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20代でのがむしゃらな挑戦から、ClipLineでの成長へ:CFO渡辺のキャリアヒストリー

20代でキャリアを模索しながらがむしゃらに努力を重ね、旅を通して広げた視野をもとに、現在CFOとしてClipLineの成長を支えている渡辺。スタートアップにおけるCFOの役割は、資金調達や財務管理に留まらず、組織全体の未来を描くことにも及びます。公私共に充実した毎日を送りながら、ClipLineの使命である「『できる』をふやす」の実現に向けて、どのようにビジョンを育み、挑戦し続けているのか。そのキャリアと人となりに迫ります。


〈プロフィール〉
渡辺 雄介 (Yusuke Watanabe)
ClipLine株式会社 取締役CFO
早稲田大学社会科学部卒業後、株式会社ミキハウス、イー・ギャランティ株式会社で経営企画業務に携わった後、伊藤忠キャピタル証券へ出向し、クレジットデリバティブ事業の立ち上げを担当。株式会社モブキャストで経営企画部長、管理部長を経て、2015年株式会社グッドパッチに参画。 管理部門の立ち上げ、財務経理、総務労務を機能させ、総額4億円の資金調達をリード。同年11月取締役就任。
2017年にClipLine株式会社(旧:株式会社ジェネックスソリューションズ)に参画。

目次

  1. 旅に出たくてがむしゃらに経験を積んだ20代
  2. 旅で培った価値観や経験を基にキャリアを再形成
  3. ClipLineが描くサービスの付加価値拡大の可能性
  4. 家族愛とスポーツで磨く自己成長

旅に出たくてがむしゃらに経験を積んだ20代

――改めてこれまでのキャリアについて教えてください。

渡辺:子供が好きなのもあって、大学時代に幼稚園でアルバイトをしており、新卒でミキハウスに入社しました。大阪本社で百貨店販売やセールイベントを担当し、2年半勤めた後に東京の金融会社へ転職しました。そこでは4年間、社長秘書や出向先での金融商品の開発に従事し、朝7時半から夜の12~1時まで働いていて、寝るためだけに帰る生活をしていましたね。もともと20代のうちに旅に出たい願望があったので、期限を決めて早くキャリアを積んで、激務の中で成長しようと頑張っていました。

――念願通り、29歳で世界一周旅行に行かれました。旅行ではどんなことが印象的でしたか?

渡辺: 4ヶ月間で20〜30カ国を訪れましたが、特に印象に残っているのは、セネガルの経験と、ウユニ塩湖ですね。セネガルは観光地じゃないのでガイドブックもないんですが、大使館にアポなしで行ったら外交官が会ってくれて、「よくこんなとこまで来たね」みたいなことは言われましたね。セネガルの人はとてもフレンドリーで、僕みたいな東洋人が珍しいらしく、街中の子供が集まってきて握手を求められました。ウユニ塩湖は、アクセスが非常に大変で苦労してたどり着いたんですが、ちょうど雨季の晴れ間のタイミングに行けて、天国のような景色を見ることができたので今も鮮明に覚えています。

              旅の話はインターン生にも珍しがられる

旅で培った価値観や経験を基にキャリアを再形成

――旅行後の再就職はどのような経緯でしたか?

渡辺:帰国後の就職活動は簡単ではありませんでした。自分の中では大きな目標をひとつ達成したし、貴重な経験を積んだつもりでいましたが、当然ビジネスをしに行ったわけではないので、企業側からするとネガティブに捉えられることもありましたからね。

そんな状況の中で最終的に「面白いやつが来た」と評価してくれたゲーム会社に入社することができました。そこでは、管理部門でIRや会計、法務など、幅広い業務に携わり最終的には経営企画部長まで任せていただいたので、結果的には自分のキャリアを戻すことにつながりました。

その後、さらに幅を広げるためにデザイン会社に転職しました。ちょうど東京オリンピックを控えていた時で、国際化が進む日本で外国人旅行者にやさしいデザインに携わりたいと思って入社しました。ここでは管理部門の立ち上げや資金調達を経験して、最終的には取締役に就任しました。立ち上げでは住民税の申告などの細かい業務から組織づくりまで携わったので、かなり今の業務の役に立っていると思いますね。また、未上場での株式調達も初めて経験しました。

――今までのキャリアのなかで、もっとも成長実感したターニングポイントはどこだったんでしょう?

渡辺:やっぱり資金調達ですかね。意思決定が日本国内だけじゃなく、海外まで及ぶものだったので、国内のマネージャーだけでなく、アメリカの関係者を巻き込んで、海外の投資家に対してどうメッセージングするのかみたいなことは自分も勉強しながらやっていました。僕はビジネス英語が流暢なわけではなかったので、英語でプレゼンができる人を巻き込んだり、社長を巻き込んだりして体制をつくりました。関係者が多く、工程が複雑になったりして一筋縄ではいかなかったですが、とても成長実感があった経験です。

ClipLineが描くサービスの付加価値拡大の可能性

――ClipLineへの入社はどのような経緯で決まったのですか?

渡辺:友人の紹介で、社長の高橋さんとお会いする機会がありました。その際に、海外に日本のおもてなしを輸出したいという話を聞き、非常に共感したことを覚えています。もともと高橋さんのバックグラウンドも知っていたし、この人なら社会貢献できて長期利益につながるビジネスをやってくれるだろうと思いましたね。特にサービス業の課題にテクノロジーで取り組むという点が、私の価値観と合致していたので入社の決定的な要因になりました。他社の紹介も受けていましたが、ほとんど迷うことはなかったと思います。

――ClipLineでのビジョンや取り組みについて、どのように感じていますか?

