き出しになっている点に惹かれます。
後年の洗練されたスタイルと比べても、どこかストレートで直接的な言葉で語られているところがとても好きです。
静かなあきらめの中にふと漂う優しさや、言葉そのものの手触りを感じさせてくれる、ことあるごとに何度も読み返したくなる一冊です。
02|坂根さん(代表)『ザッポスの奇跡』石塚しのぶ
「企業文化は経営戦略そのもの」
社員の幸せと、お客様への感動を追求する企業文化が、会社の成長につながることを教えてくれる本です。ずいぶん前に読んだ本でありながら、今も会社づくりの考え方のベースになっています。
会社の成長を生み出すのは、優れた戦略や仕組みだけではなく、そこで働く一人ひとりの価値観や主体性、そして企業文化そのものだという考え方に強く惹かれました。
特に、社員が単に与えられた仕事をこなすのではなく、自分たちの意思で会社をつくり、顧客の期待を超える価値を生み出していく姿が印象的です。
私自身も、社員一人ひとりがオーナーシップを持ち、仕事を楽しみながら成長し、自分たちの手で会社の未来をつくっていく組織を目指しています。
企業文化は経営戦略そのものであり、人の可能性を引き出すことが会社の成長につながる。
そんな自分の経営観とも重なる一冊です。
03|小川さん『夢をかなえるゾウ』水野敬也
「日々の小さな行動の積み重ねが人生を変える」
成功するために必要な考え方や、日々の小さな行動の大切さを教えてくれる本です。
特別な才能や能力がなくても、靴を磨く、人に親切にするなど、日々の小さな行動の積み重ねが人生を変えるという考え方が好きです。
読んだのは1年ほど前ですが、日々できる大切なことを忘れてしまっていると感じるので、もう一度読み直して、学んだことを改めて行動に移していきたいと思っています。
04|旭さん『楊令伝』北方謙三
「最強の部隊を率いて敵を蹴散らす、圧倒的爽快感」
前作『水滸伝』の志を継ぎ、新しい国をつくるために戦い抜く男たちを描いた、壮大な歴史小説です。
主人公・楊令のストイックな立ち振舞いや、圧倒的な強さで最強の部隊を率いて敵を蹴散らすシーンの圧倒的爽快感。
彼らが過酷な鍛錬を経て仲間が集い、人として組織として国として、強くなっていく過程にも熱く胸を打たれます。
05|喜多見さん『日本でいちばん大切にしたい会社』坂本光司
「業績や規模だけでは測れない、会社の魅力や価値」
社員やお客様、地域など、人を大切にする経営を実践している会社を紹介した一冊です。
新卒で人材業界に入り、さまざまな会社と関わるなかで、世の中には本当にいろいろな会社があるのだと知りました。
会社によって、事業も違えば、考え方も、働く人を大切にする方法も違う。
そんなことに興味を持ち始めた新卒2年目の頃に出会ったのが、この本です。
当時は、会社という存在そのものに興味が広がっていた時期で、業績や規模だけでは測れない、会社の魅力や価値があることを、この本を通じて感じたのを覚えています。
会社が何を大切にし、そこで働く人とどう向き合っているのか。
そんな視点を持つきっかけになった、私にとって原点のような一冊です。
06|藤井さん『カウンセリングとは何か』東畑開人
「誰かの話に耳を傾けること」
誰かに話を聞いてもらうと、なぜ心は変わるのか。そんな問いをひもといていく心理学の本です。
人の心はなぜ浮き沈みするのか、落ち込んでいる人に自分は何ができるのだろう。
そんなふうに人の心について考えていた時、偶然出会った一冊です。
惹かれたのは東畑さんの軽やかで、ときにユーモアを交えた語り口。難しく感じられがちな心の問題も、不思議と身近なものに感じられます。
言葉の奥に感じられる一人ひとりの心に優しく、真摯に向き合われてきた姿勢も印象的でした。
誰かに話すこと、誰かの話に耳を傾けること。
そんな日常の何気ないやりとりが、誰かの心を支える大きな力になるのだと、改めて気づかされました。
自分の気持ちがうまく分からないときや、大切な人の気持ちを理解したいと思ったときに手に取ってほしい一冊です。
07|石原さん『論語と算盤』渋沢栄一
「人の想いだけでも、数字だけでも組織は続かない」
「道徳」と「利益」は対立するものではなく、両方がそろってこそ事業は続いていく。そんな考え方を説いた、100年以上前の経営論です。
理学療法士として現場にいた頃は「良いケアをすること」と「経営として成り立たせること」が、どこかで別物のように感じていました。
その後、施設運営や経営企画に関わるなかでこの本を読み、「どちらかを選ぶ話ではなく、両方を成り立たせるのが仕事なんだ」と腑に落ちたのを覚えています。
100年以上前の本なのに、書かれていることは今の中小企業の現場にもそのまま当てはまる。
人の想いだけでも、数字だけでも組織は続かない。迷ったときに立ち返る一冊です。
08|田巻さん『生き方』稲盛和夫
「読み進めるうちに、背筋が伸びる」
人として正しく生きることや、心を高めるための人生哲学が語られた一冊です。
単なる成功のテクニックではなく、「人として正しくあること」や「利他の心を持つこと」というシンプルで本質的な姿勢の大切さを教えてくれる点です。
著者の圧倒的な経験と熱量から紡ぎ出される言葉には強い説得力があり、読み進めるうちに背筋が伸びるような深い感銘を受けました。
自分の生き方や仕事への向き合い方を根本から見つめ直させてくれる、心に強く響く一冊です。
09|小野『オーデュボンの祈り』伊坂幸太郎
「不気味なのに優しく、寂しいのに温かい」
しゃべるカカシや個性的な住人たちが登場する、不思議な島を舞台にしたミステリー小説です。
最近はめっきり読書から遠ざかっていますが。
「好きな本は?」と聞かれて、思い浮かんだのは、もう10年以上も前に読んだこの一冊でした。
当時は伊坂幸太郎さんの作品をよく読んでいたのですが、なかでもこの本が好きだったのは、その独特な空気感。
不気味なのに優しくて、寂しいのに温かい。
最初は謎だらけだった登場人物の言動や出来事が、終盤で少しずつつながっていく展開も大好きでした。
まるで自分もその島にいるかのように、情景が浮かんでくる。
そんな不思議な世界に引き込まれた感覚を、今でも覚えています。
こうして思い出していたら、久しぶりに読み返してみたくなりました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
会社づくりの考え方に影響を与えた本、何度も読み返したくなる小説、日々の行動を見直すきっかけになった本。
9人が選んだ本には、それぞれの思い出や、大切にしている考え方が詰まっていました。
好きな本の話を聞くと、その人のことを少し知れたような気がします。
気になる一冊があれば、ぜひこの秋に手に取ってみてください。
スケッチに興味を持っていただいた方は、ぜひ応募ページもご覧ください。