2023年2月22日、株式会社AGEST主催でウェブセミナーを開催しました。
AIがコードを生成する時代にエンジニアはどうなる?エンジニアのキャリアパスと生存戦略
今回のテーマを一言で表すと「エンジニアの未来」。かなり壮大な印象を受けられるかと思いますが、実際は身近なテーマです。変化の激しいIT社会に次々と誕生する新技術…。プログラミングの世界でもそう遠くない未来にプログラミングの多くをAIが行う時代が来るかもしれません。
そんな昨今で「自分の仕事は今後どうなるんだろう?」と不安を抱くエンジニアの方々も少なくないと思います。そんな方々に向けて、3年後、5年後、10年後…エンジニアとしての未来像をより鮮明に描けるヒントを提供したいという想いから開催しました。
エンジニアにとって今はどんな時代?
当イベントのアジェンダの1つ「シンギュラリティ*は来るのか?」
*シンギュラリティ…「技術的特異点」と言い、科学技術が急速に「進化」・変化することで人間の生活も決定的に変化する「未来」を指す言葉
引用:Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%9A%84%E7%89%B9%E7%95%B0%E7%82%B9)
文章の要約や対話形式で質問応答ができる"ChatGPT"の登場は、エンジニアにとって驚愕の出来事だったのではないでしょうか?当社エンジニアもいち早く使ってみたようです。
なんでも知ってる「ChatGPT」先生と、それにより変わっていく常識
そんなAIの進化に興味を持ちつつも、自身の仕事を奪われてしまうような恐怖感を拭えないという本音。
しかし「やっぱりシンギュラリティは迫ってきている…!」と焦る気持ちは、「AIのことをきちんと理解していない」ことが理由だと考えます。人間心理として、自身のわからないことに直面すると根拠のない不安を抱いてしまう傾向にあります。しかし、自ら学びにいくことで知識になり、不安も解消します。
結論、AIは手順の決まった"作業"を得意としています。なんでもできちゃうようで、"創造すること"、つまりクリエイティブな仕事は苦手です。忘れがちですが、AIもコンピューターの1種なのです。
闇雲に感じていた「AIが仕事を奪う」という恐怖も、「AIが仕事を変える」と捉えると、これからのエンジニアのスキルセットにも変化が生まれます。
- 作業はコンピューターに、エンジニアはクリエイティブなことを
- 革新技術のできること、基本原理などを知る技術との共栄を考えること
- 常に変化を感じとり適応していくこと
このAI時代にマッチしたエンジニアになるには、この3原則を常に意識することが重要だと我々は考えています。目覚ましく進化を続けるAIを特別視してしまうのも当然ですが、エンジニアも一緒に進化していく時代が始まります。
AI時代のキャリアパスとは?
時代が変わり、エンジニアに求められるスキルセットも変わってくるように、エンジニアのキャリア選択にも変化が生じてきます。シンギュラリティが来る"かもしれない"時代に、自身がどう働きたいかを見直す必要があるのではないでしょうか。
- 「自分はコードをずっと書いていたいか?」
- 「コードを書くことにはこだわりはないけど、チームビルディングやビジネスリードを行いたい」
- 「データを活用することに興味がある」
などなど、まずは色んな観点で自身の興味関心を棚卸することで道が拓けてくるかもしれません。
エンジニアといっても、コードを書くことだけがすべてではありません。当の城倉もバリバリの開発エンジニアから、QA業界のCTOというキャリアチェンジを遂げました。キャリアパスを可視化し、AIの進化と付き合い方を見据えると、「いま何を学ぶべきか」より未来への解像度があがるはずです。
前述のようにAIは「クリエイティブなこと」が苦手です。言い換えると、人間の言ったことしかできないというのもAIの特性かもしれません。AIはルールに則って働くので、うっかり間違えてしまうこともしばしば。つまり、AIの間違いを正してあげられるのも、新しいことを学習させてあげられるのも、エンジニアに求められる重要なスキルになってくると考えております。つまり、自身が学んできた知識や得てきたスキルは全く無駄にはなりません。むしろスキルや知識を活かしてAIと共栄していくことが、どんなキャリアを歩んでも必要になってくるのではないでしょうか。
時代の変化を乗りこなすエンジニアになるヒント
これからも進化を続けるAIによって、最近では色んなことが噂されています。
- 検索エンジンがなくなってしまうのではないか?
- 慣れ親しんだツールがなくなってしまうのではないか?
- ノーコード化して、プログラム作成の格差が小さくなるのではないか?
しかし、実際いつどんな風に革新が起こるのか予測は難しいです。
我々のQA(テスト)業界にもAIの技術が活用されるのもそう遠くない未来だと考えます。間違いをQA(テスト)エンジニアのスキルで改善していくようになり、培ってきたスキル・知識が存分に活かせるでしょう。
AIは「エンジニアの代わりになる存在」ではなく、「エンジニアとパートナーになる存在」と信じて、お互い補い合いながら品質向上を目指していけると考えています。
新しいパラダイムに対応することは避けられませんが、どんな変化にも心配はいりません。まずは1つ1つの疑問や不安を小さな要素に分解して理解することで、自身のアプローチ方法が見えてくると考えています。自身の得意と向き合える良い機会になるとも言えます。
ここで大切になってくるポイントは3つ。
- 学び続け、物事の真相を知ること
- 最適な手段の模索と選択をすること
- アンテナを高く張り、変化を感じること
キャリアも同じく、自身の力を発揮できる場所は今いる環境だけではない。と、いろんな業界・職種をインプットし続けていただきたいです。そして、自身の興味関心や得意不得意にも目を向け、最適なキャリアパスを歩んでください。
常に変化に敏感でいることで視野も広がり、時代とともに自身の未来をアップデートできると信じています。こうした我々の想いを、株式会社AGESTとして、CTO城倉として、そして採用チームとして、迷えるエンジニアの方々に伝えるべく、これからも有益なイベントをお届けしたいと思います。
エンジニアとしての生存戦略に悩む方々へ、数年後より良いキャリアをつかむための一助になっていれば幸いです。