2020年に新卒でBEENOSへ入社し、アプリケーションエンジニア、さらにはマネジメントとしての実績を積んできた長谷川さん。順風満帆に見えるキャリアの中で目にしたのは、プロダクトのさらなる進化を阻む組織課題でした。「自分たちの手でインフラからサービスを変える」そう直談判し、知識ゼロの状態からインフラチームの立ち上げを試みました。未経験の壁を乗り越え、いかにして全社に影響を与える成果を叩き出したのか。挑戦を恐れないエンジニアのリアルな舞台裏を語っていただきました。
目的はただ一つ「サービスや組織の成長」。未経験から「インフラ組織」の立ち上げに挑む
―今回、tensoのエンジニア組織内に新しくインフラチームを立ち上げたそうですが、そのきっかけは何だったのでしょうか?
一言で言うと、「サービスを本気で良くしていくために、インフラをブラックボックスにしたくなかったから」です。
当時のエンジニア組織体制は、BEENOSグループ全体のインフラ専門チームが、グループ内の様々なサービスのインフラ基盤を一手に引き受ける構造になっていました。私たちBuyeeの開発側でインフラ対応が必要になった際は、その専門チームに依頼して対応してもらうフローが確立されていました。一見すると役割分担されて効率的に見えますが、開発エンジニア視点では「インフラ内部で何が起きているのか追えない」という状態を生んでいました。
Buyeeの開発組織が大きくなるにつれて開発とインフラの間に壁ができ、知見が分断されてしまう。これではプロダクトの成長スピードや柔軟な改善に限界がきます。「本当の意味でサービスを成長させるには、自分たちのチームにもインフラの知識を取り入れ、自分たちの手で運用・最適化していく必要がある」と強く感じるようになりました。
また、当時はグループ全体の専門チームが一手にインフラを担っていたため、リソースの集中を分散し、より各事業のスピード感に合わせた柔軟な体制を作る必要性を感じていました。「自分たちのプロダクトは自分たちで責任を持って最適化していくことが、組織全体のさらなる成長につながる」という思いも、立ち上げを後押しした大きな理由です。
―そこから長谷川さんが立ち上げメンバーに抜擢された経緯を教えてください。
実は抜擢というよりも、私自身が当時の上長に「チーム内にインフラ組織を作った方が絶対に良くなるので、自分にやらせてください!」と直談判したのがきっかけです。
私はBEENOSに入社してからの6年間、アプリケーションエンジニアとして歩んできました。そのうち3分の2ほどはマネジメント業務に携わっており、コードを書くだけでなく「どうすればチームやサービスがより良くなるか」を考える機会が多かったです。
当時からAWSに触れる機会が多く、個人的に勉強も続けていました。実際に開発を担当しつつ、中規模システムのTerraformでの構築や、別システムでのSAMを使ったIaC管理など、インフラ構築まで一貫して手を動かしてきた経験があります。そうして知識と自信がついてきたタイミングで、当時のインフラ専門チームからも「長谷川なら任せられるのでは」と背中を押してもらえるような空気があり、チーム立ち上げへと動きました。
最初は「まずは試しにやってみよう」というスモールスタートでした。その後、中途採用でジョインしたメンバーと2人で本格的に組織を作り上げていきました。2名から始まったプロジェクトでしたが、業務の巻き取りを進める中でしっかりと存在価値を証明でき、現在では業務委託の方も含めて5〜6名規模のチームへと成長しています。
「一番下手くそでいよう」のマインドで乗り越えたキャッチアップ
―「インフラ知識ゼロからの挑戦」とお伺いしましたが、アサインされた当初の率直な心境はいかがでしたか?
「やるしかない!」という覚悟と同時に、想像以上の壁にぶつかりましたね。元々インフラに興味があったとはいえ、正真正銘「インフラエンジニア1年目」です。新卒で入社し、アプリケーションエンジニアやマネジメントとして、それなりにやってきたという感覚はありました。だからこそ、いざ未経験のインフラ現場に立つと、自分の知識不足や対応能力の低さに直面し、落ち込む日々が続きました。理想の自分と現実の実力とのギャップが一番辛かったです。
―その壁をどのようにして乗り越えていったのでしょうか?
乗り越えるために徹底したのが、「テクノロジーの積極活用」と「プライドを捨てたマインドの転換」です。
1つ目のテクノロジー活用に関しては、特にAIを猛烈に活用しました。未知の概念やエラーに直面した際、AIを壁打ち相手にすることで、概要の把握や仮説検証のスピードを劇的に上げることができました。また、グループ大本のインフラチームのプロフェッショナルなメンバーにもどんどん壁打ちに行き、専門知識を積極的に吸収していきました。
2つ目のマインド面で自分を支えてくれたのが、名著「情熱プログラマー」に出てくる「常に一番下手くそでいよう」という言葉です。「エンジニア歴6年」という過去の実績や変なプライドは全て捨てました。「自分はこのチームで一番技術がない。だからこそ、周りの優秀なエンジニアからすべてを学び取るんだ」と開き直ったんです。分からないことを素直に認め、貪欲に質問し、打席に立ち続ける。このマインドセットに切り替えたことで、キャッチアップの速度が飛躍的に上がったと感じています。
世界中からのアクセスを制御し、大規模なインフラコスト最適化に貢献!
