── なぜアライドアーキテクツは「二層・三層支援」まで踏み込むのか
アライドアーキテクツ株式会社 取締役社長 村岡弥真人
マーケティング施策のKPIを、毎週追い続ける。とにかく打ち手を増やして、広告費を投下しながらPDCAを積み上げる。やることは増え、打ち手も増やしているのに、ブランドが伸びている感覚がない——そういう手詰まり感を、クライアントから何度も聞いてきた。アライドアーキテクツが展開する「二層・三層支援」は、その先に進むための仕組みだ。なぜ実行(一層)だけでは足りないのか。二層・三層に踏み込んだクライアントは、何が変わるのか。三層モデルを推進する理由について、語っていく。
目次
まず、「三層支援」とは何か
VOCという宝の山と、マーケットの変化が噛み合った
二層に入ると、クライアントの「主語」が変わる
コンサルとも代理店とも違う理由
「やりたくてもできなかった会社」と、一緒に成長できる場所
まず、「三層支援」とは何か
── アライドアーキテクツが「一気通貫で担う」という三層支援、それぞれの層で何をしているのですか?
三層支援の起点は、前回の記事(※1)でも少し触れましたが、創業以来蓄積してきた約5,000万件のVOC(生活者の声)データ。AIによる解析が可能になったことで、このデータを「宝の持ち腐れ」から「戦略の源泉」へと転換できるようになりました。この転換期にクライアントの事業成長を本当の意味で支えるために、実行(一層)・戦略(二層)・経営(三層)の3つのレイヤーをアライドアーキテクツが一気通貫で担おうとしている——それがこのモデルの核心です。一層から始まり、信頼を積み重ねながら二層・三層へと関係を深めていくのが基本の流れです。
- 一層(マーケティング実行レイヤー) 広告運用・コンテンツ制作・SNS運用・UGC活用など、マーケティング施策全般の実行支援。クライアントとの接点をつくる入口となる層。
- 二層(マーケティング戦略レイヤー) 生活者の声(VOC)データの分析を軸に、コミュニケーション戦略を設計する。訴求開発・ブランドポジショニング・クリエイティブ戦略など、CMO(Chief Marketing Officer / 最高マーケティング責任者)的な役割を担う層。
- 三層(経営・事業戦略レイヤー) VOCデータや市場調査をもとに経営課題の解決まで踏み込む。事業戦略・組織整備・競合分析など、企業が自社で成果を再現できる仕組みをシステムとして構築する層。
VOCという宝の山と、マーケットの変化が噛み合った
── 一層の実行支援だけを続けていると、何が起きるのですか?
一言で言うと、「詰まる」んです。クライアント側も、僕ら支援会社側も。CPA、CVR、インプレッション数——施策の結果だけがKPIになると、その数字を守るために手数を打ち続ける状態になる。新しい施策にチャレンジする余力が生まれづらくなり、アイデアが出てこない。これ、クライアントだけの問題じゃなくて、支援する側にも同じことが起きているんです。
── そもそも、三層支援という発想はどこから来たのですか?「今できるようになった」理由は何ですか?
大きく二つの変化が重なりました。一つは、大量のVOCデータをAIで解析できるようになったことです。今まで一流マーケターの頭の中にしかなかった「コミュニケーション戦略の方向性」を、創業から蓄積してきた5,000万件の生活者の声を解析することが可能になったことで、ある程度の品質で出せるようになったんです。
もう一つは、マーケット環境の変化です。広告費を積んでも選ばれない時代になってきた。AIが情報を集める時も、公式情報は一部で、大半がレビューや口コミのような市場で語られている情報から取っていると言われています。「顧客に語られている」がブランドの持続的成長の条件になってきているんです。
成功している企業の経営者は、ほぼ例外なくユーザーの声に向き合い続けているんですよね。VOCへの理解が深ければ深いほど、選ばれ続けるブランドになれる——その確信がずっとありました。VOCという宝の山と、マーケットがますます顧客起点に向かっていく流れが、今がっちりとはまったのが、三層支援の由来です。
二層に入ると、クライアントの「主語」が変わる
── 二層まで一緒に入ると、クライアント側に何が起きるのですか?
語る「主語」が変わります。一層のミーティングの主語は「施策」です。「このキャンペーンのCPAが……」「先週のCVRが……」。でも二層に入ると、評価の言葉が変わってくる。「ブランドの真の価値は」「顧客のインサイトは——そういう言葉になっていくんです。
視野が上がって広がる感覚ですね。施策の数字じゃなく、顧客や生活者が主語になるんです。視野が上がると本質的に何をすればいいか整理ができてくるので、その結果、チャレンジする余力が生まれて、PDCAを回す打席数が増えていく。そこからブランドの中長期的な成長につながる判断ができるようになる。
── VOCを使った分析で、クライアントはどんな反応をされますか?
二つあって、どちらも価値があります。「思っていた通りだった」という裏付けと、「全然違った」という衝撃です。
「思っていた通り」の場合、感覚や経験が事実で裏付けられた状態になる。そこから「じゃあこの顧客層をさらに深掘りしよう」「類似の顧客群はどこにいる?」という横展開に踏み出せる。「全然違った」場合は、大手のクライアントほど衝撃が大きい。広告代理店が提案してきたコミュニケーションプランと、生活者の実際の声が全然一致していなかった、みたいなことが普通に起きています。でも、これが戦略の再構築の起点になるんです。どちらも、「感覚を事実で解釈できるようになった」という変化なんです。
── 実際の事例を聞かせてもらえますか?
