アンドパッドでは、プロダクト群ANDPADの活用事例を学び合うコミュニティイベント「ANDPAD ONE Meet Up」を定期開催しています。今後は開催地域の範囲を全国に広げます。各地方でANDPADを活用し、建築DXを実現している企業様にスポットライトを当てる予定です。イベントの登壇者として成功体験を語っていただき、地域のDXを実現する起点としてご活躍いただきたいと考えています。その仕掛人となるのが、ローカルコミュニティーオーガナイザーという新しい職種です。今回は部門を牽引する平賀、そして部門の中心として活躍している河合に、社内からどのような期待が寄せられ、どのようなミッションを担っているのかについてインタビューを行いました。
平賀 豊麻 社長室 ANDPAD ONEグループ コミュニティマネージャー 写真左
2018年5月に株式会社アンドパッドに入社。インサイドセールスの一人目として、IS組織立ち上げを行う。その後コミュニティマネージャーに就任。コミュニティサイト「ANDPAD ONE」の立ち上げ、ANDPADご利用企業やユーザーを表彰する 「ANDPAD AWARD」の責任者などを担う。
河合 志帆子 社長室 ANDPAD ONE グループ
音楽系月刊誌を発行する出版社で、取材・執筆やコンテンツの企画・制作を担当。その後、IT総合商社やRPA・iPaaS開発事業会社でデジタルマーケティングに従事。2024年1月にアンドパッドへ入社後は、ユーザーエンゲージメントを高める企画・施策に従事。
ANDPADユーザーの熱狂を波及させていく
――ローカルコミュニティーオーガナイザーが所属するANDPAD ONEの組織について教えてください。
平賀:ANDPAD ONEは「編集ユニット」と「Growth hackユニット」という二つの機能に分かれて活動しています。当社では、まず業界の課題を解決するプロダクトを開発します。それをマーケティングやセールスを通じてユーザーに届け、カスタマーサクセスやサポート部門が伴奏しながらサポートを行います。最終的に、ユーザーご自身の活用と組み合わせることで、有意義にANDPADをご活用いただけるという流れになっています。社内の各部門が連携してユーザーをサポートした結果として生まれる、ユーザーのストーリーをありのままに描写していくのが編集ユニットの仕事で、そのストーリーを届けるのがGrowth hackユニットの仕事です。「プロダクトによって経営が変わった」という企業様の姿を見ることで、「自社も変わりたい」というモチベーションが生まれてくる。「ANDPADならば変われる」と思っていただけるよう、ストーリーを作って届けるのがANDPAD ONEの役割です。
河合:その中の役割として、Webマーケティングとイベントマーケティングなどがあります。イベントマーケティングの事例の一つが「ANDPAD ONE Meet Up」です。『ANDPAD ONE Meet Up』は、建築・建設業界のDX推進者やユーザー同士が交流し、事例を学び合うコミュニティイベントです。2025年以降は、総合建設事業者や専門工事事業者(電気・設備、塗装など)、住宅事業者など業種別に開催しています。アンドパッドのイベントスペースでの対面形式やオンライン動画を通じ、最新の導入事例や活用ノウハウを共有しています。当日は、ANDPAD AWARDの受賞者などが登壇し、参加者同士が教え合う場を通じて、コミュニティの熱量を高めています。大きな目的は、“参加者の熱狂の波及”です。
――「ANDPAD ONE Meet Up」開催において、どのような点が評価軸になるのでしょうか?
平賀:評価指標は、参加者の満足度とANDPAD AWARDへのエントリー数です。ありがたいことに現状は「非常に満足度が高く、また参加したい」と仰ってくださる方々ばかりです。さらには、昨年「ANDPAD ONE Meet Up」に参加した方々の中から、5社がANDPAD AWARDにエントリーし、賞を受賞しています。私たちは「コミュニティエンゲージメント」という独自の指標を内部定義し、全ユーザーの「変わりたいと思われているユーザーの温度感」を測っています。これはアンドパッドのライカビリティ(好感度、共感度)を測る指標でもあります。
――プロダクトの利用データだけでなく、ストーリーへの接触度まで測られているのですね。
平賀:はい。将来的にはコミュニティエンゲージメントの高いユーザーや企業様を中心とした地域の盛り上がりを形にしていくための仕組みをONEの中に実装する準備を進めています。この「ANDPAD ONE Meet Up」の活動を、全国各地へ「ローカル化」していく取り組みを推進するポジションが「ローカルコミュニティーオーガナイザー」です。
――このローカル化には、どのような事業戦略的な意図があるのでしょうか。
平賀:まず一つは、アンドパッドが培ってきた「エンゲージメント」の活用です。ANDPAD AWARD受賞ユーザーやANDPAD ONEで取材をさせていただいた企業の皆様が、全国にいらっしゃいます。取材やサクセス活動を通じて、ANDPADやアンドパッドの世界観を伝播する伝道師のような存在です。こうした強力なエンゲージメントパワーを持つユーザーを起点に拡大していきたいと考えているのです。
