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未経験からデータアナリストへの挑戦。バンダイナムコグループのゲーム分析者に聞いてみた。

こんにちは!
バンダイナムコネクサス(以下、BNX)で採用を担当している​​伊藤です。

前回の記事でも紹介したように、データ戦略部にはバンダイナムコグループ各社が運営しているゲームタイトルの分析を担う「プロダクトアナリティクスオフィス」(以下、PA室)という部署があります。

PA室には様々なバックグラウンドを持つデータアナリストが在籍しています。ゲーム分析に10年以上関わっておりストアランキング1位のタイトルを何度も経験した凄腕アナリストもいれば、ゲーム分析未経験から転向したメンバーも活躍しています。

そこで今回は、ゲーム分析未経験者からスタートした3名に、BNXのデータアナリストへ転身したきっかけやPA室で働く醍醐味について紹介してもらいました。
※インタビューはリモートで実施しました。

――まずは自己紹介をお願いします。

| グデラ
2020年4月に入社して、『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』の分析を担当しています。
BNXに入社する前はモバイルゲームのプロデューサーで、ガラケー/スマホ向けゲームの企画・運営や開発ディレクションを行っていました。

| 相原
グデラさんと同じ2020年4月に入社して、これまでに『テイルズ オブ』シリーズ、『ミニ四駆 超速グランプリ』の分析を担当してきました。
入社前はSEOコンサルタントとして、Webサイトの集客のために分析や施策提案をしていました。

| 佐伯
2020年12月に入社して、『ドラゴンボール レジェンズ』の分析を担当しています。
前職は2人と違い、ゲーム分析とはまったく無縁でして、出版社で雑誌の編集者として、特集や連載の企画や記事作成を行っていました。


――3名とも職種未経験だったわけですが、何がきっかけでゲームのデータ分析をしようと思うようになったのですか?

| グデラ
ゲームの企画・運営を10年ほどしているうちに、それまでの経験を活かしつつ違うチャレンジをしたくなったからです。
データ分析にもともと興味があったことも大きくて、ゲーム運営をしていたときはKPIに基づいて課題を見つけて施策を打つということをしていました。

とはいえ、専門のデータ分析者になるには統計や機械学習の知識が必要だと思っていたので、チャレンジには二の足を踏んでいました。
そんなときにBNXと出会いました。

最初は職種未経験で大丈夫だろうかと不安を抱えていましたが、話を聞くと、未経験者向けに独自の研修を用意していて3ヶ月間じっくり学ぶ機会があるので問題ないという回答をもらいました。
むしろ「ゲームのドメイン知識やゲーム運営の知見を持った人を探している」と、歓迎しているくらいだったので、それならば挑戦してみようと思い、入社を決めました。

| 相原
私の場合は分析者になろうと思った理由は3つあります。
1つ目は、SEOのように事業の一部分だけを見るのではなく事業全体を見る仕事がしたかったこと。2つ目は、事業により深く入り込める環境を求めていたからです。コンサルという立場だと、どうしても自分で物事を動かせる実感が弱くなってしまう面があったので……。
そして3つ目は、統計や機械学習の知見を得て、より確度の高い意思決定を促せるようになりたかったからです。

これら3つの軸で会社を探している中でBNXに出会い、先ほどグデラさんの話にも出てきた分析未経験者向け研修の存在も後押しとなり、データアナリストへのチャレンジを決めました。

| 佐伯
私は2人のようにゲーム業界の経験があったわけでも、分析業務に関わっていたわけでもないので、少し経緯が異なります。

テニス観戦が趣味で、選手の評価指標を作ったりして遊んでいたのですが、そうこうしているうちにデータ分析の楽しさを意識するようになったのがそもそものきっかけです。
最初はエクセルの基礎集計で色々試していたのですが、やはり出来ることに限界を感じ、「統計や機械学習の基礎知識を学びたい」「あわよくばそれを仕事にできないか」と思うようになりました。
そこでデータサイエンスを学べる社会人向けスクールに半年ほど通い、統計や機械学習の基礎を身に着けた後、せっかくだからこのスキルを活かせる仕事をしてみようということでデータ分析職を探し始めました。

