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未来のイノベーターたちが、新卒技術トレーニングで教わっていること

アクセンチュアとマイクロソフトのジョイントベンチャーで、グローバルIT企業として成長を続けるアバナード。最先端のマイクロソフト技術力を武器に、世界26カ国80以上の拠点から、世界各国のデジタルイノベーションをリードしています。

世界をリードする存在であり続けるべく、アバナードは新たに入社する新卒エンジニアたちに、どのようなトレーニングを提供しているのでしょうか?
そして、未来を創るエンジニアに求められているのは、一体どのようなスキルなのでしょうか?

2020年にアバナードに新卒入社した清水 紗羅さんと、技術トレーニングを担当する荻原 裕之さんにお話を伺いました。

※このインタビューは2022年1月18日に実施されました。

他人との比較ではなく、自分自身の「気づき」の機会

——アバナードはトレーニング環境が充実しているということはこれまでも聞いてきましたが、新卒で入社したばかりの方々を対象にしたトレーニングもかなり考えられていると伺いました。

荻原 裕之(以下、荻原):アバナードには、​​グローバル全体で統一された「アバナード・ユニバーシティ」というトレーニングプログラムがあります。そのプログラムは世界標準となるもので、常に最先端の情報が盛り込まれています。その内容を反映させながら、今必要なものをグローバルレベルに標準を合わせて提供していくのが新卒トレーニングの基本となります。

実際にトレーニングを行う私自身としては、新卒で入社されたみなさんがまだご自身で認識していない何かに気づく機会であって欲しいという思いがあります。

▲荻原 裕之(おぎわら ひろゆき)/シニアコンサルタント
SIerにてプログラマーとしてのキャリアをスタート。開発者としてだけでなく教育者としても活躍、約2000人に.NETのトレーニングを提供。2006年アバナードへ入社し開発に従事。その後、第二新卒採用開始時から一貫して技術トレーニングに携わる。Microsoft MVPの受賞歴を持つ実力者で、著書に「作って覚えるVisual C# 2019デスクトップアプリ入門」等があり、シリーズは計18作に及ぶ。

——「気づき」ですか?

荻原:はい。誰しも必ず、自分が気づいていない能力を持っているんですね。プログラムを書くだけでなく、お客様の話をメンバーにわかりやすく伝えるのも一つの能力ですし、時と場合に合わせたコミュニケーションができるのも一つの能力です。

そうした新たな自分の一面に、一連のトレーニングの中で気づいてもらいたいんです。

その気づきをサポートするにあたっては、他人との比較になっていないか、比較することで自分ができないことにフォーカスしてしまっていないかには、気を配って見ています。

一人ひとりスタートラインも違えば、目指す方向も違いますから、比較することにあまり意味がないですし、その比較はネガティブな方向に進んでしまう可能性が高い。ですから、比較ではなく、自分は何ができるのか、何が得意なのか、どういった部分で会社や社会に貢献できるのか、それに気づき、自分を知る機会であって欲しいと考えています。

——そうした新卒トレーニングを受けた清水さんは、何か新たな気づきはありましたか?

清水 紗羅(以下、清水):小さなことから大きなものまで多くの気づきがありましたが、まず一つは、誰かと一緒に作り上げることが私にもできるということです。

これまで一人でプログラミングに向き合うことが多かったので、誰かと一緒に推進することに少し不安がありましたが、同期メンバーで一緒に課題に向き合ってそれを遂行した経験は、一つの自信になりました。

また、自分が得意な分野だけでなく、不得意とする分野も認識できたことも大きいです。私の場合は、人に伝えるという部分がまだまだだと思っているので、その能力はプロジェクト内で意識的に磨いていきたいです。

実際にプロジェクトに入った今では、トレーニングで得られた気づきと経験が生かせていると感じます。トレーニングは自分を見つめ直すいい機会だったと思います。

▲清水 紗羅(しみず さら)/アナリスト
カナダ・アルバータ州出身。大学時代、知人の誘いをきっかけにプログラミングにのめり込む。専攻をテクノロジー領域へと移し、フロントエンドからバックエンドまで広範囲の知識を習得。モノづくりへの強い関心から、2020年12月にアバナードに入社。現在、Microsoft Azure環境開発のプロジェクトに参画中。

趣味が導いた技術者への扉。カナダから日本へ、そしてアバナードへ

——プログラミング経験があったとのことですが、清水さんはどんな学生時代を過ごしていたのですか?

