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【CS interview #14】創業期メンバーとして、もう一度キャンサースキャンに人生を懸けようと決めた

データサイエンスの力で、ヘルスケアはもっと良くなる。確信を持ってそう語るのは、キャンサースキャンの創業期に共に奔走した三澤大太郎。この数年、AI 創薬という領域で最先端を走り培ってきたスキルを携えて、この春からキャンサースキャンにもう一度参画することになった。このタイミングでキャンサースキャンを選んだことの意味や、そこに込められた決意、データサイエンスをキャンサースキャンという環境で極めていくことについての三澤の考えを聞いていく。

◆三澤大太郎(Daitaro Misawa)プロフィール◆
2010 年 京都大学 理学研究科 数学・数理解析専攻 数学系卒業後、Johnson & Johnson へ営業として入社。2013 年にキャンサースキャンに移った後、統計分析や機械学習を使ったプロジェクトに従事。2018 年に SyntheticGestalt に移り AI 創薬や新規酵素探索のプロジェクトを牽引。2022 年 4 月から 執行役員 データサイエンス本部長としてキャンサースキャンに再ジョインした。

三澤さんは新卒で Johnson & Johnsonに 入社して営業職をされていたと聞きました。その後キャンサースキャンへ転職し、一度離れて AI 創薬の領域で活躍され、この度もう一度キャンサースキャンへ戻って来られた。転機の理由をお聞きできますか?

学生の頃は数学を学んでいて、学問の道に進もうかと考えたこともあったんですが、大学院 1 年生の時に「自分では力不足だから就職をしよう」と決めました。幼いころから担任や幼馴染などの大切な人を突然喪う経験があり、大学時代に少年野球時代にお世話になっていた監督・コーチが末期癌で亡くなったことを経て、「早期発見ができていれば」という悔しさを味わいました。医療系の業界に入り、そうした悲しみを減らすための貢献ができればいいなと考え、医療関係で大きな影響力を持てる Johnson & Johnson (以下 J&J) に入社しました。当時の私は病気の早期発見のために必要なことは「検査の質が良くなること」だと思っていたんです。けれど現実は違いました。検査の精度はその当時から相当良いものになっていたにも関わらず、そもそも「みんな病院に行かない・検査を受けない」という問題があったんです。自分なりに、J&J としてももっと受診啓発をした方が良いのではといった提案を社内で行ったりもしましたが、当時は受け入れてもらえませんでした。それなら自分でなんとかしようと考えていた頃に、IHL という NPO の玉田理事長から「パブリックヘルスの勉強をしたらいい」と教えていただいた後に、取締役の石川も紹介頂き、そのご縁が繋がってキャンサースキャンに 2013 年から転職することを決めました。

当時のキャンサースキャンではどのようなお仕事をされていたんですか。

元々、新卒の頃にもソーシャルマーケティングに関心があったこともあり、キャンサースキャンでそれができるといいなと思っていました。ただ、実際に入ってみたら「数学ができるならソーシャルマーケティングよりも統計をやった方がいいのでは?」と言われて(笑) 。話が違うし、地味で嫌だなと思いながらプログラミングをやってみたら、これがものすごく面白くて、すっかりハマってしまい、統計分析を用いた自治体や企業のコンサルティング業務を担うようになりました。他にも機械学習を使って効率化のためのモデルを構築したり、レメンデーションエンジンを使った企画を行うなど、プレーイングマネージャーのような形で創業期を一緒に走らせてもらっていました。

2013 年から 2018 年までの 5 年間在籍されたと伺っています。その後、転職をされようと思った理由はあったんでしょうか?

当時は今よりももっと小さな組織でしたし、できることの幅も狭かったというのが一つでしょうか。けれど、それよりも大きなきっかけとしては、やはり自分の身近な人が治すのが難しい病気になってしまったというのを間近で経験したということがあります。そういうものをどうにかしたいなと考え、例えば認知症の薬を開発するだとか、そういったことはできないのだろうかと思うようになったんです。その頃、ちょうど大学の友人 2 人が AI 創薬に絡んだ事業で起業しようとしているということを聞き、これはタイミングかもしれないと感じて、チャレンジしてみようと決めました。実際、AI 創薬という領域はまだまだ未開拓だったこともあり、同僚が非常に優秀なことも含めて、非常にチャレンジングな日々を過ごせました。新しい薬を作るために「体に入れても毒にならないか」「病気の原因となる蛋白質をちゃんと阻害するのか」といったことを AI を使って予測するなど、自分のスキルが役に立つと感じられる仕事も多かったです。

転職の決め手は、「ヘルスケア領域に人生を懸けたい」という想い。

充実した日々を過ごされていた中で、それでもキャンサースキャンに戻ろうと決められたのはなぜですか?

