Takayuki KIMURA
山口大学卒業後、松阪地区広域消防組合にて消防吏員として3年間現場で活躍。
業務効率化にも積極的に取り組み、VBAによるペーパーレス化などの業務改善を行う。
その後、建築用塗料メーカーに転職し、法人営業職としてインサイドセールスとカスタマーサクセスを兼任。入社4ヶ月で売上実績1位を獲得し、翌年には全体売上の約29%を個人で達成する。
現在は、カーボンフライの事業開発部でセールス全般を担当し、さらなる成長と挑戦を続けています!
今回インタビューするのは、Bizチーム、事業開発部に所属する木村さん。
直近では『IVS2025 LAUNCHPAD』でファイナリストとして登壇するなど、
社内だけでなく社外でも活躍されています。現在は、JDA(共同研究)をメインに顧客開拓を進行中です。
現場の最前線から、仕組み化に挑戦した元消防士!
>消防士を選択した理由を教えてください
実は、消防士を目指したのは家族の介護がきっかけでした。
大学3年生のとき、祖母の介護が必要になりました。
兄姉は東京で独立しており、家に残る選択をした自分にとって地元で働けて転勤がない仕事、
という狭い選択肢の中で出会ったのが消防士でした。
僕自身が、ピンチな状況に遭遇したときのあのヒリヒリ感って言うんですかね。
ピンチに直面してるときの指先の痛みみたいなものが好きで、
バドミントンやソフトテニスのマッチポイントではそれを感じるのが楽しかったんです。
消防士もまさにそのヒリヒリ感の連続でした。
そんな中でも、ただ勤めるのではなく、「仕組み化」にも挑戦しました。
当時はすべて紙ベースであらゆることが管理されていました。
半年かけてVBAを活用し、ペーパーレス化を実現。作成したツールが他署でも使われるようになった時、
仕組みをつくる面白さや大切さを知りましたね。
本当に消防士になって良かったと今でも思いますし、
あの経験があったからこそ今の自分がいると思っています。
また消防士に戻ってもいいなと思えるくらい誇れる仕事ですね。
![]()
塗料メーカーで売上1位、営業の原点
>そんな誇れる仕事である「消防士」から塗料メーカーへ転職した理由は
そうですね、単純に3年経って、もう十分だなと思えたことと、
2年目に家族の介護が一段落ついたことが理由ですね。
興味のあった化学系メーカーへの転職にチャレンジしました。
前職を選んだ理由は面接の雰囲気がとても良かったことが印象的です。
面接時から、事業に対する想いみたいな部分でとても軸のある会社でした。
また未経験でも裁量権のあるポジションにとても魅力を感じましたね。
>入社わずか4ヶ月で成績1位を獲得されていますね
そうですね、意図して1位になったというよりは、
引き継いだお客さんがとても売上のあるお客さんだったというのが大きな理由ではあります。
あとはやっぱり僕自身かなりやる気のあるタイプだったのでそこも強く影響しています。
周りのメンバーよりそういった気持ちの部分では負けていなかったですね。
インサイドセールスがメインだったので、とにかく電話して電話して電話しまくる。
ただものを売るのではなく、お客さんと会話することを重視して案件を獲得していました。
正直なところを言うと営業力というよりは、本当にコミュニケーションスキルというか
ヒューマンスキルを養ったような気がしますね。
今よりも、もっと生意気でしたし、どう賢く馬鹿になれるかがポイントでした。
あとは、自分自身の成績が1位だったこともあり、
いかに数字が大切か、数字がすべてなんだということは身にしみて学びました。
![]()
カーボンフライとの出会い。スタートアップへの挑戦
>そんな中でのスタートアップへの挑戦どのような経緯だったのでしょうか
前職では、友達と共同で立ち上げたスモールビジネスを副業として行っていました。
本業と副業の二足のわらじだったのですが、副業をたたむことになり、時間にかなり余裕ができました。
今の仕事を続けていても、これ以上は成長できないし、
もっともっと頑張れる、成長できる環境を選びたいなと思っていました。
会社の規模感とかはあまり考えていなくて、営業ができればいいなと思っていました。
副業経験もあるので、独立して活躍しているフリーランスの方に話を聞いてみたいなと思ったところで
当時、フリーランスだったカーボンフライの人事のMatsubaraさんに出会ったことが大きなきっかけです。Matsubaraさんやテン社長の話を聞いているうちに、とても自分に合っているのではないかと思い、
チャレンジしてみることにしました。
>初めてのスタートアップに挑戦、不安などはなかったですか
不安は全くなかったですね!