二点目の背景は、より広範なお客様へきめ細やかな情報をお届けすることです。当社からの直接的なフォローに加えて、各地域でコミュニティを代表するユーザー(ONES)の方々のお力を借りることで、より多くの企業様に熱量を届けていく戦略です。
例えばANDPAD AWARDを受賞した企業様にご登壇いただき、ANDPAD活用事例を話していただく場を作れば、当社社員からお伝えするだけでなく、実際にANDPADを活用されているお客様の生の声をお届けすることで、参加者により深い共感を生むことができます。 ローカルコミュニティーオーガナイザーは、地域のDXを動かすためのサクセスイベントのプロデュースを担う、非常に戦略的なポジションなのです。
イベントプロデュースから「Next ONES」の育成まで
――ローカルコミュニティーオーガナイザーの具体的な業務プロセスについて教えていただけますか。
平賀:まず戸建てやリフォームなどの戸建て住宅領域においては、ANDPAD ONEの取材資産を活用し、「特定の商圏において、どの企業様を登壇者として最初の重要人物にすべきか」を選定します。次に重要なのが集客です。集客においては、ANDPAD未契約のお客様から、商談中、すでにご利用中のお客様まで、他社の事例から学びたいという意欲のある方を網羅的にリストアップしてお声がけします。
――サクセスの話を聞き、参加者が成功への道筋を具体的にイメージしたい意思がある層を呼ぶのですね。
平賀:はい。その上で、参加者にご納得いただけるようなコンテンツ設計を行います。そして最も力を入れるのが、イベント後の登壇者の方々の満足度構築です。登壇者に「もう一度話してみたい」と思っていただき、参加者から「次は私も話してみたい」という仲間が生まれるような流れを構築します。つまり、体験満足度の高い人を見つけ、次のONESとなる方を見つけて育んでいくという、プロデュース業務が重要な役割です。登壇するのはお客様ですが、その裏側でイベント全体をプロデュースし、オーガナイズするのがローカルコミュニティーオーガナイザーです。
一方、ビルや大型建築物などを担う「ビルディング領域」においては、アンドパッドがパートナーとなり、変革への意欲が高い企業様と未来志向で話せるコミュニティを作っていくことを掲げています。例えば、人材育成や人材が辞めない環境づくりなど、各社の共通テーマをもとにAWARDを活用して解決していき、新しい成功事例を共に考えていくということです。建設業界は工事を発注する元請企業と、専門工事を担うパートナー企業とで明確に役割が分かれています。この両者の方々が、発注者と受注者という普段の立場の違いを超えて、共に業界の未来について語り合う場が必要だと考えています。
河合:普段の業務での取引関係を超えて、異なる役割を持つ企業同士が深いコミュニケーションを組んでいく場を作るというのは、非常に挑戦的な取り組みですよね。
――イベント企画からお客様の選定、そして熱量を保ち続ける仕掛けといったディテールに至るまで、全体をプロデュースする力が求められるのですね。このプロデュース業務において、最も難しい点はどこにあるのでしょうか。
平賀:一つは、登壇者を選定する際の嗅覚です。産業内でどのような影響を与えている方なのかという情報を収集し、理解していく必要があります。また、その地域の企業様により喜んでいただくために、どんなテーマを掲げるべきかを考える必要があります。例えば、今回は外部の街づくりの専門家を呼んでみようというように、イベント内容にも創意工夫が必要です。
――いかに地域全体を巻き込み、地域活性化や地方創生のニュアンスを含めるなど長期的な熱狂の輪を構築できるか、というプロデューサー的な資質が求められるのですね。
河合:その通りです。ローカルコミュニティーオーガナイザーの活動は、地域の課題や文脈のインプットが大前提となります。地域のキーマンの性格や、その地域特有の文脈を知っておかないと、最適な企画や、誰を登壇者として立てるべきかという判断が難しくなるからです。一般的な製品講習会にとどまらず、『地域の課題』と『ANDPADの活用』を掛け合わせ、より価値のある場を創り出す工夫が求められます。
――企画書上の情報だけではなく、現地で感じる「空気」までインプットしなければならないと。
平賀:はい。そしてもう一つは、信頼を積み重ねる大変さです。イベントは一日で終わりですが、事前に訪問してご挨拶をするなど、信頼関係を構築する心遣いが必要です。この信頼がないと、「あなたのことも、この地域のみなさんのことも支援させていただきたい」という魂が伝わらず、仲間にはなれません。ローカルコミュニティーオーガナイザーは単にイベントを滞りなく運営するだけでなく、地域の変革に伴走するスタンスが必須です。
――企画力と心遣いが問われる職種なのですね。一方で、この仕事の面白さはどこにありますか?
