日系企業の執行役員から、外資系SaaS企業でのエンタープライズ営業への転職。業界未経験だからこそ「自分の役割は難しいITや英語を日本の顧客にわかりやすく伝えること」Field Sales Representatives 小南 崇樹
2022年10月にApptioにField Sales Representatives(エンタープライズ新規営業:以下FSR)としてご入社された小南さん。大手銀行の営業→メーカーのバックオフィス→ 日系コンサル企業 執行役員というご経歴で、ITも外資系企業も初めてであるという異色のバックグランドをお持ちです。そんな小南さんへの独占インタビューです。
藤塚:業界未経験で、Apptioへの入社を決断するのは簡単ではなかったと思いますが、これまでの小南さんのご経歴について教えてください!
小南:新卒で大手銀行に入社しました。家族に銀行員が多かったので、自然な流れで銀行に興味を持ち、特に面接時にお会いした方は非常にパワフルで、自分もこういった人になりたいと思い入社しました。銀行員時代の中心は、法人営業部という部署で新規・既存の営業を担当し、最初こそ苦労しましたが、徐々に結果を出していくことができていった一方、行内の目標に対する厳しい評価があり、顧客に寄り添いながら支援していくことが難しい感覚を持つようになっていきました。
そんな中、銀行から転職をし、税理士資格を取得するべく働きながら税法の大学院に通われていた先輩に誘われて、2社目のデジタル家電の企画型メーカーに転職し、同じく大学院に通いながら税理士を目指すことを決意しました。その会社ではバックオフィス業務全般を担当していたため、税理士の方とも接点があったのですが、話を伺う中で、既に飽和状態にある税理士業界で家族を支えていけるのかと悩み、私自身の未熟さから会社に大きな損失を与えてしまうこともありました。
ちょうどその頃、銀行の元同期から一緒に働こうと誘いを受けました。何度か断っていたのですが、とある日、その元同期からまた誘いの電話を受け、話しながら歩いていたところ、偶然にもその元同期本人と街中で遭遇したんです。これはもう運命だと思い、ありがたく誘いを受けることにしました。
その会社での仕事は、顧客が調達しているコストの診断やコスト削減に向けた交渉支援がメインでしたが、数字でものを語るアプローチだったため銀行員時代の経験が活きましたし、価格交渉はバックオフィス業務で行なっていましたので、非常にイメージが湧きやすく業務への入りはスムーズでした。また、当時はこれが最後の会社という覚悟をもって取り組みました。その結果、経営から評価していただき、プロジェクトマネージャー、部長、執行役員と職位を上げていくことができました。
藤塚:執行役員まで上り詰めていたのにも関わらず、Apptioに転職したのは何がきっかけだったんですか?
小南:実はとあるApptio社員にApptio Japanを立ち上げてしばらくしてからお誘いをいただくようになりました。当時の私は、執行役員として前職の会社の数字の大きな部分を担っていたという責任もあり、また仕事自体楽しかったこともあって転職は考えていませんでした。ただ、管掌範囲が変わり、現場から離れてマネジメントに集中すべき状況になった際、「まだプレーヤーとして最前線で活躍したい」という沸々とした気持ちが沸き上がっていたところを突かれて、最終的に丸め込まれたということになります。というのは冗談ですが(笑)、Technology Business Management(TBM)とApptioソリューションに大きな可能性を感じたことが転職を決断した理由の一つです。前職でのコスト削減は調達単価を下げる、割引率を拡大するといった価格交渉がメインでしたが、特にブラックボックスになりがちなITコストにおいては、ベンダーが優位となりやすく、単純な交渉では成果が出ず、顧客支援の限界を感じていました。そういった中でTBMの説明を伺い、「これは一つの答えではないか」と感じました。
ITに詳しくない立場の方にも理解できる形でコストを可視化することで、見えていなかった無駄が見え、その無駄をなくしていくための全社最適の体制を構築することは、顧客ニーズがある上、ベンダーからの理解も得やすく、これなら自信を持って売れると思いました。
さらに入社後、TBMとApptioへの理解が深まったことで、コスト最適化のみならず、企業内のITガバナンス高度化がもたらす大きな効果として、意思決定の迅速化、高度化があることを理解できました。テクノロジーの進化によって、次々と新しいソリューション、サービスが展開されていく中、自社にとって必要なソリューション、有用なサービスを可視化された情報から見極め、追加投資や縮退・廃止の判断を早くしていくこと、それこそが企業全体のITがもたらすビジネス価値を高めていく効果があることを実感しました。こういった正しい情報の提供を継続的に行い、アクションに繋げていくことでITの価値はどんどん高まっていくことになります。そしてこの効果はこれから日本の企業もシフトが進んでいくであろう、クラウド時代においても非常に重要なポイントだと思います。現状を常に把握し、素早い判断が求められる「経営の迅速化」に対応するために必要なソリューションだと感じています。
藤塚:これまで小南さんがされてきた業務と、Apptioの製品がマッチしたんですね。Apptioに入社前はどんな印象がありましたか?
