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エーテンラボ共同創業CTOが語る、みんチャレのこれまでとこれから「みんチャレの世界観と可能性にワクワクした」

エーテンラボ共同創業CTO山口に、どうしてみんチャレの開発に携わるようになったのか、みんチャレの魅力や可能性についてたっぷり語ってもらいました。

山口 信行 | エーテンラボ株式会社 取締役 CTO

早稲田大学大学院修了後にソニー株式会社に入社。研究所に配属されて画像信号処理アルゴリズムの研究に従事し特許を多数取得。カメラ事業部に異動後は組み込みソフトウェアエンジニアとしてハンディカムやα(デジタル一眼カメラ)などの商品開発で多数リーダーを経験。ソニー社内の有志勉強会で出会った長坂とエーテンラボ株式会社を創業し、CTOとしてプロダクト開発全般を担当。2人の息子を育てる父でもある。

みんチャレのプラットフォームとしての可能性

山口さんの経歴を教えてください。

新卒でソニー株式会社に入社し、研究所の配属となりました。画像信号処理アルゴリズム研究者として7年ほど研究開発を行なっていて、専門は物体抽出・物体追跡アルゴリズムです。例えば、動画の中で誰かが物陰に隠れてまた出てきた人を同一人物と判定して追跡するためのアルゴリズムなどを研究していました。簡単に言えば、人の目なら自然と判断できることを、機械でも再現できるようにする研究ですかね。

その後、カメラ事業部に異動となり、大規模な組み込みソフトウェア開発に携わりました。研究所時代とは全く違う環境で、ソフトウェア、ハードウェア、企画、マーケ、QA などさまざまな人と関わることで、ソフトウェア開発を1から学ぶことができました。この時の経験が自分にとって、ソフトウェアエンジニアとしての糧になっています。

カメラ事業部に6年ほど勤務し、40歳を迎える手前で、残りの人生で自分が本当に取り組みたいことはなんだろう? と考えたとき、「誰もがやりたいことをできるようになる世界を作りたい」と思い、アイデアを練ってビジネスコンテストに参加するようになりました。

その頃に長坂(エーテンラボ代表)と出会い、みんチャレの構想を教えてもらい、みんチャレのコンセプトやサービス設計に可能性を感じ、長坂から誘われたこともあって、みんチャレの開発に携わることにしました。

それから長坂とエーテンラボを共同創業し、CTOに就任して7年目になります。

みんチャレのコンセプトやサービス設計のどのような点に可能性を感じたのでしょうか?

前述のビジネスコンテストに出すサービスの構想を練っていた時は、ユーザーが一人でやりたいことをやり切るためのストイックな仕組みを考えていました。

ところが、長坂が考えていた「みんチャレ」は、一人ではなくみんなで挑戦を続けるというコンセプトでした。競争ではなく協力によって行動変容を促すポジティブな世界観、世界中の人やサービスと連携できるプラットフォームとしての可能性に、自分のアイデアよりも絶対こっちの方がいい!と思いました。

みんチャレはユーザーがそれぞれの目的のために行なった活動を記録し続けるサービスなので、みんチャレ上の行動データから、人はその目的のために何をしているのか、何に関心があるのかといったデータを自然と取得することができます。ダイエットアプリや勉強アプリでも同じようなデータは取得できると思いますが、みんチャレはダイエットや勉強に限らずあらゆる目的で使うことができますし、複数の目的を組み合わせたデータも知ることができます。例えば、ダイエットと勉強それぞれの目標達成のための活動だけでなく、ダイエットと勉強に目標がある人の活動や、ダイエットと生活習慣の改善に目標がある人の活動のようにです。このようなデータを活用すれば、よりその人の目的にあった支援を提供できるようになると思いました。

さらに、みんチャレはみんなで協力して目標達成を目指すので、人と人がどのように関わりあうと継続できるようになるのかも知ることができます。これはみんチャレのコンセプトならではですよね。

私には「人を知る」という永遠のテーマがあり、長坂から聞いたみんチャレというサービスは、まさにこのテーマに取り組むことができるものでした。

みんチャレをリリースするまでと今後の課題

それでみんチャレの開発に参加することを決めたのですね。みんチャレの開発に参加してリリースするまでに思い出深いことはありますか?