河合:一つひとつの施策を通じて、コミュニティに参加してくださるユーザー様を増やしていくチャレンジは面白いです。全国でさまざまなイベントを開催して、現場のリアルを吸い上げることで、プロダクトの機能開発などにつながり、結果的にユーザーの役に立てるやりがいもあります。
平賀:この仕事はユーザーや社員など、人に喜んでもらえる機会が多いです。
「自己成長」と「地域への貢献」を強く望む姿勢が原動力に
――ローカルコミュニティーオーガナイザーにはどのような専門的な知識、経験、そしてマインドセットが求められるのでしょうか。
平賀:まずは、全国出張ができる方です。月に1回はどこかの地域でコミュニティイベントが開催されることを目指しており、下見を含めると月に2~3回ほど出張があります。そしてローカルコミュニティーオーガナイザーのバックグラウンドとしては、カスタマーサクセス経験者、マーケター、営業経験者、ルート営業を経験した人がフィットすると考えています。特に点ではなく面に拡大余地がありそうなアクションが好きな方には向いていると思います。
河合:実務的な要件としては、計画を立てる能力、つまりWBS(作業分解構成図)管理能力は必須です。ゴールから逆算して、いつまでに何をすべきか計画を立てて行動できる力が求められるためです。
私が最も大事だと思っているのは、主体性と想像力です。人や建築・建設業界に興味があり、大きなエリアの建設DXを自分で実現していく、という強い意志がある方と一緒に働きたいと思っています。目の前の活動を、自分の成長と、5年後、10年後の地域がどう変わっているのかに結びつけて原動力に変えられるかどうか。例えば、その地域に旅行に行ったとき、自分が関わったDXによって街がどう変わったかを感じられるかといった、自己成長と地域への貢献を繋げられる想像力が必要です。
平賀:その通りですね。日本全国の建設DXに情熱をかけることに面白さを感じられる方だと嬉しいです。ユーザーと共に楽しい場所を作ることに一心不乱になれる仕事なので、本当に人に役立つことに取り組みたいというマインドの方はとてもマッチすると思います。また、UX意識も非常に重要です。
――UX意識とは、具体的にどのような行動として現れるのでしょうか。
河合:配慮の行き届いたサービスを提供する意識です。地域のコミュニティイベントでは、多くの場合、懇親会が開催されます。どんな雰囲気の店が、地域の参加者に合いそうか、みなさんが楽しい時間を過ごせるようにするにはどうしたらよいか、といったディテールまで配慮します。参加者の方が交流し次のエネルギーを創出できるか、が場としてのゴールですが、オーガーナイザーとして節度を保ち、情報収集を行いつつ、参加者が心地よく過ごせる雰囲気を守りながら、有意義なコミュニケーションを促すバランスを大事にできる人が求められます。イベントやその後の交流会でのユーザー体験(UX)にどれだけ責任を持てるか、ディテールにまでこだわれるかが、参加者の熱狂度や満足度に直結します。
自社の事業戦略の根幹を支え、日本全国の建設DXを底上げしていく
――ローカルコミュニティーオーガナイザーが展開するコミュニティ戦略は、事業部それぞれと具体的にどのような距離感で連携しているのでしょうか。
平賀:私たちの活動はアンドパッドの事業戦略の根幹を支える、非常に重要な位置づけです。各事業部が展開するプロダクトの市場への浸透度合いや、顧客価値の提供レベルによって提案や施策が異なるため、各部のメンバーや、ANDPAD ONEの編集ユニットとコラボレーションする機会は非常に多いと思います。
ローカルコミュニティーオーガナイザーは、単なるイベントの企画・実行部隊ではありません。前述の通り、より広範な企業様へのサポートを強化するという戦略的な役割も担っています。この活動を通じてお客様にファンになっていただき、カスタマーサクセスの一翼を担う存在として活躍していただくことが、私たちの組織的な存在意義です。 これは、業界全体の発展を力強く支える組織づくりにつながります。
――地方中小企業では複数プロダクトの併用による事業成長に寄与していく一方、大手企業領域では未来志向のコミュニティをゼロから作り上げていくという、より戦略的な役割を担っていますね。
平賀:大手企業様の領域は、まさにゼロイチのチャレンジです。私自身、部のメンバーや事業本部長と密に連携し、その地域の未来を話し合う場を共創することに深く関与しています。新たに入社いただく方には、このゼロイチの立ち上げが軌道に乗った後、そのバトンを受け取り、地域を動かす「ランナー」として活躍いただく役割を期待しています。
――中長期的な組織としての展望はいかがでしょうか。
平賀:最終的には、全国47都道府県でローカルコミュニティーをオーガナイズする体制を目指しており、まずは月1回ペースでコミュニティイベントを開催することを最初の目標にしています。現時点でも、ANDPAD AWARD後に「ANDPAD ONE Meet Up」を集中的に実施する計画はありますが、マンパワー的に精一杯です。年間を通じて「ANDPAD ONE Meet Up」を開催し、その熱量を維持していくためには、増員が必要になってくるでしょう。これにより、地方の企業様に対する、ヒューマンタッチでのフォローが、ファンコミュニティを通じて全国で実現できるようになると考えています。