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人間味あるFAQの「中の人」 Helpfeelのテクニカルライターとは?

この記事は過去反響が多かった記事を転載しております。一部掲載当時とは状況が異なる箇所がございますのでその点ご了承ください。原文はこちらのサイトに掲載しております。


こんにちは、株式会社Helpfeelでテクニカルライターをしているyotsumotoです。2022年1月に入社しました。

今回は、Helpfeelにおける「テクニカルライティング」について、いわゆる取説制作系ライティングとの違いや、Helpfeelならではの特徴などをお話したいと思います。

Helpfeelのテクニカルライティングとは

テクニカルライティング(ライター)は、その名称から、「技術的な内容を記述し、説明すること」に特化したスキル/職種と認識されていることが多いです。実際のところ、「テクニカルライター募集」という求人は「各種機械やソフトウェアのマニュアル(取扱説明書)制作」の仕事であることがほとんどのようです。
しかし、テクニカルライティングは決して取説のためだけの技術というわけではありません。コアとなるスキルは「事実を正確に」「伝えるべき相手に最短距離で伝える」ということなので、ある意味「どんな文章でも当たりまえ」にできていなければならないことではあります。

Helpfeelのテクニカルライターも、まず第一に「正確に伝わる質問文(※)を作り上げること」というミッションを持っていますが、取説系のライティングと大きく異なる特徴は、


「多彩な検索ワードを見つける」

そして

「検索者が思いついていなかった解決策もサジェストする」


という部分にあると考えています。

たとえばFAQ内に「印鑑を紛失したとき」というページがあったとして、それを「はんこ なくした」でも検索できるように辞書を作っていく。検索に引っかかる類義語を増やしていくわけですね。これが「いかに多彩な検索ワードを見つけられるか」です。

(※)FAQシステムHelpfeelの検索窓に言葉を打ち込むと、「知りたいのはこういうことですか?」とサジェストが上がってきます。そのサジェストのテキストを指します。

検索システムの「中の人」

これだけでもじゅうぶん検索性が上がる仕組みですが、でも、単語単位の類義語というのはある意味想像がつくものです。印鑑ときたら、判子、ハンコ、はんこ… という類義語を埋め込んでいくのはそんなに難しいことではない、これを作るのにテクニカルライターという専門職が必要?と思われる方もいるかもしれません。

わたしがHelpfeelのシステムで「えっ、これはすごい…!!!」と思ったのは、それに加えて2つめの
「検索者も思いついていなかった解決策をサジェストできる可能性がある」
という部分です。

例えばあるリゾート施設にさまざまなお楽しみメニューがあり、FAQには「マッサージ」とか「サウナ」とか「ジム」とか個別のメニュー説明ページがあったとします(架空です)。
「サウナ」で検索すればサウナの説明ページが出るでしょう。
でもサウナのことを思いついていなければ、こういう検索はしません。
それを例えば「疲れた」で検索して「サウナ」が出てきたら?
「あっ、サウナあるんだ!それもいいな…」と思ってもらえるかもしれません。

行きたいのはサウナ、と思いついている人に対してだけではなく、
お疲れですか?じゃあサウナはいかがですか?
と提案できる、そんな「視点の転換」をも生み出しているのがHelpfeelのテクニカルライターなのです。


お困りごとのある人
→解決策といったらAでしょ(もうこれしか思いついてない)
 →Aで検索
  →いえいえ、この場合はAじゃ解決できなくて、適切な解決策はBなんですよ、Bをどうぞ
   →なお、Cっていう手もあります


こうやって、「あなたがまだ思いついていない解決策の提案」もしているテクニカルライターは、なんだかFAQに住んでいる「ちょっと優しい、中の人」みたいではありませんか?