小南:経験したことのないIT業界と外資系企業でしたし、成塚さんが「エースばかり集めているから」と言っていたので、最初はやっていけるかどうかものすごく不安でした。しかし実際に入社してみると、皆さん優しい人ばかりでまずそこにびっくりしました。一方、仕事においては、期待通り、ヒリヒリ感のある濃密な8ヶ月間でした。まず日本ではあまり知られていないソリューションを方法論とセットで広めていくというアプローチは、TBMとApptio自体への十分な理解が不可欠であるとともに、それを顧客の課題や業務と結びつける必要があります。顧客も一定の”共感”が得られない中では、自身の課題や業務について率直に語ってくれるわけではありません。面談前に入念な調査と想定を行い、面談するお相手の反応も見ながら、どのポイントをどういう伝え方で説明するのが最も共感が得られるか、バリューが伝わるか、ということをひたすら考え続けていた8ヶ月間だったと思います。振り返ってみると、そこが私にとって大きなチャレンジになっていたように思います。ただ、ITのバックグランドがないからこそ、自分の役回りは「難しいITを日本の顧客にわかりやすく伝えること」だと思っています。最初は苦労しましたが、今ではTBMやApptioについての理解も進み、咀嚼して、自分の言葉でそれぞれの顧客がわかりやすいよう表現で伝えられるようになりました。また、顧客からの質問に対しても、思い出すのではなくて、言いたいことの本質が出てくるような感覚になってきました。
藤塚:不安が大きかった中、小南さんだからこその視点で役割を作られていることは素晴らしいですね。どのようにキャッチアップされていたのですか?
小南:Apptioでは周りの営業メンバーが数字を出していて、刺激的で参考になることがたくさんありました。入社後のトレーニングコンテンツは豊富にあったのでそこからまず学び始め、成塚社長が出版されたTBM本でも学びました。ですが一番は、他メンバーの営業同席や、記録に残っている議事録からイメージを膨らませていきました。最初は何の話をしているのかすら分からなかったですが、徐々にヒントを得ていって、オブジェクションハンドリング等もできるようになっていきました。初めて商談化した案件は思い出に残っていますが、今でもお話しした相手にApptioやTBMの良さが伝わった時は常に嬉しいなと思います。
藤塚:今では日本語のコンテンツもApptio Japan独自で作っているので、言語の壁もだいぶ軽減されていますよね。ずばり、Apptioに入ってよかったなと思いますか?
小南:もちろんです。前職は居心地も良く、在籍していればそのまま順調にいっていたかもしれないとも思いますが、本当に自分のやってみたいことにチャレンジできて良かったです。現在は、営業としての色々なプレッシャーも込みにして、本当の意味で仕事を楽しめていると思っています。辛いこともきついことも総合的に見れば楽しいことの一つです。ただ、自分のためだけだと限界が来るので、顧客のために・Apptioの仲間のために・家族のためにという思いで仕事をしています。Apptioで成し遂げたいことがたくさんあるので、もっと結果を出して自信をつけて色々チャレンジしていきたいです。そして、ApptioとTBMをもっと日本に広げていきたいと思っています。ApptioとTBMがスタンダードな世界にしていきたいですし、その結果として誘ってくれた方に恩返しをしていきたいです。
藤塚:では最後に、IT業界も外資系企業も初めてだった小南さんが思う、Apptioに合っている人はどんな人だと思いますか?
小南:「自走できるエンジンを積んでいる人」が向いていると思います。言われて動くのではなく、それぞれが実現したいことのために、能動的に動ける人が合っていると思いますし、そういった方と働くことは刺激になるので、ぜひそういった方にご入社いただけたらと思います。
藤塚:小南さん、本日はありがとうございました!
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撮影場所:WeWork 丸の内北口