Attack(株)代表取締役の村上篤志です。弊社は【TARGET】という採用コンサルティングサービスを提供しています。特にWantedlyやビズリーチ、Greenなどダイレクトリクルーティングメディアでの採用支援が中心となっており、Wantedlyの公式パートナーやforkwell jobsの認定パートナーにも選定されています。
さらに多くのお客様に弊社の採用コンサルティングサービスをご利用していただきたく、実績のアピールも兼ねて、2021年は弊社がこれまで手掛けてきた採用コンサルティングの現場から得た「採用ナレッジ」(ノウハウ)を定期的に公開していきたいと思います。
前回は「【1】戦略立案:採用ルートの選定」の第2回として、採用ルートのメインのひとつである「エージェント(人材紹介会社)」の具体的な選び方についてお話しさせていただきましたが、今回は引き続き第3回として、採用ルートのもうひとつのメインである「採用メディア(ダイレクトリクルーティングメディア)」の具体的な選び方についてお話しさせていただきます。経営者の方や採用責任者の方にとって参考になる内容かと思いますので、ぜひご覧ください。
■バックナンバー
Vol.01:採用活動の全体像
Vol.02:候補者ターゲットの具体化(前編)
Vol.03:候補者ターゲットの具体化(後編)
Vol.04:採用予算の条件整理
Vol.05:採用ルートの選定(基準と傾向)
Vol.06:採用ルートの選定(エージェント編)
目次
- ■求人広告とダイレクトリクルーティングの違い
- ■主要なダイレクトリクルーティングメディアの特性
- ■ITエンジニア専門のダイレクトリクルーティングメディアの特性
- ■次回は「採用ルートの選定(メディア編)」
■求人広告とダイレクトリクルーティングの違い
いまさら説明不要かもしれませんが、まずはいわゆる「求人広告」と「ダイレクトリクルーティング」の違いから説明させていただきます。
■求人広告
⇒候補者からの応募を待つスタイルの採用メディア
[新卒]リクナビ20xx、マイナビ20xx…など
[中途]リクナビNEXT、マイナビ転職、エン転職…など
■ダイレクトリクルーティング
⇒企業が採用したい候補者を探し、スカウトメールを送るスタイルの採用メディア
[新卒]オファーボックス、キミスカ…など
[中途]ビズリーチ、Wantedly、Green…など
実際には求人広告にもオプションでスカウト機能があったり、ダイレクトリクルーティングでも候補者が自ら求人に応募してきたりするので、厳密な線引きは困難です。サービスごとに仕様も異なるため、一概には言えませんが、一般的にはそれぞれ以下のような特徴や強みがあります。
求人広告は『手間を掛けずに、候補者の「質」よりも候補者の「量」を重視して、採用活動を行いたい』企業向けで、ダイレクトリクルーティングは『手間を掛けてでも、候補者の「量」よりも候補者の「質」を重視して、採用したい企業向け』と言えます。
「ダイレクトリクルーティング」という採用手法はビズリーチやWantedly、Greenなど中途採用領域からメジャーになってきましたが、現在はオファーボックスやキミスカなど新卒採用においても普及し始めています。
■主要なダイレクトリクルーティングメディアの特性
主に中途採用で利用される総合的な(幅広い業種や職種に対応可能な)ダイレクトリクルーティングメディアの特性をまとめたのが以下の図になります。他にも様々な切り口はあるかと思いますが、以下の図は「年収の高低」と「スカウト返信率」の高低で分布しています。
上記の図ではフラットに各メディアを分布しましたが、現状は「ビズリーチ」、「Wantedly」、「Green」の3メディアが候補者の質、量とも他のメディアより頭一つ抜きん出ています。実際に弊社が採用コンサルティングを手掛けさせていただいている企業様でも、この3メディアの利用率が圧倒的に高い状況です。もしこれからダイレクトリクルーティングでの採用をお考えになるのであれば、まずはこれら3つの主要メディアのうち、いずれかからスタートすることをお勧めします。
これら主要3メディアの利用料金については以前の記事でご確認いただけますが、登録者数やリアルなスカウト返信率などは以下の通りです。
「登録者数」は「ログイン1ヶ月以内」という条件だけ設定して検索した際に、検索結果に出てくる候補者数の数です。
「スカウト実績」は弊社が手掛けてきた採用コンサルティングの現場で実際にスカウトメールを送った通算の実績となります。弊社がサポートさせていただいている採用コンサルティングでは、難易度の高いCxOやハイクラスエンジニアの採用などが多いため、各メディアが公称しているスカウト返信率よりも低い数値となっています。
候補者ターゲットの属性にもよりますが、「登録者数×スカウト返信率」だけで考えると、ビズリーチが最も候補者を集められるメディアとなります。ただ、各メディアそれぞれ特色がありますので、やはり採用ポジションや候補者ターゲットの特性に合わせて、利用されるメディアを選定されることをお勧めします。
以下、選定の際に参考にしていただける、これら主要3メディアの特徴です。
■ビズリーチ
「年収800万円以上」、「部長クラス以上」、「40代以上」の3つの条件が揃っている求人であれば、ビズリーチ一択。一方で20代や年収500万円以下の候補者も多いので、比較的オールマイティに使える。ただし大手企業や官公庁、地方自治体などの求人もあり、ネームバリューの無い企業は求人やスカウト文面、ターゲット選定などで工夫をしていかないと苦戦を強いられる。登録している候補者の職種は幅広いが、管理部門(人事、経理、法務)であれば、圧倒的にビズリーチが強い。
■Wantedly
