今、全国の中学校を中心に進んでいる「部活動の地域展開」をご存じでしょうか。
少子化や先生の負担の大きさを背景に、部活動を地域のクラブや指導者と一緒に支える形へ変えていく取り組みです。
今回お話を聞いたのは、この地域展開を自治体と一緒に進めるMaster&Coach事業部のプロジェクトマネージャー、前田海さんです。
自身もサッカー選手としてプレーし、スポーツ経験者の就職支援に関わる部署を経て今の仕事に就きました。現場での過ごし方や、この仕事のやりがいを聞きました。(取材は2026年9月)
プロフィール
前田 海(まえだ かい)
Master&Coach事業部 プロジェクトマネージャー。
大学卒業後、サッカー選手としてプレーしながらサッカースクール事業の立ち上げに携わる。
2023年12月にアーシャルデザインへ入社し、体育会学生やアスリート人材の就職・転職を支援する部署で企業への人材紹介を担当。
2025年10月にMaster&Coach事業部へ異動し、自治体の教育委員会と連携して地域クラブ活動の立ち上げから運営までを担う。
【補足】地域展開のプロジェクトマネージャーとは
インタビューに入る前に、前田さんの仕事を少しだけ補足します。
部活動の地域展開は、国が方針を示し各地の自治体(主に教育委員会)が進めるものです。
ただ、地域のクラブを一から立ち上げて動かすには、指導者を集めたり、学校や保護者と調整したりと、多くの工数とノウハウが要ります。
そこで、弊社のような民間の事業者が自治体のパートナーとなり、地域クラブの設計から運営までを支えています。
その中で、自治体・学校・地域の指導者の三者をつなぎ、地域クラブを計画どおりに動かしていくのがプロジェクトマネージャーです。
子どもたちに直接スポーツを教えるのは、地域の指導者の方々。プロジェクトマネージャーは、指導者が力を発揮できる場を整える側に立ちます。
主な仕事は次の4つです。
- 自治体と地域クラブを始めるまでの段取りを決める
- 指導者を採用し各クラブに配置する
- 学校の先生や保護者に向けて説明会を開く
- クラブが始まった後も現場を回り、困りごとを聞いて改善する
プロジェクトマネージャーの仕事を一言で表すなら
――今日のお仕事のスケジュールを教えてください。
前田:午前中は担当している自治体の教育委員会さんとの打ち合わせです。週1回の定例ミーティングで、10月から始まる地域クラブの活動をどういう段取りで進めていくかを改めて整理したり、今の指導者の状況を確認したりします。
――打ち合わせは前田さんが中心になって進めているんですか?
前田:基本的にはそうですね。教育委員会さんとは2年目の付き合いになるので、お互いに理解している部分もあります。それぞれ役割分担をしているので、そこをすり合わせている感じです。
――「部活動の地域展開」を進めるプロジェクトマネージャーは、一言で言うとどんな仕事ですか?
前田:各自治体さんが求めるものに応えていく仕事だと思っています。
長く続いてきた部活動という日本の文化が、一気に変革期を迎えています。自治体さんとしては、進めていきたいけれどやり方がわからないという部分がある。そこで、私たちが持っているノウハウを存分に発揮する。それがプロジェクトマネージャーの仕事かなと思います。
各業務を全部並行で進める
――地域クラブが始まるまでにどんなことをするんですか?
前田:いちばん重要なのは、子どもたちが活動をできるように指導者の方が各クラブにちゃんと配置されているかどうかです。なので、まずは採用をいち早く進めていくのが第一段階です。
自治体によっては、前の年度からすでに取り組んでいるところもあります。担当している自治体の中には、多くの先生方が土日に地域の指導者として入ってくださっているところもあるので、誰がそのまま入るのかも含めて、指導者のことがやはり一番です。
あとは、手続きをどういう段取りで進めるか、保護者説明会や、学校ごとの教員向けの説明会をどう行うか。何をどのように周知していくかのすり合わせも、主にやっています。
――指導者を確保して、段取りを決めて、最後に保護者の方へ説明する流れなのですね。
前田:いえ、全部同時にやっていきます。準備期間をしっかり取れる自治体さんと、そうではない自治体さんがあるので、そこに合わせてどうやって進めていくかも、ずっと話していますね。
練習が終わる時間を狙って現場へ
――現場にはどのくらい足を運んでいますか?
前田:担当している地域クラブの活動に合わせて巡回しています。1つのクラブの練習時間はだいたい3時間なので、そこに3時間いることもあります。100以上のクラブがある自治体では、ご挨拶とお困りごとがないかヒアリングをして次のクラブへ回ることもあります。自治体の規模や状況に合わせていますね。
――現場では、どんなところを見ているんですか?
前田:いま、「b+」というアプリを使って地域展開の運営を行っています。新しいアプリなので、仕様の部分や保護者との連携の部分で困っていることがないか話を聞きに行っています。
練習の最中だと話せないことが多いので、終わりの時間を狙って行くこともあります。子どもたちの様子を見たり、保護者の方がいらっしゃれば話したり。その時の状況に合わせて、困っていることを一つでも回収してくることを意識しています。
※b+:Master&Coach事業部が地域クラブの運営に使っている、部活動の地域展開向けの自社アプリ
この仕事の面白さとやりがい
――この仕事のいちばん面白いところはどこですか?
前田:変わっていく様子が見られることですね。
スタートの時点で完璧に整えられたらいいのですが、保護者が求めること、指導者が求めること、学校が求めることなど、どうしてもいろいろあります。そこをより良くしていく日々の中で、一つ改善すると良くなって、また一つ改善すると良くなって、徐々に事業が安定していく。それが目に見えて分かるのが、個人的には一番楽しいです。
長い目で見ると、保護者の方の中にはまだ変化を実感していない方もいますし、子どもたちからすると「あまり状況は変わっていないけど」という人もいます。それでも、これから部活動のあり方が大きく変わっていくと考えたときに、その第一線に今立っていることには、すごくやりがいを感じます。
これから一緒に働く方へ
――どんな人がこの仕事に向いていると思いますか?
前田:正解が決まっていない仕事なので、まず動いてみて、現場で聞いたことを一つずつ形にしていける人だと思います。自治体、学校、保護者、指導者と、立場の違う人たちと一緒に進めていく仕事なので、スポーツでチームとして何かを作り上げたり、達成してきた経験は活きると思います。
――最後に、応募を迷っている方へ一言お願いします。
前田:部活動のあり方が変わっていく今のタイミングで、現場にいちばん近いところから関われる仕事は、そう多くないと思います。少しでも興味があれば、ぜひ一度話を聞きに来てください。