1
/
5

プロダクト開発の優先度を決める方法

こんにちは。

株式会社エアークローゼットの藤川です。

前回、エンジニアの評価制度について書きましたが、​より弊社の開発思考について知っていただくためにこの記事ではプロダクト開発の優先度を決める方法についてご紹介します。

プロジェクトがどのように決定され、進められているのかをプロダクトデザインチームとインターフェースデザインチームのリーダーの堀がまとめているのでご興味ある方はぜひご覧ください!

機能開発の優先度決めは、難しい

エアークローゼットでは日々、サービスを通してお客様に最高の体験を提供するための改善要件が発生しています。
それらは各業務ドメインごとに縦割りした部署ごとに起票され、それぞれがPJとして進んでいきます。

サービスと紐づくプロダクトの中で、各機能や価値の中からどれを優先して届けるか?の意思決定は、正解となる基準もなくとても難しいものだと思っています。
具体例を出すと

  • お客様のスタイリング品質の向上PJ
  • マーケティングにおける集客力の向上PJ
  • 倉庫業務の効率化アップPJ

が同時に並んだ場合、それらの優先度を横並びでどのように評価していけばいいのでしょうか?
概ね、いわゆる各ドメイン領域におけるPdMのような役割のメンバーが存在しており、それらの役割の中で機能がもたらすインパクトやコストなどを比較しながら優先度を決めていくのが一般的だと思っています。
エアークローゼットでは、この優先度付けを「各事業部ごとに用意した工数予算に対して、機能要件を並べて優先度の高い順に消化していく」方法で対応しています。


各組織の位置づけとしては、機能要件については、各ドメイン領域に向き合う各部門からPJの形で起案されます。
各ドメインごとに各部門でオーナーシップを持って進めているため、PJ起票~見積~アサインまでが仕組み化されている土台の上で、優先度の変更やアサインをスピーディに実施できます。

■プロダクトデザインチーム
→PMO領域を含む、PJのQCDの担保を役割としながら、プロジェクト横断的に発生する課題を解決していく組織

■インターフェースデザインチーム
→エアークローゼットのサービスに紐づく全てのプロダクト・コミュニケーションデザインを担う組織

であり、チームメンバーと一緒に「最高のUX体験を生み出すプロダクト&サービス」を目指して、日々ワクワクしながら仕事をしております!

バケツ運用のなかみ

バケツ運用の中身を詳しくお伝えしていきます。
あらためて流れで説明すると、

  • 月度ごとのエンジニアが生み出す総機能量を定量化(Pt化)し、
  • それを各部門ごとの予算に合わせて配布してバケツの大きさを定義し、
  • 各バケツに、見積もり済みの各機能要件を優先度の高い順に並べて、
  • エンジニア、デザイナーに上からアサインしていく

という形です。
重要な前提として、「機能量の定量化」や、「機能量を生み出すペース(戦闘力)の概念」があります。


まずは生み出せる機能量の最小単位を決めて、それを元に各PJの対応に必要な機能量を定量化します。
エンジニアやデザイナーのレベル感に合わせて一日あたりに生み出せる機能量(戦闘力)を定義し、そこに稼働予定日を掛け合せると、月度当たりに生み出せる機能総量を出せます。
あとはそれを各部門ごとに持つ開発・デザイン予算の比率に合わせて配分して、月度当たりに対応可能な機能量の上限をひきます。
これがバケツの大きさになり、そこに概算見積もり済みの各PJを並べ、優先度が高い順に消化していきます。
もちろん、見積もり通りに機能が実装しきれないことも多々あります。
その場合は、バケツに対する実績を月度ごとに集計して、翌月にて繰り越し計算を行います。


メリットとデメリット

このバケツ運用を始めてから早2年ほどになりますが、その中で感じているメリットとデメリットを挙げてみます。
メリット

  • 意思決定のスピードが速い
    • アサインを実施していないバケツの余白部分におけるPJは、各部署ごとの裁量によって自由に入れ替えが可能です。
    • 各市況に合わせて柔軟に優先度を変えられるので、意思決定のスピードが上がります。
  • 包括的な管理コストが下がる
    • アサインに至るまでの優先度調整は各部署ごとに委任しているので、バケツの大きさを提示しておくだけで、あとは優先度順にアサインしていくだけとなり、PMOとしてのPJ管理コスト総量を抑えることができます。
  • 優先度が明確になり無駄な作業が発生しにくい
    • 予め月度ごとに対応できるPJのキャパが明確なので、各部署も日次の進捗に合わせて必要なPJの準備を都度進めるので、必要以上に動く必要がなくなり、効率的です。

デメリット

  • 月度毎のPJの実績ブレが大きく、中期的な見通しが立てづらい
    • 元々の見積もりよりも工数が膨れるPJがかさばると、元々のアサイン量以上の実績となり、結果的に後半にアサインした他の部署のPJが進まず、開発進捗のバランスが崩れます。
    • かさばった部署における超過分については翌月以降のキャパに繰り越して精算されますが、月度のキャパのブレに繋がるので、中期的なPJの見通しが立てづらくなります。
  • アサインタイミングがつかみづらい
    • アサイン決定タイミングは週次で設定されており、各エンジニアの稼働状況を棚卸して手が空きそうなメンバーにアサインするPJを選択していきますが、エンジニアの稼働状況に合わせたアサインになるので、期日感が強いPJの優先度の調整が難しい場合があります。

結果として…

つらつらとバケツ運用のメリットとデメリットを挙げましたが、変化に合わせてスピーディにPJを進めていくエアークローゼットのスタイルに合った形で進められていると感じます。
その中でもまだまだ課題は多いので、各PJ個別の理想的な進め方に向けて、これからも日々のアクションを進めて行ければと思っています。


最後に、まだまだエンジニア・デザイナーの方も積極的に募集中です。

まずはカジュアルにお話しできればと思いますので「話を聞きに行きたい」からご連絡をお待ちしております。

Invitation from 株式会社エアークローゼット
If this story triggered your interest, have a chat with the team?
株式会社エアークローゼット's job postings
60 Likes
60 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like 藤川 真希's Story
Let 藤川 真希's company know you're interested in their content