―今回の立ち上げにより、「全社的なインフラ工数の捻出・最適化に寄与した」と社内でも非常に高い評価を得ていますが、具体的な成果やエピソードを教えてください。
BEENOSが手掛ける「Buyee」などのグローバルECプラットフォームは、日々世界中から怒涛のトラフィックが押し寄せてきます。しかし、世界中から集まるトラフィックの中身を詳細に分析していくと、純粋なお客様のアクセス以外にも、自動プログラムによる機械的なリクエストや過剰なクローラーなど、予期せぬ負荷要因となるトラフィックが相当数含まれていることが分かりました。
一時期、そうした非正規のアクセスが急増し、システムに大きな負荷がかかっていました。通常であれば「アクセスが増えたからサーバーのスペックを上げよう、数を増やそう」とインフラを拡張して耐えるアプローチを取りがちですが、それではコストが膨れ上がる一方です。そこで私たちのチームが介入し、アクセスログを徹底的に解析。インフラ側で適切なフィルタリングやアクセス制御の仕組みを構築しました。
その結果、無駄なサーバー負荷を劇的に抑えることができ、インフラ運用コストの大幅な削減を達成することができました。
単にシステムを安定稼働させるだけでなく、インフラの力で直接的に会社の利益や経営インパクトを生み出すことができたのは、大きな自信になりましたね。
スケールが大きいからこそ面白い。「自分で考えて、自分で決めて、自分で育てる」カルチャー
―世界中のユーザーが利用するBEENOSならではの、インフラ運用の難しさや面白さを教えてください。
「スケールの大きさと、そこから生まれるレバレッジの圧倒的な大きさ」ですね。
私たちが扱うインフラは、AWSをはじめとするクラウド基盤からグローバルなネットワークの構築まで非常に多岐にわたります。BEENOSが展開する「Buyee」は、世界200以上の国や地域から常時アクセスが押し寄せる巨大なプラットフォームです。そのため、たったひとつの設定ミスやパラメータの調整漏れが、世界中の何万人・何十万人というユーザーの体験を一瞬で損なってしまうリスクを孕んでいます。24時間365日、常にこの緊迫感と隣り合わせで基盤に向き合う責任の重さは、グローバルプロダクトを支えるインフラエンジニアならではの難しさだと感じます。
一方で、そのプレッシャーの裏返しとして、「自分の一工夫やアイデアが、世界中のユーザー体験や巨大なビジネスインパクトへ直結する」という唯一無二の面白さがあります。
インフラは決して「システムを動かし続けるための裏方」ではありません。技術的なアプローチひとつで、何十万人の使いやすさを劇的に向上させたり、会社全体にインパクトを与えるほどのコスト捻出を実現できたりする。この「手応えの大きさ」と「レバレッジの効きやすさ」こそが、BEENOSでインフラに向き合う一番の醍醐味だと感じています。
―BEENOSの開発環境において、特に若手が成長できると感じるポイントはどこでしょうか?
BEENOSには、「自分で考えて、自分で決めて、自分で育てる」というエンジニア文化が根付いています。
指示された作業をこなすだけの「運用のためのインフラエンジニア」ではなく、「どうすれば事業やサービスが良くなるか」を自分で考え、自らアーキテクチャを設計し、本番環境にデプロイして、その後の運用まで責任を持つ。年次や経験に関係なく、手を挙げた人に「裁量」と「打席」が与えられます。
私自身、インフラ未経験の状態からスタートし、このスケールの基盤を動かす打席に立つことができています。新卒や若手であっても、やりたいという情熱があれば、どこよりも早く成長できる環境がここにはあります。
―今後、インフラチームとしてどのような可能性を拡げていく予定ですか?
今回の立ち上げによって、開発チーム内にインフラの知見が溜まり、よりスピーディーで柔軟なサービス開発ができる土台が整いました。
今後は、単なるコスト削減やトラブル対応にとどまらず、最新のクラウドネイティブ技術やAI技術をインフラ運用にさらに取り入れ、開発とインフラの境界がなくなり、両者が一体となって価値提供に向かえる状態を目指しています。「インフラチームが開発を支える」のではなく、開発とインフラが混ざり合った一つのチームとして、BEENOS全体の開発スピードを何倍にも加速させていきたいです。
―最後に、これからBEENOSへの入社を検討している新卒や、若手エンジニアに向けてメッセージをお願いします!
BEENOSでは、今後さらにエンジニア組織を拡大していく予定です。求めるのは、最初から完璧な技術を持っている人だけではありません。
- 世界規模のサービスを裏側から支えてみたい
- 若いうちから大きな裁量を持って、打席に立ちたい
- アプリだけでなく、インフラやネットワークまで見渡せる強いエンジニアになりたい
そんな「挑戦したい」「影響力のある仕事がしたい」という熱量を持った若手の挑戦を、心から歓迎します。
必要なのは、分からないことに飛び込む飛び込みの良さと、自らキャッチアップしていく情熱です。
BEENOSには、あなたの挑戦を全力で受け止め、サポートしてくれる最高の仲間と環境が揃っています。世界中のユーザーを相手に、ワクワクするようなエンジニアリングに一緒に挑戦しましょう!皆様のエントリーをお待ちしています!
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