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スタートアップCSuOの挑戦:シェルパで実現する「利益とサステナビリティの融合」

CSuOに就任しました

2024年11月、私はシェルパで取締役 CSuO(Chief Sustainability Officer)に就任しました。これまでCEIO(Chief ESG Innovation Officer)として、テクノロジーにESGの知見を融合させる役割を担ってきましたが、その活動を引き継ぎつつ、新たにCSuOとしての責務にも取り組むことになった次第です。

さて、CSuOという役割は、近年ますます注目を集めていますが、その役割は企業や業界によって大きく異なります。ハーバードビジネスレビューの記事「これからの最高サステナビリティ責任者の役割」では、CSuOはかつてステークホルダーマネジメントやPR的な側面が強かった役割ですが、現在は他の経営メンバーや投資家と深く関わり、事業戦略にサステナビリティを組み込む役割へと進化していると述べられています。それでも、まだ一般的に浸透しているとは言えない肩書きのため、就任後にロンドン時代の友人から「Chief Sushi Officerになったんだね」と冗談を言われ、思わず笑ってしまいました。

ロンドンの自宅でSushi Partyを開催した時の様子。
海鮮があまり手に入らずネタが非常にさみしい。


スタートアップのCSuOの役割はさらに特別なものであると感じています。特に、スピード感を持ちながら事業戦略にサステナビリティを組み込むという、柔軟性と迅速な意思決定が求められる点が特徴です。以下では、シェルパが目指す「サステナビリティの事業戦略への組み入れ」について、その大枠をご紹介します。

シェルパにおける「サステナビリティの事業戦略への組み入れ」とは

シェルパの経営ビジョンは「利益とサステナビリティが融合する世界を実現する」です。このビジョンに共感し、入社を決めてくださったメンバーも多く、私自身も非常に腹落ちしています。

約10年前、サステナビリティの業務に取り組み始めた頃、私が特に課題として感じたのは、「企業がサステナビリティの取り組みをコストと捉えている」という現実でした。例えば、国際人権団体のHuman Rights Watchでのインターン時代に携わったアドボカシー活動では、企業の行動を変えることの難しさを痛感しました。多くの場合、外部から訴えかけるだけでは、企業の抜本的な行動変容には至らないという壁があったのです。しかし、もし「利益」と「サステナビリティ」が融合する世界を実現できれば、企業がサステナビリティに取り組むことは自然で必然的な流れとなるでしょう。

このようなビジョンを実現するために、シェルパのミッションとして掲げているのが「非財務情報のポテンシャルを開放する」というものです。弊社はAIやESGなど、高い専門性を兼ね備えたエキスパートを多く擁しています。この強みを生かして非財務情報の持つ価値を可視化し、ステークホルダーに見える形で伝えることで、サステナビリティが利益を生む構図を誰もが当たり前のように理解できる世界を目指しています。

テクノロジーを通じて非財務情報のポテンシャルを開放するこのミッションは、誰でも容易に達成できるものではありません。高い専門性に加え、スピード感と市場のドライブ力が求められる挑戦です。未知の領域の課題についてステークホルダーと議論しながら迅速に解決策を見出し、それを市場全体に共有して共通認識を醸成していく。そして、各プライヤーと連携しながら課題解決を進める。このようなことが可能な立ち位置こそがシェルパのスタートアップとしての強みであると考えています(現在シェルパは、多くの導入企業連携先と共に、このミッションに立ち向かっています)。

まさに、シェルパにおけるCSuOの役割は、これらの未知の課題をいち早く発見し、テクノロジーを駆使して解決策を模索することです。そして、それを関係者と協力しながら迅速に実現し、変革を市場に広げる推進役を担うことだと考えています。

サステナビリティ・スタートアップ社内のサステナビリティ

これまで述べてきたのは、事業を通じて社会に対してインパクトを創出するという側面でのCSuOの役割に焦点を当てたものですが、同時に、自社内でのサステナビリティを実現することも非常に重要な役割です。例えば、シェルパでは、社員が持続可能な働き方を実現できるような環境づくりにも注力しています。私がこの会社に入社を決めた理由の一つは、代表の杉本とこの点に関する考え方が一致していたことでした。(参考:なぜ今シェルパに参画するのか【CEO × CEIO対談】/後編)。

