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大手からスタートアップへ。20代の僕らがフィンテックにチャレンジする理由

「BASE SPACE」では、BASEの取り組みの裏側や組織のなかのことについて発信していき、みなさんにもっとBASEのことを知ってもらうことを目指しています。

今回は、2018年1月に新設したばかりのBASE BANK株式会社のメンバーである矢部 寿明と、決済事業を展開するPAY株式会社(BASE100%子会社)の乾 智貴にインタビューを行いました!

2名とも20代で活躍する若手で、キャラクターは真逆のメンバーですが、大手からスタートアップに転職したという共通点があります。特にフィンテック業界やスタートアップに興味ある方はぜひご覧ください!

【Profile】

矢部 寿明 BASE BANK株式会社

1993年生まれ。慶應義塾大学卒業後、ゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)に入社。リーダー育成プログラムであるFMPに所属し、GE Powerにて北アジア3ヶ国のファイナンス業務などに従事。2018年1月、起業を目的に同社を退職。同時期にBASE CEOの鶴岡に出会い、2018年3月よりBASE BANK株式会社の事業立ち上げにジョイン。

乾 智貴 PAY株式会社 PAY Business Section 事業開発担当

1991年生まれ。2015年野村総合研究所に新卒入社。電子マネーシステムの提案・開発・運用に従事。中国オフショア開発などを経験し、ベンダー横断のプロジェクトマネジメントを学ぶ。2017年末にBASEのPAY Division(※現:PAY株式会社 )にジョイン。PAY Business Sectionにおいてオンライン決済サービス「PAY.JP」ID型決済サービス・お支払いアプリ「PAY ID」のグロースをメインミッションに事業企画・プロジェクトマネジメント・営業に従事している。※2018年1月にBASEの100%子会社として分社化



矢部さんはBASE BANK、乾さんはPAYにそれぞれ携わっているわけですが、お二人のお仕事について教えてください。

矢部:

事業の立ち上げ全般ですね。オペレーション作りやデータ解析のディレクション、ビジネスサイドでは各金融機関との交渉や企画、分析などかなり広くやっています。プロダクト側はそれこそスタート地点で、ユーザーへのヒアリングなど、繰り返し小さな仮説検証を行なってサービス像を作り上げることをしてます。いまBASE BANK専任のメンバーは僕だけなのですが、BASEの中には法務やDataStrategy、ビジネスのプロフェッショナルなメンバーがいるので、そういったメンバーと各領域で協力して進めていますね。

もちろん採用もやっていて、募集する人材の要件定義とか面談、リクルーティング活動を中心にやっています。

乾:

決済事業を展開するPAY株式会社(BASE100%子会社)で、開発者がWebサービスやEコマースにクレジットカード決済をかんたんに導入できるオンライン決済サービス「PAY.JP」と、ID型決済サービス・お支払いアプリ「PAY ID」のビジネスサイドに携わっています。

主に加盟店獲得の施策立案から実行、クレジットカード会社のアライアンスなど、幅広い事業開発業務を担当しています。


フィンテックや決済ってなかなか普段の生活で深く関わることがないと思うのですが、どういうきっかけで興味を持ったんですか?

矢部:

直接的なきっかけは、学生時代に日米に拠点のある財団法人でFinancial Inclusionの事業に携わったことですね。Financial Inclusion(=金融包摂)って、世界で約20億人、アフリカだと4億人くらいいる、金融サービスにアクセスすることが難しかった人々に対してファイナンシャルサービス届けることです。仕事としては、COMESAというアフリカの19カ国の共同体各国の金融庁、マイクロファイナンス機関をナイロビに集めてキャパシティービルティングとガイドライン策定、アフリカ開発銀行からバジェットとる、みたいなことをやっていました。

その中で、特にケニアのマイクロファイナンス系のスタートアップ数社をリサーチしていたときに、M-KOPAという会社に出会うんですけど、そこでやっているのが、凄くわかりやすく言えば、電力購入を起点にしたモバイルマネー割賦払いと与信創造みたいなことで。

まさに人が貧困、所与の不平等から抜け出すための機会、手段をテクノロジーで生み出している。そういう風に金融とか信用を使う方法があるんだなあ、と感動した瞬間でした。そもそも金融、ファイナンスの本質ってそういう部分ではあるんですが、これがきっかけでそういったサービスは1つの手段として常に頭の中にあるようになりましたね。

乾:

GEに入ったきっかけは?

矢部:

金融って面白いなと思いつつも、アフリカでの経験や事業経験の中で、金融側よりも事業サイドの方が大事だなって思って。そんな時にGEでファイナンスの募集があって、やったことないから面白そうだなと思いチャレンジしました。GEでは、コーポレートファイナンス周りを一通りやりましたね。


では、乾さんが決済に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。

乾:

前職で電子マネーのシステムを開発・運用をしていたことと、Alipayの日本加盟店導入サポートを経験したことが大きいですね。

特に前職で中国へ数か月滞在する中で、AlipayやWeChat Paymentの発達が大きなブレイクスルーに繋がっていることに驚きました。ワンタップログインひとつでKYC*・信用スコア・決済機能が紐づくことがすごい。これでサービスの利用ハードルが格段に下がりますし、インターネット上の個人を特定できているのでデータ活用・信用コスト**の低減などができますよね。

それから日本に帰国して、日本の現金社会を不便に感じてしまって。決済が面白いなと思ったのはその中国の滞在経験がきっかけですね。


*KYC…Know Your Customerの略で、銀行に新規口座を開く際、銀行から要求される書類手続き等の総称

**信用コスト…取引先(銀行であれば融資先)の倒産等により、1年間に平均的に発生することが予想される損失額のこと。

乾さんは普段「”商い”がやりたい」と言っているじゃないですか。それってどういうことですか?