当社のクライアントにキューサイ(※2)様がいらっしゃいます。最初は一層のUGC活用支援から始まった関係でした。ご支援をさせていただくなかで、定例会で、「このレビューがCV貢献しています」「こういう訴求に変えてみてはどうか」という話を毎回していたんです。当時はシステムじゃなく、二層支援的なことをずっとやっていたんです。
それが積み重なって、先方から「このケイパビリティを使ってシステムを作りませんか?」と言っていただいたんです。一層で信頼を積み、二層で価値を証明した結果、三層へのドアが開いた。この流れが、三層支援モデルの理想形です。押しつけじゃなく、一緒に成果を出す中で自然に関係が深まっていくんです。
コンサルとも代理店とも違う理由
── 戦略まで担う会社はコンサルにも代理店にもあります。アライドアーキテクツは何が違うのですか?
コンサルとの一番の違いは、目指すゴールが真逆だということです。コンサルって、クライアントが自走を支援するというよりは、自分たちとどこまで一緒にやれるかというビジネスモデルなので、「再現性ある組織を作ったら、私たちはいらなくなります」とは言えない構造になっていると思うんです。
僕らはその逆です。クライアントが自社でシステムを回せるようになることをゴールにしている。内製化して、再現性を持った組織になること——それが達成できたら、支援としては成功です。
広告代理店との違いは、もっと構造的です。広告代理店は広告を売ることが仕事の前提にあるから、「広告より他に投資すべき」とは原理的に言えない。僕らはマーケット調査・広告の制作・システム開発という形でシームレスにクライアントと関わるので、経営リソースをどこに使うべきかを、一緒に考えられるんです。
── 調査会社やシステム会社との違いは何ですか?
マーケターとしてのバックボーンです。調査をやるためだけに調査をやる会社は、出てきたデータを見ても「で、これをどうマーケプランに生かすんだっけ」という分断が起きる。全体をマーケティングとして一周させる思考が難しいから、ポンポンポンと切れてしまう。
以前、大量の調査資料を見せてもらったことがあります。でも「20代・30代・40代の女性が多く、普段の情報はInstagramから」みたいな話しか書いていない。いや、誰でも知ってますよそんなこと、って。本当に大切なのは、もっと細かいきっかけとか、なぜ選んでいないかの行動変容のほうで——でも調査会社はそこが設計できない。なぜなら、マーケティングを実際にやってきていないから。
僕らは20年間、現場でマーケティングをやってきているので、「実用可能なアウトプット」に向けて調査を逆算設計できる。マーケット調査・広告制作・システム開発という3つのケイパビリティを同時に持っているのは、僕らだけだと思っています。これは構造的な違いです。
「やりたくてもできなかった会社」と、一緒に成長できる場所
── この仕事の醍醐味と、一緒に働きたい人物像を教えてください。
企業の事業成長を、上から下まで全部一緒に見届けられる。それがこの仕事の醍醐味だと思っています。
経営者と事業の方向性を議論することもあれば、生活者の生の声を分析することもある。AIを使って仮説を立てる日もあれば、クリエイティブそのものを考える日もある。そして最後は、実際の施策として実行するところまで携わる。——そのすべてを、一人が経験できるんです。
私たちは、一般的なコンサルティング会社とは違う立ち位置にいます。戦略の上流だけで終わるのではない。広告代理店のように、広告表現の実行だけを担うのでもない。事業会社のように、自社の中だけで完結するのでもない。戦略を描くところから、実行、そして組織にシステムとして根付かせるところまで。工程を区切らず、最初から最後まで伴走する。それが私たちの立ち位置だと思っています。
お客様を理解したくない会社なんてないですし、どの会社もマーケットを把握したい。でも今まではそれが難しかった。僕らはその手段を持てるようになったんです。だから今まで、例えば「顧客データはあるのに、意思決定にまで活かしきれていなかった」というような、「やりたいのにできなかった」会社をご支援させていただいて、本来あるべき事業戦略が描けるようになってきたと思います。
あるべき姿を追求する青臭さを持って、これからもっと顧客理解を通してブランド成長していきたいという企業様と一緒に試行錯誤していく——そういう仕事に意味を見出せる人にとって、すごくいい環境だと思います。企業成長の現場に最初から最後まで立ち会いたい人に出会えることを楽しみにしています。
(※1)【社長インタビュー】「マーケティング支援会社」から「マーケティングAX企業」へ
https://www.wantedly.com/companies/AlliedArchitects/post_articles/1065797
(※2)【キューサイ × アライドアーキテクツ対談】 60年企業が直面した事業成長の壁。キューサイがVOCデータ起点で見つけた突破口とは?
https://smmlab.jp/article/qsai-interview/
【プロフィール】
村岡 弥真人(むらおか やまと)
アライドアーキテクツ株式会社 取締役社長
アライドアーキテクツ株式会社を創業。デジタルマーケティング支援の最前線でクライアントに伴走し続け、国内最大級となるVOC・UGCデータ(5,000万件超)を蓄積。「マーケティングAX企業」への変革を推進しながら、実行から経営まで一気通貫で支援する「三層支援モデル」を展開。「プロモーション・マーケティングを正しい形にする」を経営の軸に掲げる。