松尾研発AIスタートアップ株式会社Almondoは、松竹株式会社にて生成AIセミナーを開催いたしました
株式会社Almondoのプレスリリース(2023年8月1日 10時00分)松尾研発AIスタートアップ株式会社Almondoは、松竹株式会社にて生成AIセミナーを開催いたしました
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000119750.html
こんにちは!株式会社Almondo(アーモンド)の代表取締役CEOを務めております伊藤滉太です。
現在、東京大学文科2類の2年生です(文学部社会学専修に内定)。
Almondoは、2023年2月創業の東京大学松尾研究室発のAIスタートアップです。
事業内容としては、インターフェース・アルゴリズム・データを組み合わせて動作する「AIエージェント(チャットボット、AI-VTuberなど)」を、様々な産業・業務に応用することをしています。
現在は、日清食品や松竹などの大手企業との協業を10数件進めており、これからはAI SaaS事業やコミュニティ運営事業を手がけていくところです。
Almondoは、1年経たずで30名を超える優秀なメンバーが集まっており、文字通り急成長している企業になっています。
この記事では、私自身が、いろんな方との出会いにすごく支えられ、想いを持って起業したので、その創業に至るまでの個人的なストーリーを語りたいと思います。
私は、父の転勤や進学の関係で、佐賀で生まれてから岡山・岩手・岐阜・島根・兵庫・東京と全国を転々としてきました。
まだ小さかった自分にとって、『転校体験』は、ワクワク感と緊張感が混在した「アイデンティティの更新体験」でした。
転校すれば、必ず自己紹介から会話は始まります。「あなたは誰?」「どこから来たの?」と言わんばかりの周囲の目線が自分に降り注ぎます。暫くすると、教室という環境において、「伊藤くんのキャラ」というポジショニングが確立されていきます。
こんな体験を繰り返す中で「自分ってどんな人間なんだろうか?自分が自分として、存在することの独自性・自己同一性ってあるんだろうか?」という問いが小学生の頃から自分に付き纏ってきました。
そんなことを問う私は、中学時代は、島根にいました。実家が島根にあったため長く住むつもりだったのですが、『転校体験』を2年スパンで繰り返してきたためか、控えめに言って、島根にいるのが退屈になってしまいました。その時は、周囲から「勉強ができる人」というレッテルを貼られることが多々あったのですが、「それは本当の自分じゃない」という叫びが自分の心の中で反響していました。
島根を出て、まだ見ぬものを見てみたいという気持ちから、やがて県外進学を決意するのですが、当時の自分は悩みます。
中島敦「山月記」流に言えば、自分にあったのは臆病な自尊心と尊大な羞恥心であり、そして、そんな自分をメタ認知した時に感じる自己嫌悪でもありました。
島根にいれば勉強を褒められる。ただ全国では勉強ができる人なんて他にもたくさんいる。そもそも勉強ができることそのものには価値なんて無いかもしれない。自分はなんてちっぽけなことを悩んでいるんだろうか、きっとこの時間にも、全国や世界の人たちはワクワクすることに夢中になっているのに...
この悩みの果てに、結局、私が辿り着いたのは、葛藤を超えて、まだここにない「可能性」に賭けて、今という1点に集中する想いでした。
最終的に私は県外進学することになります。進学先の高校の入学式が始まるそのとき、私は心の中で「悔しかったこと、悩んだこと全てを自分の中で受け容れて、自分の存在そのものを思いきりこの環境にぶつけるんだ」と心に誓いました。
そんな気持ちで入った高校や大学以降の自分は、本当に出会いに支えられました。
具体的にどんな出会いに支えられたかというと...
