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「自分の責任」で考える——。ビットキーにおける成長の源泉とは。

※この記事は、ビットキーの公式note『Values Talk』(外部リンク)に掲載されている記事の転載です。note掲載時点の情報となります。

ビットキーには、創業から1年後に設計した「Value」があります。
これは、会社として大切にしたい価値観であり、働くメンバーにとっては行動指針として浸透しているものです。さらには、人事評価の指標や社内の表彰制度とも連動しています。

創業から4年が経ち、組織の成長においては、創業者たちの言葉ではなく現場のリーダーたちによる言葉の伝播が重要になってきました。事業を最前線で引っ張っているリーダーたちは、このValueをどう解釈し、体現しているのでしょうか。

▼ ビットキーのValueに関する記事はこちら

【社内制度】Bitkeyの3つのValueを紹介します! | 株式会社ビットキー
ビットキーのmissionは、 テクノロジーの力で、あらゆるものを安全で 便利で 気持ちよく「つなげる」です。 ...
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Values Talk #01 に登場するのは、ビットキーで事業責任者を務める引地俊光さんと、プロダクト開発の責任者を務める町田貴昭さん。

現在の立場は異なる2人ですが、キャリアのなかでブレイクスルーを感じたポイントは不思議と似通っているといいます。
彼らはどのような経験や場面を経て現在にたどり着いたのか。そして社内のメンバーへは、どんな信念を持ってほしいと考えているのか。ビットキーが大切にしているValueの1つ“Commit to Excellence”に紐付けながら、その思いを語ってもらいました。

町田 貴昭(写真左)

1989年生まれ。ワークスアプリケーションズに新卒入社し、会計システムやECシステムの開発に携わった後、ビットキーの創業メンバーとなる。スマートロックのモバイルアプリやSaaSの開発を担い、現在はソフトウェア開発全体の責任者(VPoP)を務める。

引地 俊光(写真右)

1989年生まれ。ワークスアプリケーションズに新卒入社し、新規プロダクトの事業開発や営業を担当。2019年にビットキーへ入社し、オフィスビルをはじめとするワークスペースへのコネクトプラットフォーム導入など法人向け営業の責任者を務め、現在はWorkspace & Experience事業責任者。

「サスティナビリティのある組織」を目指して

—— 2022年7月から、ビットキーは「サステナビリティのある組織」を目指して、全社的に新たな取り組みを進めています。2人はここ最近の変化をどのように感じていますか?

引地:事業部門全体としては、ここ半年ほどで組織の状況はかなり変わってきたように思います。以前は特定の個人が頑張って成果を出していたけど、最近では一人ひとりの力が発揮されるようになってきました。

従来は僕がかなりきめ細やかにアドバイスをすることも多かったのですが、最近では軽く相談に乗るくらいで、メンバーがそれぞれ自律的に進めて理想的な形で受注やプロジェクトの推進ができるようになりましたね。
特定の誰かが頑張るのではなく、みんな一人ひとりが頑張って成果を出せる状態が「サステナビリティのある組織」なんじゃないかと考えています。

町田:プロダクトチーム側は直近では、プロセスを固めたり、プロダクトを安定的に稼働させたりすることを重視してきています。
ただ、プロダクトはすぐには変わらないし、エンジニアの成長も一朝一夕で進むものではありません。その意味ではものすごく大きな変化が起きているというわけではないのですが、今がまさに、変わること、さらに一歩レベルアップをすることを意思決定して進まなければいけないタイミングなのだと感じています。

引地:とはいえ全社としては、確実にプロダクトの価値が上がってきているんじゃないでしょうか。だからこそ営業しやすいんですよ。

町田:プロダクトについては、いろいろな側面で数値化することに力を注いでいます。どれくらいユーザーに使われているか、どのような使われ方をしているか等を従来以上に定量的に見れるようになってきています。実際に、かなり多くのユーザーに使ってもらっているという実感も出てきました。

エンジニアにとっては、ユーザー数が爆発的に増えたことで運用・保守などの守備を固める必要があります。加えて、攻める意味で新しい開発も進めなければいけない。大変な状況ですが、「良いものを作っているんだ」という希望を持っていてほしいですね。

引地:実際のところ、プロダクト別に見てもお客様からのお問い合わせが少なくなっているなど、プロダクトの価値は確実に向上していると感じます。最前線で開発しているエンジニアはなかなか気づきにくいかもしれないけども。今後は営業やカスタマーサポートからも、ユーザーの声や手応えをこれまで以上に社内へフィードバックしていきたいと思います。

