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Daisybell Japanでオペレーション統括を担う竹中一真は、不動産デベロッパーでの大規模開発、AIスタートアップでの事業開発や海外事業、AIを活用したBPO事業を経て、現在は当社でAIコンタクトセンターの社会実装に取り組んでいます。第1回では、それらの経験を通じて形づくられた『技術と現場の間に立つ』という仕事観について聞きました。(聞き手:Daisybell Japan 広報担当)
1. 変わりたい意思と、変えにくい現実の両方を知る
── キャリアの出発点は、大手不動産デベロッパーでした。
竹中:商業施設、物流施設、ホテル、空港などを扱う事業部門で、経営企画や子会社のガバナンス、新規事業に携わりました。その後は、次世代型の物流施設を構想段階から開発するプロジェクトの立ち上げに携わり、国や自治体、関係企業、地権者の方々との調整を担当しました。土地の利用計画やインフラの整備から考える仕事で、構想を現実の事業にしていくまでには、多くの関係者との合意形成が必要でした。
── その経験は、現在のDX支援にどうつながっていますか。
竹中:不動産のように長い歴史を持つ産業には、長年の経験から生まれた合理性や、簡単には変えられない事情があります。一方で、そこで働く方々も現状のままでよいと思っているわけではありません。まさに私が新卒入社した会社では、これまでのビジネスモデルの在り方をデジタルを使って見直すDXに本格的に着手し始めた頃で、そこでの経験が今の礎になっています。
── 変革を進めるうえで、何が重要なのでしょうか。
竹中:正しい技術を選ぶこと以上に、何を変えたいのかを具体的な業務の言葉に落とすことだと思います。最先端の技術のデモをどれだけ見ても、それができなければ、導入後の姿まで見通せませんし、周囲を説得できません。現在の業務を理解し、困っていることや守りたい価値を聞いたうえで、『この仕事はこう変わる』『お客様にはこういう体験になる』と、実感を持てる形で考える必要があります。
2. 技術が、現場の議論を具体的にした
── AIとの最初の接点は、物流施設でのプロジェクトだったそうですね。
竹中:物流施設の中で、人や荷物がどのように動いているかをAIカメラで可視化する取り組みでした。それまでは、現場の経験や感覚をもとに語られていた動きが、データとして見えるようになった。すると、改善に向けた議論が一気に具体的になりました。技術が現場の代わりに答えを出すのではなく、現場にいる人たちがより良い判断をするための共通言語になる。その可能性を感じたことが、AI業界に移るきっかけでした。
── 技術だけで現場が変わるわけではない、と。
竹中:はい。カメラを設置するだけでは、何も変わりません。どの業務を改善したいのか、何を計測し、その結果を誰がどう使うのかまで設計して、初めて価値が生まれます。現在、音声AIの導入で最初に業務理解を重視しているのも、この経験があるからです。
3. 顧客の言葉で語ってみる
── その後、AIスタートアップに移り、国内外で事業開発を経験されました。
竹中:M&A後の事業統合や事業成長に携わった後、会社として初めての海外拠点をタイに立ち上げました。タイでは、会社の知名度も実績もない状態からのスタートです。日本で通じていた説明をそのまま持っていっても、相手には届きません。市場の成熟度や商習慣、相手が成果として重視するものを理解し、伝え方やサービスの組み立てを変える必要がありました。
── 現在、日本で海外発の技術を展開するうえでも、その経験が生きていますか。
竹中:立場は逆になりましたが、本質は同じです。グローバルで優れた技術であっても、日本企業の業務や意思決定の進め方にそのまま適合するとは限りません。導入に向けたお客様とのディスカッションでも、お客様が何を実現したいのかを理解し、その会社の言葉で導入後の姿を示す。海外で知名度のないところから信頼をつくった経験は、今の仕事にもつながっています。
4. システムを導入するだけでは、成果にならない
── Daisybellの前には、AIを活用した採用代行事業にも取り組んでいます。
竹中:採用業務の一部にAIを組み込むのではなく、採用プロセスを業務としてお預かりし、委託を受けた当社の内部でAIエージェントを活用する事業でした。現場の業務を一度きちんと理解し、どこをAIに任せ、どこを人が担うべきかを見極めながら改善していきました。
── そこで得た学びは何でしょうか。
竹中:優れたシステムがあっても、それだけで成果が出るわけではないということです。現場で使いこなせなかったり、例外対応が設計されていなかったりすると、最後の部分で価値を出し切れません。AIで定型業務を効率化しながら、人は候補者との対話や採用戦略など、本来向き合うべき仕事に集中する。この役割分担を業務の中で成立させることが重要でした。これは、AIコンタクトセンターにもそのまま当てはまります。
5. Daisybellで取り組みたいこと
── Daisybellへの参画を決めた理由を教えてください。
竹中:自然な対話ができる音声AIの技術力に加え、電話応対だけでなく、その前後の業務プロセスまで含めて設計できる点に可能性を感じました。ただし、技術が優れているだけでは、日本企業の現場に定着しません。グローバルで開発された技術を、日本の商習慣や業務に沿って実装し、成果が出るまで支援する体制が必要です。そこに、自分がこれまで経験してきたことを生かせると考えました。
── 竹中さんが担いたい役割は。
竹中:技術と現場の橋渡しです。レガシーな業務には、変えにくさと同時に、変えたいという強い意思があります。その意思を具体的な導入イメージに変え、現場の方々と一緒に実装していく。Daisybellを、AIを提供するだけの会社ではなく、お客様の顧客対応をより良い形に変えていける会社にしたいと思っています。
(次回へ続く)
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