清水 紗羅(以下、清水):私は日本ではなくカナダで生まれ育ち、カナダのアルバータ州にある大学に通っていました。大学に入った当初はプログラミングに関わったことがなく、最初に専攻していたのも全く違う分野でしたから、まさか自分がテクノロジー領域に進むとは、思ってもみませんでした。

——そうだったんですね!何かきっかけがあったのですか?

清水:大学の友人に「自分でゲームを作ってみない?」と誘われたことがきっかけです。

というのも、私は小さい頃からゲームが好きで、アートのようにモノをつくることも大好きでした。そんな私なら、きっとプログラミングの勉強が楽しいのではないかと勧めてくれたんです。

興味本位でプログラミングの授業に参加してみると、それが楽しくて、楽しくて。

初めてコードに触れた時、文字列を入力するだけで、画面上のものが動かせることに感動しました。その後は「この文字を変えたらどうなるんだろう?」「この部分をアレンジしたら、どんなことができるのかな?」というように、やればやるほど興味が深まり、のめり込んでいきました。

そうして学びを深めていくうちに、興味の範囲はフロントエンドからバックエンドにまで広がっていき、完全に「ハマってしまった!」という感じです。大学の授業だけでは足りない部分もあり、独学も並行しながらプログラミングについて勉強していました。

——その後迎えた就職活動。どのような活動をされたのか聞かせてください。

清水:私の場合はカナダで働くという選択もありましたが、日本人の両親から日本の話を聞いていたことで、日本への関心が高まっていました。私はゲームだけでなく、日本のアニメやマンガも大好きです。日本の企業への就職は、もしかすると自分にとっていい機会になるのではないかと思うようになりました。

そんなことを考えながら向かったボストン キャリア フォーラムで出会ったのが、アバナードでした。

就職するにあたっては、学生時代に習得したプログラミング技術を活用して働きたいと考えていました。また、同じ技術を使う場合でも、データを分析するというよりは、何かモノをつくるという方が私は好きです。そうした仕事ができる会社を探すなかで、技術力とテクノロジーを活用して、お客さんの課題解決に必要なものをつくり提供しているアバナードは、自分にぴったりだと感じました。

それにアバナードはグローバル企業です。英語力も活用しながら仕事ができる環境があることも魅力の一つでした。

「たくさんモノをつくる経験が得られますし、アバナードはその機会を必ず清水さんに提供できます」

と面接時にお話いただけたことが、アバナードに入社する決め手になりました。


プロジェクトレベルの世界最先端技術トレーニング

——そうして入社したアバナード。技術領域では、どのようなトレーニングを受けたのですか?

清水:アバナードはマイクロソフト技術に特化した企業ですから、マイクロソフトテクノロジーを活用する上で必要とされるエンジニア基礎技術を学んでいきます。

具体的な言語や領域としては、SQL/C# 8.0/HTML/CSS/JavaScript(ES8)/jQuery/Ajax/ASP.NET Web API(.NET Framework)です。

——これらの技術は、どれほどの期間をかけて学んだのですか?

清水:おおよそ、一ヶ月半で学びました。

——え!?一ヶ月半ですか?ものすごいスピードですね…。

荻原:はい。テキストに換算すると5冊になるのですが、1週間に1冊終えるくらいの猛スピードで進めていきます。

しかも、その内容は入門レベルの簡単なものではなく、実際の現場レベルに合わせてお伝えしています。各言語の入門レベルで終わらせてしまうと、「現場に出ても全然使えない」なんて言われてしまいますから(汗)。

——使えない!?それはなぜですか?

荻原:アバナードにいる技術者たちは、本当に技術が好きで、新しいものが好きな人ばかりです。そんな技術者たちが扱う内容が入門レベルなわけもなく、今のプロジェクト現場で使われているコードの書き方が常に最先端なんです。

例えば、C#というのはもう20年以上も前からある言語。それだけ長く使われていると、コードの書き方は年々アップデートされていきます。基本の書き方だけでトレーニングを終わらせてしまったら、今の現場では全く使えないんですよ。

現場に出た際、先輩が扱うコードが読めないようでは、新卒メンバーの本人たちが困ってしまいます。そうならないよう、実際のプロジェクトのレベルに合わせて、トレーニングも提供しています。

そうして、実際のプロジェクト現場に出た時、先輩の指示を仰げば実働できるレベルにまで持っていくのが、技術トレーナーとしての私の役割です。

——実際に技術トレーニングを受けていかがでしたか?