「ただのイエスマン」にはならない。

—— 2人は日々のマネジメントにおいて、どんなことを大切にしているのでしょうか。

引地:「どうあるべきかの意思を持っているか」「事業全体の視点で物事を考えられているか」を重視してメンバーと接しています。
ビジネスサイドがやるべきことは、お客様と対等にコミュニケーションし、お客様が本当に実現したいことを引き出して、その上でプロダクトチームと折衝しながらプロジェクトを実現させていくこと。たとえば、営業やカスタマーサクセスがお客様のイエスマンになり、開発が営業・カスタマーサクセスのイエスマンになってしまう状態はよくないと思っています。

町田:同感です。プロダクトチーム側としても営業やカスタマーサクセスのメンバーたちと対等にコミュニケーションをとりたいし、ゴールを明確にして、営業とともに意思を持って仕事を進めていきたいですよね。
開発のメンバーには自分で意思決定することを求めていますが、ビジネスサイドからどんなに要望があっても、自分が納得でき、事業目線で価値を説明できることでなければ、引き受けてはいけないと伝えています。

引地:僕は、メンバーが「意思決定してはいけない領域」も明確にしていますね。一例ですが、プロジェクトのなかではお客様と営業、そこから開発へと伝言ゲームになってしまって、それぞれが部分最適でしか考えられていない状況になることもあります。

町田:その領域は、どのように線引きしているんですか?

引地:ビットキー社内における案件難易度の分類指標として使われている「スタンダード」「バージョンアップ」「プロダクション」の概念で説明しています。スタンダードは現在の機能で対応できる案件、バージョンアップは機能の進化が必要な案件、そしてプロダクションは新規開発が必要な案件。この3つのうち、スタンダードは一定レベルでメンバーが自由に考え、判断できるようにしています。

一方、バージョンアップやプロダクションの領域では事業責任者として僕も関与して慎重に判断するようにしていますね。

町田:自分で意思を持って考えるのはもちろんOKだけど、組織としての合意形成を踏まえて、顧客最適を考えなければいけないということですね。
僕はよくメンバーに「お客様のことを本質的に理解しているか」を問うんですよ。目の前の事象だけではなく、お客様が本当に求めていることは何なのか、前後の文脈も含めて考えなければいけないと思っていて。

引地:そうですね。「お客様がそう言っているから」だけでは気付けない課題はある。僕たちは単純に1つのプロダクトを売っているわけではなく、顧客ニーズによって提案内容はさまざま。他社では新しい部署ができるようなレベルの大手企業との協業も、ビジネスサイドでは日常的に起きています。その意味では、考えるべきことはとても多いんですよね。

「価値を考え抜く」。それぞれの体験から結びつく“Value”の意味

—— 2人の価値観は、ビットキーのValueの1つ“Commit to Excellence”で示しているプロフェッショナリティや全体視点、連動性に通ずる内容だと感じました。こうした価値観を、メンバーへはどのように伝えていますか?

ビットキーのValueは、それぞれにより詳細な「判断・行動の基準」の軸を定めている。“Commit to Excellence”では「プロフェッショナリティ」「全体視点」「連動性」の3つが基準。

引地:そもそも営業は、お客様にただプロダクトを紹介するだけでは売れません。お客様がどんな課題を持ち、どんな価値を提供すると喜んでくれるのか、なぜビットキーがその価値を提供できるのかを徹底的に考えなければいけないんです。

「価値を考え抜く」ことの重要性については、こうした日々の顧客への提案活動のなかで、一つひとつ具体的に問いかけることで伝えていますね。
プロジェクトが始まった後も同様です。カスタマーサクセスにおいて、ただプロダクトを導入するだけでなく、お客様の事業や組織、課題を本質的に理解できていないと価値提供はできません。

町田:プロダクトチームも同じですね。
プロダクトを作って終わりではないと思っています。特に法人のお客様が使う場合、僕たちがつくったものがお客様にちゃんと使ってもらえるプロダクトになるよう、開発の背景にある思いを含めて営業やカスタマーサクセスに伝えることが大切だと思っています。

引地:大切なポイントですね。営業がプロダクトの紹介をしていると、お客様の理解や要望との間にギャップが生じることもあります。そんなときには、プロダクトの思想を最前線で語らなければいけない。「現在できることはここまで。だけど、今後はこういうものをつくっていきたいと思っているんだ」と伝えられなければいけない。

