こんにちは!法人向けにAI研修と伴走支援を行う株式会社AX(エーエックス)です。
AIが当たり前になりつつある時代に、私たちはAIとどう向き合うか?人はどんな価値を発揮できるのか?
この連載では、AIと共に働くAXメンバーの、それぞれの探究と成長を掘り下げます。
第2回は、SEOライターからキャリアをスタートし、現在は記事を自動で生成する高度なAIエージェントを開発するAIエンジニア・マーケターの中川心貴さんにお話を伺いました。
プロフィール
中川 心貴 / AIエンジニア・マーケター
SEOライターとしてキャリアをスタートし、Webメディアの運用やナーチャリング設計、広告運用など幅広いマーケティング業務を経験。AXの事業転換後に、AI活用・開発業務へシフト。現在は自身のマーケティング知見を活かした「SEO記事制作エージェント」などの開発を手掛けています。
1日に3リットルは何かしらの水分を摂取しているほどの水分愛好家で、最近のお気に入りは無糖のアールグレイ。みんなからは “中川さん” と呼ばれています!
「何から手をつければいいか分からない」迷走期を越えて
AXの前身・株式会社アフタースクールにSEOライターとして入社し、検索順位を上げるための記事執筆や、その後のナーチャリング施策、広告運用などで成果を上げてきた中川さん。「自分のできることが増えていくのが楽しかった」と語ります。
やがて会社が事業をAI領域へ大きく舵を切ることになり…
「最初は『AI、なんか面白そうじゃん』と思ってたんです。でも、いざ事業が始まってみると、自分が何を勉強すればいいのか、何から手をつければいいのか全くわからなくて。
プログラムが書けるエンジニアのような知識はないから、どうやってAIと自分の業務を掛け合わせればいいのかイメージが湧かず、自信も持てない。インプットの時間も取れず、ただ時間だけが過ぎていくような感覚でした」
かつてはSEOやマーケティングという「勝ちパターン」を持っていた中川さんにとって、正解のない新しい領域で手探りをする日々は、想像以上にしんどいものだったようです。
「0から勉強」ではなく、「得意なこと」から始めてみたら…
そんな状況が変わるきっかけになったのは、マーケティング担当として「SEOエージェント(SEO記事を自動生成するAI)」の開発を任されたときでした。
「プログラミングを1から勉強しようとするのではなく、まずは自分が一番詳しい『SEO』という領域で、ひとつのAIエージェントを完成させてみたんです。そうしたら、『あ、これならいけるかも』という手応えが一気に掴めました」
その時の感覚を例えるなら…
「『いきなりプロの料理人になれと言われても無理だけど、大好きな中華料理を一品だけ完璧に作るならできる』みたいな(笑)。
今まで『料理(開発)なんて無理』と思ってたのが、自分の得意なレシピ(SEOの知見)を使えば最高の一皿が作れると気づいた瞬間、解像度が上がって一気に視界が開けました」
まずは自分の得意分野で一つ形にする。この成功体験が自信となり、その後は薬機法チェックや記事制作など、様々な業務を楽にするAIエージェントを生み出せるようになっていきました。
「自分にできることしか、AIはできない」、だからこそ強い
AI開発を通じて、中川さんはある大きな気づきを得ました。それは、「過去の泥臭い実務経験こそが、最強の武器になる」ということです。
「社内でもよく『AIは自分にできることしかできない』という話になりますが、本当にその通りなんです。例えば、SEOを知らない人が記事生成AIエージェントを作ったとしても、細かいニュアンスや『ここはこうすべき』という判断が詰めきれず、ぼやっとしたものしか作れません。
でも、僕はライターとして何百記事も書いてきたし、運用の苦労も知っている。だからこそ、『ここでこういう判断が必要だ』という細かい配慮をAIに組み込めるんです」
技術力だけで勝負するのではなく、自分の経験や知識をAIに教え込む。それこそが、実務で本当に使えるAIエージェントを作る秘訣だと中川さんは語ります。
「自分が作ったエージェントを他のメンバーが使ってくれて、『これすごいですね!』って言ってもらえるのが嬉しいですね。自分の分身が活躍してくれているような感覚です。
最近は社内のメンバーだけじゃなくて、クライアントさんが僕のナレッジを参考にして『自分たちでエージェント作れました!』と報告してくれることがあって。それがめちゃくちゃ嬉しいんですよね。心の中でこっそり『それ、原作者は僕や!』ってガッツポーズしてます。
いや、それは冗談ですけど(笑)。でも、単に『作ってくれてありがとう』と言われるより、『中川さんのを真似したら自分でもいいのができた』って言ってもらえるほうが、なんかこう……自分のスキルがちゃんと誰かの役に立って、再現されたんだなって実感できる。それが今の密かな楽しみですね」
埼玉と福岡、2拠点で生まれる「余白」とは?