校内の有志合宿の後輩にデータサイエンスに興味があるという人間がいたので、彼らと東大にいる先輩とでZoomをしたときに、先輩から「興味あるなら松尾研のGCIという講座を受けてみるといいよ」と教えてもらう➡︎とりあえず応募する➡︎後輩たちがGCIを途中リタイアしたので、自分だけでも修了しようとしたら、ありがたいことに優秀修了生に認定いただく
自分がすごいのではなく、「この環境を最大限活かしきって、絶対にチャンスは逃さない」という想いの強さしか当時の自分にはありませんでした。こういった「縁の連鎖」は、大切な誰かがいなければ、間違いなく成立しません。
この時もまだ、自分という存在の置き場所は見当たりませんでした。しかし、確実に言えることとして、他者によって自己の生が満たされていることへの深い感謝が芽生え、自分という存在を他者との関わりの中で肯定できるようになり始めていました。
大学に入る前の自分は「この調子で大学はもっと成長するぞ!」と意気込んでおり、相当気が早いのですが、就活インターンのイベントに潜ったことがありました。先輩の姿を見れば、バックキャストして自分はどんな成長が必要なのか分かるだろう、と考えたためでした。しかし、私はそのイベントで、考え方が逆転します。
イベントで喧伝されていたのは「圧倒的成長」「裁量あり」というような文言でした。ただ、冷静に考えると、既にその会社で経験がありフルコミットしている社会人に対して、経験なしで、コミットも限定的な高校3年生が勝てる要素は見当たらず、そのインターンをやることに疑問を感じました。それに自分の中での「成長」という言葉の定義がずっとふわふわしていて「このままで本当にいいのか?」という気持ちになりました。
結果、その場でインターンは決めず、数日後の松尾研のGCIの優秀修了生向けのイベントにて、頼みこんで、ある松尾研発スタートアップでSaaSの初期フェーズの営業としてジョインすることになりました。
そして、そのスタートアップで泥臭い営業の仕事をしたり、大学生活をしたりする中で、自分という存在の置き場所の仮説が立ってきます。
それは「名刺で生きるのではなく、唯一の価値を生むことに常にワクワクすることを生業にする大人でありたい」というものでした。
言い換えれば、「エリート」というキャッチコピーで、自分の存在に対して「虚勢」という名のベールを被さないで、「周りがやってるから」という理由で、自分の生きがいに対して「同調」という名の言い訳をしないで、自分がする仕事そのもので真っ向勝負したいという想いでした(相当重要なことなので、注記しますが、あくまでも自分の生き方としての話で、一般的な話ではありません。そこには、人それぞれの考えや生き方があると思っています)。
私が当時読んでいた本の中に、長島愛生園のハンセン病患者を描いた、神谷美恵子「生きがいについて」という本がありました。その中の一節として、
いちばん生きがいを感じるひとは、自己の生存目標をはっきりと自覚し、自分の生きている必要を確信し、その目標にむかって全力をそそいで歩いているひとーいいかえれば使命感に生きるひとではないであろうか
という言葉があります。
そんな「自らの使命感に生きる人でありたい」という想いを実現できる、自分という存在の置き場所は、スタートアップにしかないように思えました。
その時、ここに全力で賭けてみたいという気持ちがほとばしりました。
振り返れば、自分が好きなものは、紛れもなく「新しい扉」を開ける瞬間にあったはずだと気づきます。読書といい、旅といい、転校体験といい、スタートアップといい、「あなたは誰?」という剥き出しの問いから発し、まだ見ぬ他者、まだ見ぬ自己と精神世界で語り合う交歓の瞬間にこそ、自分の幸せはありました。
そこから創業に至り、今は、会社が大きくなった先の未来を脳裡に想像し、ワクワクしながら、ひたすら突っ走っています。
以上が、創業に至るまでの個人的なストーリーです。
全く会社の事業紹介や創業後の話をできていないのですが(笑)、Almondoは控えめに言って「最高で激アツ」な会社です。常に攻め続けています。
「大学生なのに会社もやって大変ですね」「休日も仕事やってるんですか」と言われることがありますが、私にとってこの会社の仕事ができることは限りなくエキサイティングです。
生きている実感しかないです、ほんとうに。
こうした挑戦ができるのは、間違いなく、パートナー企業やかけがえのない仲間たちのおかげです。
だからこそ、私は、今という時間をAlmondoと共にする彼らと一緒に、ワクワクする挑戦をこれから仕掛けていきたいと考えています。この仲間たちがいればもっと大きなものを見れると信じています。
そんなAlmondoは、想いがある人を大切にします。
私たちは、世の中から見ると「若い」会社です。
ただ、志に若いも老いもありません。
失敗や挫折をしようが、スタートアップらしく、大きな成功にこだわって挑戦し続けます。
余計な気取りは必要ありません。
むき出しの「私たち」という存在を、社会にぶつけて、真っ向から価値を生みにいく会社であり続けたいと思います。
そんな挑戦を共にしてくれる仲間を募集しています!ぜひ、ご興味がある方は、応募してみてください!