ただ思ったよりもメンバーみんながとても頭を使って働いていること。
そもそも事業が素材というところもあって、売るものが単純ではない。
お客さんによってあらゆる方向から提案内容を考えなければならないですし、
お客さんにも考えつかないような新しい提案が必要だったりと、
僕自身もとても頭を使っているなと感じます。
何よりそれが楽しいです。
あとはセールスのメンバーは特に勢いを感じますね。
今日会議で決めたことを今日明日と短い期間で達成する。などとてもスピード感あって、
あぁスタートアップっぽいなと日々噛み締めています。
成し遂げたいこと、さらなる挑戦へ
>カーボンフライでは営業としてどのような業務に取り組んでいますか
今はメインで「JDA(共同研究)」をいかに成功させるかを考えています。
まだ出来ていないものを成立させることにチャレンジしているので、本当にとても頭を使いますね。
とにかく一つ、二つ、しっかりと成し遂げる感覚を養いたいなと常に意識しています。
知識として単純にものに付加価値をつけて売るではなく、
ものを売った過程で人の心を動かす。感情的な部分を考えられる。
取締役のKawajiriさんがよく仰っている言葉、
「ものを売るな、夢を売れ、人を売れ」という言葉
僕の解釈は自分自身のキャラクターを売ることだと思っています。
僕自身ですら、そのものの付加価値になれるんだってことをもっと体現したいですね。
営業という枠組みにとらわれず、組織体制の構築なども含めて俯瞰できる人物でありたいです。
僕自身、感情的にならないことをとても重視しています。
消防士時代に養った信念ですね。
消防士は命を扱う仕事で、1分1秒を争う世界なので感情的であればあるほど仕事になりません。
常に冷静であることを意識して、ちょっと感情を切り捨てているところはある気がします。
>今後セールスとして、どのようなキャリアを考えていますか
冷静であることを常に意識しているので、もしかして営業向きではないのかもしれない?
と正直なところ考えたりします。
もっと俯瞰して考えられるようなマーケティング的な考え方のほうが僕に近いのかなと思ったり、
本当に今まさに模索している段階です。
ただ、この年代はみんな同じような壁にぶつかると思うので、あらゆる可能性を模索したいです。
何か一つのことでプロフェッショナルになる必要はあると思っています。
カーボンフライに来てすごく感じるようになったことの1つが、
自分は全体をリードして引っ張るというよりは、誰かのサポートをしたり支えたりする、
チームより個人プレーの方が好きなんだろうなというところです。
僕自身が、強い思いを人に押し付けるのが好きじゃないんです。
グイグイ推し進めて他人を巻き込むことが実はあまり好きじゃない。
どちらかというと他人の思いを受けてそれを成就させた時の方がずっと面白いし好きです。
そういった好きな分野をもっと突き詰められたら本当に良いなと思っています。
IVS2025 LAUNCHPAD ファイナリストとして登壇!
>IVS参加までの道のり。参加してどうでしたか
まず、参加の経緯からお話すると、京都で開催された別のピッチイベントに参加した際に、
京都府の産業振興課の方からお誘いいただいて軽い気持ちでエントリーしました。
本当に軽い気持ちだったので、小さいイベントだろうと思いこんでいて、
2次予選通過してから、やっとどんなイベントなのか調べて驚きました。
かなり大きなイベントで、とても影響力のあるイベントなんだなと知りました。
選考会では新たな発見もありました。
普段接するお客さんはほとんどが化学系、素材系でカーボンナノチューブにある程度理解のある方ばかりですが、IVSはIT系や投資家などが多く、そもそも「炭素繊維ってなに?」から始まる会話が多い。
自分たちがいかに専門性に特化しているか、自分たちを客観視できるとても良い機会になりました。
![]()
>ファイナリストとして登壇、緊張しましたか
緊張はしましたね、やっぱり(笑)
ただ1番緊張したのは実は前日です。
2次選考通過の連絡から本戦までの期間はわずか2週間しかありませんでした。
前日の最終リハーサルを終えたときに肌感で「これじゃあだめだ」と思って、
そこから深夜にかけて資料をかなり作り変えました。
作り変えたことでほぼほぼぶっつけ本番のような状態で、
なんと本番では登壇者用の画面の文字がとても小さくて全く見えないアクシデントに見舞われました(笑)
大きな結果こそ残せなかったものの、こういった様々なアクシデントを乗り越えたり、
自分たちの事業を客観視できる機会に出会えたりと本当に良い経験になりました。
ファイナリスト同士での交流もあって、今回優勝したアドバンスコンポジットのAKIYOSHIさんとは
本戦前にもメッセージでやり取りしていました。
事業体も近い部分があって、お互い潰し合うことのないようにピッチ内容のすり合わせもしていて、
どちらかが受賞できたら嬉しいよねと話をしていたところ、AKIYOSHIさんが優勝されたので、
本当に嬉しかったですね。
![]()
成長できる環境がここにある
>カーボンフライに向いている人、一緒に働きたい人
まずはやっぱりベンチャーなので、チャレンジ精神のある人ですね。
たぶんきっと、たくさんの「初めて」に遭遇すると思います。
本当に初めてだな、こんなこと。ばかりの連続です。
正直そういった場面を楽しめない人が来ると大変だと思います。
環境を楽しめる、それを逆手に取るなど、自分自身で楽しみ方を見つけられる人がいいですね。
僕自身も最初の頃は大変だなと思うところもありましたが、最近はもっぱら楽しんでいます。
面白いなとちょっと俯瞰して考えられるようになりました。
あとはとにかく成長したい人。
成長したいと考えている人はカーボンフライに来るべきだと思います。
営業に関しては、自分がイチから売るものを決めてお客さんと伴走して一緒になって創り上げていく。
これは本当に価値のある仕事で、専門性も全部一緒に身につくし、守備範囲が本当に広がります。
特に、材料分野、あとは製造業で働きたいと考えている人には本当にぐっと成長できる環境ですね。
30歳目前。
IVS登壇という大舞台も経験しながら、常に冷静に自分と向き合い、挑戦を続ける木村さん。
カーボンフライの「静かな熱狂」を体現する存在として、言葉の端々に芯の強さがにじみ出ていました。この環境だからこそ得られる成長と可能性を、等身大で語ってくれた木村さん、ありがとうございました!