モヤシばかり食べていた極貧生活時代の話|金野和磨(Gerbera Music Agency)
Gerbera Music Agencyは2015年10月に設立した会社だが、会社の事業だけで食えるようになったのは2020年の話。この5年間、修行させてもらっていたデジタルマーケティング会社の仕事を業務委託で受けており、その収入を頼りにして生活していた。 ...
https://note.com/konno108/n/n3a99625a30cd?sub_rt=share_sb
当社の創業者・金野(筆者)の経営の師匠はマネーの虎・高橋がなりさんです。
筆者が大学3年の就活時にマネーの虎に出ていた高橋さんを観て触発され、彼の会社に突撃して、無理を言ってお話しさせていただいたのが最初にお会いしたタイミングでした。それからもう17年になります。恐らくマネーの虎を観てなかったら会社をつくるという選択肢はなかったと思います。
先日も高橋さんのYouTubeチャンネルで当社の経営相談をしてきました。会計や採用など、普段なかなか聞けないお話を伺えました。また数年後、成長したところをお見せできるよう精進したいと思います。
当社の生々しい実情について高橋さんと話していますので、当社への応募を検討するにあたってもとても参考になるのではないかと思います。
▼ティッシュを食べるほどのド貧乏時代を経て、一人で始めた会社を急成長させた37歳の経営者に、高橋がなりが更なる成功の秘訣を伝授⁉ 社員視点からも経営の解像度が上がるかもしれない?【まえむき人生相談】
1時間以上ある動画なので、忙しい方のためにNotebookLMの要約を記載します。
本動画は、高橋がなり氏が、音楽特化型の広告代理店を経営している37歳の経営者(金野)に対し、さらなる成功のための経営戦略、組織作り、そしてビジネスに対する感性の重要性について助言を行う対談形式のコンテンツです。
以下に動画の主要なトピックを10個抽出し、それぞれ要約します。
金野は個人事業主として音楽業界のプロモーション(ミュージシャンのプロモーションに特化した広告代理店業務)を始め、相談時点までに22人の組織へと成長させています。累計で1000組以上のアーティストを担当しており、中には東京ドームで公演するアーティストや、紅白歌合戦に出場したアーティストも含まれています。組織はマネージャー1人、その下にリーダー3人、さらにその下にメンバーという構成でマネジメントされています。社員の採用は、音楽業界経験者(A&R、マネージャー、ライブ制作など)と、デジタル広告経験者(音楽業界以外)の2種類をバランスよく採用しています。
金野の最終的な目標は、世界に通用するアーティストを自社経由で多数輩出することです。数値目標としては、Spotifyの月間リスナー数がブルーノ・マーズの1.5億人には及ばずとも、数千万(3000万~7000万人)規模のアーティストを輩出することを目指しています。また、将来的に人材が揃えば、音楽の周辺領域である漫画、アニメ、映画といった分野にも進出する可能性があると示唆しています。
金野の会社の強みは、デジタル広告のターゲティングを最適化する機械学習の技術を保有している点にあります。これは、「誰に広告を優先的に表示すればその曲を聴いてくれるのか」を理解し、広告の表示対象者を適切に調整する技術です。クライアントの多くはレコード会社や音楽事務所であり、新人アーティストのプロモーションは最低20万円程度の予算から請け負い、大規模なプロモーションでは数千万円(例:3000万円)の案件も扱っています。
高橋氏は、「感性は言葉で教えるものではなく、一緒に行動した時にすり込まれる」という哲学を強調しています。金野の会社ではアーティストとの直接の接触が月1回程度しかないことや、リモートワークが主軸であることを問題視しています。高橋氏の経験に基づき、サウナやパーティー、合宿などを通じて公私問わず行動を共にすることで、感性を共有し、結果的に「同じ発想をする」「同じタイミングで笑う」ようなチーム(テリー伊藤班)が形成されると説明しました。
高橋氏は、社員との非公式な場での交流の重要性を説きます。自身がかつて行っていた、夏場の屋上バーベキューや社員旅行の例を挙げ、「社員旅行を喜ぶ子は長く残ってくれる。嫌がる人は会社が好きではない」という持論を展開しています。また、年に数回、高額な費用(忘年会で6000万円など)を投じて社員旅行を実施し、「よく働きよく遊べ」という考えを浸透させていました。
幹部育成について、高橋氏は「楽しいことで引きずり回す」ことを提案しています。社員が興味のある遊び(例:釣り、ドジャースの開幕戦など)を通じてプライベートで触れ合うことで、応援したいという気持ちを醸成できるとしています。また、教育は「金を使ってするもの」であり、担当ミュージシャンと触れ合う機会をクライアントに依頼し、そこで得た情報が「良い広告が打てる」要因となると助言しています。
高橋氏は、銀行との付き合いについて、客観的な意見をもらう点では良いとする一方で、自身は無借金経営だった経験から、借金を推奨していません。成長を目指すならば、銀行融資よりも投資家から資金を調達することを強く勧めています。投資によって集めた資金で会社を運営し、将来的に業績に応じて定めた倍率で買い戻すことを前提とした契約(顧問弁護士と作成)を結ぶ戦略が良いとしています。
経理業務に関しては、費用がかかっても毎月の決算を行うか、現状のままで良いか悩む金野に対し、高橋氏は「下手に雇うと横領される」リスクを指摘し、まずは税理士事務所に全て任せる方が安心だと述べています。また、経理に求められるのは税務署向けの数字ではなく、経営に必要な数字(例:人件費率)であると強調しました。法務に関しては、訴訟リスクが高まるため、早急に顧問弁護士を持つべきであり、特に「法律をどう利用して付加価値をつけるか」を理解しているレベルの高い弁護士(全体の1割程度)を選ぶべきだと助言しています。
高橋氏の利益配分のポリシーは極めてシンプルで、「残った金は作品と未来のための人件費に使う」というものです。お金を寝かせておくのはもったいないという考えから、過去には新卒を毎年40〜50人採用し(給与だけで1億円かかる)、その中から優秀な人材が役員や幹部として残るという投資的な戦略を取っていました。また、コンピューター/ソフト開発への投資も重要であり、規制品がない時代から情報管理システム構築に億単位の投資を行っていました。
高橋氏のグループ会社が子会社を設立した背景には、社員にどんだけの利益を上げているか分からなくさせないという意図がありました。一つの会社内で部署ごとに収益を管理すると、「どうせ同じところに入る」と社員のやる気が低下する可能性があるため、別会社(例:SODからSODクリエイト)として分社化し、収益を明確にすることで、部門ごとの責任を負わせ、コスト意識を持たせることが目的でした。これにより、赤字部門がいつまでも温存されることを防ぐとしています。
なお、筆者がモヤシやティッシュを食べていた時代の話は以下に書いています。