代表プロフィール
株式会社バイデンハウス 代表取締役 石崎健人(31歳)
慶應義塾大学卒業後、IT系コンサルティング・ファームを経て、2021年にバイデンハウスに参画。2022年に代表取締役(Managing Director)に就任。同社の経営戦略担当。専門領域はラグジュアリー、テクノロジー、自動車、嗜好品、コスメ、飲食料品。2014年、カリフォルニア大学サンタバーバラ校に留学。
趣味はファッション・ギター・旅行。今年の夏はサウナ巡りでフィンランド中を旅行したそう。
代表就任の経緯を教えてください!
当社の「若者の研究所」に学生時代に所属していまして、大学時代からの友人でもある当社のオーナーから、相談を受けたことがきっかけです。
コロナによって経営が赤字だったんですね。とはいえ、今後も現役バリバリで社長を続けることは厳しいということで、私に相談がきました。
私もコンサルタントとして活動する傍ら、会社経営、事業再建、マーケティングといったテーマに興味がありましたし、会社の存続は友人でもあるオーナーの思いに共感するところもありまして。では、一度考えさせてください、という話になりました。
話をもらってから1-2週間考えましたかね。事業の黒字化には強力な権限による実行が必要なので社長でやらせてもらう。また会社が黒転して存続したとしても、オーナーが設立してから数十年見てきた会社とは別のものになっている可能性がある。それでもいいですか?と。大分強気ですね。(笑)そんなカウンターオファーをしまして、2022年4月から代表取締役を務めています。
就任当初の目標・課題は何でしたか?
とにかくにも黒字化。キャッシュを稼ぐ。黒字でないと成長のために投資ができないのです。
入社する、ということは黒字化の目論見がきちんと立っていることと同義でした。赤字の会社で社長をやるわけだから、当然そうあるべき。なので、オファーを受けた際にポテンシャルターゲットとなるクライアントやサプライヤー、業界人材など20名ほどにエキスパート・インタビューを行いました。そのうえでやるべきだったことは、シンプルでした。提供価値とターゲットの定義、提供価値に対する適正なプライシング(値上げ)です。1件当たりのユニットエコノミクス(粗利率)を改善し、あとはそれをとにかく売る。幸いにも顧客に対する提供価値が高いサービスである、と確信できる内容だったので、顧客を助けるサービスは、どんどん売るべきだ、と私も自信を持って売りました。結果的に、入社から1年半で黒字化を実現させました。
そこで稼いだキャッシュをもとに設備投資をしました。オフィスの内装や備品を一新して、当社のブランドイメージをデザインの観点で作っていく。目的は優秀なプロフェッショナルの採用とインナーブランディング(企業文化の醸成)です。要は当初はザ・昭和な、アジトみたいな古臭いオフィスだったわけですけど。(笑)デザインの感度が低いオフィスではデザイン感度が高い若く優秀なプロフェッショナルが寄り付かない。だからまず設備というか、デザインに投資していく。
これを読んだ経営者・起業家の読者は「キャッシュを稼いでやりたかったことがそれ?」「投資の順番、絶対違うよね?」と感じたと思います。いや、実はそこが大事なんです。若い人はデザイン感度が本当に高い。現代の若者は「iPhoneくらいの上質なデザインが平均点」という感覚です。日々、若者マーケティング、Z世代の消費者調査をしている我々だからこそ、それがわかる。それは企業文化の醸成にも必ず影響があります。だから、デザイン投資、です。
そんな時を経て、現在はどのような事業を展開していますか?
テクノロジー・自動車・食品・飲料・化粧品・嗜好品などの大手ブランドを中心に、海外進出戦略策定、マーケティング戦略策定、新商品開発、新規事業開発、消費行動・価値観分析などを通じてブランドの価値向上を支援しています。
中でも当社が特に重要視しているのが海外進出です。日本市場は成熟しており、人口減少、少子高齢化により国内で競争し合ってもいずれは市場縮小の煽りを受けることになります。例えば、クラフトビールが規制緩和により流行り、クラフトビール市場は伸びました。一方で、ビールカテゴリー全体の市場が成長したとは言い難いですね。その衰退市場でのガラパゴスな戦いを各社で繰り返したところで、グローバルでは勝てない。一定のシェアを維持できたとしても、長期的に見て国内売上が下がっていくことはほぼ確定なわけです。
日本のブランド・商品は海外で戦えるようにならなければならない。いろいろな観点、評価軸があるので一概には言えませんが、それでもグローバルで存在感がある日本のブランドは本当に少ない。一方で、海外でも戦えるポテンシャルを持つ日本のブランドはたくさんあります。そういったブランドにもっと海外進出にチャレンジしていただきたい、当社その後押しをしたいですね。
会社のビジョン(今後の方針)を教えてください!