現在は埼玉の自宅と、オフィスのある福岡を行き来する2拠点生活を送っている中川さん。この働き方も、アウトプットの質を高める重要な要素になっているそうです。
「要件定義やすり合わせなど、人と話す必要がある時は福岡のオフィスで。逆に、黙々と作業に集中したい時は埼玉の自宅で。この切り替えが僕には合っています。埼玉の家は起きてすぐ横にデスクとウォーターサーバーがあるので、最強の作業環境なんですよ(笑)」
また、仕事の合間には意識的に「余白」を作るようにしているそうです。
「休みの日は、あえて行ったことのない街に行って、ただ歩いたりします。『ここに住むのもいいな〜』とか。知らない景色を見てリセットすることで、また新しいアイデアが浮かんでくることもありますね」
会社全体としても、最近は15分の「ショートミーティング」が定着。議事録の作成やタスクの割り振りといった事務作業はすべてAIに任せることで、会議前後の工数が大幅に圧縮されました。
「おかげで、テキストのやり取りだけで悩む時間が減り、より本質的な業務や『余白』に時間を使えるようになってきました。それに、うちはカルチャーとしてすごくオープンなので、埼玉にいても全く『遠くにいる』感じがしないんですよね。物理的な距離を感じさせないくらい、チームとの連携もスムーズです!」
その「距離の近さ」を証明しているのが、このスライド。なんとこれ、AIが社内のSlackデータを勝手に分析して生成した「他己紹介」なんです(笑)
AIが導き出した答えは、「頼れるSEOリーダー」でありながら「いじられキャラ」。 仕事の実力だけでなく、その人柄までAIに学習させてしまうほど、日々のコミュニケーションは活発。埼玉と福岡、離れていても中川さんの存在感は抜群です!
過去のスキルを活かせる職場です!
最後に、これからAI領域に挑戦したいと考えている方へメッセージをもらいました。
「AIエンジニアやコンサルタントと聞くと、『高度な技術知識がないと無理』と思うかもしれません。でも、僕自身もそうだったように、皆さんがこれまで経験してきた仕事やスキルは、絶対に無駄になりません。むしろ、その経験がある人じゃないと作れないAIが必ずあります。
『自分はこの業界でこれをやってきた』という経験がある方なら、それをAIに落とし込むことで、誰にも負けないアウトプットが出せるはずです。過去の自分を拡張するような感覚で、一緒にAIを極めましょう!」
これまでの経験を“技術”へと昇華させ、AIと共に自分自身をアップデートし続けること。それは、AXが目指す「人の可能性をAIで最大化する組織づくり」を体現する姿そのものです。
変化の激しい時代だからこそ、自分の「経験」を大切に進む。そんな頼もしい仲間と共に、世の中を驚かせる“AIエージェント”を一緒に作りませんか?
「AXメンバーインタビュー」シリーズはまだまだ続きます。次はまた別メンバーの視点から、“AIと人の成長“を追いたいと思います!
少しでも興味を持った方は、ぜひ「話を聞きに行きたい」ボタンを押してください!