清水:大学では半年から1年の期間をかけて1冊習い終えていたようなレベルのテキストを一週間で終わらせていくので、非常にスピーディーなトレーニングでした。でも、学生時代に学んできたベースの知識があったので、追いつくのに必死ということはありませんでした。

それに私も、アバナードの先輩と同じように新しいものが好きです。自分の知識がどんどんアップデートされていくことは、大変ではなく、むしろ楽しかったですね。

また、大学の授業では具体的なコーディングについては大きく触れなかったので、独学で習得していくのが基本でした。「こんな書き方ができる」「こんなこともできる」というアドバイスを荻原さんからいただきながら学べたことは、すごく有意義でした。

——技術トレーニングから現場に出るまでのタイムラインは、どのようになっているのですか?

荻原:技術トレーニングの後にプロフェッショナルトレーニングを受け、2つのトレーニングで学んだことを集結させて、実際のお客様に模した課題解決のロールプレイを行います。

座学で学んだことを現場でどう活かすのかを実務レベルで体験してもらうことで、スキルに落とし込んでいきます。

▲新入社員のトレーニングタイムライン(2021年度からは、Microsoft Azureのトレーニングプログラムが追加されています)

「伝える」ことがイノベーションへの第一歩になる

荻原:そしてもうひとつ、トレーナーとしてお伝えしておきたい大切なことがあります。

それは、私たちトレーナーがお伝えしていることが、必ずしも正解ではないということです。

例えばですが、アラームをかけたい時、我々世代の方はスマホのタイマーアプリを立ち上げてセットする人が多いと思いますが、もっと若い世代の方々は、「5分経ったらアラームをかけて」とスマホの音声認識を活用する人が多いと思います。

そうした若い世代が持つ当たり前の習慣や発想は、我々世代には持ちにくいものです。

是非ともその人ならではの発想を元に、持てるプログラミング技術を活用しながら、自ら新たな何かを創出できる存在になって欲しい。

そんな思いが、トレーニングの背景にあります。

——今後どんな人にアバナードの一員になって欲しいと考えていますか?

荻原:私自身はもちろん、アバナード全体でも「やってみたい」という声をすごく大切にしていますから、そうした思いのある方ですね。

これまで我々IT企業が向き合ってきたのは、企業の情報技術担当者の方々でしたが、今後はもっと広い領域で、ITの専門知識がない方と仕事を進めていくようになります。そうなると、専門知識に頼らない一般的な感覚や、若い世代の自由な発想というのが、イノベーションを起こす上で重要になってきます。

そうした感覚や発想をイノベーションに繋げるためには、まずは、自分の思いや意見を相手に「伝える」ことが第一歩になります。ですから、自分は経験が浅いなんて思わず、遠慮することなく言語化してどんどん伝えて欲しいんです。それが、これからのITを変えていくことに繋がっていきますから。

私たちはそう考えているので、「やってみたい」という思いのある方はぜひアバナードに来ていただきたいですし、それを「伝えて」いただきたいです。

——そんな思いの詰まったトレーニングを経て、現在清水さんはどのようなプロジェクトに携わっていますか?

清水:トレーニング終了直後に配置されたプロジェクトでは、Azure環境のバックエンド開発に関わり、今はデータベース部分に関わっています。

——それは清水さん自身が希望されたプロジェクトなのですか?

清水:そうですね。私はフルスタック ディベロッパーになりたいという明確な目標があります。

学生時代はフロントエンドを中心に学んでいたので、アバナードではまずバックエンドの経験を積みたいと希望したところ、さまざまなプロジェクトの中から、私の希望に合致するものにアサインいただきました。

——バックエンドにデータベース…入社1年で、すでにフルスタックディベロッパーに向けた歩みを着実に進めているのですね。

清水:はい。私自身そう感じています。自分の希望を伝えればそれを叶えてくれるこの環境は、とてもありがたいです。

——最後に、清水さん自身の経験を元に、どんな人がアバナードにマッチすると思うか聞かせてください。

清水:荻原さんがおっしゃるように、アバナードは「挑戦してみたい」「この領域に進みたい」という希望を実際に叶えられる環境であることを、私自身がこの一年で体験しています。

そうした目標や意志のある方には、アバナードという環境はぴったりだと思いますし、私と同じように、プログラミングが好き、モノづくりが好きという方にとっては、確実に楽しいところだと思います。

▲オンラインインタビューの一コマ
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