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【CS interview #12】データ分析で世の中の役に立つことを─金融出身の野原がキャンサースキャンで実現したい未来とは

◆プロフィール◆

野原眞(のはら まこと)
大学院を卒業後、都市銀行へ入行。融資業務や大規模プロジェクトに携わった後、金融データを分析する子会社へ出向。その後、研究機関への転職を経てデータ分析の知見を身に付ける。2021年5月にキャンサースキャン入社後、データエンジニアリング本部アナリティクスチームに所属する。なお、社会人になってからボクシングを始め、プロライセンスも取得したボクサーとしての一面も持つ。

キャリアのスタートである銀行ではどのような業務をされていましたか。

入社直後は、発電所などのクライアントに対する融資業務をおこなっていました。4〜5年間は顧客折衝をメインの業務としていました。印象に残っているのは羽田空港国際線ターミナルへの融資のプロジェクトでした。私たちが乗っている飛行機の航空券の金額には、ターミナルの使用料も含まれています。その金額がターミナルの経営に即した設定になっているかを検証するため、将来のキャッシュ・フローをシミュレーションして金額の見直しまでおこないました。

非常に大きな規模のプロジェクトですね。そこでもデータ分析をされていたのでしょうか。

そうですね。そのシミュレーション自体は高度なデータ分析と言えるものではなく、Excelシートで完結する程度のものでしたが、社会的にインパクトの大きい仕事ということもあり、とても充実していました。一方で、私自身 理学系の出身ということもあり、将来的によりデータ分析に力を入れていきたいと考えていました。当時、大変お世話になっており尊敬もしていた上司がいろんな伝手を使って動いてくださり、グループ内の金融データ分析を専門とする子会社へ出向することができました。その後も、さらに深くデータ分析について深めるため、外部の研究機関にも転職をしています。

金融と健康では扱うデータが異なると思うのですが、キャンサースキャンに入社するまでにどういったきっかけがあったのでしょうか。

金融に関するデータ分析を深めていく過程で、金融以外の領域にもチャレンジしたいと考えたことがきっかけでした。もともとバスケットボールやボクシングなどのスポーツをやっていて、健康にも関心がありました。そこで、「ヘルスケア×データ」の掛け合わせで企業を探していき、キャンサースキャンに出会いました。


特にキャンサースキャンに興味を持たれた部分はありましたか。

ヘルスケア×データの領域におけるスタートアップは、データ分析のテクニック(How)を全面に押し出した企業が多いという印象を持っています。そのなかでもキャンサースキャンは、Howに固執せずその先の社会にどう貢献するか?という、ミッションを強く押し出しているスタンスに魅力を感じましたね。

私はデータ分析のテクニカルな要素を追求すること自体は好きですが、仕事という観点からは、テクニックには拘らず社会に役立つという目的を重視すべき、と思っていたのでとても共感しました。

入社してからはどのような業務をしていますか。

クライアントごとの個別案件と自社の業務改善プロジェクト、双方に関わっています。

個別案件では、自治体の特定健診の受診勧奨に関わっています。住民の属性などによって受診を促す適切な文章が異なるだろうという仮説のもと、重症化リスクの高い方にはハイリスク者専用の資材を送付できるよう、重症化予測モデルを構築しました。機械学習を使ってリスクを判断するようにしています。

ただ、AIに全て任せるのではなく、「この人にハイリスク者用の資材が届くとどう思われるのか」は常に意識しています。飲酒や喫煙をせず、健康的に暮らしている方を予測モデルがハイリスク認定する可能性もあり、なぜそうなのか?について説得力のある説明をする必要もあるからです。

データの結果を鵜呑みにせず、推定されたパラメータも見た上で、岩上先生をはじめとする外部アドバイザーの方々からも意見をもらい疫学的な視点を重視して考察しています。モデルの実装よりも考察が重要ですね。予測モデルの精度も大切ですが、それを過信せずに考察しながら運用することが「人と社会の健康」につながると考えています。

業務改善プロジェクトでは何をされていますか。

私が所属するデータエンジニアリング本部にあるアナリティクスチームの工数管理に関わっています。社内では「バックログ管理」と呼んでいますが、タスク管理ツール「Asana」を活用しながら、プロジェクト工数の可視化を通じて進捗管理や将来工数の見積もりをしています。

担当者がそれぞれのタスクを入力し、私が可視化されたタスクの積み上げ結果をもとに、全体を俯瞰しながら現状のプロジェクト進行上の問題点の洗い出しや介入をしたり、将来の最適化なリソース配分を検討する、というフローです。

単純そうに見えて、プロジェクトの内容によるタスクの難易度や工数の違い、予定と実績の差分の検証、予定工数からのズレが発生する可能性など付随する情報が多数あり、それらを踏まえたマネジメントが必要になります。

この業務の醍醐味は何でしょうか。

マネジメントと現場の両者の視点を踏まえて妥協点を見つけることですね。マネジメント層は、業務に関わるあらゆる情報がほしいと考えますが、一方で現場は、タスクに付随する事細かい情報をツールに入力することを面倒に感じやすいです。それぞれの意向を踏まえて、どうすれば最適な管理が可能になるのか、それぞれにどのように伝えることで納得感を得られるか考えることが求められます。

なるほど、野原さんが関わりはじめて成果は出ているのでしょうか。

社内的には何度かチャレンジしていながらも上手く運用しきれていなかったようですが、ようやく軌道に乗り始めたという点で成果が出ているように思います。これまで、個別案件とプロジェクトの比率は3:7程度でしたが、今後はさらにバックログ管理の業務にも注力していく予定です。

キャンサースキャンに入社して驚いたことはありますか。

助け合う文化が社内に浸透していることに驚きましたね。私も入社直後は、業務に関わるデータの所在が分からないことも多かったですが、slackで聞くと、まだ話したことのない社員からもメッセージが届くなど、会社の雰囲気の良さを感じました。

また、業務上で何か問題が起きたときに、ヘルプを出せばみんなで助けにいく、そしてミスした人を決して責めないという文化も徹底されています。そういったシーンを見たときに「この人たちと一緒に仕事できて光栄だな」と思います。仕事のやりがいもありますが、この組織の一員であることにも意義を感じますね。

今後、一緒に働きたい人はどんな人でしょうか。

HowよりもWhat、仕事の目的を重視する人でしょうか。志として、クライアントである自治体の住民が健康になることを目指していることが大前提です。

また、アナリティクスチームの仕事は、抽象と具体を行き来することが多いです。クライアントが抱えている課題は抽象的なことが多く、それを私たちの仕事として具体化すること。そして、分析した具体的な結果から今度は保健事業と結びつけるにはどうすればいいのかを抽象的に考えること。それらを楽しんでくれる人には合っていると思いますね。

抽象と具体、それらを橋渡しして考えるスキルは貴重だと思うので、そういったことに取り組みたい人にもキャンサースキャンは良い環境だと思います。

(話し手:野原眞/取材・構成:小林友紀/撮影:横田貴仁)

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