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社長自ら、毎日ニュースをキュレーション。暗号資産業界の「先」を読む力が身につく朝会とは?【社長インタビュー】

※本記事は2021年7月にnoteにて公開された記事の転載です。各情報は掲載当時のものです。


一般的には事務的な状況報告や情報共有のために実施されることが多い、毎日の朝会。しかし、ビットバンクの朝会はひと味違います。

代表取締役の廣末紀之(ひろすえ のりゆき)は「当社の朝会は、私自身の経験やセンスを基に、社会や経済状況の最新ニュースをキュレーションして発信する場なんです」と語ります。

毎朝の情報発信を続ける背景には、社員のみんなに「ニュースを読み取る力」を高めてほしいという、廣末の熱い想いがありました。

毎朝10分、重要なニューストピックを全社員に共有

ーーまず、ビットバンクの朝会の内容について教えてください。

毎朝10時から約10分間、私から全社員に「今日の重要トピック」を直接共有する場として朝会を実施しています。

社内の状況共有だけでなく、日々変化する国内外の政治や経済などの社会情勢、暗号資産業界のニュース、新型コロナウィルスに関する最新情報などの中から、私自身がトピックを選び、簡単な解説を加えているんです。

以前からオフィスで実施していたのですが、コロナ禍の影響でリモートワークが推進された2020年3月以降も、オンライン(全社員が参加するGoogle Meet)で1日も欠かさず継続してきました。

ーーなぜ、こうした朝会を実施するようになったのでしょうか?

当社の暗号資産取引事業には複雑な変動要因があります。その変化の「兆し」を察知するためには、暗号資産業界だけでなく、政治や経済の状況を網羅的に把握しておく必要があるからです。

俯瞰的な視点に立って、情報を読み解くことは経営層には当然不可欠。しかし、本来は部署やポジションを問わず知っておくべき情報だと考えています。

世界の最新ニュースを知り、暗号資産業界や会社の未来に何が起きるのかを想定できれば、先手を打てます。例えるならば、目標に向かって道を歩いているときに「もうすぐ信号が赤になるよ」「雨が降りそうだよ」という<予報>を認識できる場が朝会なのです。

また、最近の朝会では新型コロナウイルスに関する最新ニュースも伝えています。感染動向やワクチンの接種状況は、毎日刻一刻と変わりますよね。金融に影響するトピックでもあるのですが、正確な情報の把握と状況の理解は、社員の心身の安全を守ることにも繋がります。

事業の指針や状況は、全社や部署ごとの定例ミーティングなどで別途共有しています。しかし、毎日の朝会はそういった「社内に限定される話」だけではなく「外部の情報」を吸収できる場として、大切にしていきたいと思っています。


「社会と仕事の関連性」を確認する場としての朝会

ーー日々、どのようにニュースをセレクトしているのでしょうか?

完全に私のセンスで選んでいますね。これまで金融業界や暗号資産業界に携わってきた経験と知識をフル活用して、朝イチでその日のニュースをセレクトしています。

冗談でもなんでもなく「センス」って重要なんです。特にこの業界に入って日が浅い方の場合、膨大な量のニュースが日々発信されるなかで「どんなニュースが重要か」の勘所は、一朝一夕に分からないものなので。

私自身も、新卒で大手証券会社に入社してから数年間、毎日出社前に経済紙や業界紙を読み続け、ようやく社会と普段の仕事との関連性に気づけました。そこから物事を見るときの視点が変わってきて、目の前のことだけではなく、より大局的にビジネスを捉えられるようになったんですね。

ですから、ビットバンクの社員にも「会社の事業が、社会とどう繋がっているか」をしっかり理解してほしいと考えています。その上で「自分たちの仕事が、社会に貢献している」と手応えを感じてもらえたら嬉しいですね。

ーー毎朝欠かさず実施しているのは、やはり“勘所”をはやく掴むためなのでしょうか?

はい。鮮度の高い情報提供という目的に加え「ニュースを読み取るセンスを身につけてほしい」思いが根底にありますね。実際「朝会を通じて、どんなニュースが暗号資産にかかわる話題なのか分かるようになってきた」との声が社員からも寄せられています。

私がどんな意図でニュースをキュレーションしているのか、そこにどんな意味があるかを伝えることで、社員が日々のニュースを見る目は確実に変わっていくと思います。

マクロの視点で暗号資産業界を見たとき、我々がどういう状況にあり、何の影響を受けているのか。これからの自分たちの仕事にどんな変化があるのか。ニュースへの理解が深まれば「我々が何のために毎日の業務を頑張っているか」も、自然にクリアになるはずです。

時代が変化してもサバイブできる人材になってほしい

ーー毎日朝会に参加しているだけで、多くの専門知識が身につけられそうですね。

社会と仕事を繋げられるようになるだけでなく、経済や金融に関する知識レベルそのものの底上げも目的としています。知識があるほど人材価値も上がるのは他の業界も同様ですが、金融業界では特にそれが顕著ですし、全員に競争力のある人材になってほしいと思っていますね。

金融の専門知識は、キャリア面で役立つだけではありません。一個人としてもライフプランを設計しやすくなり、より豊かな人生を送れるはずです。

私は「社員の将来の幸福のために、会社がなすべきことは何か?」と常に考えているんですね。社員を育てるということは「釣った魚をあげること」ではありません。いつ、どこで、どうすれば魚を釣れるのかという「魚の釣り方」のレクチャーこそが、本来の会社の責務だと感じています。

だからこそ、私が経験してきた知識や経験を、積極的に共有していきたいんです。たとえ将来ビットバンクを離れたとしても、ここで得た知識や経験を役立ててほしい。社員にはどんな環境でもバリューを発揮し、未来をサバイブできる人材として成長してほしいと思っています。

社長自身が「オープン」かつ「フェア」でいなければならない


ーーご自身の経験や知識を惜しむことなくオープンにしているんですね。

そうですね。当社では、社員間の情報格差が発生しない、オープンでフェアな体制づくりを心がけています。社長の頭の中も、常にオープンな状態にしておくべきだと考えています。朝会は、私自身が日々何を考えているかを伝える場としても大切ですね。

現代では、社会の状況が目まぐるしく変化します。そのなかで、きちんと社内の情報共有がなされておらず「いったい社長は何を考えているのか?」と社員が不信感を覚えてしまえば、組織としての大きなダメージに繋がりかねません。

だからこそ、朝会でのニュース解説を通じて自分の思考をオープンにして、社員全員の前で公平に情報を発信するのは重要だと思っています。

日々の社会や経済での出来事を解説することで「当社はどんなアクションをしていくのか、なぜそうするのか」も理解しやすくなり、組織内の疑心暗鬼も防げますよね。

私自身が、オープンかつフェアな姿勢を毎日体現する場所。それが朝会です。これから社員が増えていっても、ずっと続けていきたいですね。

――廣末さん、ありがとうございました!

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