転職活動を進めるうちにBNXのことを知り、私自身がゲーム好きだったことと面接の中でアナリストの中には色々な背景を持つ人がいると教えてもらったことが後押しとなり、チャレンジを決めました。

※3人の話に出てきたゲーム分析未経験者向けの独自研修の全体像


――未経験から1人前のゲーム分析者になるには苦労もあったかと思います。どうやってそれを乗り越えたのでしょうか?

| グデラ
一番大変だったのは、Pythonを使った機械学習モデリングです。専門的な分析は未経験だったので苦労しました。
ただ先ほどお話した研修で実際のデータを使って実装する機会があったので、その中で習得していくことができました。

もう1つ挙げるなら、分析課題に対して最適なアプローチが何かすぐにはわからなかったという点です。
こちらに関しては、PA室に蓄積されていた過去の分析資料が役立ちました。
資料には課題とそれに対する切り口、分析手法がまとまっているので、他のアナリストがどんな課題にどう対応したのかを調べるうちに自然とアイデアが浮かぶようになっていきました。

| 相原
私もPythonを使った機械学習には苦労したのですが、それ以外で言うとSQLを用いたデータ集計が大変でした。
元々オンライン学習サービスでSQLの基礎は勉強していたので、記法などではそれほど手が止まることはなかったのですが、分析に必要なデータを見つけるのには苦労しました。
というのも、オンライン学習サービスでは集計に使うデータがあらかじめ用意されていてデータ構造も明確なのですが、実務ではテーブル数も多く、やみくもに探していても目当てのデータを見つけられないからです。
ただ、研修を通してデータの在りかにアタリを付けられるようになったので、その点は現在の分析業務にかなり役立っています。

| 佐伯
私も相原さんと同じでSQLではかなり大変な思いをしました。
もちろん、分析に必要なデータにアタリを付ける点にも苦労しましたが、テーブルを理解するに手を焼いて……。
というのも、テーブル定義書には各カラムの説明は記載されていても、データがどう生成されているのかまでは書かれていないんですね。
例えば、似たカラム名だから同じIDを意味するだろうと思っていたら、実際はデータ生成方法の違いによって微妙に異なる番号が付されていて、集計結果がズレるといった形でハマることが多かったです。
ただ、研修では分析経験豊富なデータアナリストが講師をしていたので、データ理解のための質問を気軽にでき、苦労しながらもなんとか乗り切れました。


――研修はすべてリモートワーク環境下で行われたそうですね。非対面の研修だからこそ苦労した点や、それを乗り越えた方法があれば教えてください。

| グデラ
私の場合はリモートワークだから苦労したということはなかったですね。
前職はチャットでのやり取りが当たり前でしたし、PA室にもSlackによるコミュニケーション文化があって、質問をすればすぐ返ってくる状態だったからです。
加えて、毎日実施しているチーム内の夕会もあったので、その中で不明な点などを気軽に聞くことができ、あまり苦労はしなかったように思います。

| 相原
私もリモートワークのせいで困ったことはなかったです。疑問があれば夕会で気軽に質問できる形になっていたので。
加えて、佐伯さんの話にもあったように、研修期間中に講師が付いてくれたので、その方と日々やり取りしていたという点も大きかったと思います。

| 佐伯
私は2人と違って、どちらかというとチャットベースでのコミュニケーションに戸惑いましたね。
チャットだと頭の中でなんとなく考えていることを文章化して正しく伝える必要があるので、質問の仕方にも工夫が必要だなと思っていました。
その点も踏まえて現在の研修では毎日の朝会がセットされ、口頭でもフィードバックを受けたり質問したりできる場が用意されています。
実際に自分が書いたクエリを画面共有しながらレビューしてもらうことも可能になったので、より効率良く研修を進められるようになりました。

