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【創業ストーリー:後編】想いのこもったサービスや商品の溢れる社会を目指して。結果を証明しながら、世界を変える

「人間の心理や行動特性を探求することで、真に役に立つ製品、サービス、またそれらを支える仕組みを創出し、豊かな社会の実現に貢献する」を理念に掲げるビービット。創業から20年経っても本質的な提供価値は創業時と同じですが、そのブレない軸はどのようにして生まれたのか。

ビービットの創業者であり代表取締役を務める遠藤 直紀さんに、創業から現在に至るまでの歩みとこれからの展望について聞きました。全3回でお届けする「創業ストーリー」シリーズですが、後編はビービットの今後の展望についてお届けします。

遠藤 直紀(えんどう なおき)/  代表取締役
横浜国立大学経営学部経営システム科学科を卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。2000年3月にビービットを設立し、代表取締役に就任。UXコンサルティングを開始。現在はUXを支えるSaaS「USERGRAM」の開発を推進中。専門はデジタルトランスフォーメーションとユーザエクスペリエンス設計。ミッションは「人の特性理解に基づき、役立つサービスが構築できる方法論を確立すること」

目次:

  1. 成果を証明しながら、プロセス構築支援へ
  2. 「想いのこもったサービスや商品の溢れる」社会を目指して
  3. メンバーの特性を理解し、強みドリブンな組織をつくる
  4. 失敗を恐れず、未来を見据える人と一緒に働きたい

成果を証明しながら、プロセス構築支援へ

── 今後の目標を教えてください。

直近では、現在提供している「UXグロースOps」の提供に力を入れていきたいと思っています。

「UXグロースOps」はソフトウェアの提供と弊社メンバーによる業務プロセス構築支援を融合させた新しいサービスです。実際にクライアントと伴走しながらUX向上がビジネスを成功に導くことを証明しつつ、ソフトウェアサービスによってクライアント自身がUX改善を高速で回せる環境を提供していきます。

一過性のインタフェース改善など特定の課題解決をするのではなく、ユーザと一緒に高速でサービスを磨いていくプロセスを構築し、それができるチーム編成もサポートしていきます。

とはいえ、クライアントからするとどれぐらい成果が上がるのか実感がないまま導入するのは難しいかもしれません。少しずつ成果を出しながら信頼を勝ち取り、本当に携わりたい核となる部分まで進化させていければと考えています。

「想いのこもったサービスや商品の溢れる」社会を目指して

── 改めて、ビービットが目指しているのはどんな世界なのでしょうか?

当社では「役に立つことがビジネスの主目的となった、1兆スマイル社会」というビジョンを掲げています。これは「使い手に対する想いのこもったサービスや商品に溢れていて、とても心地が良く生活ができる」社会の実現を目指すということです。

もちろん収益を上げることは企業活動にとって非常に重要なことですし、なくてはならないものです。しかし利益とはあくまでも「お客さまの役に立った結果」だと私たちは捉えています。

お客さまの役に立ち、その結果が利益となってさらなる価値提供ができる──この循環が当たり前の文化・社会になってほしい。私の生きてきた90年代やネットバブル、それからメガベンチャーが台頭した2010年代は「利益を上げる」ことの方が先にきていたような気がします。けれどサステナブルに価値提供を行い、ユーザにより良い暮らしを続けてもらうためには、「役に立つ」ことが先だと思うのです。

もしかしたらこれは綺麗ごとに聞こえるかもしれません。ただ、人間は社会的な動物で、多くの人がたくさんの人と関わりながら生きています。お互いがお互いに役割を果たし、他者に貢献し合うことで人間社会は成り立っている。ならばユーザや働く人、当社に関わる人たちの幸せを目的にするのは自然なことだと思うのです。

もし今、インターネット黎明期に多かった目先の利益だけを追求し、ユーザへの価値提供を軽んじるようなプロジェクトを相談されても私たちは引き受けたりしません。それがユーザのためですし、クライアントのため、社会のためでもあるからです。

メンバーの特性を理解し、強みドリブンな組織をつくる

── 今後どのような会社にしていきたいか、教えてください。

これまで同様、顧客価値にもとづく仕事を徹底して積み上げていきたいですね。その実現のために、組織づくりにおいては強みにフォーカスした役割分担が重要だと考えています。

そもそも会社という組織で一つの目標を追いかけるのは、一人では出せない価値を出すためです。誰かができないことがあるなら、別の誰かが補えば良いと思っています。

ごくたまに、自分には得意なことがないという人がいます。本来、そんなことはないはずです。誰もが強みを持っているはずで、それを最大限引き出し「強みドリブン」な組織にしたい。弱みにフォーカスしてもポジティブな結果は生まれないんじゃないかと思います。

実際ビービットには、各人が強みを活用し合いながら助け合う雰囲気があります。社内に多様な強みがあるほど対応できることも増えます。顧客への価値提供という一番大事な考え方さえ一致していれば、多様な価値観を受け入れながら、各人が楽しく仕事ができる組織がつくれると信じています。

失敗を恐れず、未来を見据える人と一緒に働きたい

── ビービットで共に働く社員のみなさんへの想いを教えてください。

「役に立つことがビジネスの主目的となった、1兆スマイル社会」というビジョンに共感し、そんな社会の実現に向けて一緒にチャレンジしていきたいですね。

僕たちはユーザや社会の「役に立つ」ことを目指しています。テイカー(Taker)よりギバー(Giver)、つまり共に働く同僚やユーザ、世の中に対して自分は何ができるか考え抜き、惜しみなく貢献したい。

そしてそのために失敗を恐れず進んでいける方だと嬉しいです。

そもそも我々はまだ顕在化していない、クライアントすら気づいていないようなニーズに対してアプローチしています。確立された正解がないからこそ試行錯誤の先にしか答えはありません。失敗を恐れず挑戦することが不可欠です。

だからこそ、挑戦を支えるチームワークや心理的安全性は常に保ち続けたいと思っています。私自身、世界中を飛び回りながら新しいことにチャレンジし続けられるのは周りのメンバーが支えてくれるから。そんな互いを信頼し、任せあえる空気感があることに非常に感謝しています。

ユーザ中心の思想やUXの実践は、今後ますます時代からの要請が高まります。未来に希望を見据える人にとってビービットで働くことは、キャリア形成の点でプラスになると確信しています。



取材・執筆・撮影:種石光 / 編集:石川香苗子

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