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株式会社Nagisa代表 横山 佳幸
新卒でKDDIに入社し法人営業を経験後、ネットエイジ(現ユナイテッド)にて社長室、新規事業立ち上げに注力。その後アジアを投資領域としたベンチャーキャピタルに従事し、2010年に株式会社Nagisaを創業。
4,000万DL以上を誇るサービスを初めとした漫画アプリやライブ配信アプリなど、エンターテイメントに特化したマルチプロダクトを100以上手がける。
ユーザーの声から生まれた新たなサービス「FAM」
まずは「FAM」について教えてください。
昨年からステルスで立ち上げていた「FAM(https://thefam.jp/)」は、ノーコードでサブスクリプションのファンクラブやオンラインサロンが作れるサービスです。アーティストやクリエイターとファンが繋がりを持つことができるプラットフォームで、動画配信やライブ配信、限定のイベントチケット販売をしたりなど、様々な用途でご利用いただくことができます。動画配信であれば、Netflixのようなサービスを、ライブ配信であれば17ライブのようなサービスを立ち上げることができますし、それ以外にもあらゆるメディアプラットフォームをご自身の手でエンジニアによる開発を必要とすることなく作れるのです。しかも、誰もが、簡単に。メールアドレスをパスワード、そして、FAMの固有IDを登録していただき、いくつかのプロフィール登録が完了すれば、すぐにあなた自身のファンクラブ、オンラインサロンが出来上がります。これまでにリリースしているファンクラブを含め40サイト、累計有料会員数はまもなく2万人を突破する予定で、とても有難いことにご利用いただいた方達からは多くの賞賛の声をいただいてます。
なぜ「FAM」を立ち上げようと思ったのですか?
弊社は創業以来、エンタメのB to Cサービスを主戦場として、Webやアプリの自社サービスの企画、開発をしてきました。ユーザー同士がコミュニケーションができるチャットサービス「Balloon」や、ユーザーが漫画を無料で見ることができる書店アプリ「ゼロコミ」などです。リリースしたスマートフォンアプリは100以上にもなり、その合計DL数は4,000万を突破しており、今っぽい言葉で簡単にいうとエンタメDXが得意な会社です。
FAMを始めるきっかけととなったライブ配信アプリ「ONSTAGE」は、2.5次元俳優や、声優が好きな社内メンバーの声がきっかけとして、マーケットの状況、ユーザーの需要を汲み取って、ユーザーとクリエイターを繋ぐサービスとして生まれました。「ONSTAGE」はこれまでに300名程のアーティストに出演いただき、1000番組以上のオリジナル番組をライブ配信という形式でユーザーに届けてきました。
ライブ配信をするたびに熱心なファンが集まり、「ONSTAGE」への可能性を感じている最中、出演アーティストや事務所の方から、「ONSTAGEのように、多くのアーティストが集まって1つのサービスを成り立たせるのもいいが、アーティスト一人一人、私たち独自でONSTAGEの機能を使ってファンクラブのようなものが立ち上げることはできないの?」という声を少しずついただくようになっていきました。
そのような声をいただく中で、私たちがどのようなサービスを作り、クリエイターのみなさん、ユーザーに届ければいいか、クリエイターエコノミーのマーケットの伸長も含め、検討に検討を重ねました。そして、ノーコードで開発をする必要がなく、誰でもONSTAGEのようなサービスを作ることができる、新しいプラットフォーム「FAM」を作ることしました。「FAM」はサービスをご利用いただいている俳優のみなさん、事務所のみなさんの声から生まれたサービスなのです。現在は、俳優、声優、アイドル、音楽アーティストと幅広く利用されるプラットフォームになってきています。
ユーザーの声に徹底的にこだわり、誰もが使えるサービスに
「FAM」を作る上で大事にしていることは何ですか?
