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単なるモノづくりはやらない。テクノロジー基盤のITコンサル、アバナードが貫くポリシー

2020年7月に創立15周年を迎えたアバナード株式会社。この特別企画コンテンツ「15周年記念特別インタビューシリーズ」では、アバナードの15年間の成長や軌跡を振り返ります。

最終回となる今回は、アバナード流仕事術とそれを作りだすカルチャーに迫ります。

2010年に入社し、約10年間アバナードの成長を支えてきた、アカウントリーダーシップ ディレクターの塚原 考二さん、グループマネジャーの上西 司佐さんのお二人に話を伺いました。

[写真左:塚原、右:上西]

塚原 考二(つかはら こうじ)/アカウントリーダーシップ ディレクター
独立系Slerを経て、2010年にアバナードに参画。製造流通業を中心に業務改革のコンサルティング、アプリケーション開発、システム運用、ベンダー側の立場からユーザー企業側の立場まで幅広くシステム導入を支援。業務コンサルタントとして、開発者として、アーキテクトとして、またプロジェクトマネジャーとして、多くのロールに従事。現在はデリバリー リードを務める。

上西 司佐(うえにし つかさ)/アカウントリーダーシップ グループマネジャー
独立系Slerを経て、2010年にアバナードに参画。ハイテク業、プラント業、製造業、商社等、幅広い領域でプロジェクトに従事し、システム導入を支援。現在はデリバリー リードを務めながら、ソフトウェアエンジニアリング タレントコミュニティ、Azure組織のマネジャーも兼務し、人材育成にも注力している。

モノを作るだけなら、アバナードである必要がない

——約10年間アバナードで活躍されている塚原さんと上西さんには、なぜアバナードがここまで成長してこられたのか、そのポイントをお二人の視点で伺いたいと思っています。

塚原 考二(以下、塚原):なかなか難しいテーマですね(笑)

企業が成長する背景には、世の中の動きや環境などたくさんの要素が関わってきます。ですから一概には言えませんが、アバナードの内面的な部分をその要素の一つとして挙げるなら、「単なるモノづくりだけならやらない」というポリシーがあると思います。


上西 司佐(以下、上西):それは確かにありますよね。作るだけなら他企業に任せた方がいいと考えていて、「何のために作るのか、何を実現するために取り組むのか」と、お客様のビジネスの核の部分に真摯に向き合います。ですから「アバナードはこう考えます」とか「こうした方がいいです」と、余計なお節介かもしれませんがきちんと意見させてもらいます。


塚原:そうですね。たとえば以前、お客様から相談を受けた時点ではポータルサイトの構築依頼でしたが、我々と議論を重ねるうちにワークプレースの再定義をすべきという話に進んでいったプロジェクトがありましたよね。まさにこれが、指定されたものを作るのではなく、価値があるものを一緒に考えて作るとこまでサポートするという、アバナードの仕事の一例だと思います。

もちろん、ビジネスの創出から相談されるパターンもありますし、この例のように議論する中で自ずとそうなっていくパターン、どちらもあります。


上西:前者のパターンは、お客様自身が変化しているという点で、増えてきていますよね。

ITといえば、企業のIT部門における自社システムの検討が主流だったところから、企業戦略の一つとしてITをどう使うかという検討にお客様自身がシフトしています。時には、ITコンサルタントとしてのサポートという枠を飛び越えて、「ジョイントベンチャーを立ち上げるからおいでよ」みたいな話も。(笑)

これは極端な例ですが、企業の中核を担う方から直接ビジネスの相談をいただくことが増えているのは、実感としてありますね。

後者のパターンでは、多少お客様と意見が衝突することになっても、きちんと我々の考えをお伝えし、本当に価値あるものを提供したいという強い意志があります。


言わずとも強く根付く、“Why Avanade”の精神

——そのポリシーに基づく仕事は、理念のように明文化されたり、上司の方から教えられてきたりしたのでしょうか?

上西:アバナードがやる価値は何か考えるという前提を、全員がいつのまにか当たり前に持ちながら取り組んでいるという感じです。ですから、プロジェクトに従事する過程で身についてきた仕事の仕方だと思います。


塚原:プロジェクトにおいてお客様にとって本当に価値があるものは何かと真剣に向き合うと、無駄なことはやりたくないしやるべきではないという姿勢になってくるんです。お客様に対しても、やるべきじゃないと思ったらやるべきじゃないとしっかり言える関係でありたいですからね。

アバナードがやる価値は何か、なぜアバナードがやるのかという“Why Avanade”の精神は、アバナードのカルチャーのひとつだと思います。

その考え方をもつ人と仕事をしていると、いつの間にか同じ考え方になっていくんですよね。


上西:そうですね、“Why Avanade”はカルチャーとして強く根付いていると思います。
私たちも年月を経て、自然に染み付いてきたものですね。

現在アバナードは、5つのコアバリューを掲げているんですが、文章で掲げ、言葉で言っているだけではしみじみと身に付くものではありません。実際のプロジェクトの中で、お客様に対峙する過程で、自然と身についていくものだと思います。