10年以内に「当社は日本の数多のブランドを海外進出の橋頭堡(きょうとうほ)を作った」と言いたいですよね。
英Interbrand社のBest Global Brands 100にランクインしている日本ブランドはトヨタ、ホンダ、日産、ソニー、任天堂、パナソニックの6社だけです。この上位100位内に日本のブランドを新たにランクインさせることが1つの目標です。
当社では商材やターゲットの属性ごとにエキスパートを指名しナレッジ開発を行っています。クライアントの課題感だけではなく、業界の課題感について常に意識を向けています。5年以内にエキスパートチームが10領域、10年以内に100名体制、売上50億円のファームを目指しています。当社は少数精鋭のプロフェッショナル集団として日本ブランドの海外進出を目指します。
そのためにも、各メンバーにはクライアント、パートナー、社内の全方位でインパクト、変化を起こせるような人間でいてもらいたい。「隣人を刺激せよ」と社内で言っています。要は自分の意見・感性を勇気をもって発信する、ということですよね。なんなら、エゴイストでも良いと思います。クライアントワークにおいて協調性というのは一定必要ですが、過剰になれば遠慮し合うだけで何も前に進まない。それでは弊社がクライアントと消費者の間で介在する価値はない。だったら、まず喋れ。次に、自分の意見を喋れ。クライアントへの示唆を喋れ。勇気をもってズバッと喋れ。そうありたい。そうあってほしい。それができないと思うのであれば当社を選択する必要はないです。別のホワイト企業に行きましょう。
クライアントなど、相手が目的を見失っていて。それを間違っていると思うなら、相手の目的に対して正しいと思うあなた自身の見解をストレートに伝えるべき。そこで生まれた衝突は良いもの、よい成果を生みます。だって、相手の目的のために勇気をもって伝えているわけだから。社内活動でもやりたいことがあれば、手を挙げて名乗り出て。当社は挙手性の文化です。そういった真の目的意識、当事者意識、自発性は社内外に追求しています。「目の前の相手ではなく、相手の将来に対して正しいと思うことをしなさい」「やりたい奴がやれ!」ってこと。
ビジョン達成における現状の課題は何ですか?
優秀かつ個性的な人材の採用・育成です。ただ優秀なだけではダメで、個性も必要です。優秀な人材が満足できるような、刺激的な環境を作る必要があると思っています。
まず、当社はクライアントの変革を一つの使命としていますが、大前提は優秀な人材、つまりプロフェッショナルが集うこと。モチベ-ショナルで優秀なプロフェッショナルだけで組織を構成したいと思っています。優秀な人は優秀な上司、優秀な同僚、優秀なクライアントと働きたいじゃないですか。
次の前提は、個性的な人が集うこと。当社にはある種風変わりな、個性的な人材が集まっています。私たちは一般人の中では少し浮いてしまうような存在、いわば変人ですが、当社のコンサルタントとしてクライアントに提言すると、クライアントのバリューになる。そういった当社のプロフェッショナルの角度のある意見をクライアントも面白がっている。不思議ですよね。当社は、そういう「不思議なハコ」ですね。
バイデンハウスは面白い居場所だ、と気付いてもらえれば自然と才能・個性が集まるし、クライアントもエッジの効いた面白い意見をどんどん求めに来るようになる。その好循環が続くと、気が付いたらどこの会社にもない、唯一無二の環境になっているでしょうね。
求める人物像を教えてください!
