Classi、AI×教育の第一人者 電気通信大学の植野 真臣氏がアドバイザーに就任 | お知らせ | Classi株式会社
Classi、AI×教育の第一人者 電気通信大学の植野 真臣氏がアドバイザーに就任
https://classi.jp/info/20190226/
みなさん、こんにちは。Classiの みと です。
この度、人工知能(AI)の技術の一つであるベイジアンネットワーク研究の権威で、電気通信大学大学院教授の植野 真臣(うえの まおみ)氏がClassiにアドバイザーとしてジョインいただくことになりました。
今回は、インタビュー内容と併せて植野氏のご紹介をさせていただきます。ぜひ、ご覧ください( ´∀`)
修士課程にて教育学を学んだ後、博士課程では統計学の研究室に進み、ベイジアンネットワークの研究で博士号を取得。世界に先駆け2000年にeラーニングシステム「Samurai」を開発、詳細な学習履歴データを大量に蓄積し、機械学習を用いてアダプティブに学習支援を行うシステムとして、当時、世界最大のeラーニングの国際学会「E-Learn」で3回(2004年、2005年、2007年)論文賞を受賞。
また、eテスティングの提唱者でもあり、日本最大の国家試験である「情報処理技術者試験」や「医学系共用試験」に採用され、関連論文は、2018年に「電子情報通信学会論文賞」を受賞、世界的なトップジャーナル「IEEE Transactions on Learning Technologies」にも多数掲載されています。
さらに、人工知能の世界的トップカンファレンスである「AAAI(アメリカ人工知能学会、Association for the Advancement of Artificial Intelligence)」、「IJCAI(国際人工知能会議、International Joint Conference on Artificial Intelligence)」で長年Program Committeeを務め、「IEEE ICTAI」で論文賞を受賞するなど、世界をリードする最先端研究者の一人です。
Classiとの出会いは2016年。「教育業界にもAIが必要になってくる」、当時、理啓さん(弊社代表取締役副社長 加藤)が熱く語ってくれたのを覚えています。その時に見せてもらったデータは、学校で生徒が日々勉強しているデータで、セオリーに合わせて作られたきれいなデータではなく、とても生々しく興味深いものでした。
1990年頃から教育領域でのデータ活用は行われており、インターネットを取り巻く環境が大きく変わっていく中で、2000年に世界に先駆けてeラーニングシステム「Samurai」(機械学習を用いてアダプティブに学習支援を行うシステム)を開発しました。 このシステムは、学習者の成績や傾向などを把握し、似た特性を持つ過去の学習者の履歴データを参考にして、学習者に適した学習方法を自動でレコメンドすることができます。
しかし、学力や成果を測定するテストを作る際、同じレベルの問題を複数作ることは非常に難しく、しかも、毎回同じ難易度、同じ尺度を維持し、違うテストでも同一尺度で能力を測れる問題を作ることはかなり困難です。私の研究室が開発したeテスティングは、いつでも誰でも同一尺度で作られた異なる問題を出題することが可能で、これは、統計学+心理学+人工知能(コンピュータ科学)を融合させたシステムです。また、問題のパラメータ(媒介変数)を推定して、受験者の反応から能力を推定しながら毎回テスト精度の高い問題を出していくアダプティブテスティング(コンピュータ適応型テスト)と呼ばれる手法に人工知能技術を加えて最高精度のシステムも開発してきました。
教育は、教え込みではありません。一定の能力まで引き上げるための支援を行う、ちょうど良い程度の支援が求められています。そのためには、その支援を行えば学習者が正答に至る確率が目安になってくると考えています。正答確率が1になってしまうということは教え過ぎを意味していますし、正答確率が0では何も支援していません。ちょうど良い支援を与えるためには正答確率がちょうど0.5できるかできないかのぎりぎりのレベルになるようにヒントを与えるのが最も効果的であることを発見しました。しかし、ヒントを与えた後の正答確率を教師が予測することは非常に難しいといえます。そこで、正答確率の推定精度を高め本当の教育を実現するためには学習者の過去の学習履歴のデータが必要となるのです。
今後、教育ビッグデータを使って、未来を予測し、教育の本質に切り込めるモデルを作って海外にもアプローチしていきたいと思っています。
私の研究室は、「Samurai」をはじめ人工知能やデータサイエンス技術を用いた、さまざまなシステムやサービスの開発を行っています。教育分野において、人工知能やビッグデータにより教員の業務の効率化や、学習者の学びの効果が飛躍的に向上する可能性を秘めており、国内最大級の学習支援プラットフォームである「Classi」のデータサイエンティストとともに研究することで、どのような有益な結果が出てくるのか、今から非常に楽しみです。これらの研究活動が、EdTech領域におけるAI活用の発展に大きくつながると期待しています。
弊社では、植野氏の協力のもと、アダプティブラーニングをはじめとする、人工知能を活用した新たな学習手法の研究・開発をさらに加速していきます。
引き続き、データサイエンティスト、pythonエンジニアを募集しておりますので、興味がある方は、ぜひ一度遊びにいらしてください!
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