MCMの機能って何だろう | 株式会社 アーザス
東京工科大学コンピューターサイエンス学部の小出です。前回の記事からの続きです。今回は、アーザスの主要なインフラ業務である、Microsoft Configuration Manager(通称:M...
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東京工科大学コンピューターサイエンス学部の小出です。
前回の記事からの続きで、今回はMCMの歴史についてまとめてご説明します。
MCMは1994年から始まったサービスであり、
最初の名前は SMS(System Management Server)という名前でした。
途中で出てくる用語に関しては本記事の最後の方にまとめています。
SMSという製品が最初にリリースされた際の名称になっており、
これは System Management Server の略称になっています。
組織内のコンピューターシステムを管理するためのツールとして機能していました。Windows NT Serverという製品と同時に提供され、
ITインフラの基本的な管理を行っていました。
この時代のOSは以下のOS Windows 95、98、2000、ME、XP がありました。
筆者は子供のころからXPを触っていました。
SMSのロゴを探しましたが、見つかりませんでした。
個人的には少し見てみたかったですが、古い製品なので仕方なく、残念に思っています。
SCCMは System Center Configuration Manager の略称になっています。
SCCMに変わった2007年に様々な変化が起こりました。
まずはWindowsのOSでいうとWindows Vistaがリリースされ、
2年後の2009年にはWindows 7 の配信が控えていました。
数年前はWindows7を使っていました。 この画面、とても懐かしいですね。
そこで、SMSの機能を受け継ぎ、PC・サーバー管理機能に加え、
大規模環境での安定性・信頼性を向上させることが可能になりました。
また、MicroSoftのIT運用全体をカバーするブランドとして、
「System Center」が確立されました。
そして、その中の製品として「System Center Configuration Manager」
という製品が誕生しました。
SCCMから2019年12月にMECMに名前が変わり、機能がアップグレードされました。
MECMは Microsoft Endpoint Configuration Manager の略称になっています。
従来のオンプレミス管理機能に加え、
クラウドベースのモバイルデバイス管理ソリューションである
Intuneとの連携(共同管理)が強化されました。
IT環境がモバイルデバイス(スマホ、タブレット、ノートパソコン)や
クラウドに拡大し、場所に問わず多様なデバイスを管理することができました。
2019年当時コロナウイルスが流行し、
リモートや遠隔等自宅などで仕事をすることが多くなったためですね。
図で示されているように、IntuneとMECMの共同管理により、
場所を問わずデバイスを統合的に管理することが可能になりました。
その結果、管理体制が大幅に強化されました。
管理対象がPCだけでなく、
あらゆるデバイスを指す「エンドポイント」になったことを強調するために
MECMのEの部分「Endpoint」が名称に加えられました。
2023年よりMECMから引き継いだエンドポイント管理機能、
クラウド連携とIntuneとの統合がさらに進みました。
MCMは MicroSoft Configuration Manager の略称になり、
Endpoint がなくなりました。
自分なりに考察してみた結果、以下の二つが浮かんできました。
他にも理由があるかも知りませんが
MCMを通して管理対象(モバイルデバイス・PC)と運用範囲(オンプレミス・クラウド)を拡張しつつ、
一貫したエクスペリエンスでのエンドポイント管理を実現しようとしています。
今回出た専門用語について解説します。
Windows NT Server
MicroSoftが開発したネットワークOS、ファイル共有やインターネット接続、
トランザクション処理などの機能を提供していました。
PCを接続したLANの基盤になっていました。
トランザクション処理
複数の操作を一つのグループとして扱い、すべて成功した場合のみ確定し、
どれか失敗したら全体を元に戻してデータの一貫性を保つ仕組み。
LAN
ローカルエリアネットワークの略です。
同じ建物やフロアなどの限られた範囲で、
PCやプリンタ―などの危機を相互接続してデータをやり取りできるネットワーク
Intune
MicroSoftのクラウドベースのエンドポイント管理サービス
スマホ、タブレット、PCといったデバイスを管理することができ、
使用状況や設定、コンプライアンスなどを統制することが可能になっています。
デバイス一つ一つのアプリケーションに対する管理を実現し、
業務データやアプリの機密性を保ちながらセキュリティ対策を講じることが
可能になっています。
オンプレミス
企業が自社内でサーバーやソフトウェアなどのITシステムを
すべて購入・構築・運用する形態のことで、
高いカスタマイズ性やセキュリティの高さがメリットとなるが、
コストが高いことや、導入・運用負荷がかかるといったデメリットもあります。
クラウド
インターネット経由で提供されるコンピューター資源を、
必要な時に必要な分だけ利用できるサービスや仕組みのことをいい、
物理的な機器を持たずに利用できるのが特徴です。
名称の変化は、
管理の対象(PC→多様なエンドポイント)と
管理の場所(オンプレミス→クラウド連携)の広がりを反映しています。
MCM と Intune を併用することで、拠点内でも社外でも、
スケーラブル(拡張性)かつ一貫したエンドポイント管理が可能になります。