こんにちは!株式会社ANDGIVE代表の原田です。
先日、ANDGIVEの支援事例を一挙公開しました(andgive.co.jp/works)。
佐賀、滋賀、岐阜、長崎、三重、名古屋、徳島——全国各地7社の小売店の話です。チラシをやめてSNSに踏み出した話、来店数が200%を超えた話、島から2時間かけて来てくれたお客様の話、80代のおばあちゃんから「TikTok見てます」と言われた話。数字と人の話が交差するストーリーをそのまま載せています。
今回は「なぜ小売店なのか」という話をしようと思います。カジュアル面談でいつも話す内容ですが、まず文章で正直に書きます。最後に、僕らが本当にやりたいことの話もします。
事例集を公開した。「数字で見せる」ことへのこだわり
事例ページには、自分たちでルールを設けました。「フォロワーが増えました」だけでは載せない。売上か来店数か、数字が出せるものだけ掲載する、というルールです。
SNSマーケの業界は、成果を曖昧にしたまま仕事が終わることが多い。「いい投稿ができました」「エンゲージメント率が上がりました」——そこで終わってしまう。でもお店が本当に知りたいのはひとつだけです。
「お客さんが来たか、来なかったか」。それだけ。
今回公開した7社の数字を並べると、こうなります。
・衣料品店A(佐賀):来店数200%超、売上160%へ
・衣料品店B(滋賀):Instagramフォロワー5,000→17,000、チラシ月3回→月1回
・衣料品店C(岐阜):フォロワー独学5,000→23,000、富山から電車で来店
・衣料品店D(長崎):フォロワー1,500→16,700、売上140%、開店前に50人列
・雑貨店E(三重):フォロワー+9,500、来店数・売上220%
・生活雑貨店F(名古屋):来店数200%超、島から船で2時間かけて来店
・雑貨店G(徳島):客数170%、コンビニで「インスタ見てます」と声かけられる
数字は嘘をつかない。それを事例集で証明したくて、時間をかけてまとめました。
なぜ「小売」なのか
最初から「小売専門でいく」と決めていたわけではありませんでした。
でも支援を重ねるうちに、気づいたことがあります。大企業や有名ブランドには、SNSのプロが社内にいる。マーケ部門があって、予算があって、代理店もいる。でも地方の衣料品店、雑貨屋、ファミリーショップのオーナーは、仕入れも接客も経営もしながら「SNSもやらなきゃ」という状況に置かれています。
佐賀の衣料品店の社長は、こう言っていました。
ある社長:
「折込チラシをしていたけど、もう20万円とかかけても、全然売れんで。困っとった。」
滋賀の衣料品店の社長はこう言います。
ある社長:
「この日のために商品を準備して、スタッフのシフトも増やして待ち構える。でも天気が悪かったらどうするの。チラシなんて博打みたいなもんやん。」
月20万円のチラシが天候ひとつで無駄になる。「やっているのに効いている感じがしない」という閉塞感。そこからSNSに踏み出せずにいる店が、全国に山ほどある。
そこに入っていけるのが、僕らだと思っています。良いものを持っているのに、届いていない。そのギャップを埋めることに、リソースを使いたい。
「フォロワーを増やす」だけじゃない。SNSと売り場をセットで設計する
ANDGIVEが支援で一貫して持っているスタンスがあります。
SNSで人を呼び、売り場で買いたくなる状態をつくる。この設計がセットでなければ意味がない。
その店の支援では、SNS投稿より先に「売り場の入って3秒」を変えることから始めました。
ある社長:
「まずはもう売り場。入って3秒っていうのが、一番印象に残っとる。何を投稿すれば伸びますかじゃなくて、来た人がどう感じるかまで設計すること。」
名古屋の生活雑貨店の社長は、SNSの本質をこんな言葉で表現してくれました。
ある社長:
「SNSの一番の特徴って何かなと思ったら、商圏が消えること。今日なんか島から来たって言うんだわ。船で来て車で来て、2時間強あるところなんだよ。インスタよく出てくるから来ましたって言って。」
チラシの届く範囲は半径数キロ。でもSNSに商圏はない。この変化が小売店に起きた時、「お店」の定義そのものが変わります。
数字の奥にある、本当の変化
80代のお客様から「TikTok見てます」