当時は、そうですね...もう必死だったとしか。

私以外にも業務委託を含めエンジニアが数名いたのですが、皆さん機能開発に手一杯なのでセキュリティ対策や負荷試験などこぼれるタスクがあり、そういったものは私が全部拾って、予定通りにリリースできるよう取り組んでいました。私はモバイルアプリやWebアプリの開発は未経験だったので勉強することも多かったですし、とにかく必死でした。

思い出といえば、チャット画面でチャレンジ送信とOKボタンが機能した時はワクワクしました。チームにチャレンジした証拠写真を送信して、それを他のメンバーがOKして、と言葉にするとそれだけなのですが、これがみんチャレなんだって思いました。

2015年にリリースした当初のみんチャレ


みんチャレをリリースしてから現在まで、どのような変化がありましたか?

みんチャレの「みんなで励まし合いながら習慣化に取り組む」というコンセプトはリリース当初から続いています。これまでに、公式チャレンジ・カレンダー機能・寄付プロジェクト・マイデータの記録など、様々な機能を追加しましたが、コンセプトは一貫しています。逆に、コンセプトに反していると判断して、機能を削除したこともあります。

みんチャレがこれまでに100万人以上の方に利用され、ストアレビューで高い評価をいただき続けているのは、コンセプトを守って磨き続けてきたことが理由の一つだと思います。

一方で、みんチャレを活用するユーザー層には変化がありました。

みんチャレが持つ継続率の高さやチーム内のやり取りからインサイトを得られるという特徴を活かして、特定の企業や団体向けにみんチャレをプラットフォームとして提供する事業を開始し、最近では自治体向けのフレイル予防事業や、企業や健康保険組合向けの禁煙事業などヘルスケア事業に発展しています。

こうした事業では、ある企業や団体に案内されてみんチャレのユーザーとなる方がおり、その方々は一般のユーザーと違って、みんチャレを活用する前提が違うため機能が不足していたり、一般ユーザーに適している機能がむしろマイナスに作用することが課題になっています。

具体的にどのような課題があるのでしょうか?

例えば、フレイル[^1] 予防やデジタルデバイド[^2] 解消といった目的での高齢者の利用が増えているため、色の使い方や文字サイズの大きさといった、アクセシビリティの課題があります。また、高齢者はスマートフォンの扱いに慣れていない方が多いので、意図せずボタンをタップしたり、画面をスワイプをしてしまったり、通知やポップアップの表示が混乱を招いてしまったりと、アプリならよくあるUIや体験が機能しないことがあります。

私たちは「みんなが行動変容できる世界をつくる」というビジョンを掲げているので、みんなにとって、老若男女年代によらず人によらず、使いやすいUI/UXに磨いていくことが課題になります。

[^1]: 年齢とともに心身の活力が低下し、要介護状態となるリスクが高くなった状態。予防することで健康長寿につながる。
[^2]: インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生じる格差

事業それぞれに解決したい課題や機能要件があるので、それらにスピーディに応えられるようにすることも課題です。

現状、事業の成長のために機能を追加したくても既存の設計との整合性を保つことが難しかったり、過去に時間が限られる中で対応したものが技術的負債となり、今日のサービス改善の妨げになっているものがあります。

今一度、一般のユーザーや事業に参加するユーザーに対してどのような体験を提供すべきなのか見直して、どちらの体験も改善できるメンテナンス性の高いシステムに進化する必要があります。今のみんチャレを稼働させたまま、進化したシステムに移行していかなければならないので、やりがいのある課題ですね。

他にも、各事業向けの開発だけではなく、習慣化プラットフォームとしてのみんチャレを磨き続ける必要もあります。

例えば、アシスタントと呼ばれるチームメンバー間のコミュニケーションを円滑にする行動変容支援チャットボットがいるのですが、ユーザーの状態や投稿を鑑みてより高度な支援ができるように進化させたいので、この場合は自然言語処理の技術的な課題に取り組む必要があります。


チームをサポートする、AIアシスタントボット「にゃんチャレンジャー」

みんチャレを開発する楽しさと大切にしている文化

みんチャレを開発する楽しさはどのようなところでしょうか?

