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【CS interview #04】10年間健康診断を受けていなかった人が受診へ。BtoGスタートアップの若手が感じる仕事のやりがい。

こんにちは!採用担当の福重です✋

さて、今回はキャンサースキャンのメイン事業でもある特定健診等の受診率向上事業のプロジェクトリーダーのご紹介です!

「住民の方の大切な税金が事業の財源で、まだ事例のない新しい事業を実現するために、自治体の方との強い信頼関係が必要」そう自治体との仕事の難しさを語るのは、キャンサースキャンに2020年1月に入社した松野渉。

定期健診の受診率向上のための施策を提案したり、スケジュールを決めたりするなど、案件を進めるプロジェクトリーダーとして、自治体とのやりとりの最前線で活動しています。担当しているのは、九州・沖縄地方の5県。自治体の信頼を得るために何を行っているかを聞きました。

松野渉(Sho Matsuno)プロフィール
1995年生まれ。慶應大学経済学部在籍中から訪日外国人向け旅行系ベンチャーにインターンとして働き、新卒入社。2019年1月にキャンサースキャンへ入社。九州沖縄地方の5つの都道府県のプロジェクトリーダーとして、100自治体を超える保健事業の支援に従事。



「地域の健康づくりに強い責任をもち、住民サービスを提供する自治体を動かすための工夫

1年のスケジュールは、どのようなものですか?

行政は年度単位での活動が原則です。4月にその年度のスケジュール感や自治体側の課題を聞きながら、今年度行う施策の計画を考えていきます。
施策のスケジュールが決まれば、社内のオペレーション、クリエイティブ、データ分析のチームと連携をして施策実行の準備をきめ細かく行い実行します。

施策は、各自治体によってタイミングや内容が違うのですが、秋頃には自治体側で次年度の事業検討シーズンになります。キャンサースキャンでは、中間報告としてデータ分析を行い自治体単位で課題を抽出して次年度事業に関する提案をいたします。予防医療事業を継続的に実施していくために、自治体様に伴走して納得感のある事業提案を通じてお仕事を委託いただくことはとても大切だと思っています。

また、キャンサースキャンでは必ず事業を実施するのみならず効果検証を丁寧に行うことも大切にしています。年度末の報告では、自治体様の期待も非常に高く緊張感のある場ですが、事業の良かったことと課題を丁寧に振り返ることを意識して臨んでいます。

自治体と仕事を進めるなかで、難しいことは何でしょうか。

2点大きくあります。
1つ目が、事業を毎年アップデートして実現していくことです。
まだ事例のない新しい事業を実現するためには、自治体の方との強い信頼関係が必要です。行政サービスや保健事業のプロフェッショナルである自治体の方々には、常に理論や根拠をもって説得していくことが必要です。変化し続ける国の動向や保健事業の先進事例を日々自分自身でキャッチアップするために勉強がかかせません。

2つ目が、事業の効率と公平性の共存です。
行政サービスは、成果や住民の方の利益になることが求められる一方で住民の方ひとりひとりを思い浮かべながら、特定の住民の方の利益になるような偏りを抑制して全体最適での判断が必要です。

民間企業では、効率や効果にフォーカスしがちな中で、そこのバランスを取るために自治体の方と目線合わせを密にしながら事業を推進しています。

なるほど。自治体の事業は、社会的責任の大きさを改めて気づかされました。提案の際、松野さんはどのように工夫していますか。

身近な近隣自治体や導入ハードルが高くなさそうな事例を中心に紹介しながらも、全国の先進的な事例などもしっかりと伝えることを意識しています。また、単に事例を紹介するだけではなくて、そのケースのなかで提案をした後の、自治体内での検討の流れや、事業の進め方もご紹介をし、自治体のなかでの実現の道しるべを示して、一緒に形にしていくことを大切にしています。

導入しやすい事例と、先進的なソリューションの例をそれぞれ教えてください。

医療費の増加・少子高齢化が社会課題である日本において、病気の早期発見・予防に繋げられる特定健診の受診率向上事業は、全国でも多くの自治体のお悩みです。全国でキャンサースキャンは、約700の自治体様と一緒に事業をしていただけているのですが、社会的な機運も導入が広がった背景にあると思っています。

