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足し算的なマインドの大切さについて

noteにも書きましたが、せっかくなのでこちらにも書き残しておきたいと思います。

元金融マンの僕がこんなこと言うのも憚られるんですけど「利益をだすためには」「コスト削減の極意」「良い人材を獲るために」「組織改革のハウツー」とかっていう結果の目的化をしているものにひどく嫌悪感を抱く日々を送っています。公庫時代にはもちろんそういう話を色んな人としてきたわけだし、自分も実際融資をツールとした経営改善を提案してきた立場なのでおまいう案件ではあるんですが、聞くに堪えないなと感じています。なんていうか、電車に乗ったときの美容と英会話の広告に囲まれた時と同じ気分で。

はじめて違和感があったのは家業に帰ってきてあちらこちらでセミナーに参加したり本を読み漁ったりしてた時、どれもこれも大事そうなことを教えてはくれるんだけど、経営は冷徹で残酷なものだという前提が行間に滲み出てるような話ばかりだったことかなと思います。本当にそうなんだろうか?というのを疑問に思い続けながらここまで約2年間、30人ちょいの中小企業ですが組織の立て直しをしてきて、なんとなく最近それが確信になりつつあります。

組織改革も経営改善も会社の雰囲気も、全ては結果だと思うんですよね。うちの会社でもそうで、どこかで学んできたものを外圧かけてインストールするだけではとてもじゃないけど組織は変わらなくって、会社で働くスタッフが心豊かで幸せな人生を歩むためにはどうすればいいかとか、お客様にもっと喜んでいただくためにはどうすればいいのかとか、そんな想いを貫き通して初めて変わるものだと思うし、そういう足し算的なマインドってとても大事だと思うんですよ。理想ももちろん大切だと思うんだけど、ゴールとか理想像ありきで物事を進めるとどうしても人間の感情とか歴史とか大事なモノが蔑ろにされがちで、それで確かに組織が改善されたり利益が出るようになったりするとは思うんだけど、とても人間性が尊重される組織にはならないと思うんです。時にはゴールにたどりつけないことだってあるし、理想像になれない時だってあるし、それでも人も会社も存在し続けるんだから、それが否定されるよりも肯定されることがたくさんある方が楽しいんじゃないかなと思っています。

会社経営は清濁併せ吞んで、過酷な荒波を乗り越えなければいけないものだから、甘えたことは言わず経営者は孤独でなければいけない、なんて言葉も飛んできそうな気もするけど、本当にそうなのかな。もちろん仲良しクラブではいけないし、結果は出し続けなければ会社は潰れてしまうんだけど、でもやっぱり自分の心の声に従うのって本当に大事だと思うんですよね。心の底から思う正しさを追求して、日々を楽しく生き生きと過ごして、その結果として適切に利益が出ていれば、それが一番なんじゃないかな。もしそれで利益が出ないんだったらやっていることが正しくないわけだし、それを歪めてまで利益を出して生き残っていく価値があるんだろうか。価値をつくることができないのなら淘汰されるのが自然で、生き残ること自体が目的になって無理やり利益を出してしまっても、そのシワ寄せは必ず誰かに行くわけですよね。

たぶん、この感覚って誰しもが持ってると思うんですよ。だけど、じゃあこの通りに馬鹿正直に経営をやってうまくいくのかって言うとそうじゃなくって、スタッフから反発を受けたり、裏切られたり、世の中の情勢で苦境に立たされたり、少しずつ感情が摩耗し続けていって、いつか諦観するようになると思うんですよね。だけど、自分はそれでも人を信じたいし、自分の心の声に従って楽しく生きていきていきたいなと思ってます。その想いを貫き続けることが経営者の胆力であり、覚悟であり、勇気だと信じてます。

というわけで、まだ代表取締役にもなっていない経営者モドキの戯言ではありますが、いつか読み返したときにも、この想いと変わらずいられますように。

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