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「未来の製造業をつくる」大石裕明代表取締役(CEO)インタビューVol.1



■無人工場をつくりたい。

弊社は未来の製造業をつくっています。未来の製造業とは、一言でいうと「無人工場」ですね。
日本の製造業は、ここ2〜30年、特別大きな進化がないと感じています。
自動化が進んでいるソフトウェア製作業の工程と比較すると、すべての工程において、遅れてる気がしちゃうんですよね。
金属加工業においては、とくにソフトウェアの力で製造工程をテコ入れしなければならないと日々思っていました。
ソフトウェアといえば、まさにぼくたちがやってきたことですし、その開発手法がヒントになると思いました。

「すべての産業がソフトウェア化する」と言われていますが、製造業も例外ではないと思いました。
製造業も労働集約的な作業は少なくなっていき、ソフトウェア化していくと思っています。
弊社もその推進役となっています。

■なぜ、製造業なのか。

母方の実家が建築会社でした。母が役員で、叔父が社長で、祖父が創業者。典型的な「3ちゃん企業」ですね。
建築資材に囲まれた環境がぼくの小さいころからの遊び場で、たくさんの職人さんに接して育ちました。
だいたいは叔父の小学校・中学校の同級生なんですけど(笑)。

こんな環境で育ったので、いま接している多くの町工場の悩みや痛みも、よくわかります。
町工場は、やはり家族経営が多いですしね。
いまやっている板金も身近にある環境にいました。雨どいなどの建築板金の発注元でしたので。

馴染みも深いし、課題が山積している産業だし、日本の産業の屋台骨になっているほどの産業だし、やりがいと使命感を非常に感じています。


■早く行きたければ一人でいけ。遠くに行きたければみんなでいけ

創業当初、今の事業とはまったく縁のない事業のシステム開発業で創業しました。
母方の実家の建築会社が、ぼくが6歳からコンピューターを導入していて、Windows95があった環境でした。
コンピューターというものを知ってからは、四六時中いじっていて、幼いときからインターネットのすごさに触れていましたね。
自分でウェブサイトを作ってみたいと行動を起こしたのは10歳の頃でした。
自分で調べながらHTMLを書いたり、自宅サーバーを作って公開していたりしました。なのでプログラミングは小学生の頃からかじっていました。その頃にはまさかそれが仕事になって会社を作るとは思っていませんでしたが、不思議なものですね。

創業期から2年間は、フリーランスのような働き方で、いろいろな会社の技術顧問やリードエンジニアをやっていました。
創業時は、いまのようなスタートアップ企業(急成長する会社)をやりたいという思いはなかったです。
1プレイヤーとして自分自信が価値を提供できていて、クライアントからも一定以上の評価を受けていましたので。

でも、それだけでは物足りなさを感じるようになりました。
チームで協業することのすごさを信じていたからだと思います。
人間関係でいえば、1足す1が2以上にもなることを知っていました。

「早く行きたければ一人でいけ。遠くに行きたければみんなでいけ」という言葉があります。
遠くに行くには、事業を大きくするには、1人では絶対にできない。みんなで行かなければならない。
このまま1人でフリーランスを続けていても、きっと遠くにいけないんだろうな。
そう思って、チームを組んでやりたいという考えがどんどん大きくなっていきました。

■Catallaxyが大事にしていること

弊社がいちばん大事にしていることは「自発性を重視している」ところだと思います。
「やらされ仕事はない」、「やりたくなければ、やめればいい」と言っています。

そもそも、人間は、自分の行動に100%納得して動かなければ全力を出せない生き物だと思うんです。
100%納得した行動は、次の判断基準に大いに活きて、その判断が洗練されていって、大きな決断もできるようになる。
小さなことでも、自分の頭で考えて行動することを大事にしています。
そこに対して干渉をすることは、考える力を奪ってしまう良くない行為だと思っています。

なによりやらされ仕事って責任の所在が指示した側になるんですよ。
指示命令した時点で、やる側は責任を負わなくてもよくなる。
自分で責任を負わなければ、それに伴う自由と成長の機会が失われてしまうと考えています。
いまいるメンバーに対して、せっかくスタートアップという自己実現ができる場にいるのに、決められた責任しか負えない環境に身を置かせたくなかったんですね。

ただ、自発性をもって行動するときには判断材料が大事になりますよね。
どんな大方針でやるのか?クライアントがどんなことを気にしているのか?チームのみんながどんなことをやっているのか?など。
そこはしっかり共有しています。
そのために、ソフトウェア開発で得たノウハウをフルに活かした情報の透明化には力をいれています。


■未来の製造業が実現する時に

現在に至るまで人類の生活水準の向上に最も貢献したのは18世紀の産業革命と言われています。
ローマ時代から1800年ぐらいまで、人類の平均寿命は36歳くらいでした。
18世紀に産業革命が起こって、人類の寿命が飛躍的に伸びて、100年ぐらいで70歳、80歳と倍の平均寿命になりました。
その歴史をみれば、ぼくはモノづくりのテクノロジーの部分の飛躍的な成長が人類の平均寿命をあげると考えているんです。

未来の製造業をつくりたいのも、まさにその理由からです。
われわれの平均寿命、すなわち物質的な生活水準をあげるには、製造業が飛躍的に成長しなくては成し遂げられないことだと思います。
医学的な根拠などすべて無視した発言ですが、人類の平均寿命が80歳どまりなのは、製造業がボトルネックになっている気がします。
未来の製造業が作れたら、人間の平均寿命が今の倍の150歳まであがるのではないかと考えています。
ビット(デジタル)の世界はこの20年飛躍的に成長しましたが、アトム(アナログ)の世界はそこまで進化したとは言い難い。
18世紀の産業革命のような飛躍的な成長の余地がまだまだあると考えています。

平均寿命や健康寿命が伸びれば、必然と選択肢の数が増える。
選択肢が芽生えることそのものは、素晴らしいことだと思っています。

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