創業者インタビューの最終回。日本テレビ放送網やソニーなど国内有名企業に在籍経験あり、LINE元代表取締役社長など華々しい実績を持ちながら、誰に対してもフラットと評判で次々と新規事業を生み出し続けるC Channel代表・森川さん。その独自の価値観に迫ります。
「自分の仕事で世の中が変わる」という情熱を持った人が集まっているのが理想
-理想とするのは、どのような組織でしょうか?
組織作りはまだまだ課題がありますが、基本的にはやりたいことをやるのが大前提です。
会社やその目標に合わせて仕事をやらざるを得ないというよりは、変化とか時代の流れやビジョンに対して、「自分はこれをやりたい、それをやることで世の中がこう変わる」という想いを持っている人が集まり、自由闊達にやるのが理想です。
-C Channelのカルチャーは?
部署毎に多少違いますが、総じて、自分ごと化できる仕事を持てる人が輝いている組織だと思います。
C CHANNELは、若い女性向けのメディアなので、カワイイをキーワードに、コスメや美容について好きな人が多かったり、mama+(ママタス)は、ママの課題を解決するメディアとして、実際にママ中心の組織なので、メンバーも時短の働き方に向き合い成長していくという雰囲気です。
mysta(マイスタ)という動画のオーディションメディアは、PRODUCE 101というオーディション番組をK-POPのエンタメ情報メディアのMnetと組んで運営していますが、仕事をしていく中で出演者のファンになり、ファンになることで熱量が高まっています。みなさんが自分ごと化できるような事業に集中できる、そういった環境ですね。
この業界では全ての部署が新規事業部のようなもの
-社員からは、挑戦できる、失敗に寛容な組織だという声がよく挙がっています。
おそらく大企業だと、毎日同じことを繰り返すだけでも、一定期間であれば続けていくことはできると思います。
でも、我々の領域は、3年で変化するような業界ですから、全ての部署が新規事業部のようなものです。では、新規事業部はどうしたら成功するかというと、今ないものを作り出すこと。でもその多くは失敗するわけなんですよ。
チャレンジをし続けるしかないですし、その先に成功があります。どうやってリスクをとらずに成功できるかというと、小さなテストを早く繰り返す、それをどれだけの回数できるのかがポイントだと思います。
-少しでも、失敗を少なく上手くやってほしいとは思わないですか?
失敗とテストの違いなんですよね。よく社員にも話しますが、自転車に乗る練習をするときって転びますよね。でも転ぶのを恐れているといつまでも自転車に乗れないので、転ぶのは失敗ではなく次に向けた練習の一貫です。
格闘技とかも同じだと思います。一度殴られたからといって「もうやめます」となったらそこで終わりだけど、殴られたり倒されたりしなくなるように練習を続けるわけです。
もちろん、初めから失敗すると思うことをやる必要はないですが、ゴールに向けて、小さな失敗を繰り返してゴールに向かっているのなら良いと思うんですよね。
自分の価値は毎日リセットして、生み出すことを意識する
-そういった発想はいつからお持ちなんですか?
人生そのものが、挑戦の連続です。恋愛もそうでしょう、フラれるのが怖いと告白できなかったら相手ができないとか。何事も前に進まないと変わらないので、そういう生き方を選んでいるということですかね。
-もう1つ、社員からよくある声として、誰とでも距離が近くとてもフラットだと聞きます。これまで数々の実績があるにも関わらず、謙虚でいられる秘訣を教えてください。
そうですね・・・常に、自分の価値ってなくなっちゃうので。毎日、まるで生まれたての赤ん坊のような気持ちで、今日どこまでがんばれば、今の自分の立場まで上がれるだろうかということを、いつも意識していますね。
(完全に、予想の斜め上からの回答・・・)
-なぜそのような意識を大事にされているんですか?
そのくらいの気持ちがないと、変化についていけないからです。今ここで満足していたら、あとは死ぬだけなので、そういう生き方をしたくないんです。
時代の変化と成長を超えるくらい成長しようと思っていると、未来の方が大事で、今までのことはどうでも良くなります。
未来がどう変化するか、自分はいつその未来にたどり着けるのか、その変化を自分がどうつくっていくのか?を考えています。
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「変化が楽しいから、生きているのが楽しいですよ。」と、朗らかに語る森川さん。ポジティブな未来へのイメージと、それを自分の手で作り出していくという強い意志が随所にみなぎるインタビューでした。
第1回はこちら:世界10ヵ国展開のメディアを手がけるC Channel代表・森川亮が描く未来と「頭の中」
第2回はこちら:データやアンケート分析だけでは後追い!トレンドをつくるには飽きっぽい世代の先を行く