2025年9月にプロジェクト型学習教室studioあお(京都校)の3代目教室長に就任した田中大貴さん。株式会社COLEYOに入社するまで〜入社後〜教室長になるまでと、これからの野望を聞きました。
▼プロフィール
田中 大貴(たなか たいき) 愛称"たなっつ"
studioあお教室長 中学校→放課後居場所事業→教育系スタートアップと3つの教育現場を経た後、2024年5月に株式会社COLEYOに入社。現在は、studioあお教室長として、教室運営を中心に、プ活コース講師として子どもたちと関わっている。
教育の「ロマンと算盤」の両立を目指せると思い入社
──まずは、田中さんがCOLEYOに入社するまでの経歴を教えてください。
大学で教育を学んでいた4回生の頃、地元(京都の美山町という人口3000人ほどの山間町)に帰省した際に、小学生が口を揃えて、「学校がおもしろくない」、「毎日がぜんぜん楽しくない」と言っていたんですよね。それで、地元の子どもたちが楽しくすごせる場所をつくりたいと思って、大学卒業後に地元に帰り、中学校で働きながら、自分の教室を週2日運営していました。
運営していた教室「美山子ども基地 とう」の様子
その教室では、やってみたいことを一人で取り組んだり、仲間と一緒にやったりして過ごしていました。楽しく過ごすことを一番大切にしつつ、自分のやってみたいことで何か学んだり挑戦ができたらなお良しと思っていたので、探究学習やPBLの分野には興味がありました。
その後、お世話になっていた方から「『食』を入り口に子どもたちが育つ放課後の場を作りたいから手伝ってほしい。」と誘っていただいたタイミングで中学校から離れました。
でも、いよいよ4月には事業を立ち上げる段階になって、代表の方から「当初の経営計画を変更する必要が生まれた」という話があって、提示されていた条件もけっこう変わってしまって、当初は1年間の予定だったんですけど、さすがに厳しい。けれど誘ってくれた縁や恩もあったので、半年間だけ立ち上げのお手伝いをしました。
その後は、「子どもたちがオンラインで“好きなことから学ぶ、探究的な環境”を提供している」オンラインフリースクールの運営をしていたスタートアップの会社に就職したのですが、そこも1年半ぐらいで経営状況が変わり、後にすることになりました。
ちょうどそのタイミングで、COLEYOの採用のnote記事が出たんです。元々COLEYOのことは知っていて、私が働く際の軸にしていた、『子どもたちがやってみたいから学ぶ場』を理念面でもビジネス面でも両立して運営していて、これまでいろんな現場や会社を見てきた中でも、「ここなら学べるものも多そう!しかもゆくゆく社内独立して自分のやりたい教室を持てる!」と思い、入社を決めました。
「まずやってみる」で始まるプロジェクト
──入社後、田中さんがCOLEYOで働いてみて感じたことを教えてください。
入社して実感したのは、「まずやってみる」の風土が徹底していること。
もちろん、それがCOLEYOやstudioあおの根本的な信念というか、大事にしていることなのは入社前からわかっていたんですけど、子どもに対してでも社員の動き方でもそれは共通していて、ぼくが美山の教室でやりたいと思っていたことがこの規模でも実現できるんだな、って。
ある意味では想像通りでしたけど、同じ意味で想像以上でした。
子どもとのかかわりという側面では、充分に時間がある“探究を強みにしている学校”とかと違って、1時間半を週に2回、月12時間しかない中で子どもたちがどんどんプロジェクトを進めていく必要があるんですよね。
その子が成長するためにできることを、こっちも一緒に考えていける。だから効率を求めながらも気づけたり学べたりしながら、想いは一直線!みたいなところがあります。
言い方は難しいんですけど、探究学習の教室って、寄り道を積極的に肯定しているような部分があったり、ゴールや目標に寛容だったりすることが多い印象なんですけど、studioあおでは「さっさとプロジェクトにしてみよう!」ってすぐに目標とプロセスを一緒に考えていく。そこにお互い本気だから、テツさん(代表)も普通に子どもとケンカする(笑)
同時に100プロジェクト以上が進行するプ活の教室です。それがビジネスとして成り立っていること、そして寛容な雰囲気なのにプロジェクトには真剣なところにグッと来ました。
子どもたちの「原体験」をつくる
──印象に残っていることを教えてください。
一番印象に残っているのは、COLEYOとして毎年恒例になっているサマーキャンプの統括を任せてもらったことですね。今年(2025年)は全部で4つ開催したんですけど、それぞれ子ども30~50人程度が参加するキャンプの企画や運営を担当しました。
そこでも「まずは自分が思う最高のキャンプをつくろう」と思えましたし、それこそ美山で育った経験をフル活用して(笑)。子どもたちと一緒に生きた鶏を捌いたり、マムシを食べたり、3kmの川下りをしたり……。
子どもたちにとって「今年の夏の思い出」だけじゃなくて、大人になって振り返ったときにも「あのときのキャンプは」って、思い出してもらえる原体験のようなものにしたいと考えていました。
企画していく際は、細かいチェックや反対意見はなくて、自分たちのチーム内でどんどんつくっていきました。会社として押さえてほしいと言われたのは「子どもが主役であること」と「命の危険の徹底回避」の2つだけ。テツさんに企画の詳細を伝えたのはキャンプ数日前でした。「むっちゃおもしろそうやん!」ってだけ言ってました(笑)
もちろん上手くいった部分もそうじゃなかったところもあったんですけど、それこそ「まずやってみる」で任せてもらえて、カバーが必要なところは助けてくれる。それは大きかったですね。
夏のキャンプで子どもたちと美山へ。「冒険」をコンセプトに、いつもの自分の範囲を飛び出る体験をたくさんつくりました。
自分のブランドで戦えるように
──これからの野望はありますか?
この9月からstudioあおの教室長になって、また新しいことが見えるようになってきました。考えることは増えたし、マネジメントの難しさも感じています。
ただ、ぼくがやりたいことは、あくまでも美山の教室と変わらなくて、子どもたちの原体験になり得る経験、彼らが自己実現できる範囲を広げていきたいんですよね。
できない理由は挙げればキリがないし、やろうと思えばできる環境はある。学校の勉強だけが学びだと思っているのはもったいないし、自然から学べるものもある。「できない」と思っていたことだって、「まずやってみる」と意外にできることもあるわけです。
もちろん、そのためには一定の不安とかリスクはありつつ、「できる」とわかってることをやるよりも、それにワクワクする子どもが増えてほしいし、そのために新米教室長として考えて動いていきたいと考えています。
特に最近ではstudioあおが移転したことで、これまでは「内部が見えにくい秘密基地みたいな場所」だったところから、むしろ全面ガラス張りで外からも見えやすい環境になったので、もっと地域の人たちも巻き込みながら子どもたちの成長にかかわっていきたい。
将来的には、COLEYOのみんなと美山に新しい教室をつくりたい。経験を持ち帰って、自分で考えた新たなコンセプトで、ロマンと算盤が両立する教室をつくっていきたい、と考えています。