特にサステナビリティ分野では、アップデートの速さとカバー範囲の広さから、自身の働き方を犠牲にするケースが多いと感じます(私自身もコンサルティングファーム所属時代は、朝まで勤務しているということも珍しくありませんでした)。

コンサルティングファーム時代の同僚と一緒に気晴らしに利用した「どうぶつタワーバトル」というゲーム。動物を積み重ねていくだけなので、忙しくても実施可能。

どうぶつタワーバトル - のんびりオンライン対戦ゲーム - Google Play のアプリかわいくリアルな動物を積んでいくゲーム「どうぶつタワー」がオンライン対戦できるようになり登場のんびり熱く対戦しようplay.google.com


さらに、スタートアップ業界では、スピード感が求められる一方で、働き方に対する懸念が聞かれることもあります。しかし、シェルパに入社した多くのメンバーは、その働きやすさと独自の文化に予想以上のポジティブな驚きを感じたと語っています。シェルパでは、スタートアップならではの柔軟性を最大限に活かし、従業員の声を積極的に取り入れながら、迅速に施策を実行しています。カルチャーの醸成や働き方の見直しをプロアクティブに進めている点が、大きな強みです。

例えば、長時間労働を避ける社風を確立しています。「Fast & Creative」というシェルパのバリューに基づき、最初から完璧なアウトプットを目指すのではなく、早期にプロトタイプを公開し、改善を重ねてリリースするスタイルを重視しています。また、社内業務にもAIをはじめとするテクノロジーを最大限活用しています。これにより業務にかかる時間を可能な限り短縮し、従業員が高付加価値な業務に集中できる環境を目指しています。

あるいは、ESGエキスパートチームでは、コンサルティング業務とプロダクト知見注入業務の両方を担う兼務スタイルを採用しています。これにより、いずれかの業務が逼迫した際には柔軟に業務負荷を調整できる体制を構築しています。この仕組みは、従業員の負担軽減やサステナブルな働き方の実現に寄与するだけでなく、多様な業務経験を通じて社員のキャリアパスを広げることにもつながっています。

また、仕事においてサステナビリティを確保するということは、単に労働時間を減らすことを意味するものではありません。シェルパでは、働きやすさを高めるための様々な施策に取り組んでいます。例えば、年齢やジェンダー面において多様性を確保したり、リモートワークの柔軟性を活かし、社員の個別事情やニーズに対応する働き方を可能にしたりしています(参考:平均年齢34歳、男女比率1:1、リモートワーク活用率98%)。これらの施策は、多様な背景を持つ人々が能力を最大限発揮できる環境を作る上で欠かせないと考えています。

今後は、働きやすさが生産性向上に寄与するという研究結果を活用し、他の経営メンバーに財務的なインパクトも訴求することで、より効果的な施策を導入していきたいと考えています。働きやすい環境は、従業員の定着率や採用競争力を高めるだけでなく、組織全体の効率を向上させることが可能です。これもまた「利益とサステナビリティの融合」の一つの形です。

最後に:シェルパと一緒に挑戦しませんか?

シェルパのバリューの一つに「Collective Pioneers」があります。この言葉には、「未開の地を切り開く、パイオニアの集団であれ」という意味が込められています。これまで述べてきた通り、シェルパは、社員一人ひとりが「これが良い」と思ったことをスピーディーにトライできる場所であり、その未知なる挑戦を周りが全力で支援し協力してくれる、そんな文化を持った会社だと自負しています。

さらに、この文化を社内にとどめるのではなく、社外の方々にも共有していきたいと考えています。シェルパの製品を利用していただいたり、私たちと連携していただくことで、「シェルパを通じて新たな価値を実現できた」という感動を味わっていただける場を作りたいのです。この感動を通じて、シェルパのムーブメントをさらに広げ、社会全体を巻き込んでいくことを目指しています。

この記事を読んで、「このムーブメントに参加したい」と感じてくださる方、ぜひ私たちと一緒に「利益とサステナビリティが融合した世界」を作る旅に加わっていただけると嬉しいです!


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