ココネは、今では健康経営・ウェルビーイングと言われる考え方に基づいた働き方を、創業以来ごく自然な形で実践しています。
日々の業務に意欲的に取り組んでもらうため、社員の「健康」を向上させることは、会社として果たすべき当然の責任と考えています。
そのためにもココネのオフィスには、大企業にも負けないと自負している様々な施設を設けており、今回はそのなかでもジムについてご紹介したいと思います。
「“鍛える”場所から、“整える”場所へ」
本格的なトレーニングマシンを用意したものの、当初は低迷していたココネジムの利用率。
雑誌SWITCH(Vol.41)のインタビュー記事でも取り上げられていますが、ジム利用率の飛躍的な増加に成功したウェルネスチーム チーム長の小比類巻に、その取り組みや運営スタンスについて話を聞いてみました。
ージムとマッサージルームは去年6月にリニューアルしてから、利用者数が飛躍的に増加しました。心がけたことや工夫を教えてください。
利用者数は思ったよりも早く結果が出たので、自分でもびっくりしています。
まず一番最初に取り組んだのが、「ジムのコンセプトを明確にする」ことでした。
運動が苦手な人や好きではない人も一定数いると思うので、「運動したら結果が出るから筋トレしましょう」だけではジムに通いたいと思わなくなってしまうかもしれない。鍛えなくてもいいので、体を“整える”ジムを作ろう、フィットネス感を出さないようにしようと思い、それに合ったチームを作る為にインスタで活躍しているトレーナーにDMをしたり、実際にレッスンを体験して採用を進めて来ました。ココネは女性社員が多いので、フィットネス寄りではなく、ヨガやピラティスのレッスンを増やしたり、日ごとに担当トレーナーを変えたりと、とにかく選択肢を増やしたんです。
また、予約システムも導入しました。今までスプレッドシートで管理していたんですが、予約したことが社内のメンバーに見られてしまうことで躊躇してしまう要因になっていました。今はそういう心配も無く、気軽に予約しやすくなったと思います。
ジム自体ももっと気軽に使ってもらえるように、BGMや照明の色も変えました。室内に設置されたモニターも以前は筋トレ動画がメインでしたが、WBCが開催されていた時期には野球中継を流したり、夜は女性の利用が多いのでK-ポップのミュージックビデオを流したりしました。
ー社員にジムの存在を広める際に気にした点はありますか?
ジムって結構クローズドじゃないですか。扉を開けて入るのは勇気がいると思うんです。なのでどんなことができるのか、どのように変化したのかを感じてもらうために、トレーニングではなくエクササイズという言葉を使ったり、“ほぐし”とかなるべく柔らかい言葉でニュアンスを軽くして、マッサージ・ストレッチの延長線上だよと、ハードルを低くすることを心がけました。
業務の合間か終業後にジムに来られる方も多く、どちらにしても疲れている時だと思うので、ゴリゴリのトレーニングよりも疲れを癒す系がココネにはきっとフィットするだろうと、そういうプログラムを作ったり、メッセージを発信しました。
ー疲れを癒すためのジム。興味深い言葉ですね。
トレーナーたちは基本業務委託ですが、契約前に彼らに向けて資料を作って、ココネのジムではこういう風にやっていきたいという話を理解してくれた人たちに集まってもらいました。いくら提供したいものがあっても、それに沿ったスキルが伴っていないとコンセプト通りに運営するのは難しいと思っていたので、そこは徹底して慎重に進めました。
社内で宅配ストレッチサービス
ー某有名宅配サービスの名前をもじったストレッチ施策も楽しい取り組みでしたね。結果的にジムに来てもらうきっかけにもなったという話を聞いています。
とりあえず来てもらわないとジムにどんな人がいるのか全くわかってもらえない、どんなことをされるのかもわからない。コンセプトの「整えるジム」について不明確な部分もあるかなと思いました。そこで「自席でストレッチを受けられる」という形で、逆にこちらから社員のほうに出向くことにしました。トレーナーの紹介も兼ねつつ、こんなこともできるということを体験してもらいました。あと、目立たないと面白くないので、本物の某有名宅配サービスのカバンのロゴを変えて、それを背負いながら社内を練り歩きました。わりとそれで注目されたと思います(笑)。
それらの取り組みから、ジムに来てくれる人が多くなりました。鍛えるだけのジムではないということを知ってもらえる、いいきっかけ作りになったと思ってます。
最近だとリフォーマーと呼ばれるマシンピラティスの機械を導入しました。フィットネス業界で流行っていて、マシンピラティスだけをやるスタジオも設けました。今では予約開始30分ぐらいで枠がすべて埋まるほど、ココネでも人気のプログラムになっています。流行りのトレンドもしっかり押さえています。
ーマッサージの利用者数もすごく伸びましたよね。