乾:

母親が商売をやっているっていう環境の影響がすごく大きいと思うんですけど、自分のアイデアが形になって、定量的な指標で返ってくるのが楽しいですね。ゲームでもそうじゃないですか。目の前の壁を越えたらステージが上がって成長できる、っていうのと同じ感覚です。起業したいとか新しいことやりたいという思いより、僕は結果が見える“商い“をやりたいという思いが強いです。

矢部:

へー、おもしろいですね。

乾:

新卒で野村総研に入ったのも、商売がやりたくて、大きな商売をやっている会社であればこれまで蓄積されたノウハウはもちろん、幅広く学べるはずだと思ったのが最初で。SIerっていうのも同じで、"野村総合研究所"っていうブランドを求めて大手企業が仕事を依頼するわけじゃないですか。だから絶対ノウハウがあると思いましたし、SIerの仕事を通して大きな商売の中身が見えると思って入社しました。


お二方ともいわゆる大手に新卒で入社されているわけですが、BASE BANK、PAYに入社したきっかけや理由について教えてください。

矢部:

もともとスタートアップ志向だったし、金融・ファイナンス領域でやりたい事業もあったのでGEを辞めました。

起業するにあたって様々な会社にヒアリングを重ねている時期に、たまたまBASE BANKを知って、何かヒントを得られるかもと思ってオフィスに訪れたのがジョインのきっかけです。

面談に来た時に、代表の鶴岡にカジュアルな感じで「一緒に立ち上げようよ」と言われたんですが、その時は「いえ、自分でやります。」とはっきり断ったんですね(笑)

断ったんですけど、面談の1週間後くらいにふと鶴岡が話している動画を見たのがきっかけで、鶴岡と一緒に事業をやりたいなって思いました。

鶴岡が動画の中で、「時間軸の問題だけで、期待した未来は必ず来る」っていうのを明確に言っていて。それに実際に話したとき「価値」のあり方について真剣に考えていて、それがいいなと思って。それで、鶴岡と一緒にやろうと思いました。

具体的にって言われると難しいんですけど、鶴岡には不思議な魅力があるんですよね。高野(PAY株式会社 代表取締役CEO)もそうですよね?

乾:そうですね。


乾さんから見て、高野さんってどんな人ですか?

乾:

高野と初めて話す機会があったのが、母親に家業を継いでほしいと言われて、前の会社だと労働時間的にそれが難しかったので転職を考えている時期で。

好きだった決済業界で転職先を探している中、ネットの記事で高野を知って話を聞きに行きました。彼は自分が解決したい課題があって、それをどう実現するか、商売するかみたいなところをモチベーションとしているんです。20歳で起業してからここまでモチベーションが続いていることに対して、素直にすごいなと感激して、一緒に切磋琢磨したいという気持ちになったのを覚えてます。

PAYにジョインした理由としては、自分とは全く違ったバックグラウンドを持つ人たちに囲まれて吸収できることが多い環境だったことと、 自分のアイデアが実行できる環境だなと感じたことです。

海外も含めWebサービスへの知見が深い高野がいることはもちろん、クレジットカード業界のプロ、商社出身の営業のプロ、セキュリテイのプロ、アメリカの大学出身で海外のWebサービスの感覚を持つPMがいたりと、周りの人から吸収できるものが多くあるなと感じて。組織や事業のフェーズとしても、チームがまだまだ成長過程で自分自身の役割が大きく、市場に向き合える環境だと思いました。

今後それぞれやりたいことを教えてください。

乾:

事業的な観点でいうと、クレジットカードの決済ネットワークとは別の決済ネットワークを作りたいのと、さらにインターネット上の個人を特定する決済サービスを作りたいですね。前者は、例えばブランド・イシュアー・アクアリングを一つの会社で担う決済ネットワークのことを指していて、後者は、ワンタップログインひとつでKYC・信用スコア・決済機能がひもづくようなサービスのことです。

現状の決済って商いの仕方が難しくて、低い手数料を複数のプレイヤーで分け合う薄利なビジネスモデルです。まずは他でキャッシュポイント作らなきゃいけなくて、それが僕たちがやるべき事業開発だと思っています。どういうところでキャッシュポイントを作れば価値のあるお金の生み方をできるのか、そこを追求していきたいですね。そうすることで「PAY.JP」の手数料を低く保つ、あるいは将来的に手数料を無料にすることで、決済サービスの利用のハードルを下げ、だれもが挑戦できる世界を実現する手助けになればいいなと思っています。

矢部:

BASE BANKのミッションも僕の個人的な理念も同じなんですが、全ての人が挑戦できる世界を作りたいなって本気で思っています。BASE BANKに貢献することはもちろん、自分の理念を実現するためにもBASE BANKの事業をきっちり立ち上げていきたいと思っています。


最後に、おふたりはどういう人と一緒に働きたいですか?

矢部:

BASE全体に言えることだと思うんですが、ユーザーとプロダクトのことを一番に考えられる人ですね。あとは結果に対してコミットできて、リーダーシップがある人。どういうことかというと、周りにポジティブな影響を与えて、変化を起こせること。そして最後に僕らのミッションに共感してくれる人ですかね。

乾:

PAYに関して言うと、スペシャリストでありジェネラリストな人ですかね。まだまだメンバーも20名程度で、やることも変わっていくし、これまでやったことがないことに取り組む機会も多くあるので、何か得意なことがあることに加えてやりながら学んでいける人と一緒に働きたいです。

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