理想は、「リーダーシップ・洞察力・問題解決能力」の3つを持っている人です。ちなみにマーケティング経験の有無は問いません。
マーケティング職に憧れる人は多いんですけど、大抵、能力やマインドセットが足りていない。要は「マーケティング=内勤の企画職的なキラキラした仕事」というイメージに洗脳されている。マーケティングを誤解している。本当のマーケティング職は、リーダーシップを発揮して社内外を牽引する存在なんです。日々の業務も社内に対する営業活動のようなものです。泥臭いんですよ、マーケティングって。根っからのリーダーにしか務まらん。
華やかに聞こえる仕事はすべて泥臭い作業の積み重ねです。その泥臭さを知っているという意味では、営業経験者の方がよっぽどマーケティングに向いてる。少なくとも、ひよっこにはできないと思ってます。
好奇心旺盛かどうか、話が面白いかどうかもすごく見ていますね。これらは総じて、人生の経験値で決まってくる要素だと思います。「経験値=好奇心×行動量」だと考えているんですけど。特にバックパッカーの方は経験豊富ですごく良いです。
バックパッカーは旅先で右左どっちに進む?お昼は何食べよう、夜はどこで寝よう?くらいから全て自分で考えなきゃいけない。トラブルに巻き込まれた時には自力で抜け出さなくてはならない。全てが自分の思い通りにいかない世界線に放り込まれた経験のある人は仕事でも強いですよね。インドなんて、一度トラブルに巻き込まれたら、どんどんトラブルが発生していく。最後は複雑に絡み合ったトラブルに発展していきます。本当になにも思い通りにいかない。(笑)そんな経験の多寡が、あなたを強いプロフェッショナルに磨き上げます。実際、元バックパッカーがうちに2人いるんですけど。どちらも非常に優秀なプロフェッショナルです。
逆に。この時代にあえて言いますが。話がつまらない人はNGです。なぜならクライアントもあなたを「つまらない」と思うから。当社のつまらない人・つまらない話にクライアントが付き合ってくれて、親切にお金まで払ってくれる。そんなことありますかね?クライアントは慈善事業で当社にお金を払うことはしません。クライアントは私たちに問題解決の依頼をしているのです。当たり前ですが、対クライアントの仕事である以上、そこは結構見ています。
就職活動や転職活動中の方へメッセージをお願いします!
20代の方に言いたいのは、「質より量。20代は修行すべき」だと言いたいです。
今の20代は働き方改革でめちゃくちゃ能力的に弱体化しているわけですが。「ちょっとやりすぎたね」と働き方改革が修正された場合を彼らって想定しているのですかね?
例えば、20代はリモートワークが良いと口をそろえて言いますね。言いがち。でもね、それって、完全に人間性抜きで成果主義で判断してください、と言っているようなもの。そういう中で、あえて職場に出社して上司に媚び売る奴がいれば、そちらの方が上司も可愛がりたがるし、上司も応援するから結果も出やすくて、上司からの評価が上がるけど。
「50代を楽しみたいなら、40代を駆け抜けなければならない。40代を駆け抜けるには、30代を全力で走り切らなければならない。30代を全力で走り切るためには?20代で変わらなきゃならない。」大学時代に新潟の日本酒の酒造の大先輩、ニッポン放送の編成局長の大先輩から教わった言葉です。2人とも同じようなことを言ってらっしゃった。結局、20代というスタートで緩さを覚えてしまうと、後々苦しくなるのは自分なんですよね。31歳でギリギリ働き方改革前に社会人になった私から若者に問うてみたい。「若者よ、覚悟はできているのか?」
「質が、効率が」と言う若者が多いんですけど、量をやった人、乗り越えた人にしかわからない感覚がある。その感覚を持たないとプロフェッショナルがあなたをプロフェッショナルとして認識しないでしょうね。それがわかっている奴はわかっているし、わからない奴は一生わからない。わかっている奴は、もうやっている。スポーツアスリートが量を軽んじたことがあるのでしょうか?多分、ないでしょう。圧倒的に「質より量」派です。あなたが天才ではなく、凡人だと自覚しているのであれば尚更です。読者のみなさん。あなたはどちらですか?「あなたは天才ですか?一般人ですか?」
あなたがどちらの人間であるか、それはあなた一番よく知っているはず。もう、わかりましたね。就職先に悩んでいるなら、とりあえず量を積ませてくれる会社に行くべきだと思います。結論、迷ってる人は覚悟がないわけですが。覚悟がない以上に、経験がないから何にベットして(賭けて)いいかはわからない。そういう状況なのです。だから、まず数をやってみなさい、それは当社である必要でもない、それが与えられる環境であれば、どこでもいい。私は20代、偶然にもういう環境にいることができた。たまたまだけど、私は恵まれていました。そんなことを伝えたいですね。じゃあ、なんで私が30代になっても頑張ってるのか?というと。それは「だって、その先には楽しいことが待ち構えているに決まってるから」20代をかけて、その先に何があるか?を肌で知っている人になって欲しいです。
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