マッサージはそもそも利用枠が少なかったので、枠を増やしました。社内には2つのマッサージルームがあり、ひとつは治療寄りに近く、もうひとつはリラクゼーション要素の高いマッサージをしています。
ー全社員向けにSlackで、マッサージやエクササイズなどのプログラムの空き状況を毎日お知らせされていますね。
通常、予約しようと思ったらスケジュールを確認するなどの能動的なアクションが必要になります。一方でSlackでポンって空き具合のお知らせが流れてきたら、受動的に状況を知ることができます。申込フォームのURLもそこに付いているので、思い立ったらすぐに予約することができます。毎日お知らせが来ると嫌がる人もいるかなと思いましたが、メリットも大きいと考え、アナウンスをしてもらえるようにトレーナーの方々にお願いしました。
ー満員のお知らせがあると、皆行ってるんだ、自分も行ってみようかなってなりますよね。
施術者やトレーナーからそういった発信が増えたことによって、気軽に行っていいんだみたいな空気が社内に根付いてきたと思います。
岩盤浴や美顔鍼なども企画
ー役職付きの社員も結構利用されていますよね。
最初、役員と部長の方々に時間をいただき、それぞれパーソナルレッスンを行いました。そして、このように体が変わるので、「チームのメンバーにも良かったよ、行ってみなよ!」と伝えてほしいと、お願いをしました。上の人が参加しているとその下の社員も行きやすくなりますからね。
また、口コミでジムの良さが広がったのも良かった点です。口コミを増やそうと、お友達招待キャンペーンみたいなこともやって、そこでも利用者が増えたんです。
新規を増やすための施策と継続性を担保させるための施策を考えて、毎月何かしらイベントを行っています。ジムがひとつのアトラクションとして、楽しめる運動を提供できているかなと思ってます。
まあ、僕自身もびっくりしているんですけど、まさかココネに来てジムの店舗運営のようなことをするとは思っていませんでした(笑)。一般のジムがやっているようなことを、ココネに合うようにアレンジして行っています。
ー岩盤浴やプロテインの試飲会、美顔鍼とかいろいろ体験する機会がありましたが、あれはご自分で企画されたものですか。
女性社員も多いですし、美容関係のメニューを受ける人たちはパーソナルトレーニングとはまた違うターゲットになるんですね。パーソナルを受ける人達が喜ぶような施策を中心にやってきましたが、片やまだ参加していない人たちの分母も大きい。参加していない人たちの中から興味を持ってもらえそうなことは何かなと思って、岩盤浴や足湯をやってみたり、美顔鍼、エステ体験もやったりしました。ジムに関心が向いていない人たちにも、健康になるようなことを提供できたらいいなと思っています。そこは常に二本柱で動いています。
一人ひとりの人生までケアしたい
ー今後挑戦してみたいことは何でしょうか。
今はココネで働いている人たちに対してのアプローチですが、スポーツ能力向上に向けたお子さんと一緒に参加できるプログラムとか、出産して体型が変わってしまうこともあるので産後ケアに特化したものとか、赤ちゃんとやるヨガなど、家族とできるようなものに挑戦してみたいと思っています。
ーもはやジムだけに留まらない感じですね。
今、ウェルネスチームに所属していますが、ウェルネスって別にフィットネスではないんですよね。会社で掲げているウェルビーイングと同じように、ウェルネスはその人が生き生きとした生活を送れるように何か行動してみよう、みたいなことがテーマなんです。なので、そこに関わる部分も提供したいなと。そうするとフィットネスだけではなく、美容や食事など、幅広く取り組んでいく感じになっていくと思います。
さらに言うとココネのウェルビーイングは、健康な心と体をしっかりと両立させましょう、と定義づけているので、そこに向けて取り組んでいきたいですね。
ー社内ジムから始まる働き方改革、ですね!
働き方だけではなく、暮らし方、生き方に至るまで、一人ひとりの人生までもしっかりとケアできるものを提供したいと常に考えています。やるからにはそこを目指したいです。ただダイエットをするだけなら、他のジムでもいい。せっかく社内にあるので、トレーニング中に何か悩んでいることをトレーナーに話すだけでもスッキリすることもあるだろうし、メンタルケアとしての役割もできると思うんですよね。運動しながら心も体もスッキリする。ココネのジムは、そういうことができる環境ではないかと思っています。
ー体を整えるだけではなく、心もしっかりケアできるジム。今後の展開がますます楽しみです。ありがとうございました!
体を“整える”場所としてジムのコンセプトを明確にし、社員の嗜好や特性に合わせてメニュー等の選択肢を増やしたことで利用率が飛躍的に増加したココネのジム。
創業から十数年、社員にとってのウェルビーングを考え、且つ企業として成長させていくために様々な設備と制度を形作ってきました。
ココネのウェルネス・ウェルビーイング環境に完成形はなく、今後も社内外の状況を勘案しつつ、進化し続けていく予定です。