大きく2つの考え方を持っています。一つ目は「誰でも簡単に使える」という点を非常に大事にしています。
今の世の中で流行となっている、例えばYoutube、Twitter、TikTokなどのSNSは、スマートフォンなどのデバイスを通じて、誰でも簡単にコンテンツを届けることができるサービスです。そのサービスに共通して言えることが、「誰でも簡単に使うことができる」ことだと思っており、世の中の流行っているサービスは一貫として簡単に、容易に始めることできるものが多いと思います。クリエイターにとっても、クリエイターのファンであるユーザーに対してもこういった考え方を重要視しています。
クリエイターやアーティストの方々が簡単にファンクラブを立ち上げることができることはもちろんのこと、そこから運用をする上でも、誰でも簡単に使えることにこだわっています。例えば、視聴者数や行動データの分析、ネクストアクションに繋げる振り返りも、容易に行える管理画面を目指して、目下開発が進んでいます。FAMのご利用を検討いただく際に、事務所の方には、管理画面のわかりやすさ、運用のしやすさにご興味をいただいているなと実感することが多くあります。やはりデータの振り返りなどをしようとすると、ITに精通した人物が必要になりますが、採用コストも大きいため、こういった自分たちで使える分析機能のニーズが高いと感じています。それと同時にファンであるユーザーにとっても使いやすいサービスであることがとても大事だと思っています。クリエイターにもファンにも常に寄り添っているサービスでありたいです。
二つ目は、いかにクリエイターに収益還元することができるか?という考え方を大切にしています。
エンタメの多くのサービスは、ユーザーに届けるコンテンツをクリエイターが作ることから始まります。しかし、コンテンツ作りは、時間やお金が非常にかかるものです。そのために、クリエイターへの収益還元を最大化していくことを重要視したサービスにしています。
FAMを通じたファンクラブの収益は、決済手数料を除いた80%がクリエイターに還元されます。80%は同業界の中でも最大級の還元率となり、次のコンテンツ作成に充てることができます。インフラやソフトウェア、ハードウェアの進化、そしてコロナの影響もあり、コンテンツの消費スピードが益々早くなる中で、より多くのコンテンツが必要とされていると感じています。今後より多くのコンテンツが生まれてくるためにも、クリエイターとユーザーがwin-winになりながら、コンテンツが生まれる循環を作っていくことが重要だと考えています。そして、FAMがその一役を担うことができると考えています。
「FAM」が今後見ている未来ってどういうものですか?
テクノロジーの力でエンタメを、個の時代をDXする。ユーザーの声から始まり、その声にこだわり抜いた新規事業!FAMに向けた思いとは?オンラインサロンにおけるサブスクリプションが事業の柱になってくるのは間違いありません。現在、サブスクリプションに加入している有料会員のデータベースは約2万人まで広がってきており、新規事業の立ち上がりとしては順調な立ち上がりだと思っています。そして、その有料会員のデータベースの上に、デジタルコンテンツとリアルな商品を流通させ、ストック売上とフロー売上の最大化を図っていきます。すでにオリジナルのデジタルコンテンツやリアルな商品をファンククラブで販売した事による我々が想像する以上のファンの反響があり、可能性を非常に感じています。我々がチャレンジしているマーケットはエンタメ、芸能のDXであり、クリエイターエコノミーで市場は非常に大きく、まだまだ可能性を秘めていると考えています。有料会員のデータベースを今後10万人、100万人と広げていくことでそのプラットフォーム上に上記での申し上げた、デジタルコンテンツとリアルな商品の流通に加えて、アーティストの才能や可能性を最大限活かしたFintechやIOT等のビジネスでファンの熱狂度を高めていければと考えています。
ユーザーメリットにこだわっているFAMの開発で、大変だったことや、逆に面白かったことを教えてください。
FAMは一つ一つの機能が一つのサービスとして成り立つぐらいのもので、それらが融合して一つのプラットフォームになっているので、開発規模が大きく、サービスの開発難易度が非常に高いです。いくつものラインで開発が同時にされ、それを統合していくのは、これまで作ってきたサービスよりも今後さらに苦労していくだろうと考えています。
一方で使用いただいているアーティストの方々から、「すごく良い、こういうサービスが欲しかったんだよね。」と反応いただけることがあり、そういった声は大変嬉しいです。限定的にご案内しているステルスの状態から7月に正式にローンチをすることができましたが、ユーザーの喜ぶ声は、やはり大きな原動力になります。
また、驚いたこととしては、FAMの中で1つのファンクラブを立ち上げたクリエイターは、2つ、3つと新たにファンクラブを立ち上げる事例も出てきています。1人のアーティストに1つのファンクラブではなく、新たなコンセプトのコンテンツが生まれれば、別のコンテンツに基づいたファンクラブができる、これは更なる好循環を構築できていると感じました。
現在のFAMを創るメンバーとは?