基本的にはWeb/IT系のスタートアップ企業の利用が多く、若手エンジニアやセールスポジションの採用に適している。また「年収」情報の無いメディア(候補者情報にも求人情報にも年収の記載は無し)なので、「条件」よりも「やりがい」重視の転職希望者が多い。難易度の高い「UI/UXデザイナー」や「カスタマーサクセス」などを正社員で採用するとなると、現状はWantedly一択。しかし採用広報(ストーリー記事)を充実させられなければ、スカウト返信も自己応募も期待できないので、運用の手間は高い。
■Green
Web/IT業界専門特化のメディア。職種(ポジション)は問わないが、基本的には「エンジニア」や「セールス」が多い。ビズリーチやWantedlyは「スカウトメール」が有料だが、Greenでは各企業に毎月200通のスカウトが無料で付与される。そのためメディア内のスカウトメールの流通量はかなり多い。Wantedlyほどではないが、PRやインタビューコンテンツの掲載、社員の声(アンケート)の回答、候補者からの「気になる」に対する対応など、比較的運用の手間は掛かる。
■ITエンジニア専門のダイレクトリクルーティングメディアの特性
また弊社はWeb/IT系のスタートアップ/ベンチャー企業の採用コンサルティングを手掛けさせていただくことが多いため、日々「ITエンジニア採用」と向き合っています。
現在、ITエンジニアは空前の売り手市場のため、多くのダイレクトリクルーティングメディアが乱立しています。以下、主に弊社が採用コンサルティングの現場で、「ITエンジニア採用」の際に利用することが多いダイレクトリクルーティングメディアの分布図です。
■転職ドラフト:まさにプロ野球の「ドラフト会議」のように、スカウトできるタイミングが決まっており、さらにスカウト時にオファー年収を提示しなければならない、という特殊なメディア。
■forkwell jobs:最も歴史のあるITエンジニア専門特化のダイレクトリクルーティングメディア。登録者数も多く、大手企業の利用も増えている。ITエンジニア特化のダイレクトリクルーティングメディアの利用を考えるなら、まずはforkwellが最優先。
■paiza:候補者が「ITスキル」のレベルで分類されているのが特徴。職歴や経歴が不明な候補者が多く、「スキル」のみで判断するためリスクが高い。
■Findy、LAPRAS:Git HubやQiitaなどのオープンデータと連携し、候補者のスキルレベルがわかるのが特徴。
■Offers、CODEAL、Workship:正社員よりも、業務委託やフリーランスの採用で利用価値の高いメディア。
現在、ITエンジニアの人材不足から、多くの企業が上記のようなITエンジニア専門特化のダイレクトリクルーティングメディアを利用していますが、どのメディアもそこまで候補者数は多くなく、メインの採用ルートとして利用するには心許ない印象です。
特にGit HubやQiitaのオープンデータと連携して、「候補者●●万人!」と謳っているメディアもありますが、正社員採用においては「転職意向がある」ことが大前提の条件になるため、いくらGit HubやQiitaなどのオープンデータから、スキルの高いエンジニアが見つかったとしても、そのお目当てのエンジニアが「転職したいかどうかは別問題」です。
※最近、「年収診断」のために、とあるエンジニアが三井住友銀行のシステムのソースコードをGitHubに公開して大問題になりましたが、むしろ大半のエンジニアは特に転職を考えておらず、Git Hubは今の仕事に利用しているだけかと思います。
正直なところ、現状は上記のITエンジニア専門特化のダイレクトリクルーティングメディアを使う前に、まずは「ビズリーチ、Green、Wantedlyの主要3メディアを使い倒す」ことをお勧めします。
実際に弊社がコンサルティングを手掛けている大半のIT/Web系のベンチャー企業様においても、ビズリーチ、Green、WantedlyでのITエンジニアの採用決定数が多くなっています。新しくITエンジニア専門特化のダイレクトリクルーティングメディアを契約するくらいであれば、ビズリーチやWantedlyで追加スカウトを購入した方が、採用確率は高まると思います。
■次回は「採用ルートの選定(メディア編)」
今回は具体的な採用ナレッジ(採用ノウハウ)のうち「【1】戦略立案:採用ルートの選定」の第3回として採用メディア(ダイレクトリクルーティングメディア)の選び方についてお話しさせていただきました。
結論としては「まずはビズリーチ、Wantedly、Greenの主要3メディアを利用すべき」というシンプルな内容になっていますが、ご参考にしていただければと思います。
次回は「【1】戦略立案:選考ステップの検討」についてお話しさせていただきます。
【1】戦略立案:採用ターゲットの具体化と適切な採用ルートの選定
- 候補者ターゲットの具体化
- 採用予算の条件整理
- 採用ルートの選定 ← 今回はここ
- 選考ステップの検討 ← 次回はここ
- 目標KPIの設計
【2】採用準備:社員インタビューなど採用広報コンテンツの拡充
【3】募集活動:定常的なスカウト送信による母集団形成
【4】応募管理:目標KPIの進捗確認と改善策の検討
【5】選考管理:スピーディーな候補者対応と選考結果の管理
※スイマセン、最後に宣伝です※
弊社が提供している【TARGET】では多くのスタートアップ/ベンチャー企業様の採用をお手伝いしております。採用ポジションの要件をヒアリングさせていただき、無料でお客様に適したダイレクトリクルーティングメディアをご紹介できます。
もし本サービスにご興味を持ってくださったスタートアップ/ベンチャー企業の代表の方、採用責任者の方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽に以下のホームページからお問い合わせください!
また積極的に自社採用も実施中です!弊社の事業に興味のある方は、ぜひWantedlyからエントリーしてください!よろしくお願いします!
■TARGETサービスページ
https://www.attack-inc.co.jp/target-lp/