佐賀の支援先で一番驚いたのは、80歳のおばあちゃんから「TikTok見てまーす」と言われた瞬間だったそうです。SNSは若者のもの、という前提が崩れていく瞬間です。地域の中で家族や知人を通じてじわじわ広がっていく——その結果、お店は「場所」から「話題」へと変わっていきます。
「社長に会いに来た」という来店動機
ある社長:
「まさか週末に子供から写真撮っていいですかってキラキラした目で見られるなんてことないじゃないですか。わざわざ買いに来てくれて、僕がいることや僕とお客さんが話すことだけでも、その人にとっての価値になってる。」
「安いから行く」から「社長に会いに行く」へ。来店動機そのものが変わった話です。
お土産を持って来るお客様
ある社長(三重):
「ペット用品が安いって言って来てくださる方が多くて、しかも、お土産を持ってきてくれるお客さんが結構いるんですよ。桑名から来た方がその地元のお菓子を持ってきてくれたり、大阪から来た方も。」
買いに来るだけでなく、お土産を持ってくる。これはもう商品を売っているのではなく、「人」に会いに来ている状態です。こういう関係性が、SNSを通じて生まれていきます。
半信半疑だった社長が動いた理由
7社の中には、最初から前向きだった方ばかりではありません。岐阜の衣料品店の社長は、独学7年でフォロワー5,000人まで育てながら、「費用をペイできるなんてありえんでしょ」という感覚でいた方です。
ある社長:
「悔しいけど、セミナー後の食事で話してみたら、熱量が……面白い熱量だなと。これがただ継続してくれるのかどうかはわからないけど、初期の熱量は自分の基準に達してた。」
導入後、富山から電車で来店したお客様が現れ、フォロワーは23,000人まで伸びました。そして今こう言います。
ある社長:
「アウトソーシングに対してすごく抵抗力があったけど、もっと早く頼んでればよかったなとは思う。向上心があるならやるべきだよね。」
懐疑的だった人が動き、変化して、そう言ってくれる。それがこの仕事の醍醐味だと思っています。
「新しい感動を創る」——僕らが本当にやりたいこと
ここまで、数字の話と現場の話をしてきました。最後に、それらが全部つながる話をします。
ANDGIVEのミッションは「新しい感動を創る」こと。SNSの先にある出会いや体験をデザインし、人の心を動かす価値を生み出す。それが僕らのやりたいことです。
「感動」という言葉は、抽象的に聞こえるかもしれません。でも今まで話してきたエピソードを思い返してほしい。
佐賀の80代のおばあちゃんが「TikTok見てまーす」と声をかけたとき、何かが動いた。滋賀の子供が週末に「写真撮っていいですか」とキラキラした目で見たとき、何かが生まれた。大阪から来たお客様がお土産を持ってきてくれたとき、お店と人の間に何かが宿った。
それが、感動だと思っています。
SNSは手段です。でも、使い方次第で「お店」が「体験」に変わります。「価格」が「関係性」に変わります。「商圏」が「無限」に変わります。
僕らはSNS運用を起点にした会社ですが、本質はそこではない。人・モノ・コトの新しい接点をつくり、これまで出会えなかった人同士をつなぎ、そこに生まれる感動を設計する。小売店という領域は、その実験場として最高だと思っています。
地方に埋もれている「いいお店」を、全国に届けたい。「チラシ博打」に疲れた社長に、別の景色を見せたい。「商圏が消える」という体験を、もっとたくさんの店主に届けたい。
それが、ANDGIVEがやっていることの、一番深いところにある動機です。
一緒にワクワクしましょう
事例集を公開して、改めて思うのは「まだまだ変えられるお店が無数にある」ということです。
ANDGIVEはまだ小さな会社ですが、だからこそ1件1件の支援に深く向き合えています。営業から支援設計、コンテンツ制作まで、「このお店が変わった」という実感を近くで感じられる仕事です。
カジュアル面談では、今日書いたことをもっと具体的に話したいと思っています。「なぜ小売店なの?」「実際どんな仕事?」「どんな人と働いてるの?」——なんでも聞いてください。
新しい感動を、一緒に創りましょう。
編集後記
「数字で語れる支援だけやる」というのが、ANDGIVEのスタンスです。7社の事例はすべて実際の変化を取材したものです。事例集(andgive.co.jp/works)、ぜひ読んでみてください。(原田)