現在FAMの開発メンバーはどのような方々なのでしょうか?
まずエンジニアについてですが、元々社内の別プロダクトの開発チームの中から、新規開発を行いたい!と手を挙げた若いメンバーからスタートしました。一方、複数のプロダクトに跨りながらマルチタスクに開発を進める、これまで大規模な開発を経験したメンバーもおり、FAMはステルスの状態から6月に本格ローンチをひかえているので、今後は会社としてFAMに注力するチーム体制に変更していきたいと考えています。
開発組織はどんな雰囲気ですか?
情報共有が活発で、議論できるいい環境だと思います。
やはりエンジニアやデザイナーが、直接エンドユーザーとコミュニケーションを取る機会は多くありません。その分ビジネスサイドがしっかりユーザーの意見をフィードバックし、メンバー全員で何が最適かを考え抜いています。もちろんビジネスサイド、プロダクトサイドでそれぞれ意見が食い違うこともあります。そこでバラバラにならず、相手の意見を受け入れて議論をし、優先順位づけを行いながら前進する。その形を目指しています。
部署を跨いで協力し合うことは、やりがいにも繋がりそうですね。
当事者意識を持って開発を進めることで、やりがいも生まれると思います。
チームでどういうやり方が最善なのか議論しつつサービスを作ることが面白いと思いますし、弊社はその中で成長に繋がるチャンスを、自分で掴み取れる環境だと思います。
Webやアプリの技術はコモディティ化しており、以前よりも容易にサービスを立ち上げることができるようになってきたと感じます。その中で大事なのは、メンバー1人ひとりが「創意工夫」を積み重ねていくことです。そういった創意工夫の中で生まれたアイデアを積み重ねる中で、より良いサービスを実現するために協働し、それ自体をメンバーに楽しいと思ってもらえることが理想です。
FAMの展望とこれからの組織を作るメンバー
FAMを今後どのようなサービスにしたいですか?
わかりやすい数字として、10万人、100万人と、より多くの人に使われるサービスにしていきたいです。また、現在は国内だけですが、アジアやアメリカの方にも使われるサービスだと考えているので、いつか海外への進出にもチャレンジしたいです。
また、概念としては、有料会員ユーザーデータベースを保持しながら、リアルにおける物流とデジタルにおける流通を双方向で支援していくサービスにしていくことを目標にしています。IT業界ではDXというバズワードが使われていますが、ファンクラブの運営においては、商品を販売したり、イベントを開催するリアルなものもあれば、動画配信、ライブ配信といったデジタルなものまで、ITの技術だけでは解決できないものもたくさんあります。そういったリアルの物流とコンテンツの流通を拡大していく機能を「FAM」で提供し、クリエイター自身が自ら経済圏を広げていくサポートを一貫として続けていきたいと思います。
FAMで働く面白さや、向いている人物像を教えてください。
FAMはエンタメSaaSという見方もできる一方で、自分が開発に関わったサービスが「ファンの数(=有料会員数)」という確かな数字として伸びていく様を見ることができるプロダクトです。ただ企画する、デザインする、開発するだけではなく、ビジネスの視座を高めながらチームとしてKPIを一緒に追いかけ、自分が影響を与えていることを実感できます。
また、ユーザーから意見をもらって物作りをするので、リアルな声を聴きながらプロダクト開発ができることも面白いと思います。サービスだけでなく、事業として成長を考えることができる方にマッチしています。
そのような文化を作る上で心掛けていることはありますか?
弊社はコロナ前からフルリモートの環境なので、社員同士がコミュニケーションを取りやすい機会を作ることが、組織としてのミッションです。例えば現在だと、週2日程出社してディスカッションしたり、チームでランチをする機会を増やしたりしています。そう言った場を、会社主体で作っていきたいです。
プロダクトを作る上で勿論ユーザーの声は大事ですが、社員の声を今後も大事にしていきたいと思っています。
最後に読んで下さっている方にメッセージをお願いします!
クリエイターエコノミーが広がる今、ファンを大切にする文化が重要なマーケットは、チャンスしかないと思います。その中で創意工夫しながらサービス作りを楽しみ、自身で成長のチャンスを掴みながら事業を作っていける仲間を募集しています!一緒にFAM(https://thefam.jp/)を育てていきましょう。