ビジネスレザーファクトリーの代表、「はなみち」こと、原口瑛子です。
いつもは、ビジレザのことやメンバーのことを紹介しているブログですが、今回は、「働く」ということをテーマに、少し自分自身のことを、綴りたいと思います。
私の個人としての性格は、「できれば静かに生きていきたい」という性格で(経営者としてはあり得ない(苦笑))、少し前はSNSでも自分の言葉を発信できなかった私にとっては、随分とチャレンジングなテーマですが、そこにあえて挑戦してみたいと思います。
私が「働く」ことにこだわる理由
ビジレザの経営理念(案)は、「世界中の「働く」を明るく」。
約1年前に、この経営理念(案)を考えている時に、私にとって「働く」という言葉が、とても大切なキーワードでした。
それは、なぜか?
紐解いてみると、私の「働く」ことに対する「こだわり」から始まったように思います。
ボーダレス・ジャパンに入る前に、私は違う組織で働いていました。仕事にやりがいを感じていたので、文字通り、365日、120%で働きました。とにかく自分が納得するまで、ただただがむしゃらに働き続けました。でもそれは、組織のためでもないし、自分のためでもありませんでした。
純粋に、「貧しい人の役に立ちたかった」から。当時、その想いを周囲の人たちに言葉で表現することはなかなかありませんでしたが、心の中でとても純粋に、そう思って働いていました。
当然のことながら、新卒の私には仕事の実力は全くありませんでした。それが毎日悔しくて悔しくて、だから誰にも負けない努力をして、早く成長して、早く実力をつけて、とにかく早く社会にインパクトを残す人になりたい、と毎日考えていました。だから、誰になんと言われようと、誰に心配されようと、ただただがむしゃらに働いていたのだと思います。
当時の私は、たとえ自分の命が明日なくなったとしても、自分の行動で社会が幾ばくか良くなるのであれば、それはそれで良い人生だと思っていました。それくらい毎日真剣に仕事に打ち込んでいたと思います。尊敬する上司や先輩たちにも出会い、本当に充実した日々でした。
突然、「働く」ことができなくなった時に
少しずつ仕事が面白くなってきた頃に、私は突然体調を崩してしまいました。これは全くの想定外でした。結果、志半ばではありましたが、大好きだった職場を退職することになりました。そして、大学時代から慣れ親しんだ東京を離れ、実家に戻ることになりました。悔しさや情けなさを通り過ぎて、完全なる戦意喪失でした。
この時期は、自分の人生の中で、最も苦しい時間でした。今でも思い出すだけで、息もできなくなるくらい、苦しい時間。
何が苦しかったかと言うと、働くことができなくなってしまった日々の中で、
「社会との繋がり」を感じられなかったこと。
来る日も来る日も、明日が不安な毎日。泣いても泣いても、流れる涙。日に日に、離れていく社会。正直、生きている意味もわかりませんでした。
残りの人生で何をやりたいか?
時間が経過し、家族の協力のおかげで、少しずつ体調が良くなりました。そしてようやく、私は自分の未来について考えることができるようになってきました。
「残りの人生でいったい私は何を成し遂げたいのか?」
不安や絶望の中でどん底を味わった私は、人生が一度リセットされたような気持ちでした。そして、私の中でとてもシンプルな答えを出すことができました。
「もう一度、自分がやりたいことに挑戦してみよう」
そして、もう一つ。
「私はやっぱり社会のために働きたい」と。
だから、「働く」ことにこだわる
学生を卒業して、「働く」ようになると、誰しも当たり前のように「社会人」と呼ばれます。会社に所属する「会社」人ではなく、社会に所属する「社会」人です。
だから、改めて思います。
「働く」ことは、「社会と繋がること」、そして、
「働く」ことは、「社会にインパクトを残すこと」。
良くも悪くも、苦しかった時間を経験したことで、「働く」ことができることに、「働く」ことができる自分の状態であることに、「働く」ことができる環境があることに、そして、ともに「働く」素晴らしい仲間がいることに、心から感謝するようになりました。
だから今は、「働く」ことができずに苦しんでいる人たちの役に立ちたい。
「働きたくても働けなかった」人々が、「働く」ことができるようになること。安定的な収入を得て、生活が少しずつ豊かになっていくこと。夢や希望を持ち、仕事にやりがいを持つことができるようになっていくこと。
工場では、「働く」場を提供するだけでなく、住居や教育・医療サービスなど備えた「ボーダレスビレッジ」を作り、バングラデシュのメンバーとともに、他の工場のロールモデルとなることを目指すこと。
そして、それを世界中に、広げていくこと。
仲間とともに明るく「働く」
ボーダレス・ジャパンのコーポレートサイトの中で、私が事業概要に付け加えた一節があります。
「(…中略)商品を提案するビジレザのメンバーは、ビジレザという社会の公器で、夢や希望、やりがいを持ちながら、明るく「働く」毎日を実践するロールモデルとなりたい。」
人生の中で多くの時間を過ごす「働く」場所。だから、ビジネスレザーファクトリーのみんなには、ただ生活のために「働く」のではなく、自分の夢や希望を持ち、やりがいを持って働いて欲しいと思っています。「働く」毎日は、真剣であればあるほど、苦しいこともあるし、楽なことばかりではない。だけど、目の前にある課題に立ち向かいながらも、貪欲に学び、一生懸命努力をして、仲間とともに、大きく成長して欲しい。
私の役割は、ビジレザで働くみんなが、それを実現できる環境や仕組みを作り続けていくこと。
ビジネスレザーファクトリーには、本当に素晴らしい仲間たちが集まっていて、みんなが互いに協力し、切磋琢磨しながら、一生懸命「働く」姿は、とても美しく、いつも心が震えます。そんな仲間たちがいるからこそ、社会に対して残すことができるソーシャルインパクトは大きい、と確信しています。
まだまだ、私の経営者としての実力不足で、事業として、組織として、未熟なことも多くあり、ただただ猛省の毎日。ですが、経営理念(案)として掲げた「世界中の「働く」を明るく」を体現できる組織になるよう、事業としても、ブランドとしても、「働く」ということに、とことんこだわり続けたいと思います。
「働く」人を応援するビジネスレザーファクトリーは、世界一「働く」ことを楽しんでいる組織でありたい。
※この記事は、2018年02月22日にリリースされた記事です。