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「デザイン思考研修」を通じて         考察と深掘りを繰り返し見えてきたこと

はじめに

こんにちは!
株式会社コムデのデザイナー瀬川です。

昨年コムデに入社し、はじめにオンラインの「デザイン思考研修」を受けました。
「デザイン思考」はデザインに関する領域ではもちろん、日常的な課題から複雑な社会問題に至るまで、さまざまな場で活かされています。

今回はその「デザイン思考」および「デザイン思考研修」で取り組んだ内容についてご紹介します。

「デザイン思考」とは

「デザイン思考」とは、製品やサービスを使うユーザーの視点から課題やニーズを見つけ、ビジネス上の解決策を具体化して考える思考法のことです。次の5つのプロセスで構成されています。

1. 共感 (Empathize)
まずはアンケートやインタビューなどの調査を実施し、ユーザーの体験や感情からニーズを発見します。

2. 定義 (Define)
「共感」で集めた情報を整理・深掘りし、ユーザーの視点から課題の本質を定義します。

3. 発想 (Ideate)
定義した課題解決に向けて自由にアイデアを出し合い、解決策を模索します。

4. 試作 (Prototype)
アイデアを具体化してプロトタイプやワイヤーフレームなどの試作品を作成し、検証します。

5. テスト (Test)
試作品をユーザーに試してもらい、フィードバックを得て改良点や新たな課題を見つけます。

「テスト」を行った後はフィードバックを元に何度も上記のプロセスを繰り返し、より良い解決策を見つけ出すため再考と改善を重ねていくことが大切です。
私たちデザイナーにとって「デザイン思考」は、デザインを表層的な美しさのためだけではなく、クライアントやユーザーのニーズに応え課題を解決するための手段として、とても重要なものとなります。

「デザイン思考研修」で行ったこと

「デザイン思考研修」には社外の方も含め複数名が参加しておりました。
初めはWebサイトをトレースする課題から、徐々にステップアップし、最後の課題としてSDGsを題材にした卒業制作を完成させるまで、以下のような課題に取り組みました。 

・Webサイトのトレース
・バナーデザイン制作
・エンタメコンテンツの考案
・Webサイトのデザイン制作
・オリジナルアプリのデザイン制作
・SDGsを題材とした卒業制作

各課題ではサービスやデザインの提案書も作成し、完成後には自分の課題について発表し意見を出し合う発表会を行いました。
その中で研修全体を通じて特に繰り返し行ったのは、以下の3点です。

・言語化

抽象的なものを言葉にして具体的に表現する「言語化」は、「デザイン思考」5つのプロセスでは「定義」での情報整理や「発想」でのアイデア出しなど、あらゆる場面で必要とされます。
研修中はコンセプトやデザインの根拠・目的などを提案書にまとめる際、また自分の作品を発表する際など、言語化して相手に伝えるためのトレーニングの場が多々ありました。
特に難しさを感じたのは、他のメンバーの発表について即興でコメントをする時です。その場で感じた漠然としたイメージや思考を瞬時に伝わる言葉で表現することが難しく、語彙力を鍛える必要性を痛感しました。

・考察

物事を様々な視点から深掘りし分析する「考察」は、「共感」でのニーズ分析や「試作」で試作品を検証する際など、「言語化」同様5つのプロセス中で度々行われます。
研修ではWebサイトやプロダクトなど様々なデザインを考察し、感じたことや気がついたことを発表しました。レイアウトや配色といった視覚的要素だけでなく、ターゲットや目的、UXなどを分析し、そのデザインから得られる効果や改善点なども話し合います。
例えば某有名企業の新卒採用サイトを考察した際、赤をメインカラーとした力強いデザインに情熱や勢いを感じる、熱意ある先輩社員のインタビューから自分も成長できそう、といったポジティブなイメージが多くあがりました。その反面、モチベーションの高さを強要されそう、残業が多くプライベートが削られそう等、その裏側を深掘りすることで表面には見えないネガティブ要素も発見されました。