※なお、サウナで説明しているのは、当社にどういうわけかやたらとサウナーが多い影響です

これまでのテクニカルライティングからこぼれ落ちていたもの

前職では、ハードウェアメーカーのマニュアル制作に計2社で足掛け20年近く関わりました。
自分でテキストを書くライターとしての立場も、制作物を総合的に企画する編集者、マネージャーとしての立場も経験しました。

上述のように、テクニカルライティングとは本来「正確に伝わるテキストを作る」というシンプルなスキルではあるのですが、実行するのは意外と難しい。それは「なんなんだ全然わからん(怒)」と取説を床に叩きつけたことがない人類はいないという事実(…事実?)からも想像がつくでしょう。
読んだ人にストレスなく目的を達してもらうためには、同じものは徹底的に同じ名前で呼び、いかに端的に、すっきりと、無駄を極力排除して情報のコアの部分をお届けするか、それがテクニカルライティングの真骨頂。

でも、ここからこぼれ落ちるものもあるなということを、この仕事をしながらずっと感じていました。
それは、「感情」や「人柄」や「その人の個別事情」といった、「無駄」「余計な枝葉」「雑音」と思われていたもの、一見邪魔に思えるけれど、出会ったらちょっとほっとする暖かみのようなもの。

「このボタンをぐーっと押してください!えっこんなに押すの?大丈夫?壊れない?って心配になるでしょうけど、大丈夫です!まだまだ押してください」とか
「あ、このモードを選ぶってことは今日ご馳走ですね!なんかいいことありましたね!?」とか
書いちゃいけないんだろうか?
そんな取説なら、この情報の向こうには人がいて、その「人」はあなたの力になりたいと思っているんです、と感じてもらえるかもしれない。そうしたら、提示した情報も納得して受け取ってもらえるのではないだろうか?

それに、人は言い間違えるし、覚え間違えるし、アタマの中に浮かんだ言葉は「情報提供者が用意した言葉と違う」なんていうことはいくらでもある。その言葉を「ない、ない、…」と探している人に「あ、それってもしかしてこのこと?」って言ってあげられないだろうか。
そんな情報提供ができたら、受け取った人は問題を解決できて、そのうえもしかしたら「あーそうです!ありがとう!」って製品や企業のファンになってもらえるかもしれないのに。

ひたすらに枝葉を削ぎ落とす方向の仕事をしながらそんな妄想をして、いつか、そんな暖かいスタイルの情報提供はできないのかなあ、できたらいいなあと思っていました。

Helpfeelに出会ったとき、これはまさに「(従来の)テクニカルライティングの世界が削ぎ落としてきた雑音」の類をむしろ味方につける、そういうタイプのツールなのでは…!?と思ってほんとうに息を飲みました。これまで妄想してきたことが、妄想じゃなくなるかもしれない...!というわくわく感でチャレンジすることを決め、現在に至ります。

Helpfeelのテクニカルライターチーム

当社のありがたいところは、こうした感覚をテクニカルライターチームのどのメンバーとも共有できていると思えることです。
どのメンバーが担当したHelpfeel案件も、正確で端的な、意図の伝わるサジェストが返ってくることは大前提で、さらにその世界に「ちょっとほっとする暖かみ」「システムの『中の人』」を感じる。
誰が担当しても「これこそがHelpfeelです」とお出しできる味付けになっている。
このレベルの高さはほんとうにすごいことです。

ライターチームでは、各自の発想力と記述力を切磋琢磨するライトな勉強会(「大喜利会」と呼んでいます)を定期的に行っているのですが、各メンバーの妄想力にもただただ感心させられます。自分もけっこう妄想王な自信があったのですが、足元にも及びませんでした(笑)
なにかを相談しても前提の共有がすばらしくスムーズですし、解決に至るのも早い。そんなメンバーと一緒に仕事できることに感謝する毎日です。

鋭意、体制強化中ですので、興味を持ってくださったらどうぞお気軽にミートアップやカジュアル面談にご参加ください。
文章力と妄想力に自信のある方、お待ちしております!

《テクニカルライター 採用情報》
https://corp.helpfeel.com/ja/recruit

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