プロジェクトを進める過程で、我々含めてチーム全員が、開発者は何ができるか、設計者は何ができるか、ビジネス視点では何か言えるのかと、自分だったらどうするかと考える機会が多いので、自然と身についていくはずです。


塚原:チームといえば、もうひとつ。

リーダーシップ側とメンバーの距離が近いのも個人的にはすごく好きなカルチャーですね。このカルチャーのおかげで、圧倒的に仕事がしやすいです。

プロジェクトの現場においても、マネジャーであっても開発のエンジニアであっても、それはひとつの役割でしかないとみんなが思っています。肩書はあるものの、フラットなカルチャーなのです。ですから、自分の意見も伝えやすいし、相手の意見を受け入れる。よってチームとしてうまく機能しているのだろうなと思っています。


アバナードらしさを大切に、ファンを増やしていく

——“Why Avanade”の精神が根付いたチームが、お客様にもたらすメリットは何でしょうか?

上西:多くのコンサルティング会社は、方法論、方法論、方法論…でプロジェクトを進めていきます。アバナードの良さは、方法論も用いた上で、テクノロジーをベースに地に足を着けた提案ができることだと思います。

しかもその提案は、日本だけに閉じたものではなく、グローバルな視点も集約されたものです。アバナードの海外の仲間たちに問い掛ければ、「それ経験があるから教えるよ!」や、「こう試したら出来たよ!」と積極的に貢献してくれるメンバーが海外にもたくさんいるんです。そうやってみんなで最高のアウトプットを作り上げていくことに協力を惜しまないというのは、アバナードならではだと思います。


塚原:大手コンサルティング会社と一緒に仕事をしたことがある方にはわかってもらえる気がしますが、彼らはみな、個が非常に強いんです。本当に素晴らしい人材が揃っているし、会社規模も大きいので、その人材も豊富。正直、個で比較したら、アバナードは勝てないかもしれません。

でも、上西さんが言うようにチームとして、持ち得るナレッジを集結させて、個の能力を最大化して掛け合わせていくことで、最終的に導き出されたアウトプットに、アバナードが提供できる最大の価値を詰め込めていると思います。

お客様にとって何が本当に価値があるのか、何がベストなのかをみんなで考え抜くスタンスは、アバナードならでは。そこに価値を感じてくれるお客様がいらっしゃるので、アバナードは成長できているのではないでしょうか。

もっと言うと、さっき上西さんがおっしゃった通り「地に足が着いた提案ができる」ということはつまり、チームで導き出した答えを「絵に描いた餅で終わらせない」のがアバナードなんです。
それができるのは、開発までできる人材が揃う、テクノロジーをベースに置いた会社だからです。他のITコンサルティング会社と一番違うところはそこですし、私がアバナードを選んだ理由もそこにあります。

私は転職の際、テクノロジーを理解してる人たちと一緒に仕事がしたいと思っていました。

なぜなら、ITコンサルタントとして、テクノロジーへの理解が足りないことで、不的確なデリバリーをするコンサルタントにはなりたくなかったんです。

モノを作ることのできる人が、そのままデリバリーまでしっかり請負い、しかもコンサルティングもできるとしたら、届けられる範囲は広くなるし、届けられる価値も高くなるはずなので、それができたら最強じゃないですか。(笑)


——テクノロジーをベースに置いた会社であることが、価値の創造にもつながっているのですね。最後に、お二人の今後の展望を聞かせてください。

塚原:現在は、責任を持ってお客様のもとにサービスやプロダクトを届けるというデリバリーの役割を担っています。

その役割をまっとうしながら、アバナードファンをどんどん増やしていきたいと思っています。アバナードにお願いすると必ずいいことがあるね、みたいな。(笑)

そんな仕事を積み重ねて、確実にファンを増やし、お客様の組織や事業成長とアバナードの成長につなげていきたいですね。


上西:私も同じくアカウントリーダーシップの役目として、アバナードと長く太くお付き合いいただけるお客様とのつながりを作っていきたいと思っています。

そのためには、今お付き合いいただいているお客様にもっと高い価値を提供しなくてはいけません。ITに限ったことだけではなく、お客様の組織課題や業界の動向を的確に捉えて、ニーズを引き出していくのが、まず私が取り組むべきことだと考えています。

加えて、人材育成も私の役割の一つです。

日本のアバナードも600人規模にまで成長しましたが、まだまだ人材が必要です。どんな大きなプロジェクト依頼が来ても、それに対応できるタレントコミュニティをつくっておきたい。

お客様との関係を築きながら、その中で人を育てながら、アバナードが大切にしているカルチャーを、次の世代へと継承していきたいですね。


▲オンラインインタビューの一コマ(写真左:塚原、右:上西)

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