仮に機能を100パーセント理解できていないとしても、プロダクトがどんな価値を発揮するのかはすべて語れる存在であってほしいと思います。その前提があれば、プロダクトチームとのコミュニケーションでも齟齬が起きないはずです。

町田:そうした意味では、引地さんも僕も、Valueの言葉をそのまま日々の現場に落とし込んでいるわけではなく、それぞれの言葉に置き換えて語っているのだと思います。会社として大事にしたい価値観やCEOが語る言葉を、ちゃんと自分の言葉や実行に落とし込むことが大切なんです。

頼るのではなく「いかにCEOの頭脳をうまく使うか」

—— 2人がそうした信念を持てるようになった背景を知りたいです。

町田:僕は、自分が明確に変わったと感じるタイミングがあるんですよ。
以前の僕は江尻さん(CEO/江尻 祐樹)に相談したり、レビューをもらったり、承認してもらったりしなければなかなか仕事を前に進められませんでした。でも、2019年に今でいうHome事業とWorkspace事業の領域が拡大して、プロダクトについては自分が意思を持って引っ張っていかなければならない状況に。

そこから、ただ頼るだけではなく「いかに江尻の頭脳をいかにうまく使うか」という心の持ちように変わり、行動やアウトプットも変化していったように感じます。

引地:僕も初期の頃は江尻さんにべったり見てもらっていましたね。でも今は、重要な意思決定に関わるタイミングくらいになってきました。

僕のなかで面白い転機だったのは、事業計画の策定をしたことです。
従来は江尻さんたちにつくってもらっていたものを、自分が責任者として当事者意識を持って作り直すことになった。そこで見えてくるものがたくさんありました。江尻さんが考えてきたビジョンを踏襲しつつ、数字作りや来期の計画などは僕たちが当たり前に考えるようになったんですよね。江尻さんから少しずつ権限を委譲されているのを感じました。

町田:チェックされる側ではなく、自律的に考えて動くようになると、江尻さんとのコミュニケーションの回数も減っていきました。今は定例会議などを含めても、週に4回話せば多いほうですね。

引地:僕は一緒に商談に行くのでコミュニケーション量は多いのですが、少しずつ「江尻さんにしかできなかったこと」を巻き取れている感覚がありますね。もしかしたら江尻さんも、以前は何でも細かく報告してもらえないと不安だったのかもしれませんが、あるタイミングから「引地の判断は間違えないな」と思うようになってくれたのではないでしょうか。
そうして気がつけば、事業責任者になっていました。

経営陣ではなく「俺を見ろ」という強い思い

—— 2人のもとで働くメンバーも同じような視座を持てるでしょうか。メンバーのみなさんには、どんなアクションを起こしてほしいですか?

町田:僕は「みんなに任せる」といいながら、今でも些細なことまで首を突っ込んでしまうことがあるのですが……。

それでも僕にはどんどん意見を出してほしいですし、メンバーそれぞれ、自分の裁量を広げながら「町田にしかできないこと」をどんどん巻き取っていけるような組織づくりをしたいなと思っています。僕が江尻さんから「江尻にしかできないこと」を巻き取っていったように。

引地:僕は、メンバーに対しては「俺を見ろ」という気持ちでいますね。
そのために腹を割って話したり、時にはあえて厳しく接したり、ミドルマネジメントの機能を最大化させています。
偉そうに聞こえるかもしれませんが、その本質は創業者じゃなくて、僕たちマネジメント陣のことを見てほしい。僕や町田さんは、江尻さんに尊敬の念を持ってコミュニケーションを取ってきたからこそ、今は江尻さんを使いこなす感覚になれていると感じます。

町田:僕たちが経営陣と同じくらい尊敬され、信頼されるようにならなければいけないということですよね。ある意味、僕たちも、メンバーから尊敬の念を持って、神輿にかついでもらえるくらいじゃないといけないのかもしれません。

引地:そうやって経営陣や僕たちのようなリソースを活用しながら、メンバーには新しいチャレンジをしてほしいですね。もちろん全員一律に同じチャレンジを求めているわけではありません。キャリアの浅い人には、とにかく知識をインプットすることを勧めることもあります。マネージャーには数字責任を求めることもあるでしょう。それぞれのステージごとに、どんどんチャレンジしてほしいです。

町田:ビットキーはまだまだベンチャーで、組織としての成長に向けて必要なことはたくさんあります。大変なことも多いです。
でも、このタイミングだからこそ、一人ひとりの与えるインパクトは大きい。会社から与えられるものに頼るのではなく、自分たちでビットキーの文化を作るんだというマインドセットを持って欲しいですね。

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