・ペルソナ設定

製品やサービスのターゲットとなる顧客像を具体化する「ペルソナ設定」は、5つのプロセスでは「共感」「定義」の中で調査した情報を元に設定されます。
自分の固定観念を排除し、主観と客観・具体と抽象を何度も行き来することにより、特定のユーザー層全体を象徴する架空の人物を作り上げ、ターゲットを明確にします。
課題制作でも度々「ペルソナ設定」を行いました。オリジナルアプリをデザインする課題ではUXへの理解を深めるため、ペルソナの氏名や生年月日、具体的な行動パターン、喜怒哀楽の感じ方まで、実在する人物のように詳細な設定をしました。ペルソナを作り込むことで製品やサービス、デザインの方向性がブレずに明確になることを学びました。

これらはどれも「デザイン思考」5つのプロセスにおいて大切な要素です。
特に「言語化」と「考察」は「デザイン思考」5つのプロセスを通して繰り返し行われ、デザインの分野に限らず日常のあらゆる場面で求められる重要なスキルだと感じました。

卒業制作課題について

「デザイン思考研修」の課題の中で、最も印象に残っているものは卒業制作課題です。
SDGsの目標の中から好きなものを選び、目標達成のためのプロダクトやサービスを設計し、提案書とプロトタイプを作成するというものです。
私は身近な課題を解決したいと考え、SDGsの中のフードロス問題を選びました。その中でも、可食部分でありながら廃棄率の高い「ホエイ」と「おから」を主原料としたプロテインバーを考案し、フードロス削減を目指す商品として提案しました。
実際に課題で作成した提案書の一部をご紹介します。


まずはフードロス問題の情報を集め、そのインサイトや課題を深掘りします。

・フードロス問題を題材に選んだ経緯


・フードロス問題が抱える課題とそのインサイト


次に、課題解決につながる商品を考え、ターゲットおよびアプローチ方法を設定します。

・デザインの目的と、ターゲット・アプローチ方法


上記に基づいてデザインを考え、モックアップを作成します。

・モックアップイメージ

自由度が高い分難しい課題でしたがやりがいもあり、発表の後には大きな達成感もありました。
発表後にフィードバックもいただき、まだ改善できる点が多くありましたので、この課題をここで終わらせずにより良いプロダクトを目指して改良したいと思います。

終わりに

「デザインは表層のものではなく目的を達成するための手段である」と言葉では理解したつもりでいましたが、「デザイン思考研修」を通してその意味を本当に理解することができました。

言語化することで自分の考えをまとめられるだけでなく、デザインの目的や方向性なども明確になります。さらに繰り返し深掘りすることで表面的な課題の裏側に「本当の課題」が隠れていることがわかりました。
また、自分の考えやデザインが本当にユーザーのニーズに沿っているのかを疑い、様々な視点から何度も再考することの重要性も学ぶことができました。
今後自分がデザイン業務を行う際にはもちろん、上流から制作に携わる機会があれば「デザイン思考研修」で得られたものを実践に活かしたいと思います。

研修では本編以外に、自分の好きなデザインや気になるデザインについて発表する時間がありました。発表のために「自分は何故それが好きなのか」を突き詰めて考える必要があり、その結果自分自身をより深く理解できる貴重な時間となりました。
人の発表を聞くことも自分にはない視点や感性が良い刺激になったので、いつかコムデのデザインチームでも「好きなデザイン発表会」を開催してみたいです!

このような研修をはじめデザインチーム内での勉強会など、コムデでは個人のスキルアップに向けた社員育成に積極的に取り組んでいます。
この記事を通してコムデのデザインチームの環境を知っていただき、こんな職場で働きたい、一緒に成長したいと感じていただける方がいらっしゃいましたら幸いです。

興味を持っていただけた方はぜひお問い合わせください!


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