本当に仕事は楽しく、メンバー全員を尊敬でき、非常に充実していました。でも、前職の企業ミッションはヘルスケアに直結するものではなく、主事業として別ジャンルを実施していく可能性もあるという状況でした。やっぱり私は、人生を通してヘルスケアの文脈に力を注ぎ、貢献していきたい。そう思った時、起業をするかどうかも非常に悩んだんですが、私の目指すこととキャンサースキャンのミッションがとてもフィットするということに改めて気づきました。成長した自分と成長したキャンサースキャンが掛け合わさることで、ヘルスケア領域の発展に貢献することができるんじゃないか。そう思い、転職を決断しました。

なるほど。これからのキャンサースキャンではどのようなことが実現できそうでしょうか。

日本で一番ヘルスケアデータサイエンスが強いチームを作るということを、本気で目指します。キャンサースキャンでは、CXO 達が「国内スタートアップ 20 に入る」という目標を口にしていますが、私は全員があくまでも通過点としてそれを捉えていけば実際に可能だと思っていますし、これから先そういった目標を達成するためにメンバーが成長できる環境を作るのが自分の役割だと思っています。私自身もキャンサースキャンで 1 から育ててもらった人間なので、これから一緒に働く仲間に対してもどんどんチャンスをあげたいです。具体的なところでいけば、自分が昔在籍していた時に「必要だと思っていたけれどできなかったこと」を実行する機会を作っていきたいです。例えば、キャンサースキャンは介入事業をしているので、CFML がとてもフィットすると思います。また、レセプトを使った予測モデルの構築では、Deep Learning を使った方が相性が良さそうだったり。また、因果推論を正しく活用して効果検証もしていきたいです。もちろん、こういった発展的なことだけじゃなくて、事業の足固めをする分析・オペレーション業務もあります。そういったところから始めて、最先端に届くまでのパスを整備していくつもりです。

転職を経た今だからこそ感じる、キャンサースキャンの独自性や面白み、難しさってありますか?

そうですね。エビデンスにアテンションがなかったり、健康にあまり関心がなかったりする住民にエビデンスのある治療・検査・予防方法を届けていかないといけない難しさがあります。機械学習や統計分析やマーケティングを使って、エビデンス・プラクティスギャップをどう埋めていくのかを考えるのがキャンサースキャンの役目です。大抵の人は、「病気になってから」検査の重要性に気付きます。たまたま知らなかったから、たまたま検査に行かなかったからというだけで、健康を失ってしまう人たちがいるのが現実です。今のキャンサースキャンには、ソーシャルマーケティングを行えるプロフェッショナルたちが育ってきていて、私が昔いた頃よりもずっと多くのことをできるようになっていると感じます。そこに機械学習や統計分析の力を加えることで、より多くの人を行動変容し、健康にしていきたいです。


自ら課題を設定する力を持ち、貪欲な自己成長を求める人と出会いたい。

今後キャンサースキャンに入ってくれる人には何を求めたいですか?

機械学習 の Top Conference の採択経験がある人、統計分析や公衆衛生の分野で国際ジャーナルに投稿している方にはぜひお会いしたいです。またこういった実績を作りたいと思っている、野心や向上心のある方を求めています。現状のキャンサースキャンではデータサイエンスの技術に頼らず、力技で解決している部分もあります。ですが、私はやっぱりデータサイエンスの「技術」を使って課題を解決することにこだわりたいですし、会社としてもそれが必要だと感じているので、当面の目標は「技術力」の強化です。技術を研ぎ澄ませていくことが楽しいと思える人にはぜひチャレンジしてもらいたいなと思います。今、キャンサースキャンでリーダーを担っている人の中には私がかつて採用させてもらった人もいたりするんですが、本当にみなさん優秀だと自信を持って言えます。私自身もかつて「育ててもらった側」である身として、経営陣の接し方や組織環境による個人の成長率の高さがキャンサースキャンの強さの源泉の一つだと思います。これから入ってくる人たちにも、しっかりと自己成長できる環境が用意されていると思いますし、今度は私がしっかりと成長を促せる環境側になる覚悟でいます。

最後に、三澤さんにとっての「データサイエンティスト」というのはどのような存在でしょうか。

難しい質問だなぁというのが正直なところで、あえて定義したくないですね (笑) その上で大切だと思うのが「自分で仮説構築や問題設定」し、「自ら検証する」姿勢です。現場では必ず課題設定から自分で行う必要があります。ですので、既に決められた課題に対して解決策を提示するだけではなく、自分で課題を見つけていく力を持っている人こそがキャンサースキャンが求めるデータサイエンティストなんじゃないでしょうか。キャンサースキャンにいる人なら絶対にできると信じているので、チームみんなの力を合わせて日本のヘルスケアの課題解決をしていきたいです!

(話し手:三澤大太郎/取材・執筆:中西須瑞化/撮影:久保良太)

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