渡辺:ClipLineでは、サービス業の人手不足という社会的な課題に取り組んでいます。こういった社会課題にアプローチ出来ていることにとてもやりがいを感じています。ただ、それと同時にテクノロジーを活用して効率化を図りつつ、人が提供するサービスの「趣」を大切にすることが重要だと考えています。デジタルツールは非常に便利ですが、人との交流がもたらす価値もありますし、人が人にサービスを提供する産業ではもっとも重要な付加価値になり得ます。特に、店舗での顧客対応や人による教育といった部分は、単なる効率化では解決できない領域です。ClipLine はテクノロジーによる効率化と、人による価値提供拡大の両方にアプローチできるので、大きな可能性のある事業だと思っています。

――入社後、最も印象的だった出来事やプロジェクトは何でしたか。

渡辺:シリーズCの資金調達ですね。半官半民のファンドから数億円規模の資金調達を実施しました。会社の体制が大きく変化し、取締役会の設置や報告体制の設備など、一気に会社らしくなって、自分としても背筋が伸びたと感じています。数億円の調達だったのでそれを元手に営業部の新設、マーケティングの本格化など現在のビジネススタイルの原型が形成されました。一気に名実ともに会社になってきたタイミングであったし、そのようなことのできる資金を得た点では自分の仕事としてやりがいがありました。

▼シリーズCの資金調達に関するプレスリリース

【ClipLine株式会社】株式会社産業革新機構、株式会社アニヴェルセルHOLDINGSからの6.1億円の第三者割当増資を決定
ClipLine株式会社のプレスリリース(2018年3月13日 13時00分)【ClipLine株式会社】株式会社産業革新機構、株式会社アニヴェルセルHOLDINGSからの6.1億円の第三者割当増資を決定
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000011390.html


      これまでの資金調達実績は累計31.5億円(棒グラフはユーザー数の推移)

――前回のインタビューは2020年11月、コロナの真っただ中でした。その後、ご自身の役割や考え方について変化したことはありましたか。

渡辺:コロナ禍では先がどうなるかわからない状態だったので、オフィスの移転、長期借入れ、感染対策などディフェンシブなことにマインドが割かれていましたね。今は会社を成長軌道に乗せることを意識しています。大型の資金調達、オフィスの移転、社員総会などを実施しました。あとは外部株主をはじめとして外からの見え方を意識した決算作りや予算達成、黒字化達成など、ポジティブな印象づくりに注力しました。
会社は上り調子に入る流れになっていると思います。顧客の投資マインドも上向きですし、社内で予算達成、黒字達成といった目標が掲げられ、達成機運が高まってきていると思います。家族愛とスポーツで磨く自己成長

――プライベートの過ごし方についても教えてください。

渡辺:休みの日の過ごし方は、家族との時間を第一に考えていますが、趣味に打ち込むことも大切にしています。小学校のころからバスケットボールを続けており、バスケットボールの世界に貢献したい気持ちで審判活動にチャレンジしています。今年で43歳になり、通常は体の衰えを感じる年ごろだと思いますが、月に100km目標のランニングも継続して走っているせいか、体調は良好です。続けていると距離が伸びたり、タイムが早くなったり、最大酸素摂取量が増えたり、体の進化を感じられるんですね。デスクワークだと腰痛とか運動不足になりやすいですが、走っているときには不調が出てこないですし、精神的な安定も得られています。

家族愛とスポーツで磨く自己成長

――プライベートの過ごし方についても教えてください。

渡辺:休みの日の過ごし方は、家族との時間を第一に考えていますが、趣味に打ち込むことも大切にしています。小学校のころからバスケットボールを続けており、バスケットボールの世界に貢献したい気持ちで審判活動にチャレンジしています。今年で43歳になり、通常は体の衰えを感じる年ごろだと思いますが、月に100km目標のランニングも継続して走っているせいか、体調は良好です。続けていると距離が伸びたり、タイムが早くなったり、最大酸素摂取量が増えたり、体の進化を感じられるんですね。デスクワークだと腰痛とか運動不足になりやすいですが、走っているときには不調が出てこないですし、精神的な安定も得られています。


                家族も帯同してホノルルマラソンに出場

――ワークライフバランスで心掛けていることはありますか?

渡辺:当社はフレックスタイムや出社とリモートを組み合わせたハイブリッドワークなど自由度の高い働き方ができるので、子供の送迎や家事など、仕事と生活を柔軟に組み合わせています。リモートワークだと、今日は僕が子供を迎えに行くかみたいな感じでフレキシブルな対応ができます。

仕事だけをするなら20代の頃のように長時間オフィスに詰めたほうが効率はいいかもしれませんが、今日、子供の顔を見ないと、次の日は違う顔になっているかもしれないじゃないですか。育児と仕事の両立は余裕のない生活ですが、子供の成長を見守る点は重視しています。当社はライフステージの変化や働く人のバックグラウンド、多様性に合わせて働き方を変えることができますし、テクノロジーを導入したりコミュニケーションを円滑にすることで同時に生産性も上げていくことを常に考えています。

ミッションは「『できる』をふやす」なので、顧客の提供価値だけでなく、自分たちの能力やスキルも向上させながら、働き方のバランスをとることを意識していきたいですね。


最後までお読みいただきありがとうございました!

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