みんチャレというプロダクトが、人の幸福と健康、そして社会貢献につながるサービスだと日々実感できるのが楽しいですね。

一般のユーザーからも「三日坊主だったのが8ヶ月以上続いて体重が減って体脂肪率も落ちた」とか「Excelの勉強を続けるために使っていたが、仲間と励まし合う体験がとても良くて、今では薬飲み忘れ防止やジム通いを継続するためにも使っている」といった、みんチャレの効果を実感していただいている感想をいただきます。

フレイル予防事業では高齢者から「今までほとんど歩けず外出していなかったが、みんチャレを続けて歩けるようになった」とか「みんチャレで散歩して、外の景色を見て、写真を撮って送って、とすることで日々メンバーとの繋がりを感じる」というお声も聞きます。

そういう話を耳にすると、自分たちが日々開発しているこのサービスは、きちんと社会に貢献できているんだな、と実感して嬉しくなります。人の幸せに寄与していることを自分の肌で実感できるサービスって、なかなかないんじゃないでしょうか。

個人的に一つやりたいことがあって、私はみんチャレで毎日空の写真を撮って送り合うという習慣に取り組んでいて、メンバーは関東、関西、九州など住んでいる場所が違うのですが、違う場所にいても同じ空を見上げて同じことに取り組んでいる、という繋がりが良いなって思うんです。

こういう繋がりを世界中の人とできるようにすることが一つの夢です。同じ目標や目的をもって世界中の人が励まし合うことができて、相互理解が深まればみんな幸せになれるのではと考えています。

こういうことを想像するのも楽しいですね。

エンジニアと談笑中の様子


CTOとして、みんチャレを開発する環境や文化について心がけていることはありますか?

個人的に、人が組織の中で一番パフォーマンスを発揮できるのは、組織と個人のベクトルが揃い、自律的で楽しく仕事をしている状況だと考えています。

そのため、課題やチームの状況に応じて自分から行動でき、それが認められる心理的安全性の高い文化になるよう意識しています。

全社Meetupで心理的安全性ゲームを主催


特に1on1を重視していて、エンジニア一人一人と毎週30分、その他のメンバーも要望があれば実施するようにしています。私から「こうしてはどうですか?」と伝えることは避け、本人が自身で結論を導き出すことを促すような働きかけを心がけています。

【CTOインタビュー】エンジニアチームメンバー全員と毎週1on1〜個人の成長を支援し、個々の力を最大限発揮できる自由闊達な組織であり続けたい〜 | Interview
こんにちは。広報の加藤です。本日のインタビューはCTOの山口さんです。山口さんがエーテンラボに入るまで、入ってからチームができあがっていき、どんなことを心がけてメンバーと接しているのかなど、エンジニアチームの清田さんがインタビューを行いました。 ...
https://www.wantedly.com/companies/a10lab/post_articles/363544


どのようなエンジニアがみんチャレの開発を楽しめると思いますか?

みんチャレの開発では、ユーザー体験と仮説検証を大切にしています。昨年、アプリを起動して最初に表示されるチーム画面[^3]の表示を改善したのですが、エンジニア全員でどういう表示なら直感的で使いやすいのかいろんなパターンを実装して議論し決定しました。自らアイデアを出し、仕様策定から効果検証まで一気通貫で担当するような開発をしたい方、チームメンバーとのコミュニケーションを大切にする方は楽しく開発に取り組めると思います。また、プロダクトを磨くことが直接社会貢献になるので、自らの技術力で多くの方の人生をサポートしていきたいと考えている方にとってはやりがいがあり、開発を楽しめるのではないでしょうか。

エーテンラボでは技術スタックよりもプロダクト思考とミッションへの共感を重視しているため、「みんなが行動変容できる世界をつくる」ことに関心がある方や「みんチャレをよくしたい!」という熱い思いを持っている方と、ぜひ一緒に働きたいです!

[^3] 参加中のチーム一覧を表示する画面

ありがとうございました!エーテンラボでは、一緒に働く仲間を募集しています!

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