――データ分析をする会社は世の中にいくつもありますが、BNXのデータアナリストとして働く醍醐味は何でしょうか?

| グデラ
大きく2つあると思っています。
1つ目は、膨大な数のゲームタイトルに関われる点です。
PA室の主担当業務がバンダイナムコエンターテインメント(BNXの親会社)が展開するゲームの分析なので、関われるタイトルの数は数十に及びます。
PA室では1人1タイトルを担当する専任制を取っているので、同時に担当するのは1つなのですが、データ基盤が整備されており多くのタイトルでデータ分析が可能な状態が整っているため、必要に応じて他のタイトルを分析して比較することができます。
さらに最近は、スマホゲームだけでなくコンシューマーゲームの分析を打診される機会も増えてきました。場合によってはリリース前の段階から相談を受けることもあるので、本当に多くのゲームタイトルに関われると思っています。

2つ目の醍醐味は、好きなIPに関わるチャンスがある点ですね。
好きなIPやシリーズだとユーザーの気持ちも理解しやすいので、それを活かした分析を行えたら、より深い示唆が得られるんじゃないでしょうか。

| 相原
私の場合は、1つのゲームタイトルの運営に深く関与できる点が醍醐味だと思っています。
専任のアナリストとしてタイトルの運営チームの一員となって分析を行えるので、ゲーム運営上の意思決定にも深く関われます。
実際に自分が提案した施策がゲーム内に実装されることも多々ありますし、事業へ与えるインパクトを直に感じながら分析を進めていけます。

あとは、エンターテイメントへの理解を深めるための支援制度が整っている点も魅力的じゃないでしょうか。
例えばBNX全体の制度として、「プレミアムデー」というものがあり、毎月1日出張扱いで自分が希望するエンタメ体験をできる日があります。
自分が担当するタイトルの原作漫画を一気読みする人もいれば、業務と直接関係ない体験型施設に遊びに行くことでエンタメのトレンドを掴んだりする人もいたりと使い方は人によって様々です。

| 佐伯
“おいしい”所は2人に言われてしまったので(笑)、違う観点で挙げますね。

私は、ゲームタイトル運営チームと対等な関係で分析を進められる点が魅力だと思います。
相原さんの話にもあったようにチームの一員として分析・報告を実施しているので、ゲームタイトルの成功のために必要な提案であれば、積極的に受け入れてもらえる土壌があります。
KPIをモニタリングしていく中で重要な異変に気づき、アラートを発して施策に結びついたケースもありますし、依頼されたものとは異なる分析テーマをこちらから提案し、実際にその分析を行ったこともあります。


――最後に、ゲームの分析に興味はあるものの経験がなく踏み出せない方に一言お願いします!

| グデラ
私と同じように統計や機械学習の知見がなくて挑戦するか悩んでいる方もいるかと思いますが、BNXにはゲームやアニメといったIP作品が好きなら誰でも活躍できるチャンスがあると思っています。
ですのでもし興味を持っていただけたなら、まずは応募してみてください。

| 相原
ゲーム分析では、分析スキルを磨くことも大切ですが、「適切な問いを立てること」もとても大切です。これは普段の生活の中でも実践できると思っています。例えば、自分がプレイしているゲームに新しいイベントやコンテンツが追加されたとき、「なぜ追加されたんだろう」や「どういったことを解決したいんだろうか」などユーザーの視点から考えてみるのはおすすめです。そういったことが楽しめるならゲーム分析も楽しく出来ると思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。

| 佐伯
実は私は応募した当初はPA室の存在を知らず、横並びの部署であるデータサイエンス&ストラテジー室のほうにだけ応募していて……。
後になって「やっぱりPA室のほうが向いていたのでは」と反省していたら、アナリストのほうが合っていそうだからということで選考の進め方を変えてくれたんですね。
これは極端な例かもしれませんが、「この人が活躍できそうな場所はどこか」ということを考えてくれる会社だと思うので、少しでも興味を持ったら、気軽に応募してみてください。

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