一方で、近年、ニュースでも取り上げられているデジタル化のような事例は、導入するまでのハードルが高くあります。これは、多くの自治体が住民とのコミュニケーションを電話とはがきと訪問で行ってきた歴史があるからです。キャンサースキャンでは、そういった背景の中でもスマートフォンや携帯電話の国民への普及を鑑みてデジタルを活用した事業を着実に行ってきました。

直近では、世の中のデジタル化に伴ってSMSを通じた受診勧奨で大きな実績を作ることができました。これは、住民の方々が身近に使うスマートフォンや携帯電話へ直接健診のご案内をすることで、忙しい時間の中でも確認し、健診受診へと行動変容を後押しできるようになってきたからだと思います。

サービス導入した5年前は、なかなか実績が出ていなかったのですが、具体的な成果が出うるようになってきたので、自治体様への導入も進捗し始めていることを感じます。


自治体の先にいる住民のことを考える

自治体ごとに、持っている課題感に違いはありますか。

自治体ごとの地域特性があるので課題感は違います。あと、やはり最近では、新型コロナウイルスの影響も大きく、都道府県ごとにお考えが大きく異なっていました。県独自の緊急事態宣言が発令されているような地域では、住民の方が健診に行くのを控える傾向にあり、とても苦戦をしました。

また、健診には、大きく一つの会場で大勢の住民の方を一度に診断する集団健診と地域の医療機関で診断する個別健診の2つが存在します。コロナ禍においては、集団健診が主流な自治体では、大きく数字を下げる傾向が如実に出ていたので、そうした状況を踏まえて、次の年度で何を優先的に施策として実施していくかの検討は、例年以上に各自治体の関心の高さを感じました。

地方のニュースにも敏感になる必要がありますね。情報収集はどのように?

グーグルアラートを活用しています。事前にキーワードを入れておいて、毎朝確認しています。例えば、「〇〇県 コロナ」というキーワードを登録して、毎日の感染者を把握するようにして、可能な限り担当地域の情報を把握して自治体の方に伴走できるように心がけていました。

自治体ならではの仕事の進め方というのはあるのでしょうか。

自治体だからということではないのですが、普段のやりとりをする相手だけでなく、やりとりをしている方の上司にあたる係長や課長の考え方はどうなのか、部署全体としてどうなのか意識して動くようにしています。
行政には、色々な役割の方がいらっしゃって事業の予算を管理されている方と事業内容を具体的に検討して実行する方が違う場合も多いです。

そうすると、お立場によって優先順位が変わることもあるので、常に自治体様の声に耳を傾けて、バランス感をもって日々考えながら提案するようにしています。


10年健診を受けていなかった人が受診へ。住民の行動変容がやりがいになる

松野さんが入社した理由は?

訪日外国人のガイドをする旅行系の会社で働いていたんですが、転職を考えていたタイミングで祖父が体調を崩してしまったんです。自分の身近な人が病気になるのを見て、より早い段階で病気を見つけることに携われる仕事をしたいと思うようになりました。それで、縁があってキャンサースキャンに入社したのです。

この2年間仕事に取り組んできて、自分が考えたスケジュールや提案内容によって健診を受けてくれる人が増えて、病気の早期発見や予防につながることが、やりがいとして実感しているところです。

自治体の方から、住民の方からの反応を共有いただくのも嬉しいですね。ある自治体で、健診を10年受けていなかった方が「普段は自治体の通知物を見ていなかったけれども、たまたま健康診断の通知が目に入って、健康診断を受けてみようと思うんだ。具体的な手順を教えてほしい」というのを、自治体の方に電話で問い合わせをされたそうです。住民の方の生の体験を聞けると、嬉しいしやりがいになりますね。

どんな人と一緒に働きたいですか。

「人と社会を健康に」というキャンサースキャンのミッションをもとに入ってくる人が多いので、ミッションに強く共感できる人に入社してもらえたらいいですね。業務内容に魅力を感じたり、社会貢献していきたいという思いがあったりする方がいれば、一緒に働きたいと思っています。

キャンサースキャンのプロジェクトマネージャーは特別な業種・職種ですが、未経験での転職がほとんどです。なので、医療やマーケティングの未経験者であってもしっかりと教育し成長できる環境が揃っています。みんな全く異なる業種から来ていますが、キャッチアップして全国の自治体で誇りをもって仕事をしています。先輩社員も同じような経験はしているので、心配せずに飛び込んできてほしいですね。

(キャンサースキャン プロジェクトリーダー松野渉、取材・構成/吉田瞳、撮影/横田貴仁)

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